伊坂幸太郎のレビュー一覧
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伊坂幸太郎さんの『オーデュボンの祈り』
デビュー作です。とても不思議な小説です。
主人公は伊藤です。彼は元システムエンジニアで、コンビニ強盗をして捕まりました。彼を捕まえたのは、中学時代の同級生で今は警察官の城山でした。パトカーで連行される途中、偶然にも事故が起こり、その隙に伊藤は逃げることができました。しかし、そこから先の記憶がありませんでした。
意識を取り戻すと、彼は見知らぬ島である萩島にいました。この島は、長い間外界との交流を断っていると言われています。轟という島で唯一島内外を行き来する男に出会い、彼が伊藤をこの荻島に連れてきたのです。
荻島にはこの百五十年間、島外からの人間が来た -
Posted by ブクログ
クールでどこか奇妙な死神・千葉の物語の第二弾。
前作『死神の精度』は連作短編集という形だったが、今作はがっつりの長編。
小学生の娘・菜摘を殺された山野辺遼と美樹夫妻は、
犯人である本城への復讐心に燃えていた。
そんな二人の前に現れた謎の男・千葉。
彼は遼の死を判定するために訪れた死神だった。
行動を共にする千葉と夫婦が駆け巡る想像を絶する七日間。
設定が重い。山野辺夫婦の体験した出来事が辛すぎて
読んでいて心が抉られる。が、そこに颯爽と現れる千葉。
この存在がとても大きかった。何でかわからないがホッとできるのである。
むしろホッとできる度合いは前作よりも濃度が濃い。
だが前作のようなどこ -
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ネコジゴハンター!!
伊坂作品には欠かせない、軽妙な悪党コンビ!
主役ではないが、この手のキャラがでてくる作品にハズレなし!!
さらに主人公のちょっとした特殊能力も万能とは程遠いのが、物語をいい塩梅に仕立て上げてる!
物語としては、ちょっとした特殊能力をもつ主人公の壇先生(学校の先生)が、いつのまにやらテロリストを止める羽目になっている話。
作中のテロリスト達の動機はわかるが、何故そうするかに疑問をもっていたが、伊坂先生の巧妙な話運びにすっかり、夢中になり、全然謎解きに気づけなかった。
「さよならジャバウォック」でも感じだが、物語に入り込みすぎて、謎解きというか、推理とかしてる暇もないぐ -
Posted by ブクログ
非常に「ちょうどよい」エンターテイメント小説であった。
この、伊坂氏の現代版おとぎ話とでも言うべき小説の何がちょうどよいかと言えば、その「爽快さ」である。
いつぞやのニュースや、どこか最近見かけたような「悪」がいる。それらと対峙する分かりやすい「正義」が悪戦苦闘する。現実世の中がそう単純なものではなく、「悪」は跳梁跋扈するばかりであるが、小説の中で繰り広げられる、悪く言えば単純な、良く言えば、そうあって欲しい理想的なエンターテイメントが繰り広げられ、日常で溜まった脳や心の澱が流されていくような気持がする。
その中にあって、「悪」に対する復讐を試みる「悪」が登場し、我々の心の水面に石を投じ