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5年前の惨事──播磨崎中学校銃乱射事件。 奇跡の英雄・永島丈は、いまや国会議員として権力を手中にしていた。 もうひとつの検索ワードを追う渡辺拓海は安藤潤也にたどり着くが、 事件との繋がりを見出せないまま、追い詰められていく。 大きなシステムに覆われた社会で渡辺は自身の生き方を選び取れるのか。
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Posted by ブクログ
目に見える拷問的な暴力と「そういうことになっている」システム的な見えない力。いろいろな「力」と意表を突く展開に恐怖し憤り踊らされ···清々しい脱力感!芯の強い女性、読者に委ねる正義や良心の解釈、遊び心とユーモア、伊坂さん大凝縮の大長編! 単行本の分厚さにビビって上下巻にわかれた文庫なら読めそう、と...続きを読むいう謎の理由で(あと旅のお供に)今回文庫版を選びましたが、文庫版あとがきによると「文庫化にあたり、大きな変更」がされてるそう。そんなこと言われたら気になるじゃないですか! 時間を置いて単行本も読むべきです、絶対。笑 ”人はいつだって、得意なやり方で、世の中とぶつかっていくほかない。そして、得意なやり方はたいがい、一人にとって一つだ。” ”たとえ、自伝や年表に載るような大きな出来事が起きなくても、小さな行動や会話の一つ一つが、人生の大事な部分なんです”
魔王、呼吸の続編。一気読みしてしまった。SEの描写がすごいリアル(私、同業)だと思ったら、伊坂幸太郎も元SEなのね。
『ゴールデンスランバー』と同時期に書かれたとのことで、両者の共通点と相違点を考えるのも楽しい。 物語の着地としては本作の方が好き
印象に残っているワード ・人は大きな目的のために生きているわけではない、小さな目的のために生きてるんだ。 ・情報が拡散されたこの社会で、どの情報が正しく、何が間違っているのかが、はっきりしない。ただ、少なくとも、妻と自分のささやかな場所と時間は損なわれないはず。 この情報社会で、人は、何が正しく...続きを読むて、何が間違っている、ということを、自分の関係のないことまで首を突っ込み、ジャッジしている。匿名であることを逆手に、SNSでの誹謗中傷も増えている。 仕事は細分化され、仕事だから、という理由で悪いことも平気でする人が世の中にはごまんといる。良心がない、と表現されていた。 一方で、日本の社会人は、病んでしまい、自殺をする人も多いと聞く(他国に比べると)。社会の歯車の一員でしかないんだから、そこまで思い悩むこともないかもしれない、代わりはいくらでもいる、つまりは仕事としてやっているので、そこまで悩まず、嫌ならやめれば良い、その人の心があるうちに。そういうことも示唆している気もした。 「そうなっている」社会の仕組みに、どう抗っていくか、面白かったけど、一方で考えさせられる小説だったと思う。 情報に振り回されず、正しいと思えるものを信じ、妻とのささやかな時間を大切にしていきたい。
上下巻まとめての感想 また時が経ったら読み返したい出会えて良かった一冊。 上巻は特に怒涛の展開で、あっという間に読んでしまった。途中、なかなか残虐なシーンがあり、そこは読むのが辛かった。井坂好太郎には笑いました。 心に残ったワードは「楽観とは、真の精神的勇気だ。」ほんとついつまらないことを心配して...続きを読む気を揉んでしまう性格なので、このワードを心に留めておきたい。 「文庫版あとがき」で文庫化にあたって改訂されていたことが書かれていました。機会があれば、改訂前も読んでみたい。 「魔王」を読んでなくても楽しめるけど、読んだ方がより一層面白い。そういえば、魔王では「死神の精度」の千葉さんが出てきたんですね。 同時期に書かれたという「ゴールデンスランバー」もぜひ読んでみたい。
これまで読んだ伊坂幸太郎さんの作品の中で、最も大作で最も考えさせられる小説に感じた。 この内容を10数年前に描かれたことに予測能力の素晴らしさを感じる。 「システム」という主題については考えさせられたとともに、強く共感できる内容であり、今後の人生での考え方の一つとして参考になった。 主人公の奥さんの...続きを読む生き方は爽快で一途で強靭で、なってみたい人物だった。
文庫化にあたり、ある事件の真相について変更があったそうだが、最初に出た方は読んでいない。人生は要約できない。削ぎ落とされたところが大事。物事なんて見る角度を変えれば、何が正しいのかなんて分かんなくなっちゃう。小説で世界なんて変えられねえ。届くかも。どこかの誰か、一人。名言がてんこ盛りで、心に響く。ま...続きを読むた、検索することで、自分がどういう人間か情報を与えてしまっているというのが、今のチャットGPTに通じるものがある気がした。
魔王から続く、何十年後かの世界の話。 SEの主人公はとある仕事で怪しげなサイトを見つける。関わる人々がみなアクシデントに見舞われる、そのシステムの謎とは? 国家とはシステムであり、コロニーであり、誰かの大きな意図で動いてるものでらない。みなその部品なのだ。でも、みんな目の前のことくらいは変えられるか...続きを読むもしれない。そんな話。 浮気を許さない謎の妻、謎の小説家、拷問担当の髭男、などユニークな登場人物で重いテーマも軽快です。面白かった!
『播磨崎中学校事件』 『安藤商会』 『個別カウンセリング』… どう繋がっているのか⁇ 渡辺拓海は、『安藤商会』の祖、安藤潤也にたどり着く。 が、真相はつかめないまま… そして、友人の作家・井坂好太郎が、 佳代子の友人・岡本が… 『播磨崎中学校事件』の英雄から国会議員となった永嶋丈にコンタクトする、...続きを読む拓海、佳代子、五反田、大石。 真相は… 真実を隠すために。 隠蔽するために。 『播磨崎中学校事件』が作られていたなんて… 検索しようとすると… 何が本当なのか。 何が嘘なのか。 ここまでいくと国家は何でも捏造できるよな… こんなシステムが… ただシステムだけで、誰が命じているのかは⁇ 本当にただのシステムだなんて… 検索する、イコール、正しい情報とは限らない。 フェイクニュースがフェイクニュースだと思えない、現代。 検索に頼ってばかりでもいけないと思える。 自分で真実を確かめなければと。 拓海の特殊能力には期待したんだか… 潤也の兄と同じ能力だったとは、ちょっとがっかり。 絶対絶命の場面でこの能力なんて… 佳代子の強さにはびっくり。 でも本当に佳代子は拓海が好きだったんだと。 だから浮気は許さないと… 結局、桜井ゆかりは何だったんだろうか⁇ 『魔王』からの『モダンタイムス』。 連続で読むべきですね。 3部作とした方がよかったのかも… 『魔王』でモヤモヤ感が残り、『モダンタイムス』上、下に手がだせなかった。 3部作なら続けて読まざるを得なかったのに。 『モダンタイムス』下を読んで、すべてがつながり、『魔王』のモヤモヤもスッキリしたような。
読むまで忘れていたけど自分の根底に溶けて沈んでた言葉を思い出せてよかった。 「人生を楽しむには、勇気と想像力と、ほんのちょっとのお金があればいい」ってやつ
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