中野信子のレビュー一覧
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オーディブルで聴いたもの。
タイトルに惹かれて、聞いてみた。
近年SNSの発達に伴って、隠れていた争いが見える化した世界になっている。また日本は、自然災害や閉鎖的環境から日本人の社会性が高まり、今のような国民性になった。『優秀な愚か者の国』
外国人と話をすると、いかに自分が意見を持っていないかが顕になる感覚がある。日本は議論ではなく、ケンカのようになったり、位の高い人に忖度をして自分の意見を言わなかったりする文化がある。
そして自分とは意見の違う人を、悪人や裏切り者のような印象で攻撃をする傾向がある。
対立ではなく、並列の観点で物事を考え、メタ認知を意識することが大事であると感じた。 -
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劇作家・演出家である鴻上尚史さんと、脳科学者である中野信子さんの対談本。タイトルにある「同調圧力」について語っている場面もあるものの、コミュニケーション全般について、鴻上さんが演出などの経験から培われた視点を、脳科学の観点からはどうなのか中野さんに質問する形が多い。
鴻上さんは「世間」を家族や近しい人など自分の知っている人で構成されている世界、「社会」をその反意語と定義されており、「世間」を大切にしている日本人は「社会」との繋がり方が分かっていないのではと提起されていたのが面白かった。
また、中野さんのお話で印象に残ったのは、97%もの日本人はセロトニントランスポーターが少なく、不安に陥りやす -
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「さみしい」という感情は主観的で、人と比較するのは難しい。
私自身は、わりと一人でも平気なタイプなのだけど、身近にさみしさで苦しんでいる人がいたので、この本を手に取った。
著者が言うように、なぜ人はさみしさを感じるのか、というメカニズムを知識としてもっておくのは、自分の感情を客観的に見る助けになるだろう。
また、「こういう時に、自分はさみしさを感じる人間なんだなぁ」と意識することは、「大人になる=自分という人間を知る」ことにつながる。
自分という人間を深く知ると、いろんなことがこわくなくなる…気がする。
「大人になる」と、ちょっと生きやすくなると思うんだなぁ。 -
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孤独は苦手ではない。
ただ、それが健康を害するとか、集団に帰属することを手放しで肯定するような論調について、納得しがたい。真意をより理解したいと思った。苦手ではないが、寂しさを感じる時はあるし、恐らく、大多数の人が同様であり、そもそも、人間は本能的に孤独を避けたがる生き物だ。食べなければ、死ぬ。その時に感じる「空腹」と、孤独に感じる「さみしさ」は通じるものがあるのではないか。
ー そう考えると、さみしさは危険や危機を予測する防御反応であると同時に、「生き延びること」を強く欲する力の淵源でもあるといえそうです。
この本は科学的根拠を述べる訳ではないし、孤独を完全に否定もしない。寧ろ、さみしさ -
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脳はすぐには変われない。日々祈りつづけるのが大切。ダイエットと一緒で、1日では変われない。
脳の中で記憶を司る部位である海馬は、これまでにあったことを記憶するだけでなく、「未来にやるべきこと」「将来行う行動」についての「展望的記憶」(Prospective Memory)もコントロールしています。 祈りは「未来をよい方向に変えようとする営み」ですから、私たちは祈るとき、未来に心を向けます。
利己の幸福から利他の幸福へ。安穏を求める静的な幸福から、困難に挑戦しつづける動的な幸福へ──。脳科学の最先端は、これからの時代にふさわしい新しい幸福のありかを指し示しているのです。 -
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サイコパスと定義される人たちが、なぜこの世からいなくならないのか。
古代の人たちのなかでは、他人の気持ちを顧みず暴力に訴えて食べるものを勝ち取った者こそが子孫を残し、繁栄できたこと。その場合でいえば、サイコパスである方がより強い遺伝子を末代まで繋げていけたこと。
研究が進み、サイコパスの形成には遺伝が関わっている可能性が高い場合もある。
私にも障がいを持った子供がいるが、その時に遺伝子検査をすることを医師が申し訳なさそうに言ったのを覚えている。むしろちゃんと検査してもらって、これから育つ子がどのようになる可能性があるのかを、親として早い段階からわかっていた方が、適切な療育や周りの関わりが密にで