松岡正剛のレビュー一覧
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池上彰と佐藤優の対談が、一番面白かったかな。宗教と資本主義、現代社会をわかりやすくつなげてくれる。試験登用による官僚制は、宦官とか聖職者の独身制の現代版であるとかね。それはつまり世襲によって、権力の固定化を避けたのだ、と。
資本主義は非常によくできたシステムで、個人がこれにあらがうことは難しい。せめて、というか、お金にならない、何か自分で大切と考えること、後進を育てるとか、見返りを求めない寄付をすることで、社会の重厚さを担保できるんじゃないか、という見方はいいと思う。自分でも、いずれなにか考えよう。まぁ、そう考えたら、自分の子を育てるって、そういうところはあるんだけどね。老後のめんどうをみさ -
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まったく個人的なことだが、僕はあと数年で還暦を迎える。老眼は進むし、集中力の減退を感じる。数はこなせないのだから、読むべき本は、よく考えなければと思う。
これからの読書の方向を探るつもりで購入。
最初は、子供の頃に読んだ本などの話があり、平松洋子さんと小川洋子さんの共著「洋子の本棚」を連想したが、‥。
松岡さんのような、ある年齢層の方たちは、殆どマルクスを体験しているんだな。革マル派の指導者やレーニンの名前も出てくるが、僕が大学の頃、マルクスなんてまともに読む気しなかったもんなあ。
その後はポストモダンだ、脱構築だと云っているうちに、思想が無くなってしまったと云う。そうなんだろうね。
し -
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松岡正剛と佐藤優の対談『読む力』を読み終わった。
佐藤優はいまいちピンと来ないことが多かったが、『知性とは何か』が優れていた。
あとがきで佐藤優が「松岡正剛学という学術分野が成立すると考えている」と書いているが、松岡正剛がそれほど優れた人物なのか、私には分からない。
しかし、一人の人間がどこまで本を読めるかに挑戦した人物のように思う。
また、松岡正剛がまえがきで指摘した3つの「読む力」は興味深い。すなわち、
①アナロジー(類推する力)
②アフォーダンス(意味を見出す力)
③アブダクション(仮説的推理力)
の3つであるが、この3つの力を鍛えるのが、読書の効能と言えそうだ。
全体的には、本の紹介が -
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「編集」をもっと広い視点で考えてみたいと思い。スポーツのルール、話す時のジェスチャー、日常会話…私たちはあらゆるところで「編集」しており、本書はその「方法」を取り出してみようというもの。難解だったけれど、例えば編集と子供の遊びの話、連想法の話、情報の地(何かの上に乗っている情報)と図(その情報が置かれている状況)の話は分かりやすく、とても面白かったです。
大量の情報を、どうやって結びつけて分かりやすくするか?/面白くするか?というのは、ずーっと昔からの課題なのだと思う(ヴァネヴァー・ブッシュの「ハイパーリンク」を思い出した)。これからはますます、どんな仕事においても、「編集的」に、結びつけた -
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ネタバレ【要約編集(keynote editing)のための多様な技法】p121
①ストーリー性を生かしたダイジェストによる「重点化モード」
②論旨のアウトライン(骨組)だけに焦点を当てた「輪郭化モード」
③一枚ないし二、三枚の図にしてしまう「図解化モード」
④論旨の背景となっている考え方との関係を組み込んだ「構造化モード」
⑤別のメディアに変換するための「脚本化モード」
⑥ニュースとして伝える目的を持った「報道化モード」
<メモ>
ハイパークリエイター高城剛
コンテクストデザイナー高木新平
松岡正剛『情報の歴史』
【編集十二段活用】p193
①注意のカーソルを対象に向ける
②注意の対象およびそ -
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タイトルが駄目。タイトルが内容とまったくあっていない、あるいはほんの一部分しかあらわしていないのが残念。「科学」と表現する必要があるのか?という。
カルチャーセンターの講座の記録がもとだということで[p429]、全体的に思いつきのエッセイのような記述が納得。
日本文化の歴史的な起源、発祥からみる(「山」から「都」へ[p16]など)だけではなく、科学的なエピソードもエッセイ的に取り込みながら、「景気」を盛りあうためのコミュニケーション様式、ユーザーインターフェースである「花鳥風月」に迫る。「隠れた次元」[p58]を浮き彫りにするよう。
まさに知識人?で、一つのことに対して芋づる式に別の事柄 -
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同じものを見ても、人によって感じること、考えることが違う。それは、それぞれが自分なりに受け取った情報を編集しているからだ。
なんだか読みづらい本だった。早口な人の話を聞いてる感じ。忙しい人なのかな。
ポール・オースター『ムーン・パレス』
「あいだ」の文学の王者
村上春樹『羊をめぐる冒険』
『遊びと人間』カイヨウ
人間がどのように社会関係を作っていったのかを、遊びの分類から説明している。
『嘘の効用』末松厳太郎
『映画編集とは何か』浦岡敬一
『知の編集工学』
編集とは、どれか一つを、選び出すこと。可能な限り正しいどれか一つを。
編集術は、今ある情報を元に、新たな情報を作り出すた