伊坂幸太郎のレビュー一覧
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この作品はそれぞれ別々の媒体で別々の時期に書かれた物語を少し加筆してゆるく繋げたものだったという風に解説で説明されていました。
連作短編集は大好きなジャンルなのですが、このゆるい繋がりを想像の余地があって面白いと思うよりは、もう少しバシッと謎や人物が回収される方が好みではありました。
ただ、それぞれの作品を単体でみたときの完成度はその分めちゃくちゃ高かったです!
『僕の舟』は別の短編集で読んだ時も好きになったし、『相談役の話』はゾワっとして見事でした。『合コンの話』もラストに拍手でしたし。
書き出してみると、繋がりの薄かった作品たちに意外と惹かれたことが自分でも驚きました。
やはり繋がるとした -
Posted by ブクログ
「本当に深刻なことは陽気に伝えるべきなんだよ。重いものを背負いながらタップを踏むように」
すごく良い。ストーリーももちろんだが、言い回し、言葉のチョイス一つ一つが、一度手を止めて何度も味わいたくなる。
ー彼女は、不要なカードを場に捨てるような言い方をした。
とか
ー還暦を過ぎた人間は、ジャンプとは無縁だと決めつけていた。
とか。なんだろう、200m走の途中でツバメが横切るような(上手くないな)
ストーリーはハートウォーミング。強力なミステリや謎解きではない。それを求めてないし、求めるべきでもない。「伊坂幸太郎の小説を味わう」という喜びを満喫できる。たぶん。 -
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装丁の美しさと伊坂幸太郎/著に惹かれ、手に取った。
特殊な能力を持つ三瑚嬢(さんごじょう)蝶八傀(ちょうはっかい)五十九彦(ごじゅくひこ)の三人。
大停電と感染症と大地震が世界中の「世の終わり」を引き起こしかけている。その暴走を引き起こしたと思われる人工知能『天軸(てんじく)』を開発した〈先生〉を探す旅を始める。
アダムとイブの『楽園』やら『山椒魚』やら、
もちろん風刺も散りばめられている。
「AIではなくてNI?」
「人間の大好きなもの?何だよそれ」「ほら」三瑚嬢は答えた。「物語(ストーリー)だよ」
97頁でストーリーを完結させる素晴らしさ!いつもながらお見事です!
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Posted by ブクログ
ネタバレ伊坂幸太郎の『オーデュボンの祈り』を読み終えて、不思議な浮遊感に包まれた。現実と幻想の境目が曖昧で、読み進めるほどに自分も荻島に足を踏み入れているような感覚になる物語だった。
もし自分がこの島に来て、桜のような存在が当たり前に暮らしていたら、安心するどころか怖くなって外に出られなくなると思う。狭い島という閉ざされた空間だからこそ、異質な存在はより強く浮かび上がり、逃げ場のない不安を生むのだと感じた。
作中で語られる「この島には音楽が欠けている」という言葉には強く納得した。音楽は時間の流れや感情の起伏を実感させるものだ。もし自分が荻島にいて音楽を聴いたとしたら、そこで初めて「時が刻まれている -
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ネタバレ伊坂幸太郎さんのラッシュライフです。
以下の5人の人間の群像劇です。
話は入り組んでいて最初なにがなんだかわかりませんが、一読後立ち返ってみて、時系列を整理して読み直すととても面白いです。
黒澤は、泥棒を仕事としている人物です。
河原崎は、神に憧れる学生です。
京子は、不倫相手との結婚を目論んでいる女性です。
豊田は、会社をリストラされ、就職先がなかなか見つからない男性です。
志奈子は、拝金主義の画商である戸田に引き抜かれた若き女性画家です。
1日目
河原崎は喫茶店で「尋ね人」のチラシの裏に絵を描きます。そこで塚本と会い、「高橋」の話や「神の解体」について聞きます。白人女性から日本語を書 -
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とても面白かった!
皆さんが伊坂幸太郎さんを好きな理由が
良く分かりました
登場人物のそれぞれにしっかりした
性格や心情、思考方法があり
愛すべき者や憎めない者、はっきりと嫌な者が
良いテンポで良く練られたストーリーを
ドタンバタンと飽きさせる事なく
結末まで大忙しです(笑)
新幹線が舞台というのも面白く
停車駅に着くまで降りる事が出来ず
先頭から最後尾までは一本道なので
逃げる隠れるも一般客もいるので
戦うも大変、知恵と運が必要
伊坂幸太郎さんは登場人物に容赦がないので
どこで誰がどうなるか分からずその点でも
ハラハラしましたね(笑)
日本にこんなに殺し屋がいるか?
とか思う軽妙なセ