伊坂幸太郎のレビュー一覧
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ネタバレ本作は、「先入観」という目に見えない枠組みに向き合う子どもたちの姿を通して、人が他者を理解していると思い込むことの不確かさを描いた作品である。学校という閉じた環境の中で、大人や周囲の評価、さらには同調圧力によって生まれる「決めつけ」の構造が示される一方、「僕はそうは思わない」という一言が、それらに対するシンプルでありながら本質的な異議として機能している点が印象的である。伊坂幸太郎の他作品に見られるような複雑な構成や群像的な展開と比べると、本作は比較的直線的で、テーマがはっきりと前に出ている。そのため、読みやすさを保ちながらも、読者のものの見方に問いを投げかける力を持っている。
また、作中で -
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非現実的な内容のはずなのに、現実を予感させる内容
4人の強盗は特殊能力を有しているが、その度合いが絶妙だと感じた。空を飛んだり、透明人間になったりする能力ではなく、五感を基盤とした拡張能力であるため、非現実的とは断定できない内容である。だからこそ、ワクワクする展開が続き最後まで楽しめた。
また、伊坂幸太郎の凄さを再確認させられた。伏線回収の秀逸さ、心残りを一切排除した完成度、全てにおいて素晴らしいと思った。最初の成瀬と久遠の会話がラストで回収される。綺麗な構成だと思った。
久遠のキャラクターが、物語のクッション的な役割を担っていた。人間よりも動物の命を大切にし、人間の腹黒さを嫌っている。強盗 -
Posted by ブクログ
ネタバレこの話は、春が葛城を殺すという運命を主軸に、それを取り巻く様々な偶然から成り立っているように見えた。
葛城の殺害が運命だと考えられるのは、物語終盤に春が、自身の生い立ちを聞かされてからずっと、葛城を殺すのだと予感していたことによる。
しかし本書が、単に因果応報を書いた話とは思えない。ちりばめられた過去のエピソード一つ一つは、伏線と呼ぶには弱いからである。
ただし偶然起きた過去の一つ一つ、その総体が、家族の絆を深め、兄弟を行動に駆り立てた「きっかけ」になったであろう。
偶然といえば、放火現場の頭文字が「放火」のスペルを途中まで表していたことも同様である。
本書に関しては、ここに大いなる意思だ -
Posted by ブクログ
ネタバレなんだこれー!面白すぎる。
読む手が止まらず、1日で読み終わってしまった!
なんというファンタジーミステリー。
冷たさだけじゃなく、人と人とのつながりの温かさもちゃんと描かれているのが良かった。
城山の最期は呆気なかったな〜。
ある意味、爽快でもあった。
最初は怖いなあと思っていた桜も、伊藤との会話や物語が進むにつれてどんどん好きになっていった。
園山さんの奥さんが生きていると分かった場面で、
「まいったな、ベッドは彼女が独り占めだ」
と、嬉しさと寂しさが混じった言い方をしたのが印象的で、、
そのシーンを読んで、草薙の百合ちゃんに対する向き合い方を思い出した。
荻島の男女は精神的に支え合っ