谷崎潤一郎のレビュー一覧

  • 細雪(下)

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    長い長い小説だった。
    しかし、読み終えてしまった。面白い。

    関西弁の盛り込まれた会話文や、繊細な心理描写に加え、洗練された背景説明が特徴的だと感じた。
    それらのため、読者は監督不在の、メッセージ性のないあるいは限りなく薄い、映画を見るような感覚で物語を楽しめるのではないか。

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    2022年02月01日
  • 細雪(下)

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    長女が東京で子育てに追われ、
    次女が家の体面を保ちつつ生活をし、
    三女が幾多の縁談を避けながらも変化を過ごし、
    四女が我を通して望まれない恋愛をする

    そんな蒔岡家の日々は、最後のページをめくった後にも続いているような、巡る人の世に終わりなど無いと思わせるような、不思議な読後感。

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    2022年01月25日
  • 細雪(上)

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     上巻では物語にこれといった刺激がなく、ダラダラと話が進んでいく。しかし会話文に船場言葉を入れることで、間伸びした展開を優雅な落ち着きのあるものへと昇華させている。また、会話文以外の文体も明解かつリズミカルな、情緒的な構造となっており、読むにつれてどんどんと引き込まれていく。
     上級国民のはんなりとした生活美に、期末レポートを書くことを忘れさせる、そんな作品。

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    2022年01月15日
  • 陰翳礼讃

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    電車で読んだらダメリストにランクインのニヤニヤ本。
    繰言もぼやきも偏屈も、文筆家の手にかかれば美しいフレームに嵌められた美術品のようにツンとすました一級品。
    あー、ほんとそれ!そうですよねーと激しく首肯したくなることをスパッと過不足なく言い表しているところは胸がすく。
    今のご時世ではそんな言い方できないだろうということを小気味よくバッサバッサと悪様に言う様はむしろ爽快なほど。

    建築界のバイブルということだが、むしろ料理の捉え方に瞠目した。
    【引用始】
    日本の料理は食うものではなく見るものだと言われるが、こういう場合、私は見るものである以上に瞑想するものであるといおう。そうしてそれは、闇にまた

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    2022年01月11日
  • 細雪(上)

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    昭和天皇に献上され読まれたという大衆小説。

    現代であれば芥川賞を受賞するタイプの作品。
    そっくり百年間時計の針を戻したような、市中のとある旧家を描いた物語。

    もったいつけたような表現が多いが、それが余計に登場人物の心情をようよう描いている。面白い。

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    2023年02月23日
  • 谷崎潤一郎犯罪小説集

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    なんだか、谷崎潤一郎に弄ばれているような感じがした。

    推理小説ではないので考え込まず素直に読めたのが心地よかった。

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    2022年01月07日
  • 台所太平記

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    巨匠のフェチな視点からの女中たち。個性派揃いの娘たちを見る作家の視点。

    谷崎潤一郎の晩年の作。居を熱海に移す前後から雇った女中たちを丹念に描く。娘のように可愛がる視点なのだか、特に妙にエロチックなところはさすが巨匠。川端康成と谷崎についてはもっと若い頃から読んでいたらもっとハマっていたかも。

    結婚が終着点、女性の幸せという所が現在の価値観とは異なるが、結婚後も幸せに暮らす女中たちの姿に安心のラスト。

    挿絵も良い。

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    2021年12月27日
  • 卍(まんじ)

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    故郷の祖母と話しているような文体が懐かしかった。

    内容はスキャンダラス、だけどはっきりとは書いていないから上品でもあった。後半の薬を多用する辺りからはヤベーな・・・と思って読んだ。

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    2021年12月21日
  • 谷崎マンガ 変態アンソロジー

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    谷崎の小説やエッセイをそれぞれの漫画家が独自の感性で要約し、短編の漫画にまとめたもの。

    元の本を読んでみたくなるという点で、非常に優れたまとめ漫画だと思う。

    他の作家でのシリーズも読んでみたい。

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    2021年11月23日
  • 作家と猫

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    三谷幸喜さんの「おっしー」の話しは、新聞で泣かされ、又、泣かされました。

    猫は、ずるいから。
    猫は、知ってるから。
    人間が猫に勝てないことを。
    そんな人が多いことが実感できる本です。


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    2021年11月22日
  • 谷崎マンガ 変態アンソロジー

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    "変態アンソロジー"という身も蓋もない副題のマンガ家さん11人による谷崎潤一郎読本。
    ほとんど読んだことのないマンガ家さんばかりで面白かった。不思議な「夢の浮橋」、発禁になった「ヒョウフウ」、「台所太平記」などなど、読んでみたい。

    あとがきやインタビューがわりと多めに載ってて舞台裏のお話が大好きな私はホクホクでした。
    本作の親本である単行本「谷崎万華鏡」は中村明日美子さんの装画なんですね!ステキ。
    山口晃さんのウサ耳ライ吉(=谷崎先生?)もかわいいです。

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    2021年11月14日
  • 細雪(下)

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    谷崎潤一郎の代表作『細雪』下巻。
    戦時の思想・言論統制により掲載が止められた上巻、中巻と異なり、下巻の本作は、GHQの検問化にあったものの1947年雑誌掲載され、1948年に刊行されました。
    その後、1950年代に世界各国で翻訳され、日本を代表する文学作品となります。

    上、中巻に続き、大阪の旧家の四姉妹の日々が綴られます。
    話の中心は、縁談がまとまらないまま年月が過ぎていく三女の雪子と、自由な思想で動き回る四女の妙子で、二人に頭を抱える次女・幸子の苦労が耐えない様子が引き続き描かれます。
    東京に移り住む事となった長女の鶴子は、元々存在感は薄かったのですが本作ではますます希薄になったと感じまし

