伊坂幸太郎のレビュー一覧
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グラスホッパーに続く伊坂幸太郎殺し屋シリーズ。映画化されることを狙ったというだけあって、頭からハリウッド的にストーリーが急展開するといえばいいのか、その狙い通りにブラッドピット主演で映画化されたとは大したものだ。
しかし殺し屋たちは手際良く仕事が出来ずにいろいろ混乱する。これでいいのか檸檬と蜜柑。腹立つ中学生も全くなんだ。ついてないやつを見守るスラップコメディーか。作者の思惑にまんまと嵌められて新幹線の進行と共にストーリーを追いかける。新幹線に追われる感じすらある。結局は人は死ぬけどそれほど酷い話でもないと思わせてしまうとは罪な作家だ。終わりのオチもまあちょっと洒落がある。
出張の途中では読み -
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久しぶり、10数年ぶりに読む伊坂作品。。中学生のときめちゃくちゃ読んでたのに、本を読む習慣がなくなり、ブランクが空いてしまった。これから過去作も追っていこうと思えた、こういう雰囲気が好きなんだったなと懐かしい感覚。
本著はフェスのために毎年1編ずつ書かれたものをまとめたという経緯がある少し特殊な作品。登場人物が多くなくて助かる。"ナノ"世界と"こっち"の世界が、互いに関わることはないが不思議に交わっていく。こういう辻褄が合って妙に気持ちよくなるストーリー性が伊坂さんの小説だよなあ、とここでも懐かしくなる。
門倉課長のエピソードだったり、松嶋くんの物語 -
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ネタバレ2007年くらいにグラスホッパーを読んだきり、
時を経てなんとなくマリアビートルを買った。
木村→果物→七尾と展開が始まるわけですが、
冒頭から木村が出てきてこれが主人公(?)と思いきや、ここで提示していたのは完全巨悪の王子の存在、そのあと七尾のコミカルさを認識して初めてこっちが主役かと気付く。
王子に関しては一から十まで不快さを覚えさせてくれた。
特に暴発拳銃や檸檬の合言葉など、前半で仕掛けた伏線を王子が全て、見事にかわしてしまう、読者からみれば不快で仕方がない。
「思惑が外れて苛立ちを感じる読者を王子というキャラクターが嘲笑っている」という意味合いもあるんだろうか。そうだとしたらうまい -
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春が2階から落ちてきた。
冒頭と締めを担うこの一文がしめす意味をはじめ、読前と読後で春の印象が二転三転もした。
どこかで春が放火魔なのだろうと読み進めていったが、主人公もまた形は違えど同じ結末を望んでいたことに驚いた。主人公の1番近い存在である春の君の悪さの描写がよかった。
重力に逆らう存在であるピエロ。
重力は作中にも出てくる少年法などの法、性を表し、それに逆らうピエロは春を表す。最終的には主人公もそこに加担し、奇妙であり愛情深い家族像ができた。
また、文中様々な作品の冒頭がでてくる。それらの引用によって登場人物の会話が進んでいくところに文章の綺麗さがあった。
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ネタバレ春が二階から落ちてきた。
本書はこの1文にサンドイッチされている。さすがは伊坂幸太郎、洒脱なセンスだ。
さて、この「重力ピエロ」という話は、語り手である「私」だけの物語ではない、と自分は思う。
この物語の主人公にはあと2人「春」と「父」がいる。あくまで本書は、三者の視点の中の一つの「私」の視点に限定されている。それはなぜなのかは、本書は一応ミステリー小説であるから、説明するまでもないだろう。
重力。それは誰もが知る概念である。
そんな当たり前に、唯一逆らう存在。
それはサーカスで、空中ブランコに平然と飛び乗るなどの凄技を披露し、観客を夢中にさせ、挙句の果てには重力の存在などといったものを忘れ