伊坂幸太郎のレビュー一覧
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ネタバレ☆3.0
全体として大きな繋がりがあるわけではなく、インタビューからもコンセプトが決められている本として出したかったわけではない旨が述べられているため納得。
短編集のため、全てを一気に読みきれず記憶が曖昧となっている(特に逆ソクラテス)。小学生たちが多く登場しており、小学生ならではの突拍子もない考えや、考えうる小さな世界の中での背伸びが表現されていると思った。
逆ソクラテス
「僕はそうは思わない」が、やはり印象に残る。終わり方に面白さを求めるタイプではない。先生のような大人はまだまだ世の中にいるだろうな、と思うと同時に、自分も無意識になる可能性も十分にあるとも感じた。
スロウではない
割とわかりやすいどんでん返し。読みやすかった。幸せになる権利や、いじめいじめられについては考えるところがある。
非オプティマス
世間は狭い。自分自身でも実感する。虎の威を借る狐という慣用句を久々に思い出した。先生の心に区切りがついたようで嬉しかった。
アンスポーツマンライク
こちらもよくいるような指導者が登場していた。非現実味はあるが、いつまでも友達としての仲が続くような5人の関係性が微笑ましい。
逆ワシントン
最後のシーンが好き。アンスポーツマンライクの犯人?のような気もするが述べられていないため憶測の域を出ない。が、そうであればいいなと思う。 -
Posted by ブクログ
伊坂作品らしい文体や鮮やかなひねりはそのままに、小学生の日常の中に起こる葛藤や問題に、少しのひらめきと解決をもたらしていく物語が詰まった短編集。
足が速いほうがなんとなく偉い小学生あるあるから、スクールカースト、他愛ないつもりの嫌がらせ、皆同じ子どもなのに、すでに生まれつつある個人差が、まだ未発達な子どもを苦悩させる。それらを解決するのは、スーパーマンなどのヒーローではなくて、同級生や教師や親、その言葉などの身近なところにあったりする。その「普通」なライン上から問題が解決するので、どことなく安堵できるし、大丈夫、という安心感をもらえる。そういう意味で、子どもにも、もちろん大人にも薦めたい、素敵な短編集でした。
アンスポーツマンライク、が良いですね。そのあとに秘められた、ちょっとした奇跡も良い味でした。 -
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「青春もの」だから、著者の得意な伏線回収をして驚かせる仕掛けはないのかなと思っていたが、最後に「なるほどッ…!」と唸らされる仕掛けが仕組まれていて、さすが伊坂幸太郎だと思った。
西嶋のキャラが立っている。パンクな台詞が、まっすぐに刺さる。
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「たとえば、どこかの国が平和になるためには、別の国が我慢をしないといけない。みんなが平和になるなんて、ちょっと考えにくい」
「北村は頭がいい」と西嶋は言う。目つきは鋭い。「でも、それだけですよ」
確かに、生きていくのは、計算やチェックポイントの確認じゃなくて、悶えて、「分かんねえよ、どうなってんだよ」と髪の毛をくしゃくしゃやりながら、進んでいくことなのかもしれない。
「戦争賛成だったらいいんですか」
「まあ、そっちのほうがいろいろ、分かってる気はするよな」
「分かってるような大人なんて、最低じゃないですか」 -
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ネタバレよくある話だが当事者にとっては大問題。の、代表格な嫁姑問題。
セツの嫌味も受け手が違えば年長者の的確なアドバイスだったかも知れないし、そもそも相手が違えばセツも言わずに済ませた言葉だったかも知れない。
何故か温和なやり取りが出来ない相手というのは確実に存在する。他の人とはそれなりに構築できる会話が、この人だとどうもうまくいかない。あれ?私ってこんなに性格悪い人なんだっけ…???って違う違う、これは私の話だ。あまりにセツと宮子の空気感に覚えがあって途中から自分の話にスライドしてしまった(笑)
え?
って事は海と山なの?
なんて。それならどんなにいいか。
セツと宮子はそれでもバディとして最高だった。
海と山のどうしようもない関係にいい形で折り合いを付けた。
セツと宮子、どちらもかっこよかった。
完璧に見える宮子の仕事がセツの目線になると雑さも見えるのがまたいい。
そして後半、スピンモンスター。
もしかして…と思ってしまったがセツの訳がない。そりゃそうだ。
でもセツに似てきた宮子が居た。
90歳のお婆ちゃんになっても頼もしさは健在で、あぁきっとセツも晩年まで元気だったんだろうなと思う。
中尊寺敦と水戸直人、檜山景虎の長い数日間。警察からの逃走劇のようで戦う相手は人工知能で。未来の予言が当たりそうで怖い。
田舎はどこまでデジタル化されるのだろう。
都会のニュースではスマートメガネによる盗撮問題を取り上げている一方で、私の実家がある超山奥はスマホを持つ人が最近増えてきたという状況だ。suicaをかざさなくても駅の改札を通れるようになるニュースも見たが、実家の駅はまだsuicaの導入すらされていない。
都会と田舎の落差がどんどん進んだ未来は逆に田舎の強さが出てくるのだろうか。
伊坂幸太郎には珍しく伏線回収されてないフックがあるが、中編ではちょっと足りなかったのかも知れない。一冊丸々ページを費やせたらなぁ。
拳銃で撃たれた水戸直人がサービスエリアで子供を助けた英雄と同一人物と世の中に知れたら。
檜山景虎のルール厳守のアイデンティティをもっと崩せたら。
寺井の手紙が何故「中尊寺敦という名前じゃないかも」とあったのか。
色々想像が膨らむんだよなぁ。
それでもとにかく面白かった!
他も読みたくなる。
と言うより読む。
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Posted by ブクログ
会話がおしゃれでリズミカルでよくそう評されている理由がわかる。色んな作品からの引用があり、ぐえー教養ってやつだ。作中にさらっと混ぜられるのすごすぎる
途中までほーんという程度だったけども、だんだんと性加害への憤怒を感じられたし、話の展開もどこに着地するのか全然読めなくてぐいぐい読ませる。冷蔵庫の女という批判ももしかしたらあるかもしれないけれど、私はあまりそうは思わなかった。
重力を社会というものになぞらえているのがよかったし、複雑なものだけどいくら社会的な悪とされるものでも、それが自分の大事なものや人なら自分だけはそれを受け入れたい、というごく個人的なものを描いてるのが好きだった -
Posted by ブクログ
なんて言ったらいいんだろう。
だから人間は嫌いだとも言えるけど、だから人間は好きなんだとも言える。ただ、人間を最初からじすきるのはいかがなものか。全てを疑えとまでは言わないが、多少の違和感には気づける人間になりたい。
え?って声が出ちゃう、たった一文で280ページ以上も読んでから知る真実に驚きが隠せないしそこから全ての点と点が繋がる感じが気持ち悪いくらいに綺麗にできていた。
人間はどうしてこうもたまに頭のおかしい人ができあがってしまうのか。
二年前の話は悲しくて恐ろしく不気味なシーンも
それはとっても面白かった。
どうか、神様にバレませんようにって最後は私も願うしかなかったなあ。この世は滅茶苦茶だよ
始まりは少しワクワクしたけど、切ない結末すっきりはしないけど、え?そういうこと???って後半のページを捲る手は止まらない