伊坂幸太郎のレビュー一覧
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ネタバレ個性豊かな登場人物、未来が分かるカカシ、鎖国の孤島。現実的にはあり得ない、ファンタジーな世界線だけど、沼にハマってしまった。面白かった。
前半は確かに、この島の紹介、人との出会いが単調に描かれていたから少しつまらなかったけど、後半に進むにつれて、ドンドン解き明かされていく謎にワクワクして一気に読み終わってしまった。
カカシが死んでしまった理由を知った時は、あぁ、なるほどなぁと思った。
島に欠けているものは何かというのが「音楽」だったのは、納得できなくもないけど、少し拍子抜け?
でも、この孤島が待っていた島の外の人間が曽根川でもなく、伊東でもなく伊東の元カノ・静香というのは、何だか、いい -
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ネタバレ強烈なキャラクターを持った登場人物、そして喋るカカシ、独自の発展を遂げた孤島。その中でも、この作品では悪人である警察官の城山の狂気が特に際立っていて、主人公の伊藤もコンビニ強盗をしたどちらかといえば悪人寄りの人間ではあるのだが、なぜか島の謎を解いていく正義よりの人間として描かれているように見える。
作品途中、リョコウバトの絶滅について語られる箇所があるが、「誰もが気が付かないうちに、すべてがその流れに巻き込まれていく」、「人間ってのは失わないと、この大きさに気が付かない」、「失ったものは二度と戻らない」など、この流れに終止符を打ちたかったカカシの思いには考えるものがある。
また、サスペンスでの -
Posted by ブクログ
ネタバレ物語の内容としては、非常に理解しやすかった。
登場人物もそれ程、多くなくて初心者向け?
何より章題が多い。ページを開いてビックリ。
自分はワクワクしながら読み進めることができた。
内容や展開にいいね!というわけではなく、登場人物たちの、特に、家族愛、兄弟間での信頼、絆などに感動した。
「俺たち兄弟は最強じゃないか、兄貴」
春が兄へ向かって言ったセリフ
「お前は俺に似て、嘘が下手だ」
父が春に向けて言ったセリフ
血が繋がっていなくとも、遺伝子が同じじゃなくとも、きっとこの3人は、いや、母も含めて4人は、本当の家族なんだろうなぁ、と最強の家族だなぁと感じた。 -
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ネタバレ蜂退治のシーンでは、まるで宇宙にでも行くかのように着込んでいた。
敵は蜂
プロの殺し屋が命がけで挑んでいるのだから、笑わずにはいられない。
蜂にすら全力投球なのだから、そりゃ人間相手にも手を抜かないだろう。
兜という男は、仕事では冷静沈着、家庭では右往左往。
殺し屋としての顔は「カッコいい」の一言なのに、家では「情けない」という言葉が似合う。
そのギャップが笑えるけど、笑ったあとに少し切なくもなる。
なにせ、その情けなさが妻には伝わっていないのだから。
「フェアに生きる」という信念は、まるで口癖みたいに響いてくる。
世の中はフェアじゃない場面ばかりだけど、じゃあどうするか?
彼はそこで拗ね -
Posted by ブクログ
ネタバレ不運な殺し屋「天道虫」こと七尾は、真莉亜からの簡単な依頼で東京の超高級ホテル「ウィントンパレスホテル」にやって来る。
仕事は、女の子の誕生日プレゼントを父親に届けるだけのはず。
楽勝…と思いきや、七尾のバカみたいな不運体質が炸裂!
ホテルに着いた途端、吹き矢を使うヤバい殺し屋六人組に命を狙われ、脱出不可能な状況に追い込まれる。
そこに、超人的な記憶力を持つ謎の女性・紙屋結花が絡んできて、彼女の逃亡計画と七尾のトラブルが交錯。
ホテルは一瞬で戦場と化す。
裏で暗躍する黒幕、錯綜する思惑、伊坂節全開のユーモアと軽快な会話が炸裂しながら、伏線が次々回収されてジャックポット級の爽快感で締まる。
七尾