松岡正剛のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
お気に入りの…という枕詞から、なじみの…に変化するくらいにここ最近、来店頻度があがった工夫舎さんで購入。
昨年亡くなった松岡正剛さんの、
生前最初で最後の自伝的内容がインタビュー形式で綴られている。
合間合間に過去の著作を挟み、
より深く濃く松岡さんの人生を振り返る内容になっている。
はじめの始めからもう面白い。
松岡正剛という人間について、
その肩書きや過去の経緯から追って行ってもどうにもこうにも正体が掴めない。
その理由を
「自分のアイデンティティの同一性というものに常々懐疑している」
ということを松岡さん自身はあげている。
少年の頃から独自の自然観と科学観を持っており、自分が男 -
Posted by ブクログ
【たまには内向きに。】
日本文化の特質とその歴史を解説した本。
日本人として生を受けたのであれば、それを最大限味わい尽くしたい!そんな人におすすめ。
自分の文化の特質に自力で気づくことはそう容易くない。
それを知ることができるというだけでも本書は一読の価値がある。
この本を読めば、数百年、もしかしたら数千年をかけて脈々と受け継がれてきた感性で日々を生きることができる。
そこに浪漫を感じるのは私だけだろうか。
私たちは、強い統治者に支配された5000年の歴史を持つ中国人の感性を理解することはできない。
ましてや遠く遠くの自由と権利を求めるフランス人の感性を理解することなんて到底できない。
そ -
Posted by ブクログ
知の編集工学:松岡正剛から学ぶ、ロジカルシンキングを超えた思考法
松岡正剛さんは、日本を代表する編集者であり、思想家です。その松岡さんが提唱する「編集工学」とは、情報を単に整理するのではなく、情報を編集し、新たな意味や価値を生み出す思考法です。
本書では、編集工学の基本的な考え方から、具体的な方法論まで、多岐にわたって解説されています。
編集工学とは?
編集工学とは、情報を「編集」することで、新たな意味や価値を生み出す思考法です。
ここでいう「編集」とは、単に情報を整理したり、並べ替えたりすることではありません。情報を組み合わせ、関連付け、解釈することで、新たな視点や発想を生み出すこ -
Posted by ブクログ
「空海の夢」はまったく歯が立たなかった。本書も覚悟して読んだが、難しくてどうしようもないということはなかった。
法然を悟りの仏教でなく、救いの仏教を求めたという記述に居を突かれた。とは云うものの、これからも近づくことはないだろうな。
道元については目次を並べたような記述で、正直よく判らない。
第4章は廃仏毀釈から現在まで。
先日、奈良の山の辺の道を歩き、かつての大伽藍の跡に何もないのを見て、廃仏毀釈の荒々しさを感じた。清沢満之や久松真一は知らなかった。
久松真一や西田幾多郎について無に関する記述があり、うっすらそういうことかと得心。だけど、昔読んだ道元についての本に空についてもあったんだよ -
Posted by ブクログ
<目次>
第1章 戦争が準備されていた
第2章 二つの戦争
第3章 占領日本が失ったもの
第4章 生いたちのなかの昭和
第5章 本を通して昭和を読む
第6章 昭和に欠かせない見解
<内容>
まずは松岡正剛さんを追悼…。稀代の本読みでした…。この本はなくなる直前に校了したそうで、遺作となります。
さて、元法大総長の田中優子さんとの対談集の三作目。『日本問答』『江戸問答』に続く。お二人も昭和の半分を生きてきた人。リアルタイムを本を通して追想しながら、昭和を深掘りしていきます。そこには多くの示唆が。勝ち目のないアジア太平洋戦争に突っ込んでいったこと。高度成長期の学生運動。戦後日本に本当 -
Posted by ブクログ
謎床という言葉に惹かれて買った。
知の折り重なったところには、何かしらの菌が作用して、発酵が生まれるよな。それが腐るの方向ではなくて、醸す方向に進んだときに、面白いことが生まれるよな。と感じた。
ここに書いたのは書籍の内容はあまり関係なく、斜め読みをして感じたこと。
この本はかなり複合的な知識の上に成り立っていて、お二人の対談形式で進んでいます。プロットはあるだろうけど、知が知を生んで、また別の知に移り変わっていきます。なので読みやすさはありますが、読者の知も要求されます。そういう意味でとても興味深く引き込まれました。
とにかく糠床を作ろうと思います。 -
Posted by ブクログ
(2017/8/23)
凄く興味深いテーマだと思うのだが、
残念ながら私には消化できなかった。
レベルが高かった。
次元が違った。
第1章 僕たちは「胡蝶の夢」を見られるか?
(インターネットの話をする前に、ネットワークについて
編集少年の昆虫採集×ファミコン少年のドラクエ
タイプライターはこれでよいのか問題 ほか)
第2章 シンギュラリティを迎える前にやっておくべき、いくつかのこと
(人工知能の現在
デザイン・フィクション
かつて世界はどのように解釈されていたか ほか)
第3章 発酵と腐敗のあいだで―フラジャイルな創造はどのように生まれるのか
(アメリカ大統領選は崩壊