夢枕獏のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「瓜仙人」「源博雅 思はぬ露見のこと」「内裏 炎上ス」の三話が収録されています。
「瓜仙人」は、前巻で雨乞いに用いられた瓜がきっかけとなって、晴明と博雅が五条の化け物屋敷を訪れる話です。「源博雅 思はぬ露見のこと」は、音楽にばかり関心を示し、ことあるごとに晴明の家を訪れてばかりいる博雅のことを心配する家人の俊宏(としひろ)が、博雅のためを思ってお節介を焼き、博雅がそれに巻き込まれるコミカルな話になっています。
「内裏 炎上ス」は、日照り以来の天地の異変がついに内裏の炎上という事件にまで立ちいたったことがえがかれています。ここから晴明と、彼を見守る真葛の苦悩はますます濃いものになっていきます -
Posted by ブクログ
この巻は、「安倍晴明 天の川に行きて雨を祈ること」の一話のみで構成されています。
日照りがつづく京の都で雨乞いの儀式がおこなわれることになり、陰陽寮の加茂保憲も駆り出されることになります。しかし晴明は、奉納する瓜を保憲に預けて、彼自身は博雅とともに六つの地を訪ね歩き、この天地を構成する水のエレメントの神秘に参究しつつ、彼自身の心の奥底に渦巻いていた保憲との反目意識についての自己内対話がおこなわれることになります。
ストーリー構成について見るならば、ほとんど破綻をきたすといわなければならないほど、本筋を外れた描写が延々とつづくのですが、それでもあまり退屈することなく読むことができるのは、秀麗 -
Posted by ブクログ
今回は、「菅公 女房歌合わせを賭けて囲碁に敵らむ」の一話が収録されています。
冒頭では、晴明の屋敷に雷が落ちたというエピソードを、真葛が碁によって雷神となった菅公を捕らえるという話に仕立てています。そこへ、内裏歌合わせで歌を詠む講師の役目を務めることになった博雅が登場して、歌合わせを舞台に物語がすすんでいくことになります。
「こいすてふ」の歌で敗れた壬生忠見をみずからの眷属にしようとたくらむ菅公は、晴明の屋敷で真葛と碁を打つことになり、同時に二人の口から魂と魄について解説がなされています。晴明をめぐるさまざまなエピソードを巧みに配置しながら、キャラクターの魅力を読者に伝えるストーリーに構築