伊坂幸太郎のレビュー一覧
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伊坂幸太郎デビュー25周年を締め括る長編ミステリー。
優しいと思っていた夫は、量子の妊娠・出産を経て暴言を吐くようになった。
息子のためそれに耐えて子育ての日々を送ってきた量子だったが、
ついに暴力を振るわれ、弾みで夫を殺してしまう。
もうすぐ息子が幼稚園から帰ってくるのに......と途方に暮れる彼女だったが、
その時大学時代の後輩の桂凍朗が尋ねてくる。
「問題が起きてますよね?自分が何とかします」と......。
いわゆるよくある設定の物語に思えるのだが、そこは伊坂幸太郎。
この後、全く予想もしていなかった展開が繰り広げられる。
脳に寄生すると言われるジャバウォックと呼ばれる寄生虫。 -
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ネタバレ白兎事件というその名前(?)だけを読者は聞かされ、ある立て籠り事件を中心に、警察、空き巣一味などのストーリーが進んでいく。何の変哲もない事件だが、読み進めていくとこちらが思っている事件の構造とは全く違っていた、ということに気づき、そこからはページが止まらなかった。文章も堅苦しくなく、立て籠り事件にしてはそれほど緊迫感も感じられないが、このようなトンチを効かせたストーリーには非常に合っていると後々になって感じた。白兎事件も、兎田というキーパーソンに関連しているだけでなく、因幡の白兎をモチーフにしていることが後々わかり、稲葉という登場人物もいるなど、読んでなるほどとなる仕掛けが沢山あり、サクッと読
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ネタバレ息子の渉に重傷を負わせた子供・王子に復讐するため、盛岡駅行きの新幹線に乗り込む木村。監禁から救出されたドラ息子と金の護送を依頼され、新幹線に乗り込む蜜柑と檸檬。金の入ったトランクを奪い途中駅で降りるよう命じられて新幹線に乗る七尾。新幹線というある意味密室の空間に居合わせる殺し屋たちのストーリーが交錯し、展開していく様は、長さを感じさせなかった。中学生でありながら木村をはじめとする大人を見下し、達観したようなことを言う王子に、読みながらフラストレーションが溜まりながらも、ハッとさせられる場面は何度もあった。「正しいとは何か」「なぜ戦争や虐殺は無くならないのか」「なぜ人を殺してはいけないのか」。悪
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教えてGrok。
『ジャバウォックって何?』
✾さよならジャバウォック
✾伊坂幸太郎
✾双葉社
本屋大賞2026 ノミネート
一番最初にしたこと。
それは『ジャバウォック』を調べること。
ジャバウォックはルイス・キャロルの鏡の国のアリス内の『ジャバウォックの詩』というナンセンス詩に出てくる架空の怪物のこと。
ふ~ん。そうなんだ。
そう思って携帯を置いて、読み出した。
読み始めに『うわぁ、素敵だな』って思える表現を見つけてから本の世界に入り込んだ。
そのキーワードは“スノードーム”。
文章を読むだけで脳内に鮮明に映像化される。
しかもその映像の美しさ。
ゆっくりもったりとした流動 -
Posted by ブクログ
伊坂幸太郎、最後の伏線回収は流れ石だよ!
破魔矢くんと絵馬ちゃんの関係が本当に伊坂幸太郎ぽくて好きだった。
『こっちにわざわざ来てもらっちゃってごめんね』の回想シーン(p.174)はほっこりした。しかもこれって、嫁姑の会話だったってことよね。余計にほっこり。奥さんに優しくしとる息子だと分かったとき、すごく幸せな気持ちになっただろうな。
時折哲学的な説明があって、難しくも、噛み砕いて説明してくれるから読みやすかった。そして哲学的な話が故に、考えさせられる。
他人と過去は変えられない。自分と未来は変えられる。
そうだよね。ヒトは残忍なことをしてきたし、しているけれど、これからは変えられる。