伊坂幸太郎のレビュー一覧
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総括して、まず設定が面白い作品だった。
死神である千葉と人間とのやり取りだからこそ、人間から見た千葉はどこか変わった人物に見える。その独特なキャラクターが面白かった。伊坂さんらしいテンポの良い会話も心地よく、楽しく読み進められた。
千葉は対象者にすぐ「可」を出すのではなく、しっかりと向き合う。その過程で、ミステリーや恋愛、友情、思い出など、章ごとにさまざまな物語が描かれているのが良かった。また、一見それぞれ独立した話に見えて、章を読み進めるにつれてつながりを感じられるところも面白かった。
「死」をテーマにしながらも、どこか明るく読める作品だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ前2作は殺し屋達が如何に殺人を犯していくかのような、アクションにフォーカスされていた展開だったけど、今作は「兜」という人物にスポットライトが当たっていて、その人生の中に殺し屋という稼業が含まれているような物語で、テイストが違って面白かった。
何故こんなにも腕利きの殺し屋が最後に死を選んだのか、作中で語られる息子とのやり取りだけでなく最後に描写された妻との出逢いも重要なピースとなっていて、じんわりと胸があたたかく、そして苦しい気持ちになった。
自分も暗いタイプの人間なので、兜が奈野村に言った「"暗いというのは、単に、静かに日々を楽しむことができる、ということですよ"」という言葉が、自分に言われているような気持ちになって、この部分も大切にしたいと思える。ありがとう。 -
Posted by ブクログ
伊坂幸太郎さんらしい、持ち前の気持ちのいいテンポ感で進んでいく立てこもり事件。警察に取り囲まれ、そもそも脱出すること自体が不可能なのではないか。仮に脱出できたとしても、その後は大丈夫なのか??(ここはネタバレになるため書かない)と思いながら読み進めていた。しかし、最後には一見関係のないように散りばめられていた点と点が線となり、物語が完結する。星座みたい。
伊坂幸太郎さんの小説に登場する人物たちは、やっていることこそ破天荒で、世間一般の常識から見れば悪いことや、おかしなことをしている。しかし、一人ひとりに確固たる芯があり、なぜか憎めないキャラクターばかりである。そんな彼らの人柄に周囲の人々も影響され、協力したり、共感したりする。その関係性もまた、伊坂作品の魅力の一つだと感じる。
そして、『レ・ミゼラブル』をオマージュし、作者が読者に直接語りかけてくるような文章の書き方も面白かった。 -
Posted by ブクログ
アンソロジーって好きな作家さんとまだ未読の作家さんに出会えるから良いことづくし。
どの作品も共通する夏をテーマに青春やミステリー、SFだったり恋愛だったり夏に関連する物語が多様でグッと掴まれてしまう。
確かにこれから読書を始める入り口としては最高なプレゼントだ。
そして恩田陸さんは『六番目の小夜子』の前日譚だったり、町田そのこさんは『コンビニ兄弟』のスピンオフだったりと持ち作品に関連させてるだなんてオシャレすぎるしファンからしたらありがとうすぎる。
ちょうどお店に来てるお客さんが読んでいてつい声をかけてしまった。
ランダムに読んで楽しんでますって、なるほど良い楽しみ方だ。