伊坂幸太郎のレビュー一覧

  • 終末のフール

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    明日死ぬとしたら、生き方が変わるんですか?あなたの今の生き方は、どれくらい生きるつもりの生き方なんですか?
    胸に響いた一文。一日一日を大切にとよく言うけれど、日々の生活に忙しくて忘れがちになる。でも、明日命がなくなっても後悔しない、今幸せだと言える、そういう日々を送っていきたい、そう強く感じた。一つ一つの物語がおもしろかった。伊坂さんのほんのり温かくなる世界観も伝わる好きな作品だった。

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    2025年11月27日
  • チルドレン

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    【2025年144冊目】
    まさか銀行強盗の人質になるとは思わなかった――友人である陣内に付き添って閉店間際の銀行にやってきた鴨居は、銀行員と言い争う友人を見ているうちに、銀行強盗に巻き込まれてしまう。緊迫した空気の中、陣内だけは嫌にマイペースでいて――、連作短編集。

    「伊坂幸太郎、まずはコレ!」と帯にあり、「ほう、どれどれ、数々の伊坂作品を読んできた私がジャッジしてしんぜましょう」と思って読み始めたら、ええ、ええ、面白かったですこと!確かにまずはコレから読んでみて、と言いたくなる作品です。

    伊坂作品には魅力的な登場人物が多数出てきますが、今作の陣内も相当イカれていて(でも常識人なところが

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    2025年11月26日
  • オー!ファーザー

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    あり得ない設定なんだけど、笑ったりハラハラしたり納得できて、あっという間に読み進めました!
    私も4人のお父さんがいたらなぁと羨ましいです。

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    2025年11月26日
  • 逆ソクラテス

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    敵は、先入観。多感な時期の少年少女達が、様々な先入観に、それぞれの武器で立ち向かう5編の短編集。
    大人の今でもグッとくる話ばかりだが、学生時代に出会えたら更に人生違ったものになったかもと思える作品。
    繋がりも見事で、「これがあの子か」と読み返したくなる

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    2025年11月26日
  • ペッパーズ・ゴースト

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    ネコジゴハンター目線の物語と、先生目線の一見関係ない二つの物語が並行に進んでいき、ある時点で交わりだしたときに、ここは繋がっていたのかという爽快感と共に読み進めることができた。
    話が重すぎるわけでもないが、自分だったらどう行動するのかと考えさせてくれる楽しさもあり、久々に伊坂幸太郎を読んだがこんなに読みやすかったっけと驚いた一冊だった。
    自分が納得できる生き方と死に方を。

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    2025年11月26日
  • 重力ピエロ

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    ネタバレ

    “春が二階から落ちてきた”
    一度読むと忘れられない、とても印象的な書き出し。
    読み進めると重いテーマのお話ですが、回想に出てくる家族とのエピソードや、お父さんの言葉は良かったです。
    「おまえは俺に似て、嘘が下手だ」
    この言葉には胸が詰まって泣きそうになりました。

    うーん⋯賛否あると思うのですが、レイプ犯は春に殺され、兄の泉水が警察に出頭する必要はない、何も悪いことはしていないのだから、といったようなことを言う場面は少しモヤッとしました。
    罪は罪だと言う春の言葉が正しいと私は思います。

    ラッシュライフの黒澤さんが好きなキャラだったので、わりとたくさん登場シーンがあり嬉しくなりました。

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    2025年11月25日
  • 777 トリプルセブン

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    ネタバレ

    架空の国の架空の建物であちら(裏)の世界の人達がすごく絡み合って、架空のチーズケーキが登場する面白い話だった。

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    2025年11月24日
  • 陽気なギャングの日常と襲撃

