松岡正剛のレビュー一覧

  • 千夜千冊エディション 数学的

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    藤井聡太さんの「桂」が凄いと云われても素人には何のことやら。数学も嫌いじゃないけれど、やっぱり悔しいことに判らない。
    どうせ判らないだろうけれど、兎も角読んでみる。

    ライプニッツのことは知らなかった。じゃあ、この本で判ったかと云われたら、やっぱり判らないまま。なにしろセイゴオさんの「いつかライプニッツ全集が日本でも出るといいですね」に対し、下村寅太郎さんの言「君ねえ、本場のドイツでもまだ百年くらいかかるんだよ」。
    セイゴオさんは9つのポイントを挙げて説明しているが、茫漠として、つかみどころがない印象。
    ガウスやゲーデルは門外漢でもその偉業を耳にするんで、イメージがあるんだが。

    後半は非線形

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    2024年07月06日
  • 別冊NHK100分de名著 「日本人」とは何者か?

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    意外と面白かった。ここでの中沢新一が「失敗の本質」を取り上げての、日本人の傾向を指摘する箇所は、「失敗の本質」を読んでいたとこもあり、腑に落ちた。

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    2024年06月09日
  • 知の編集術 発想・思考を生み出す技法

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    「知の編集工学」より後に出版された本書は、著者の掲げる「編集術」の方法がより具体的かつ体系的に説明されている。

    ここに書かれている「編集術」を少しづつでも実践していきたい。

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    2024年05月25日
  • 知の編集術 発想・思考を生み出す技法

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    印象に残ってるのは、オリジナリティにこだわると編集はできないという言葉。オリジナリティを疑うのが編集だと。

    僕も正直、ガンガン人を真似ます。ただ、真似きれるほどの器用さがないので、その妙なブレこそ個性なのかなとか今は思ってます。

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    2024年04月30日
  • 多読術

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    こちらが無知だからこそ読書はおもしろいって書いてあって、ぶんぶん頷いた。
    世界にある読みきれない本のことを思うと気が遠くなるが、それでも読みたい!
    著者は、どんな時でも読む。その上で「どう読むか」に大きく重心を置いていた。眠い時にどう読むか、昂っている時にどう読むか、さらに日本文学を読む時には何を用意するか、科学書を読む時には…と、本と自分が重なり合う方へ積極的に向かう姿勢を真似したいと思った

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    2024年04月12日
  • 千夜千冊エディション 仏教の源流

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    仏教が縁遠い人は多いと思う。私もその一人だ。一方で、何かもっと知ってみたい対象でもある。

    かなり濃度高めの一冊なので、読み切るのはなかなか骨が折れるが、とっつきやすいようにある程度年代ごとに読めるように仕立ててある。

    一文一文をしっかり追っていくというよりは、ざっと眺めてを何度か繰り返すような読み方があっているかもしれない。

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    2024年03月01日
  • 多読術

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    新年早々ヤマザキマリラジオに出演されていたのをたまたま聞いてすごく心を動かされたので、読んでみました。
    NHKのサブカルチャー史にも出演されていました。

    何冊も同時に読むことを自分も最近始めたので、達人にコツを聞いてみたいと思ったのだが、やはり、この人は並のお方ではない。
    ジュリア・クリステヴァのいう「インターテクスチュアリティ」(間テキスト性)についての紹介
    「本来、書物や知は人類が書物をつくったときから、ずっとつなかっている。書物やテキストは別々に書かれているけれど、それらはさまざまな連結と関係性をもって、つながっている。つまりテキストは完全には自立していないんじゃないか、それらの光景を

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    2024年02月19日
  • 初めて語られた科学と生命と言語の秘密

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    難しい・・・何を言ってるのかわからん・・・けど面白い!?という不思議な本。
    少し前にも津田一郎先生の『心はすべて数学である』を読んだけど、こちらも難しくてよくわからないのに面白く読めてしまう(しかし全く理解できた気はしない)不思議な本だった。
    本書もよくわからないけど読めてしまう・・・ので、少し頑張って精読はしてみたのだが、やっぱりわからない、汗。
    それでも面白く読めてしまうのは、「生命の起源」や「言語の起源」といった大きなテーマについて、お二人が読者に忖度することなく、持てる知識を総動員して大真面目に議論されているからだと思う。まあ、私は思いっきり置いてけぼりにされているわけだが、熟練したア

