松岡正剛のレビュー一覧

  • 多読術

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    「編集工学」の提唱者として知られる著者が、みずからの読書遍歴を振り返りつつ、編集工学の視点から読書の意義を語った本です。

    読書を「自己編集」であり、かつ「相互編集」としてとらえる見方が興味深いと感じました。「読む」というのは、表面的には文字やことばの意味を追いかけることなのですが、それだけにとどまらず、イメージやメタファー、社会観、さらには生理感覚までも参与するような、複合的な活動だと著者はいいます。さまざまな情報を交換するなかで人びとが「意味」を編集しているコミュニケーション空間のなかに「読書」という行為を置き、著者のスタイルを「モデル」として理解しつつ、読んでいる自分自身の「モデル」をつ

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    2019年10月21日
  • 千夜千冊エディション 神と理性 西の世界観I

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    プラトンから啓蒙主義までの西洋思想史を一望する。
    千夜千冊を初歩的な編集工学でまとめた一冊。

    セイゴオさんにとっては極めて初歩的な編集なんだろうけれど、有難い本。この内容を大学の先生が書いても全然頭に入ってこないと思う。セイゴオさんが知と取っ組み合ってきたレスリングの一つ一つに引き込まれた。
    でも、僕には歯が立たない処も多々。
    あと半年で還暦を迎えるんだけど、今更莫迦が治る訳ないよな~。

    以下、雑感
    スピノザ「エチカ」
    「すべてのものは神が創った。」なら、超越者に対し論証必要なし。
    「世界と神は一にして全。」ひょっとすると証明可能。
    神の自己作出を説明し、人間の認識に重ね合わせていく証明作

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    2019年09月29日
  • 万葉集の詩性 令和時代の心を読む

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    文学や編集に携わる8名の手による万葉集エッセイ集、といえばよいか。
    出だしから中西進氏による『旧約聖書』と『万葉集』のリンクが展開され、度肝を抜かれる。良き文学とはほかの文学と共鳴するものとはいうが、まさかそんなところと響き合うとは。しかも万葉集の第一人者の一人中西進氏からそんな。おみそれしました。
    川合康三氏の「山上憶良と中国の詩」、高橋睦郎氏の「いや重く謎」あたりは若干硬めの印象を受けるかもしれないが、基本的には一流の文化人たちによる平易な万葉集エッセイである。いや平易と言ったが完全に万葉集知りませーん何書いてあるんですかーな人には向かないかもしれない。ちょっとは齧った人向け。だが、ちょっ

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    2019年08月15日
  • 千夜千冊エディション 面影日本

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    <目次>
    第1章  面影の原像へ
    第2章  をかし、はかなし、無常、余情
    第3章  連鎖する面影
    第4章  ニッポンを感じる

    <内容>
    日本の古典や民俗学の世界へ。松岡さんに書かれると、『枕草子』も『方丈記』も読みたくなる。また第4章の外から見た日本の伝統?も面白く、こうした第3者的視点って大事だな。って思う。

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    2019年06月17日
  • 千夜千冊エディション 文明の奧と底

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    <目次>
    第1章  文明と民俗のあいだ
    第2章  聖書とアーリア主義
    第3章  東風的記憶
    第4章  鏡の中の文明像

    <内容>
    松岡正剛氏の書評集の第何巻だろう?今回は、「文明論」である。重いのは第4章。現在のグローバリゼーションの功罪(罪の方が重いが…)を何冊か紹介している。「読まねば」と思うが、紹介文の中でも、2段組みで数百ページ、全4巻とか言われると、どうしても腰が引ける。また第1章のユダヤ民族の所も重い。世界史は「ユダヤ民族」に関わるところから発達したのだと思った。

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    2019年05月21日
  • 千夜千冊エディション 理科の教室

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    ネタバレ

    <目次>
    第1章  科学のおじさん
    第2章  鉱物から植物へ
    第3章  虫の惑星・ゾウの耳
    第4章  背は腹にかえられるか

    <内容>
    松岡正剛の「千夜千冊エディション」の1冊。松岡さんの理系へのあこがれ、造詣がよくわかる1冊。どの本も読んでみたくなる。そこから自分も理系の頭があるのかな?と感じた。

