伊坂幸太郎のレビュー一覧
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再読。張り巡らされた伏線が温かくて感動的であり、そのストーリーの巧みさに改めて引き込まれました。
一見無関係に見える複数の短編が、時系列を超えて静かに、そして確実に関わり合っていく構成がこの物語の最大の魅力です。
街頭アンケートから始まる佐藤と紗季の出会い、ボクサー小野学の恋、高校時代のいじめっ子との再会。それぞれの日常で起きた小さな出来事が、実は全て繋がっていたという伏線回収の連鎖は、まるで精巧なドミノ倒しのようで、読者に大きな感動と驚きを与えてくれます。
特に笑えたのが「誰の娘か知ってますか?」のストーリーです。いじめっ子に対する報復として、攻撃的ではなく、「やめておいた方がいい -
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読書備忘録952号。
★★★★★。
チルドレンからの家裁調査官シリーズ!
(シリーズ続いていないから寂しい)
陣内、武藤のテッパンコンビによるコミカルな伊坂ワールド。
彼らが直面するのは少年事件。裁くのではなく再生を目指す。
一方で少年事件の被害者としては、再生なんて要らん!裁け!償え!という、ある意味、普通の感覚。これは難しすぎるテーマ。
粗筋備忘はそぐわない作品。
ストーリー骨子備忘禄で。
チルドレンから更に時間は過ぎて。
再び武藤くんは少年事件担当に。
武藤くんは結婚して、二人の子持ち。
更に後輩にオモロイ女子、木更津安奈が参戦!
そして、チルドレンからの盲目の永瀬と優子が非常 -
Posted by ブクログ
目に見える拷問的な暴力と「そういうことになっている」システム的な見えない力。いろいろな「力」と意表を突く展開に恐怖し憤り踊らされ···清々しい脱力感!芯の強い女性、読者に委ねる正義や良心の解釈、遊び心とユーモア、伊坂さん大凝縮の大長編!
単行本の分厚さにビビって上下巻にわかれた文庫なら読めそう、という謎の理由で(あと旅のお供に)今回文庫版を選びましたが、文庫版あとがきによると「文庫化にあたり、大きな変更」がされてるそう。そんなこと言われたら気になるじゃないですか!
時間を置いて単行本も読むべきです、絶対。笑
”人はいつだって、得意なやり方で、世の中とぶつかっていくほかない。そして、得意なや