伊坂幸太郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
伊坂幸太郎さんの作品はどれも、どこか「男の子の目線」が残っている感じがある。世界を斜めから見ていて、少しひねくれているけど、根っこは案外まっすぐ。理屈っぽい会話や軽妙なやり取りも、放課後の教室で延々と続くおしゃべりみたいな温度がある。
大人の側が持ち出す正しさや決めつけに対して、子どもたちが静かに疑問を返していく。そのやり取りが説教くさくならないのは、物語全体が「分かったつもりになるなよ」という男の子の視線で貫かれているからだと思う。伊坂幸太郎特有の、あのどこか浮世離れした軽快な文体。
日常に潜む違和感を鋭く突く書き味が、相変わらず心地よい。
大人になってもふと思い出す、あの甘酸っぱい懐か -
Posted by ブクログ
タイトルに騙された!SFじゃないのか、、、
いや、デストピアものの近未来的なSFだった。
舞台は、平和警察という公安と特高を混ぜて、そこから倫理観や道徳観を差し引いた様な組織が跋扈する世界。彼らにかかれば、どんな無実な人間も危険人物にされてしまう。そして、あるのは処刑という未来のみ。そんな世界で唯一の対抗するツナギのヒーローと平和警察の攻防を描いた話。
いやー、これは伊坂作品のなかでも異色じゃない?
いつものユーモラスな感じは身を潜め、漂う暗鬱な空気感。平和警察に睨まれたら本当に終わってしまうという恐怖感が、もし自分や周りの人がそうなってしまったらどうしようと怯えながら読む事ができた。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ今回は長編、たった1週間の話なのに、意外にぶ厚い…
冒頭は辛い事件のせいか、読むのがしんどく、千葉が出てくるまでは、なかなか進まなかった。
ただ前回未消化だった部分もあったので、放り出さず読み進んだ。
千葉が登場すると、お馴染みのボケのようで、なんだか笑ってしまう。
まるでコメディの冒頭シーンを見ているようだ。
山野辺夫妻は復讐心に燃え、煮え繰り返っているのに、ただ仕事をしているだけと言う千葉に、ぼんやりと癒されていったと思う。
山野辺夫妻は元が善人なのだろう、全く復讐には向いていなく、千葉がいなければ、全ての罠に引っかかり、まんまと返り討ちにあっていただろう。
それにしても、千葉が参勤交代に