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Posted by ブクログ
目に見える拷問的な暴力と「そういうことになっている」システム的な見えない力。いろいろな「力」と意表を突く展開に恐怖し憤り踊らされ···清々しい脱力感!芯の強い女性、読者に委ねる正義や良心の解釈、遊び心とユーモア、伊坂さん大凝縮の大長編!
単行本の分厚さにビビって上下巻にわかれた文庫なら読めそう、という謎の理由で(あと旅のお供に)今回文庫版を選びましたが、文庫版あとがきによると「文庫化にあたり、大きな変更」がされてるそう。そんなこと言われたら気になるじゃないですか!
時間を置いて単行本も読むべきです、絶対。笑
”人はいつだって、得意なやり方で、世の中とぶつかっていくほかない。そして、得意なやり方はたいがい、一人にとって一つだ。”
”たとえ、自伝や年表に載るような大きな出来事が起きなくても、小さな行動や会話の一つ一つが、人生の大事な部分なんです”
Posted by ブクログ
印象に残っているワード
・人は大きな目的のために生きているわけではない、小さな目的のために生きてるんだ。
・情報が拡散されたこの社会で、どの情報が正しく、何が間違っているのかが、はっきりしない。ただ、少なくとも、妻と自分のささやかな場所と時間は損なわれないはず。
この情報社会で、人は、何が正しくて、何が間違っている、ということを、自分の関係のないことまで首を突っ込み、ジャッジしている。匿名であることを逆手に、SNSでの誹謗中傷も増えている。
仕事は細分化され、仕事だから、という理由で悪いことも平気でする人が世の中にはごまんといる。良心がない、と表現されていた。
一方で、日本の社会人は、病んでしまい、自殺をする人も多いと聞く(他国に比べると)。社会の歯車の一員でしかないんだから、そこまで思い悩むこともないかもしれない、代わりはいくらでもいる、つまりは仕事としてやっているので、そこまで悩まず、嫌ならやめれば良い、その人の心があるうちに。そういうことも示唆している気もした。
「そうなっている」社会の仕組みに、どう抗っていくか、面白かったけど、一方で考えさせられる小説だったと思う。
情報に振り回されず、正しいと思えるものを信じ、妻とのささやかな時間を大切にしていきたい。
Posted by ブクログ
上下巻まとめての感想
また時が経ったら読み返したい出会えて良かった一冊。
上巻は特に怒涛の展開で、あっという間に読んでしまった。途中、なかなか残虐なシーンがあり、そこは読むのが辛かった。井坂好太郎には笑いました。
心に残ったワードは「楽観とは、真の精神的勇気だ。」ほんとついつまらないことを心配して気を揉んでしまう性格なので、このワードを心に留めておきたい。
「文庫版あとがき」で文庫化にあたって改訂されていたことが書かれていました。機会があれば、改訂前も読んでみたい。
「魔王」を読んでなくても楽しめるけど、読んだ方がより一層面白い。そういえば、魔王では「死神の精度」の千葉さんが出てきたんですね。
同時期に書かれたという「ゴールデンスランバー」もぜひ読んでみたい。
Posted by ブクログ
今後サスペンス小説のおすすめを聞かれたら自信を持ってモダンタイムスと答えるだろう。
それくらい終始ハラハラドキドキの連続だった。
上下巻合わせて700ページ超という長編小説だったが退屈することなく最後まで読むことができた。
上巻で散りばめられた安藤商会や株式会社ゴッシユの正体、播磨崎中学校事件の真相や検索の仕組みなどありとあらゆる伏線がどんどんと回収されていき、読み進める手が止まらなかった。
中でもホテルで緒方と兎の男と対峙する場面がドキドキした。
もうダメかと思う度に超能力が解放したり思わぬ人物が助けに来たりと胸熱な展開に何度歓喜したことか。
SEとしてPC上のシステムを制作する渡辺達が社会のシステムに立ち向かうという設定はよく出来ていた。
大きすぎる何かに立ち向かおうとすると無力感に襲われることは自分にも経験があったので五反田や佳代子が目の前のシステムを破壊しようとしたように自分の手の届く範囲では全力で立ち向かえるようになりたい。
その点、自分は大きなシステムの1つだと自覚しながらも渡辺達を匿った永嶋は自分の手の届く範囲でできることを全力でやったと言えるだろう。
繰り返しにはなるが作中で何度も出てきた「そういうことになっているんだ」と手の届かない範囲は諦めつつも、手の届く範囲では永嶋のように全力で立ち向かいたい。
ラストのシーンではこれまでの不穏な空気が嘘のように拓海と佳代子がのどかな暮らしを送っていたのでほっこりした。
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