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    2021年10月29日
  • 細雪(中)

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    谷崎潤一郎の代表作『細雪』の中巻。
    上巻に引き続き執筆されましたが、私家版として刊行された上巻と違い、完成後長らく日の目は見られない状態でした。
    中巻は戦後ようやく中央公論社から刊行されます。

    内容は上巻の続きで、大阪の旧家の四姉妹の日々が綴られるものとなっています。
    自分の人生のため、洋行の希望や、手に職をつけるための活動を始める妙子と、それを快く思わない恋人の奥畑。
    そんな折に発生する大水害でヒーローのように現れて妙子を救った板倉に苛立ちが募る奥畑と妙子の恋愛事件や、お隣に住んでいた仲の良かったドイツ人一家の引っ越し、恩師の逝去、そして板倉の病気と、次から次へと発生するトラブルだらけの日

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    2021年10月17日
  • 台所太平記

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    いゃあ〜谷崎の文章は、美しいな〜
    まず読んでそう思いました。谷崎作品に共通するテーマとしては、フェチです。サド・マゾ・レズ等、様々なフェチシズムを流麗の如く美しい文章で表現する。さすが近代文学の奇才。

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    2021年10月17日
  • 秘密(乙女の本棚)

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    日常に倦んだ男が、刺激的な”秘密”を持つべく、気まぐれから夜な夜な女装しては街を練り歩く話。
    艶やかな着物に身をつつんで、人々の視線を恣にしては悦に浸っていた男だったが、とある晩、すさまじい美貌の妖女に出会う。まさに一顧傾城のその女は、どこかで見覚えがある気がするのだが……。

    という感じで、設定も筆致もちょっとエロティックで読みながらドキドキした。
    女と再会した明くる日の晩の素晴らしい大雨に始まり、指定された逢い引きのルールはこれまた随分とアブノーマルで蠱惑的だし、退屈な日常からこんな非日常に連れ出されちゃったら行く末は変態まっしぐらですよ。
    秘密、というものの危うい快感を伴う蜜の味。
    てっ

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    2021年10月22日
  • 卍(まんじ)

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    関西を舞台にしている作品で、物語の中のやり取りも大阪弁で交わされており親近感が湧く。女のバトルはいつになっても恐ろしいものだ。

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    2021年10月10日
  • 痴人の愛【電子限定かきおろし漫画付】<デジタル版>

    購入済み

    浜崎が

    レビューが低かったので、ひどい話なのかな?と思って読みましたけど(ビッチ受けが好きなので)、ふつうでした。ふつうやから、低いのかな?原作を読んでないのでわかりませんが、譲治はもっと壊れた方がいいです。直巳はもっとビッチな方がいい。もっとドロドロしてるのかと思いましたが、あっさりです。一番ヤバいのは、浜崎な気がします。あの中で一番常識人なので、それが一番危ない。絵はとっても綺麗です。最後の四コマ、かわいいです。あと、修正が太め白棒で、白抜きじゃないから星4です。何をしているのか、きちんとわかるので。

    #ダーク #深い #ドロドロ

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    2021年10月20日
  • 細雪(上)

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    『刺青』、『痴人の愛』と並ぶ谷崎潤一郎の代表作にして、近代の日本文学史上の代表作としても上げられる長編小説。
    本書は、上中下巻の3巻構成の上巻です。
    1900年前半の大阪、神戸、いわゆる阪神間モダニズム時代、大阪の旧家を舞台に、四姉妹の日々が綴られた作品となっています。
    大阪の上流階級の生活様式と、終盤には太平洋戦争開戦によりその文化が滅びゆく様が描かれます。

    本作は『中央公論』に掲載されましたが、第一回、第二回掲載時、軍部から"内容が戦時にそぐわない"との理由により、以降の掲載をストップさせられます。
    徳田秋声の『縮図』同様、戦時下の思想・言論統制の対象となってしまった

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    2021年10月06日
  • 刺青(乙女の本棚)

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    文豪の名作と人気イラストレーターがコラボしたという、乙女の本棚シリーズ。
    魅惑のラインナップの中で、ちょうど谷崎の刺青が発刊されたばかりだったのでこちらから読んでみました。

    清吉という凄腕の若き彫物師は、理想とする美しい女に自分の魂を彫りたいと切に願っている。
    そして漸くその娘に出会え、眠らせて背中に女郎蜘蛛を彫ってしまう。
    激しい苦痛に耐えて目覚めた娘は、臆病な心を捨ててすっかり妖艶に生まれ変わっており、清吉は真っ先に娘の肥料(こやし)となっていたのであった、という話。

    いかにも谷崎らしい耽美さ。女の美しさを描写する際の、圧倒的美を前に屈服するかのような丹念な文章表現は、何度繰り返して読

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    2021年10月04日
  • 細雪(上)

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    俄然、おもしろい、うまい。ま、当たり前なんだけど。大作家谷崎潤一郎なればこその名作。

    のっけから船場言葉「こいさん」だの「とうさん」だの「ふん、ふん」が頻発なのだが、そこは江戸っ子作家からみた関西なのでくみし易い。谷崎潤一郎は上方の生活文化を愛情込めて書き込んだ。

    さて、あらすじ、没落はしたが船場育ち四人姉妹の三女雪子が30歳なのにお嫁にゆき遅れている。
    昔よ(昭和12、3年ころ)、びっくり!だから最初から最後までお見合いの連続。
    あいまに、物見遊山、観桜、蛍狩り、年中行事、食べ歩き。そして、大洪水の恐さ、大病、などの事件、大阪神戸と東京を行ったりきたりの変化、ほんとあきさせない。

    でも

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    2021年09月11日