編集工学を本格的に理解しようと考え、これも読み始める。
面白い。「方法を思想という勇気」が必要だったというのは、大いに共感する。
まるごと、セイゴオ先生が、多様な書物から編集力という方法論を抽出した本。
第1章 意味と情報は感染する
A①「絶対書物」を想定する方法;言葉をサイコロにして「類推の魔
...続きを読む」をはたらかせる:マラルメ「骰子一擲」
A②「カタルトシメス」という方法;「言いかえ」のため言語ゲームをする:ヴィトゲンシュタイン「論理哲学論考」
A③「数寄というパサージュ」という方法;文化の敷居をまたいで「アウラ」を感じる:ベンヤミン「パサージュ論」
B①「対角線を折る」ための方法;世界をもっとオブリックに遊学して眺める:カイヨワ「斜線」
B②テクストからモードを集約する方法;文章にひそむ「流儀 モード」にこそ身を委ねなさい:バルト「テクストの快楽」
B③「エピステーメー」という方法;知の奥行で「類似」「タブロー」「標識」:フーコー「知の考古学」
C① 「フィギュア」に着目する方法;物語の構造とレトリックに「編集の肖像」を見出す:ジュネット「フィギュール」
C②「鍵と鍵穴」を同時に使う方法;社会イメージの動向を「閾値のすまい」から解釈する: アガンベン「スタンツェ」
C③「ないものを代理する」という方法;「発現」と「残余」から多様な現象を解読する:ジジェク「幻想の感染」
第2章 類似を求めて
D「コモンセンス」をつくる方法;未然性こそが編集哲学を新しくする:中村雄二郎「共通感覚論」
D知識を「分母」と「分子」にする方法;啓蒙の力は編集知からしか生まれない:寺田「編集知」の世紀
E認識の中の「暗黙知」に気がつく方法;アート、スキル、レリバンスが「不意の確証」:ポランニー「暗黙知の次元」
E知覚と行動に潜む「文化距離」に感づく方法;われわれは「プロクセミックス」の中にいる:ホール「隠れた次元」
E「アフォーダンス」で逆照射する方法;「内なる操作」と「外なる環境」を結びつける:佐々木正人「アフォーダンス」
F「模倣力」が食べ尽くしている方法;人間と社会と表現の本質は「模倣」というエンジンで動く:タルド「模倣の法則」
F「切断」と「接続」でシステムを見る方法;類推性 analogy と双対性 duality でモデリングする:川瀬「まねる」
F「ルイジ」と「ソージ」が進める方法;ベースとターゲットの間を「類似のプロフィール」が動く:鈴木「類似と思考」
第3章 連想、推理、アブダクション
Gイメージを「連想」でたどる方法;再生の女神イシスが見せる変容力:山下イメージ連想の文化誌
G「イメージング・サイエンス」の方法;アナロジーにひそむ「くっつく」と「のっとる」に注目する:スタフォード「ヴィジュアル・アナロジー
H①「探偵が推理する」という方法;チャールズ・パースふうの「二十の扉」がすばらしい:シービオク「シャーロック・ホームズの記号論」
H②「アブダクション」という魅惑の方法(全容);イコン・インデックス・シンボルが「見立ての論理」をつくる:パース「パース著作集全三冊」
H③「アブダクション」という魅惑の方法(各論);発見も創造 もアナロジカル・シンキングの中にある:米盛「アブダクション」
H潜在するアナロジーに気がつく方法;最重要な編集モードは「準同型」と「擬同型」にある:ホランド、ホリオーク、ニスベット、サガート「インダクション」
第4章 ハイパーテキストと編集工学
I①「世界読書」のための方法:伏せては開けるメタフォリカル・リーディング:ブルーメンベルク「世界の読解可能性」
I②六万冊の「本」を棚に入れる方法;「オストラネーニエ」と「編集八段錦」による異化融合:バーク「知識の社会史」
J①「ハイパーテキスト」を編集する方法;ヴィーコ、パース、バルト、フーコー、ネルソン、編集工学:ボルダー「ライティングスペース」
J②「松岡正剛」を解読する方法;ライプニッツ、ベルクソン、西田、多田、木村敏、松岡正剛:米山「情報学の基礎」
J③「デジタルテキスト」を自在にする方法;二つのG(グーテンベルクとグーグル)とつなぐ新たな編集文献学:バーナード、オキーフ、アンスワース「人文学と電子編集」
K①「編集工学」を思想史に汲み上げる方法;マンマシン・システムとしての情報編集世界観:室井「情報宇宙論」
K②「想像力の触発連鎖」をおこす方法;「比喩」「ごっこ」「対発想」がイメージ編集力を刺激する:イーガン「想像力を触発する教育」