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    前作がひとつの銀行強盗を軸にして物語を引っぱっていたのに対し、本作は登場人物それぞれに焦点を当てた四つの短編と、それらが収束するひとつの事件で構成されている。それぞれの短編が後半の大きな流れへと自然に噛み合っていき、「こう絡むのか」という発見が随所にある。構成の巧さは相変わらずで、軽快な文体に支えられてテンポ良く読める。重い作品の後に読んだこともあり、シリーズ特有の会話劇や空気感をより楽しめた。

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    2025年11月24日
  • 777 トリプルセブン

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    運の悪い天道虫だけど今回は自分の些細なミスからどんどん他の殺し屋に巻き込まれていく…。殺し屋の話だけどどこかポップで読みやすい。登場人物が多々出てくるけど覚えやすくて、割といい人も多い。不運だったり嫌な過去って忘れられる方が良いなと思った。

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    2025年11月24日
  • オーデュボンの祈り

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    伊坂幸太郎さんの『オーデュボンの祈り』
    デビュー作です。とても不思議な小説です。

    主人公は伊藤です。彼は元システムエンジニアで、コンビニ強盗をして捕まりました。彼を捕まえたのは、中学時代の同級生で今は警察官の城山でした。パトカーで連行される途中、偶然にも事故が起こり、その隙に伊藤は逃げることができました。しかし、そこから先の記憶がありませんでした。

    意識を取り戻すと、彼は見知らぬ島である萩島にいました。この島は、長い間外界との交流を断っていると言われています。轟という島で唯一島内外を行き来する男に出会い、彼が伊藤をこの荻島に連れてきたのです。

    荻島にはこの百五十年間、島外からの人間が来た

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    2025年11月23日
  • クジラアタマの王様(新潮文庫)

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    過去の旅先でも火事で遭遇していた3人。同じ場所に居合わせ、同じ夢をみるよーに。夢の世界での戦いに負けると現実でもトラブル発生。3人がチームになり夢の世界でも現実世界でもトラブルに挑んでいく。この夢は続くのか?アクションありのハラハラ、映画でもみたよーな感覚。

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    2025年11月23日
  • 終末のフール

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    小惑星が衝突して世界が滅亡する。死を目の前にした極限状態の中で、人はどう生きるのか。人はただ生きるだけだと、方向性を見失い、生きる意味がわからなくなる。でも、目の前の死を意識すると、過去を思い返し、今あるものに感謝し、その中でどう生きるかを考えるようになる。設定自体は現実的ではないが、人が追い込まれた時に共通する考え方であるように感じる。

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    2025年11月23日
  • 楽園の楽園

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    読み始めは、西遊記のパロディかと思う登場人物の3人の名前に、暢気な冒険譚と思った。だんだんと怪しい雰囲気になって来て、最後はびっくりの結末。
    短いし、読みやすい文なので、すぐ読み終えられる。
    淡々としながらも、人間と自然の関係を考えさせられる内容で、深いなーと思った。
    人間は理由を求めて、物語を作る。悲しみは悲しみとして、後悔は後悔として、切り離したほうがいい。印象的な言葉が心に残る。

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    2025年11月23日
  • 死神の浮力

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    クールでどこか奇妙な死神・千葉の物語の第二弾。
    前作『死神の精度』は連作短編集という形だったが、今作はがっつりの長編。

    小学生の娘・菜摘を殺された山野辺遼と美樹夫妻は、
    犯人である本城への復讐心に燃えていた。
    そんな二人の前に現れた謎の男・千葉。
    彼は遼の死を判定するために訪れた死神だった。
    行動を共にする千葉と夫婦が駆け巡る想像を絶する七日間。

    設定が重い。山野辺夫婦の体験した出来事が辛すぎて
    読んでいて心が抉られる。が、そこに颯爽と現れる千葉。
    この存在がとても大きかった。何でかわからないがホッとできるのである。
    むしろホッとできる度合いは前作よりも濃度が濃い。

