【感想・ネタバレ】初めて語られた科学と生命と言語の秘密のレビュー

あらすじ

まだ見ぬ「神」を探して――岡潔×小林秀雄の名著『人間の建設』の現代版がここに誕生!

話者のひとりはカオス理論の確立者であり、複雑系科学の第一人者の数学者、物理学者の津田一郎。もうひとりは、「編集工学」を掲げ、情報を生む世界観を追究してきた博覧強記の松岡正剛。1980年代初頭、新しい生命科学と数学が生まれつつある胎動に胸躍らせていた松岡氏は、津田氏と出会い、科学に物語性を接続するその才に触れ、心打たれたという。

それから数十年。ChatGPTをはじめとするAI技術や情報技術の進展、ゲノム解析を含む分子生物学や脳科学研究の進化により、「生命と情報」をめぐるボキャブラリーは増え、その起源と原理の解明への道筋は遥かに整いつつあるように見える。
これまでいったい科学は何を解き明かしてきたのか。はたして生命原理を解き明かす「神の方程式」はあるのか? ヒトの意識と自己の行方は――。

湯川秀樹、南部陽一郎らとも科学の最先端をめぐって議論を交わし、人文知と科学の知を架橋してきた松岡氏が、その「言葉」で、科学の諸ジャンルに通じた津田氏に丁々発止の質問を投げかける。切っ先鋭くもユーモア交え、「科学と生命と言語の秘密」に迫りゆく(ときに謎が深まりゆく)スリリングな対話が開幕。

第1章 カオスと複雑系の時代で
第2章 「情報」の起源
第3章 編集という方法
第4章 生命の物語を科学する
第5章 脳と情報
第6章 言語の秘密/科学の謎
第7章 「見えないもの」の数学
第8章 「逸れていくもの」への関心
第9章 意識は数式で書けるのか
第10章 集合知と共生の条件
第11章 神とデーモンと変分原理

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

碩学の2人による対談語り下ろし。かなり濃い話題をしろうとにもわかりやすく努力しているけど、やはり知らないことはおおいなあと感じる1冊。

0
2023年11月19日

Posted by ブクログ

神かデーモンか
いないいないばあの原理など
こういう視点で科学や生命を語られているので
内容は難しいが読んでいて楽しめた

0
2025年05月04日

Posted by ブクログ

難しい・・・何を言ってるのかわからん・・・けど面白い!?という不思議な本。
少し前にも津田一郎先生の『心はすべて数学である』を読んだけど、こちらも難しくてよくわからないのに面白く読めてしまう(しかし全く理解できた気はしない)不思議な本だった。
本書もよくわからないけど読めてしまう・・・ので、少し頑張って精読はしてみたのだが、やっぱりわからない、汗。
それでも面白く読めてしまうのは、「生命の起源」や「言語の起源」といった大きなテーマについて、お二人が読者に忖度することなく、持てる知識を総動員して大真面目に議論されているからだと思う。まあ、私は思いっきり置いてけぼりにされているわけだが、熟練したアスリートの走りにほれぼれするような感じなのだろうか。
印象に残っているところは色々あるが、p.152津田,ジョン・ニコリス共同論文の話が出てくるあたり。津田・ニコリスによれば人間が瞬時に記憶できるチャンク(文節)数は7±2の範囲とのこと、だから「物語」を持つと非常に大きな容量のカテゴリーが記憶できるとある。
そんなこと考えたこともなかったけど、原始社会で文字などの記録ができない社会では、情報の伝達手段として「物語」があったというのはありうるかもなあ、と思った。そして当然口承であり、旋律やリズムがあれば音楽の起源もそこにあるのかも、と思ったり。

0
2024年02月18日

Posted by ブクログ

オーディオブック。

何を読んでるのか(聴いてるのか)よくわからんかった。

松岡正剛の本は、一文一文はなるほど〜と思うけど、全体としてなんだかわからないということがよくあって、なぜなのか(私の頭が悪いだけの可能性が高いがw)。いつもちょっと悔しい。

0
2024年11月01日

Posted by ブクログ

難しすぎて大部分ついていけなかった。カオスや複雑系をよく理解してないと何のことやらよくわからない記述が多い。その中でも時間、生命の発生、神経の統合と物語理解の話、誤読による進化や発展、最も美しいものはよく練られた逸脱、意識はマイナスの操作というあたりは面白かった。

0
2024年04月25日

Posted by ブクログ

数学 ~意識と意識外のものをつなぐ(津田)
 デジタル化で周りとの関係性「場」が失われる。
 原子の速さは光の速さ、人間は1秒1m程度。租視化し、時間を圧縮。
 生命はエントロピーを食べている。「自己組織化」

物語る
 太古の人類は文字を持たないためナラティブ情報に 歴史を遡れるのは文字の後
 少しだけ間違える 新しい意味が生成される
 構成要素 ストーリー、シーン、キャラクター、ナレーター、ワールドモデル
 最終状態のための初期値の選び方 抽象的な拘束条件

文字
 文字の初期は音読のみ 写本の転移力  音読はリニアな展開軸 黙読は映像的

脳 
 記憶 情報をためる 学習と編集 視/聴/臭/体性感覚情報の統合=物語編集
 神経は筋肉と同じ 負担をかけると力を発揮する
 ツイッター 脳に負担をかけない

宗教
 スピリットとゴースト 組織で説明できないこと 宗教で

意識
 in/form 形作る →information 情報
 =A-B:整えられた情報を作るために引かれた部分Bが意識 

0
2024年02月04日

「学術・語学」ランキング