伊坂幸太郎のレビュー一覧
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ネタバレ妻を車の事故で亡くした「鈴木」、相手に語りかけて対象人物に自殺をさせる自殺屋の「鯨」、上司の指示で対象人物を殺害する「蝉」の3人の登場人物が、それぞれの視点で語り手を務めるストーリー展開。
鈴木の妻を轢いた殺し屋の息子が、ある日車に轢かれて死んでしまう場面から、3人それぞれのストーリーが続いていく。後半では3人が同じ場面で出くわす展開にハラハラドキドキした。
個性的な登場人物がとても好きで、槿(あさがお)ファミリーを装っていた家族4人の場面はホッコリさせられるところもあった。鈴木の亡くなった妻が話す「やるしかないじゃない」という言葉が要所に響いて良かった。伊坂幸太郎さんの独特の世界観が好きなの -
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ネタバレ登場人物への感情移入、小説への没入感(ハラハラ感)、ストーリーの内容どれも良かった。
こういう叙述トリック系の小説を読むのが好きで、この作品を読んだ時も、人物がはっきりした時におおお!と感嘆した記憶がある。しかも、読んでる途中でもしかしたら気付くことができたかもしれないとも思えてしまう。それくらいにヒントが散らばっていた。
動物虐待の3人組については流石にしつこ過ぎないか!と思ったし、動物虐待が飽きたから、次は人間行くかとはならんだろと、多少の無理感は感じられた。
だがこの小説で伝えたいところはここではないので、全くどうでも良いのだが、まあ感想なので。。
読みやすさ5
没入感4
感情移入4
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ネタバレ父親が4人?!
その設定だけでも興味深い。
個性豊かな4人の父親たちが
誰もが愛らしく見えてくる。
由紀夫のなんでもそつ無くこなすところや
達観した空気感も、父親たちの影響だねぇ。と
なんだかとても微笑ましい。
「鬱陶しい」と言う由紀夫からは
父親たちへの愛を感じるし
4人の父親たちの由紀夫への愛も
とてつもなく大きい。
母親が全然出てこないのが
むしろポイント高いかも。
あぁ
鱒二のお父さんもいいんだよなぁ。
まさにタイトル通り「オー!ファーザー」
家族の温かいお話しと
ちょっと有り得ない事件の伏線回収
楽しく読めましたり
多恵子はちょっと鬱陶しい(笑)
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ネタバレ世界は主人公が繋ぐリレーのようなもの
DAY1 河原崎が主人公の1日
河原崎が塚本と喫茶店で待ち合わせる
河原崎がスケッチブックに『力』と書く
河原崎が塚本に神の解体の誘いを持ち掛ける
塚本が行方不明者を解体
高橋がテレビで「私は生きている」と言う
河原崎が塚本を絞殺
DAY2 黒澤が主人公の1日
塚本の死体を運び出す塚本と黒澤が出会う
河原崎が塚本のくじを落として黒澤が拾う
黒澤がスケッチブックに『夜』と書く
黒澤が強盗の誘いを断る
黒澤が黒猫の死体に手をかざす
黒澤が船木のマンションから20万を盗む
河原崎が拳銃老夫婦と出会い、バラバラ死体を見られる
黒澤が拳銃老夫婦と出会い、20 -
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コンビニ強盗の後、知られていない萩島に着いた伊藤。
行動を共にする、犬に似た日比野。
反対のことしか言わない画家の園山。
銃で人を撃つ桜。
船で外に行ける轟。足の悪い田中。
郵便屋さんの草薙とその妻の百合さん。
そして、未来が見えるカカシの優午。優午がバラバラに殺され、犯人探しが。そして未来が見えるのになぜ?
サスペンスではあるもののそこに流れる時間や空気には一切の緊迫感はない。
そんな、伊坂幸太郎の、一筋の恐怖と、その後訪れる爽快感が好きです。
まるで丘の上にそよぐ春風のような。
舞台はいつも仙台ですね。
この島には欠けたものがある。 -
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面白かった。
ワンピースの如く伏線が貼られていて、退屈せずにすぐ読み終わることができた。
ナレーション形式で物語が進むものは初めて見て、最初の方は微妙なネタバレを含みながら進行していくのはどうなんだろうと思いながら、読み進めていった。しかし、後半になればなるほど貼られていた伏線が効いてきて物語が急速に進み、面白さが倍増した。今思えば、ナレーションが叙述トリックのキーにもなっていたように感じた。
色々な人物と時系列をあちこちするので、少し理解に時間がかかったとこもあった。
最後まで疑問に思っていたのは、題名であるホワイトラビットのホワイトはどこからきているのかである。物語に出てくるオリオン