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Posted by ブクログ
上下巻まとめての感想
また時が経ったら読み返したい出会えて良かった一冊。
上巻は特に怒涛の展開で、あっという間に読んでしまった。途中、なかなか残虐なシーンがあり、そこは読むのが辛かった。井坂好太郎には笑いました。
心に残ったワードは「楽観とは、真の精神的勇気だ。」ほんとついつまらないことを心配して気を揉んでしまう性格なので、このワードを心に留めておきたい。
「文庫版あとがき」で文庫化にあたって改訂されていたことが書かれていました。機会があれば、改訂前も読んでみたい。
「魔王」を読んでなくても楽しめるけど、読んだ方がより一層面白い。そういえば、魔王では「死神の精度」の千葉さんが出てきたんですね。
同時期に書かれたという「ゴールデンスランバー」もぜひ読んでみたい。
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これまで読んだ伊坂幸太郎さんの作品の中で、最も大作で最も考えさせられる小説に感じた。
この内容を10数年前に描かれたことに予測能力の素晴らしさを感じる。
「システム」という主題については考えさせられたとともに、強く共感できる内容であり、今後の人生での考え方の一つとして参考になった。
主人公の奥さんの生き方は爽快で一途で強靭で、なってみたい人物だった。
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単行本は2010年に読んでいる。
小説は少し書き換えがある。
13年振りの再読で、かなり久しぶり。
そんな前の小説なのか?っていうほど、未来の設定だとは言え、現代に通じている。
伊坂幸太郎さんの小説を読むと、タイミングがよく合うので恐ろしく感じることもある。
最近、伊坂幸太郎さんの小説を再読し始めたのだけど、時代は繰り返しているのか、でも、未来を予言でもしてるかのように思えてしまう。
今回、たまたまこの小説を再読したけど、最近強く仕事で思っていたことが書かれている。
そういうことになっている…というシステム。
細分化されたことで、よからぬことに加担していても罪の意識が弱い、あるいは全くなくなる。
私はある会社のシステムを使っているけど、そこの会社は大きいので細分化され、末端がユーザーと直接やりとりすることになるので、変化を求めることができず、上に意見はあがらない。末端は話を聞いてるだけである。
たくさんの声が集まれば多少なりとも動く部分はあるが、ある部分は将来的にはシステムの大損失にも繋がるのに、変えようとしない。何かを守ってるように思える。
…と詳細を書かずモヤっとしたことしか書かないけど、そういうモノというのは身近にある。
細分化されていると、変化をもたらすのは難しい。
“そういうことになっている。”
どこからそうなったのかわからないけど、そういうこと。
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文庫化にあたり、ある事件の真相について変更があったそうだが、最初に出た方は読んでいない。人生は要約できない。削ぎ落とされたところが大事。物事なんて見る角度を変えれば、何が正しいのかなんて分かんなくなっちゃう。小説で世界なんて変えられねえ。届くかも。どこかの誰か、一人。名言がてんこ盛りで、心に響く。また、検索することで、自分がどういう人間か情報を与えてしまっているというのが、今のチャットGPTに通じるものがある気がした。
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SF、アクション、サスペンスと熱い要素てんこ盛りのうえ構造的な話や創作論まで入っていてめちゃくちゃ面白かった。「小説で世界なんて変えられねえ。ただ、1人くらいに、届くかもしれねえ。」なんてセリフを”胡散臭い小説家”井坂好太郎なるキャラクターが放つものだから、季節外れの炎天下ひとり昼休み中華屋の行列に並びながら読んでいたのにも関わらず泣いてしまった。いやーちょっと舐めてました。
「モダンタイムスを読みなさい、絶対。」
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魔王から続く、何十年後かの世界の話。
SEの主人公はとある仕事で怪しげなサイトを見つける。関わる人々がみなアクシデントに見舞われる、そのシステムの謎とは?
国家とはシステムであり、コロニーであり、誰かの大きな意図で動いてるものでらない。みなその部品なのだ。でも、みんな目の前のことくらいは変えられるかもしれない。そんな話。
浮気を許さない謎の妻、謎の小説家、拷問担当の髭男、などユニークな登場人物で重いテーマも軽快です。面白かった!
