咒(まじない)の脳科学

咒(まじない)の脳科学

935円 (税込)

4pt

なぜ、私たちは、周りの言葉にこんなに苦しんだりするのでしょう?
人を息苦しくさせる――SNSにあふれる呪いの言葉、病気にもしてしまう暗示。刷り込まれる負けグセ。
脳を中毒にする――イケニエを裁く快楽、罰を見たい本能や正義という快感。ウソつきの遺伝子がモテる。
知りたくなかった現実――男のほうが見た目で出世、女はここまで見た目で損をする。脳に備わっていたルッキズム。

私たち人間の社会は咒(まじない)でできていると言って過言ではないのです。
なぜなら言葉が、意識的と無意識的とにかかわらず人間の行動パターンを大きく変えてしまう力があるから。
人間関係や仕事、人生の幸不幸も、あなたを取り巻く社会の空気さえ。
そして今SNSがひとりひとりを孤立させ、言葉はいっそう先鋭化しています。
正義や快楽に中毒する脳そのものが、そもそも人間社会を息苦しくする装置です。
本書の役割は、脳にかけられた咒がどのようなものかを知らせ、解放することにあります。

【著者より】
本書では、ネガティブなイメージだけを扱うのではなく、ポジティブな想念を含む言葉の力についても光を当てたいと考え、あえて「まじない」に「咒」という文字を使用することにした。
私たちは物理世界に存在している生物ではあるが、認知という観点から見れば、言語の海の中に生きる存在である。
私たちは、誰かの発する音声に左右され、他者が何気なく書いた言葉を目にして一喜一憂する。励まされて生きる活力を得ることもあれば、死を選ぼうという気持ちにさせられることもある。これらは言葉の力である。現代特有の現象などではなく、古来より洋の東西を問わず、言語を用いる技術に長けた者が、意図的にその力を運用してきた歴史がある。
脳科学を中心とした知見をもとに、その力の一端を繙いていこうという本書の試みが、読者の向後に資することがあれば望外の喜びである。

【本書の内容】
序章 咒―言葉の隠された力
第1章 呪い―悪意の影響力
第2章 快楽―脳が制御できない中毒
第3章 ルッキズム―例外なく脳は美醜に囚われる
第4章 社会がかける咒―安寧のための代償
終章 咒がかなうとはどういうことか

...続きを読む

詳しい情報を見る

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

咒(まじない)の脳科学 のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    我々は言葉に縛られているし、脳は全部を処理するとコストがかかるので省略するために騙されやすい。結局人は信じたいものを信じる。有限実行より不言実行の方が努力が続くという研究結果は心強い。「外見の変化が行動の変化につながる」は、ジョジョ4部のシンデレラの回みたい。

    0
    2025年11月16日

    Posted by ブクログ

    ❝願意を音声として発するということはそれだけで願望の実現に向けた一歩たり得る行為となる。❞

    目標を書き出すだけでなく「口から言葉として発して耳で聞く」ことも脳科学的に効果的です。

    毎朝目標を復唱する時間を取り入れてみます。

    0
    2025年11月06日

    Posted by ブクログ

    思考は言語でできてる。
    ・虐待をする神経回路がある※ネズミ実験
    ・脳は快楽を制御できない
     →正義中毒、制裁願望などの攻撃的な快楽
    確かに現代は、SNSや動画など(いい意味でも悪い意味でも)様々な快楽に触れられる機会が多すぎる。言葉の受け取り方と使い方が生き方になるとは言え、何が正しいかは分からない

    0
    2025年10月28日

    Posted by ブクログ

    私たちの脳には、苦痛に耐えて生き延びるための仕組みが数多く用意されている。苦痛を感じれば、それをできるだけ弱め、無視して生きられる様に様々な機構が動く。けれどもやはり、快楽に耐える仕組みはこの脆弱な意思の力以外には存在しない。快楽は、身体的、認知的と、異なるレイヤーにおいて、あればあるほどよいと脳が

    0
    2025年08月17日

    Posted by ブクログ

    確かに指摘されているように、人は意識的または無意識的に 多くの見方、考え方に縛られているのだろうと思う。だからこそ それがあるのを意識しながら より良い方向に修正?修整?していこうとするのが、知性というものだろうか。

    0
    2025年03月16日

    Posted by ブクログ

    中野信子さんの話は面白いし、彼女のラジオも楽しく聴いているが、どうも著書との相性は悪い。だから何?と毎回思ってしまう。タイトルとリンクしていないといつも思うのは私だけか?

    0
    2025年10月16日

    Posted by ブクログ

    健康的な楽しみを見つけよう。地味でゆっくりを味わおう。
    フラクタルな世界は生まれ直し続けている。願いを口にすることで自分の好きな世界に変えてしまおう。生きていることに正直飽きているが、寿命が来るまで遊んで過ごそう。

    0
    2025年10月08日

    Posted by ブクログ

    んー、途中は退屈でした。

    ルッキズムとか、容姿がよい方ではなかった者からすると、当たり前に感じてることばかり。え、それで何?
    そんな社会を潜り抜けて生きてきた者からすると、読んでいてあまり楽しく感じられなかった。

    という、人間社会のいろいろな面を突き付けられる本でした。

    0
    2025年09月15日

    Posted by ブクログ

    人を追い詰めるノーシーボ効果、制裁の快楽を貪る中毒、ウソつく脳を持つ人恋愛強者、容姿の良さを無意識で評価する脳、そしてユートピア実験。何年も前から流行っている脳科学を、現代起きていることに落とし込んだ論調は、いつ読んでも興味深いし、示唆があるように感じる。書籍を通じて多くの気づきと考えを与えてくれる

    0
    2025年07月14日

    Posted by ブクログ

    脳科学者の著者がその知見をもとに、言葉の力が人生や社会に与える影響を分析している。快楽とルッキズムの章が特に面白かった。

    0
    2025年03月31日

咒(まじない)の脳科学 の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

講談社+α新書 の最新刊

無料で読める ノンフィクション

ノンフィクション ランキング

中野信子 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す