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    2019年04月28日
  • 読む力 現代の羅針盤となる150冊

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    稀代の知識人が本にまつわる個人的なよもやま話をしたという感想。読書のテクニックとかは期待しないほうがよい。ここでの挙げられた150冊を見たが、結構専門書も多くリストにあがっているので、正直、自分にはとても読めるものではないと思った。読めそうなものだけに絞って楽しみたい。

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    2019年04月07日
  • 多読術

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    本はリスク、リスペクト、リコメンデーション(おススメ)の3Rで読む。読書は肩肘はらずに気軽にするべき。バレンタインにチョコより本を送るってのは良いと思った。読書はナイーブでフラジャイル。恋愛や交際の様に好きになったり嫌いになったりのアンビバレンツ感を楽しみながら読み進めるのが面白い。

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    2019年04月01日
  • 知の編集術 発想・思考を生み出す技法

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    様々な場面にひそむ「編集」という行為。その「編集」というものを取り出し、意識的になり、方法論として取り入れると、こんなにも世界は面白くなる!そのような本。常に手元に置いて、事あるごとに参照したい。

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    2019年01月20日
  • 宗教と生命 激動する世界と宗教

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    ネタバレ

    第一巻は未読なのですが読後感から言うと第二巻の方が面白かったですね。

    この巻はテーマに突っ込み切れていないというか議論が深まらないまま時間切れになった感じがありました。
    ただ、考えるきっかけとしては論者の方々がみんなバラバラの意見というか立ち位置なので(バラバラ過ぎる?)いろんな角度から読者もまた考えることが出来るきっかけにはできるかと思います。

    この先の議論を知りたいですよね。たぶんこれを読まれた方はみなさんそう思うのではないでしょうか。

    しかしこの巻も池上さんのまとめ力(わかりやすい解説)と松岡さんの切れ味が半端ない印象でした。でも一番インパクトあったのは佐藤さんが「キリストはやって

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    2019年01月18日
  • 知の編集術 発想・思考を生み出す技法

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    あらゆる情報を自分たちの役に立つようにしていくことを編集という。

    人間の歴史は情報の歴史であり、編集の歴史。

    編集で最も大事なことは、事実や事態や現象のあいだにひそむ関係を発見しつなげていくこと。


    これは読書についてもいえることであり、
    網目のようにつながっている単語と単語、文と文、本と本のあいだの関係を連結させていくことだ。読めば読むほど面白くなる。連結が強化され深くなり拡がるからだ。

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    2019年01月14日
  • 読む力 現代の羅針盤となる150冊

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    読書家であり知の巨人でもある二人による対談、そして東西の論壇130年を振り返り150冊を選ぶという主旨。
    読みたい本が又増えて困る。

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    2019年01月13日
  • 読む力 現代の羅針盤となる150冊

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    松岡正剛と佐藤優という知の巨人の対談本。
    ほとんどよく分からないけど、なかなか面白かった。&おすすめ150冊のうち、読んだことがあるものが1冊だけどいう現実に愕然。(^^;;

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    2019年01月06日
  • 読む力 現代の羅針盤となる150冊

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    "松岡正剛さんと佐藤優さんの会話は異次元の世界である。お互いの読書量と時代背景や宗教観、視座など示唆に富み、どちらが本の題名を言っても必ず読んだことがあり、内容を理解しあえている。しかも全集ものも含めて。
    博識乱舞"

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    2018年11月25日
  • 千夜千冊エディション 本から本へ

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    面白かった。もちろん難しかったが。けれどそんな馬鹿みたいな感想でも、正剛先生はおそらく読書好きでさえあれば見下したりはしないであろう。それくらい気持ちのいい読書贔屓であり、本を愛することにかけては偏執狂と引けをとらぬビブリオマニアだと思う。日本が誇る世界的な「本豪」といえる。(ちなみに「本豪」=剣豪の本バージョンという単語は正剛先生の『多読術』で知った造語)これだけ本を読むという、自分もしているしやってきたと少なからず自負している行為なのに、もう競技が違うと言わざるを得ない経験をする事はどういうことか、圧倒的な知識不足、読書量不足を突き付けられる毎回である。前提としているものが違う。これがプロ