    だが前作のようなどこ

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    2025年11月23日
  • サブマリン

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    少年犯罪、自動車事故という難しいテーマを扱った作品。シビアで重くなりがちな展開ですが、陣内さんという超クセ強、家庭調査官のお陰で上手く緩和してるかなと。この辺はさすが伊坂幸太郎さん。加害者と被害者、少年達に明日はあるのか希望を持って生きていくのか。罪を償った後は。なかなか難しい問題でけど、少しの希望があればいいなと思いました。それにしてもこの陣内キャラは過去作の死神の千葉や泥棒の黒澤みたいに好きかも。

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    2025年11月22日
  • フーガはユーガ

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    なんだこりゃって導入だったけれど、最後の方は夢中で読めた。
    湯船に浸かっていたが、ちっとも汗をかかない身体の冷えによる影響もあるかもしれない。
    アキレス腱が痛い。

    敵を楽勝で完膚なきまでに叩きのめす展開も気持ちいいが、
    こちらもしっかり取り返しのつかないダメージを負ってしまうところが良い。

    結局、元陸上部で活躍し、華やかでおそらく床上手なエロい嫁を得たワタボコリの一人勝ちか、
    とも思ったが、彼もそれなりに苦労しているようなのでトントンか。
    しんどい奴はそれぐらいは報われたっていい。

    陸上部モノにしよう。

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    2025年11月22日
  • ゴールデンスランバー(新潮文庫)

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    ネタバレ

    分厚い文庫本にちょっとヒヨったけど、5ページほど読んで、コレは読み切れるって確信した。ストーリーがわかりやすいし、読んでて映像が頭の中で鮮明に映像化されるからかな。
    社会全体を巻き込む大事件の2〜3日の出来事を、本人・学生時代の元恋人・テレビのいち視聴者の三つの目線からストーリーを追う形。
    家族はもちろん、学生時代の友人らが自分の事をよく理解してくれているのが大きな救い、逃げ切ることへの原動力になる。
    ・ショピングセンターで屯する若者を見て、自分も当時はただ楽しくてそうしていたことを回想するシーン
    ・放置車に戻った際に、自分の書いた手紙にそうだと思った、と記されていたシーン
    ・痴漢は死ね、と書

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    2025年11月22日
  • ペッパーズ・ゴースト

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    ネコジゴハンター!!
    伊坂作品には欠かせない、軽妙な悪党コンビ!
    主役ではないが、この手のキャラがでてくる作品にハズレなし!!
    さらに主人公のちょっとした特殊能力も万能とは程遠いのが、物語をいい塩梅に仕立て上げてる!

    物語としては、ちょっとした特殊能力をもつ主人公の壇先生(学校の先生)が、いつのまにやらテロリストを止める羽目になっている話。

    作中のテロリスト達の動機はわかるが、何故そうするかに疑問をもっていたが、伊坂先生の巧妙な話運びにすっかり、夢中になり、全然謎解きに気づけなかった。

    「さよならジャバウォック」でも感じだが、物語に入り込みすぎて、謎解きというか、推理とかしてる暇もないぐ

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    2025年11月21日
  • グラスホッパー

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    伊坂さんの作品て、会話であったり例え話が抜群のワードセンス。登場人物一人一人に命吹き込まれていて、読者1人1人に推しキャラいそうですね。

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    2025年11月21日
  • 777 トリプルセブン

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    ネタバレ

    伊坂幸太郎の殺し屋系の物語は面白い

    あまりにも好きなセリフがあったのでメモ
    p.90
    「お金はある程度以上になるともう、使い道がないよ。それが分かった」
    「早くその台詞を口にしたいな、と思って、練習しているんだけれど」
    →口にしてみたい、じゃなくて、練習している、なのが、単に期待するだけじゃない積極性を感じて面白い
    p.165
    「(略)俺を殴るか?メロスのように」
    「いや、誰のようにも殴らない」
    p.284
    「君は年に数回なのか。俺は数年に一回もないよ」
    「ワールドカップみたいね。盛り上がりそう」

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    2025年11月23日