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    2024年02月18日
  • 白川静

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    松岡セイゴオさんの白川静先生の漢字学説明書。
    白川さんの本は沢山の漢字を平等に扱っているから、うわ~、凄いなあと思いながらも体系だった説明が欲しいなあと思う処。セイゴオさん云う処の漢字マザー、サイや工を最初においての説明は判りやすい。サイが載書から名づけられたという説明は有難い。長年の疑問が氷解した。
    詩経と万葉集についての著作も読んでいる。共通の呪能があるという説明は成程と思われた。日本でその呪能は短期間に失われたという一文には虚を突かれたが。

    最後は漢字は国字であるという主張について。
    漢字をどのように受容していったかという歴史を判りやすく説明している。知ってはいることだけど、改めて納得

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    2023年12月29日
  • 日本問答

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    読書会の予習として。松岡正剛の対談は初です。相変わらずの超絶博覧強記。それについていく法政大学総長もさすが。いくつかの概念を提示されるのですが、それらが動的な概念だからか、イマイチピンと来ないのも相変わらず。若い頃イシス編集学校を受講しようと思って結局実行しなかったのだが、やっとけばよかったと思わされた。今からでも遅くはないんだろうけどやり切れる自信がない。

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    2023年11月28日
  • 謎床

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    本屋でセイゴオさんの本を見かけ購入。浅学でドミニク・チェンさんのことは存じ上げなかった。
    チェンさんがセイゴオさんの「空海の夢」に没入したとあり、ドキリとする。前に読んだが、歯の立たなかった本。

    二人の対談は最初ITコミュニケーションの進化についてなのだが、ヘルメティックとかアフォーダンスとか、知らない言葉が出てきて、PCで検索すること数度。現代の知性に触れるには勉強不足だと自覚した。
    (引用)
    松岡:自分の認知と対象とのあいだに場所を空けておくということかな。それこそエピジェネティックな風景の中に置いておくという感じですね。ただし、いつでもそこに向かえるようにしておくわけです。そうした仕掛

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    2023年11月04日
  • 万葉集の詩性 令和時代の心を読む

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    ネットでHeveneseのラストトークを見ていて、本書に言及があったので購入。令和の語源である万葉集をほとんど知らなかったので、とても興味深く読んだ。8人の著者の、改元をきっかけに書かれた万葉集に関するエッセイ集。

    鈴木大拙は「日本人の霊性」の中で万葉集を「稚拙」だとか「幼稚だ」とか、あまり良い評価をしていなかった。しかしながら本書から万葉集の他の歌集との違いがわかり、納得した。
    曰く、万葉集には中近東的な雰囲気がある、とか、万葉集は文字ではなく大和言葉の響きを口にうたうための歌集である、とかなどと言うように書かれていた。また万葉集には代作という表現があるとの事。これについては日本人が原作を

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    2023年02月28日
  • 千夜千冊エディション 情報生命

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    かなり詰まっていて重いので軽い本と並行してよむとよい…
    ニューロマンサーを筆頭にSFをよく読んだ方がいい!!
    生-情報系、意識は情報の複雑系に依ることは共感。負のエントロピー。

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    2023年01月18日
  • 見立て日本

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     以前、「週刊ポスト」に連載した内容を書籍化し、「現在の日本から何が連想され、暗示され、寓意されるのか」を訴えることを意図したとあります。494ページもありますが、半分は写真なので気の向いたときに読める感じです。
     とは言っても、松岡正剛氏の博覧強記には圧倒されます。日本の伝統・文化・風物・風習などの様々な側面を、見開き2ページで記載していますが、日本人でありながら知らないことだらけ。「三猿は実は四猿」、「近世日本の稀にみる軍縮(江戸時代に木版活字や鉄砲製造をやめ、浮世絵・花火などに転換)」、「漢字の『運』は軍を動かす意で、転じて福禍が動く意」、「正月に歳神を迎えるため門松を立て、火を使わない

