伊坂幸太郎のレビュー一覧
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「陽気なギャング」シリーズの第2弾。4人組のギャングが見事に銀行強盗を成功させる。しかし、今回はそれだけでは終わらない。またも予測不可能なストーリーが展開する。
前作同様に軽やかな会話とテンポが魅力的、そして知的で小粋で贅沢な軽快サスペンス、それなのに極上のエンタメ小説!
タイトル通りにギャング4人それぞれの日常生活を描きながら、4人それぞれに事件が発生する。別々のストーリーで進んでいくのかと思いきや、そうではないのが絶妙な面白さ。
社長令嬢誘拐事件が、4人それぞれのストーリーとうまくリンクしていき、やはり最後は伊坂幸太郎お得意の伏線回収で見事に決めてくれた。 -
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ネタバレ"難しさ"が一切ないから一気に読める、エンターテインメントな作品です。
今どき珍しく、登場人物一覧なんかあったりして、どうしたの、と思いながら読んでたけど、読み進めると、なるほどな!と思わず声が漏れるほどの構成でした。私もテロ解決後のその後、"彼ら"の「その後」が気になっていました。しっかりかゆいところに手が届く書きっぷり、読者を置いてかない秀逸さ、さすがです。
面白かったなあ〜。あっちの世界とこっちの世界行ったり来たり、で結局、小説の世界なのか、現実の世界なのか、真相わからないままなのに、なんかわからないけど続いていくんだね。続編が出たらまた読みたいで -
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ネタバレケタ外れの恐妻家で
凄腕の殺し屋、兜が主人公。
いつも妻の機嫌にビクビクしていて
大事な息子にも呆れられるほど。
その様子がなんともおかしくて愛らしい。
家庭が大事なのでなんとか裏稼業から抜けたいのになかなかできず、
でも依頼はスマートに着々とこなしてしまう。
そんな兜のことが大好きだと思って読んでいたら
あっさりビルから飛んだ。
あまりにショックで悲しくて
続きを読むのに一晩寝かせてしまったほど。
なんで飛んだの?
その理由がわかる後半
妻と息子の心の傷の深さに感涙
一矢報いるラストに感動。
そして妻との出会いのエピソード。
殺し屋シリーズでほっこりすることがあるなんて。。
「マリア -
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伊坂幸太郎の殺し屋シリーズ第3弾。
第3弾ということは当然のごとく第1弾と第2弾が存在する…が、自分はこの第3弾の『AX』から読み始めた。前情報からシリーズだけど直接的な繋がりがないこと、好みに合うかどうかわからん作品だったこと、そしてシリーズ中で最も高評価というのが理由だ。
完全に心をわしづかみにされた、おもろい!
家族を持った一流の殺し屋が足を洗うために裏稼業を続ける。終始陰鬱な展開で進むのかと思いきや、ホッコリするようなエピソードや、相変わらずの軽快な会話が随所に散りばめられていて飽きさせない。妻の顔色を伺いながらオタオタするかと思えば、仕事では一分の隙も見せずに冷静にこなす。謎解 -
「夜の国のクーパー」
伊坂幸太郎がまさか「吾輩は猫である」でくるとは思わなかった。語り手は人の言葉がわかる猫のトム。
舞台は毒塗りの防壁が巡らされた小さな国。鉄国が侵入して来て、国王の冠人が射殺され、国が支配される。
トムは生まれて初めて馬という動物と銃という武器を目の当たりにする。
そんな占領された国の様子をトムは「私」に語りかける。
仙台の公務員の「私」は妻に浮気をされ、趣味の釣りに逃避して海に出たら時化に遭い、気付いたら見知らぬ場所で横たわっていたのだ。
恐らく伊坂幸太郎の愛読者なら、彼のデビュー作「オーデュボンの祈り」を思い出すだろう。
人間の言葉を喋る案山子が存在する異世界を舞台にしたファンタジーを