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    2018年11月23日
  • 多読術

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    ワタシのパーソナルなアジェンダの中で、読書ノートをどうつけるかというのが実は長年の課題。試行錯誤を繰り返しつつ、未だにその方法が定まっていないのだけれど、この本でいいヒントをもらった。早速実行してみよう。
    それから、ひとつ前に読んだ『閉じこもるインターネット』で指摘されていたことが、今から三年前に出たこの本で「知の平坦化」というフレーズで的確に取り上げられているのは興味深い。
    それにしても、ちくまプリマー新書はページがめくりにくいな。

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    2018年11月18日
  • 知の編集術 発想・思考を生み出す技法

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    【ノート】
    ・松岡正剛さんについては、今までほとんど知らなかったが、日本を代表する知の巨人の一人と目される人。この本は、彼の「情報」に対する接し方についての基本的な考え方や具体的な方法論が述べられており、とても面白い。「読書術」のヒントであり、「ノート術」のヒントでもあるし、企画を発想したり構成したりするヒントにもなる。

    ・「編集」というのが重要なキーワードになるのだが、どちらかと言えば「編集」というのは本体に付随するオマケ的なもの、と思っていた。しかし情報をインプットしてアウトプットする時、そこには必ず編集というプロセスがあると。人間のあらゆる行為を、ほとんど何でも「編集」と言ってしまって

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    2018年10月28日
  • 宗教と暴力 激動する世界と宗教

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    アイデンティティがどこにどれだけ存在するのか、どのスタンスからそれを考えるのか、によって捉え方はそれこそ人の数だけ細分化されてしまうのではないか…というとりとめなさを感じました。
    本書を読むことによって「宗教と暴力」について自分なりの考えがまとまる?どう考えるべきか?自分の意見が持てる?と思っていましたが逆にもっと混沌としてしまった…ような…(苦笑)

    本書においても議論は未だ未だ途上である、議論は尽きるどころかこれからだったのにという印象。
    本書の印象だけ言えば松岡さんという先生は容赦がないな、ということと池上さんはさすが場をまとめるのが素晴らしく上手でいらっしゃるということでしょうか(笑)

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    2018年09月25日
  • 宗教と暴力 激動する世界と宗教

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    シンポジウムをまとめる形式の対話型の本。
    なんか評価低いけど、宗教に対するいろんな視点があっておもしろかったけどなー。


    「北朝鮮だからしょうがない」「〇〇だからしょうがない」は思考停止であり分析ではない。

    「殺しあう人数が足りないから紛争が止まらないかもしれない」という分析。第三者の介入ではなく、内部から殺しあうのは嫌だという感情がわかないといけない、というのは衝撃的な考え方。

    エキュメニカルとファンダメンタル

    人間の心の構造はどうなってるかわからないと宗教と暴力の問題は解決できない。心理学が大事。

    テロリストと構成員は異なる。政治的思想を持ち得ない者はテロリストではない。

    宗教

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    2018年08月12日
  • 日本問答

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    ネタバレ

    <目次>
    はじめに 松岡正剛
    第1章  折りたたむ日本
    第2章  「国の家」とは何か
    第3章  面影の手法
    第4章  日本の治め方
    第5章  日本儒学と日本の身体
    第6章  直す日本、継ぐ日本
    第7章  物語とメディアの方法
    第8章  日本の来し方・行く末
    あとがき  田中優子

    <内容>
    歯ごたえのある、手ごたえのある本であった。日本が欧米と違う感覚、感情を持ち、それが歴史を紡いできたこと。その由来を博識な二人がひも解いていく。かなり頭を使い、考えさせられるが、無知な私にも何となく伝わってきた。再読必至な本である。

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    2018年05月12日