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    2023年01月04日
  • 千夜千冊エディション 本から本へ

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    ネットで公開されている「千夜千冊」はパラパラと見ていた。ただスマフォやタブレットだと長い文章を読めない私は、本屋でそれを再編集したらしい文庫本を発見して狂喜した。

    第一巻の本書は、稀代の本読み正剛さんの本への向き合い方が、26冊の本を通して記されている。
    渋そうな本、難しそうな本が並んでいるが、私も親しくそれらの本と「交際」したい。少々出来の悪い小生は先方から「交際」を断られそうな気もするが・・笑
    考えようによっては積読状態になっている我が家の本も、それなりに縁があって我が家に来ているのだろうから、出来ればどの本も全部読みたい。

    中々読み応えのある、千夜千冊の第一巻であった。けっこう難解で

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    2022年11月19日
  • 見立て日本

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    <目次>


    <内容>
    週刊ポストに2011年6月~2013年7月に連載された記事をまとめ、加筆したもの。日本の特徴である、「見立て」を120のコンセプトで写真と共に見開き2ページにまとめたもの。端的に言葉を説明してくれているし、意外なものを結び付けてつなげてくれる(ショウライ=「請来」<外国から大事なものを>・「招来」<招いてでも何かがやってきてほしい>・「将来」<何かがもたらせさせることすべて>)。言葉をうまく使えていない現在、もっと言葉を知りたいし、教えていきたい。

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    2022年10月12日
  • 千夜千冊エディション 日本的文芸術

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    <目次>
    第1章  詠む/写す/代わる
    第2章  虚実をまぜる
    第3章  「私」がはぐれている
    第4章  少しエロテックにする

    <内容>
    千夜千冊エディションの日本文学編の1。あとがきを読むと、日本文学は4分冊になるという。その1巻目。読んでいると、今避けている文学を読みたくなるし、西鶴や芭蕉や近松は、授業にそのまま使える。

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    2022年09月12日
  • 千夜千冊エディション 電子の社会

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    デジタルに関する様々な話を知ることができ、参考になる。テクノロジーだけではなく、その背景にあることは難しかったり、まとまっていないことが多い。そういった話を編者の視点で知ることができる貴重な内容だった。

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    2022年09月08日
  • 日本文化の核心 「ジャパン・スタイル」を読み解く

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    日本文化を本当に伝えることができているか?
    本書の掲げる問いに、ちょっと虚を突かれた思いがする。
    内村鑑三、岡倉天心、西田幾多郎など、恐ろしく外国語が堪能な人々が、それでも伝えられないと思い至ったギャップとは何だったのか。
    俄然そんなことが気になってくる。

    それにしても。
    相変わらずこの人の持つ情報量のすごさに圧倒される。
    ポケモンと桃太郎、一寸法師から、スクナヒコナに遡る。
    過差とバサラの関係。
    そういったハッとするような見方を提供してくれる。

    もちろん、細かいところでは自分の見方と異なるところがある。
    鴎外の「ヰタ・セクスアリス」はそれほど軽い作品なのか?とか。
    根本的なところでは、文

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    2022年08月08日
  • 千夜千冊エディション 日本的文芸術

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    セイゴウさんの本は見かけたら、なるべく買う。
    難しくて頭抱える本もあるけれど、本書はスラスラ読めた。

    柿本人麻呂、紀貫之、松尾芭蕉から現代作家までの書評を編集工学から構成したもの。

    近松門左衛門の名文を披露しているが、文楽を聞いているときでも、太夫の語りには聞き惚れるけれど、名文なのかどうなのか判らないんだよな。情けない。亡くなった橋本治さんだったら、こういう義太夫の文章も書けたかな。

    二葉亭四迷「浮雲」や関川夏央さんが四迷について書いた本は読んだ。
    (引用)ここに四迷の最も求めていた「はぐれた私」の彼方というものがある。これはのちに九鬼周蔵が希求しつづけた「意気」というものの近代的な自

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    2022年02月27日