伊坂幸太郎のレビュー一覧
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【2025年144冊目】
まさか銀行強盗の人質になるとは思わなかった――友人である陣内に付き添って閉店間際の銀行にやってきた鴨居は、銀行員と言い争う友人を見ているうちに、銀行強盗に巻き込まれてしまう。緊迫した空気の中、陣内だけは嫌にマイペースでいて――、連作短編集。
「伊坂幸太郎、まずはコレ!」と帯にあり、「ほう、どれどれ、数々の伊坂作品を読んできた私がジャッジしてしんぜましょう」と思って読み始めたら、ええ、ええ、面白かったですこと!確かにまずはコレから読んでみて、と言いたくなる作品です。
伊坂作品には魅力的な登場人物が多数出てきますが、今作の陣内も相当イカれていて(でも常識人なところが -
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ネタバレ“春が二階から落ちてきた”
一度読むと忘れられない、とても印象的な書き出し。
読み進めると重いテーマのお話ですが、回想に出てくる家族とのエピソードや、お父さんの言葉は良かったです。
「おまえは俺に似て、嘘が下手だ」
この言葉には胸が詰まって泣きそうになりました。
うーん⋯賛否あると思うのですが、レイプ犯は春に殺され、兄の泉水が警察に出頭する必要はない、何も悪いことはしていないのだから、といったようなことを言う場面は少しモヤッとしました。
罪は罪だと言う春の言葉が正しいと私は思います。
ラッシュライフの黒澤さんが好きなキャラだったので、わりとたくさん登場シーンがあり嬉しくなりました。 -
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伊坂幸太郎さんの『オーデュボンの祈り』
デビュー作です。とても不思議な小説です。
主人公は伊藤です。彼は元システムエンジニアで、コンビニ強盗をして捕まりました。彼を捕まえたのは、中学時代の同級生で今は警察官の城山でした。パトカーで連行される途中、偶然にも事故が起こり、その隙に伊藤は逃げることができました。しかし、そこから先の記憶がありませんでした。
意識を取り戻すと、彼は見知らぬ島である萩島にいました。この島は、長い間外界との交流を断っていると言われています。轟という島で唯一島内外を行き来する男に出会い、彼が伊藤をこの荻島に連れてきたのです。
荻島にはこの百五十年間、島外からの人間が来た -
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クールでどこか奇妙な死神・千葉の物語の第二弾。
前作『死神の精度』は連作短編集という形だったが、今作はがっつりの長編。
小学生の娘・菜摘を殺された山野辺遼と美樹夫妻は、
犯人である本城への復讐心に燃えていた。
そんな二人の前に現れた謎の男・千葉。
彼は遼の死を判定するために訪れた死神だった。
行動を共にする千葉と夫婦が駆け巡る想像を絶する七日間。
設定が重い。山野辺夫婦の体験した出来事が辛すぎて
読んでいて心が抉られる。が、そこに颯爽と現れる千葉。
この存在がとても大きかった。何でかわからないがホッとできるのである。
むしろホッとできる度合いは前作よりも濃度が濃い。
だが前作のようなどこ -
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ネタバレ分厚い文庫本にちょっとヒヨったけど、5ページほど読んで、コレは読み切れるって確信した。ストーリーがわかりやすいし、読んでて映像が頭の中で鮮明に映像化されるからかな。
社会全体を巻き込む大事件の2〜3日の出来事を、本人・学生時代の元恋人・テレビのいち視聴者の三つの目線からストーリーを追う形。
家族はもちろん、学生時代の友人らが自分の事をよく理解してくれているのが大きな救い、逃げ切ることへの原動力になる。
・ショピングセンターで屯する若者を見て、自分も当時はただ楽しくてそうしていたことを回想するシーン
・放置車に戻った際に、自分の書いた手紙にそうだと思った、と記されていたシーン
・痴漢は死ね、と書 -
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ネコジゴハンター!!
伊坂作品には欠かせない、軽妙な悪党コンビ!
主役ではないが、この手のキャラがでてくる作品にハズレなし!!
さらに主人公のちょっとした特殊能力も万能とは程遠いのが、物語をいい塩梅に仕立て上げてる!
物語としては、ちょっとした特殊能力をもつ主人公の壇先生(学校の先生)が、いつのまにやらテロリストを止める羽目になっている話。
作中のテロリスト達の動機はわかるが、何故そうするかに疑問をもっていたが、伊坂先生の巧妙な話運びにすっかり、夢中になり、全然謎解きに気づけなかった。
「さよならジャバウォック」でも感じだが、物語に入り込みすぎて、謎解きというか、推理とかしてる暇もないぐ