伊坂幸太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ伊坂幸太郎さんの『火星に住むつもりかい』です。
伊坂さんの本のなかではそれほど有名ではなかったので期待しないで読んだらとても面白かったです。
仙台は政府の実験都市として「安全地区」に指定され、犯罪を未然に防ぐという名目で平和警察が導入されます。しかし実態は、市民同士が互いを監視し、密告された者が取り調べ施設に連行され、暴力的な尋問や公開処刑を受けるという恐怖政治でした。市民は疑われないために善人を演じ続ける生活を強いられています。
大学教授の金子が中心となり、平和警察に反抗するための「金子ゼミ」が結成されますが、これは平和警察の真壁が仕掛けた罠で、参加者たちは取り調べ施設に捕らえられ、過酷 -
Posted by ブクログ
伊坂幸太郎の物騒な話は大体ハズレなく面白い。
前半は平和警察の暴走ぶりやそこに属する各人の暴虐さが生々しく、正直胸糞悪いパターンの物語かと思っていた。登場人物は多かったが、それぞれキャラクターが立っていて、特に真壁は面白かった。ただ、こいつは実はこっち側で、などなどおそらく一回だけでは全ての伏線を理解できていない感じがあったので、何度か読み直したいところではある。
偽善や一面的な勧善懲悪を風刺しているとは分かっていつつも、平和警察の人間が死んでも因果応報と思ってしまったり、分かりやすく息子のために無謀な取引に応じる母に同情したりと気づいたら読者も本作の世界に片足を突っ込んでしまっているような体 -
Posted by ブクログ
ユーモアと切なさが同時に押し寄せる、殺し屋でありながら恐妻家の父の物語。
「相談のタイミングは機嫌次第」とか、「大げさに相槌を打つ」とか、「記憶のない話でもうまく合わせる」とか。
これは兜が妻に対してやっていることだけど、自分はこれを実母にやってるな…と妙に感情移入。笑
自分を少し演じることで関係がうまく回る瞬間って、わりと誰にでもある気がする。共感の連続で、思わず笑ってしまった。
前作までの「人がバタバタ死んでいく」テンポとは少し違い、今作は「家族」と向き合う物語。
大切な妻と息子がいるからこそ、「辞めたい」と願う兜の選択が重く刺さる。
「愛」と「死への不安」が静かに積み重なっていき、