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読めば読むほど『そういうことだったのか!』と分かっていくのが爽快。いつもなんでも検索しちゃう人間としては、ほんとに怖い。あと、伊坂好太郎さんの言葉が全体的にとてもよかったです。笑
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単行本から大幅な改訂が行われていると聞き、どう変わったのか知りたくて文庫本を読んだ。
上巻も所々変わっていたところもあったが、特にこの下巻は大きく改訂されていた。
ただ国家というシステムに立ち向かうという大きなテーマ自体は変わっておらず、むしろそれが強調された様な印象を受けた。
新装版への解説の最後に、オマケとして文庫版と単行本の違いを簡単に紹介されていたので気になる人は読んでみるとよいかも。
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面白かったです。
会話の中に常に読者、主人公を試す内容が多く、私も考えながら読んでましたが、テーマは正直大きすぎて作品の中で答えは出せませんでした。ただ、その時間が楽しいです。
私なりに、国家はブラックボックス、これに尽きる話に感じました。テーマはもう少し大きいのですが、投げやりにもできないけどどうしようもない課題、でした。
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拷問シーンはかなりゾワゾワしたが、それでも そこまで感じさせないところがイイ。
なかなか主人公の超能力が出てこない。が、最終的には妻の佳代子が強かった。強い妻を持っていることが超能力かも。
作中にもあったように、現代社会においても大きな流れ=システムには逆らえず、笹舟のように流されて過ごしているが身近な小さい事くらいは自分の意思で変えていきたい。
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とんでもない場面はコミカルに、ところどころ熱く、たまに温かい。人生は要約できない。死んでもなおウザいのは井坂好太郎さん。伊坂幸太郎さんらしい作品で登場する人物たちに親近感ぎわく楽しさ。10年以上前(2007-2008)の本ですが現在に通じるところも素晴らしい。
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面白かったです。上下巻ですが、比較的短期に読み切りました。上の方が面白かったかな。伊坂幸太郎さんはやはり長編が良いです。「アイスピックは氷を刺すから、人を刺すならヒトピック、ニクピック、逆さにしたらピクニック」のくだりはいつか使いたいですね(笑)。「そういうものだ」ってとこも共感してしまいました。
Posted by ブクログ
私たちはシステムの一部で、すべてのことは「そうなっている」
大きな目的ではなく小さな目的のために動く
それしかできない
人生は要約できない
こうやってのんびり本を読んで感想を書いている今日も人生の大事な部分だね
惨いシーンも多いけど軽快に描かれていてなんとか読み切れた
読んで良かった
Posted by ブクログ
浮気を疑う妻が怖い。
でもそれこそが運命をともにする伴侶であり、目の前の守るべき存在。いや守られているのかも。
アリ自体は賢くない、コロニーが賢い。
システムのために、世界は勝手に回っていく。
大いなる力、システムの中では部品である我々はなんのためにその仕事を、その行為をしているのかわからない。悪意さえもそこからは消えていく。
恐ろしい現代風刺の物語であり、その中で我々はどう生きていくかを提示してくれる、愛すべき物語だった。
Posted by ブクログ
やっと50年前の出来事の結びつきが
真実なんて人の見方次第だよねーって
思ってたら、見事にちゃうんかーいって
やっぱり一気に読んじゃった。
妻の正体が知りたいわー
Posted by ブクログ
うーん、、社会の仕組みについて考えさせられた。
特に興味深いところ記録↓
国家は国民を守るためにあるのではなく、国家自体を存続させるためにある。国家を存続させるためには停滞が最も良くないから、定期的に犬養みたいな英雄、力を持つカリスマ的人間の登場が必要らしい。そんな人たちが料理の出汁をとる肉と喩えられてるのが印象的。それがないと料理はできないけど、料理が出来上がった頃にはもう中身すかすかで捨てられている、みたいな。犬養自身も「自分はシステムの一部に過ぎない」と言っていたことが分かって、魔王で出てきた時と印象が変わった。
どうしても気になるのは佳代子、何者?と佳代子、さすがに旦那にやりすぎでは、、?
Posted by ブクログ
やっと理解した。
結局何も変わらないということが良く分かった。
ただそれだけの話をこれだけ面白くするのはさすが伊坂さん。
「昔は良かった、とかよく言うけど、昔も良くはねえんだよ。いつだって、現代ってのは良くなくて、だからな、俺たちは自分の生きてるその時と向き合わないといけねえんだ。音楽も映画も、その時の自分たちの時代と立ち向かうために作られたものなんだよ」
Posted by ブクログ
システムエンジニア渡辺拓海が、妻・佳代子から浮気を疑われ、妻に雇われた髭の男に拷問を受けることとなる。そんな折に、あるプログラムの改修を失踪した同僚から引き継ぐ。そのプログラムには不可解な点がいくつかあり、特定のキーワードを検索すると身に不幸が訪れることに気づく。プログラムを中心に巻き起こる事件に翻弄されながらも、真相を追いかけていく物語。
とにかく長い、が率直な感想。そして物語の締め方に、え?これで終わり?と拍子抜けした。あるサイトのレビューには見事な伏線回収と書かれていたが、個人的にはぼんやりと煙に巻いて半ば強引に収束していったように感じられた。
ただ、ストーリーとは別のところで、上巻で井坂好太郎なる小説家が発した「人生は要約できない」というセリフに強く心を打たれた。その言葉に出会えただけでも一読の価値があったと思えた。