夢枕獏のレビュー一覧
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ネタバレ1000頁をこえる作品。構想から20年、書き終えるまで3年。筆者をしてすべてを出し切ったと言わしめる、直球、ド・ストレートの作品。大作なんだろう。
命を懸けてエヴェレスト登攀にかける男たち。冬山の圧倒的な臨場感。何故山に登る?それは何故生きるという問いかけと同じ。答えは山にもない。
実在する伝説の登山家をモデルに書かれた物語は、羽生丈二の山に対峙する姿勢、厳しさ、孤独が余すところなく描かれ、読んでいるこちらまで凍死しそうな勢い。ライバルとして描かれる天才クライマー長谷部もまた素晴らしい。
ただ、残念なのはカメラマン深町。
主人公なんだけど、彼だけはフィクションであり、モデルとなる人物はいな -
Posted by ブクログ
二巻目。
『源氏物語』やら『今昔物語』、『伊勢物語』の芥川にも典拠があって、自分の知っている物語や和歌、人物が、晴明と博雅の二人によって彩られることが不思議に楽しい。
ああ、そういう話として伝わっていったのかもしれない、なんて思わされてしまう。
「鬼小町」は珍しく救えない話で、切ない。
小野小町に取り憑き離してはくれない男と、成仏したいと言いながらも、本当のところでは美しさや情欲を求めていたい小町自身だから、救われなかったのだろうか。
二人の声が一人から重なって聴こえるという描写が、浅ましく浮かび上がる。
「源博雅堀川橋にて」では、序として博雅のキャラクター設定が語られる、変わった章(笑 -
Posted by ブクログ
SF界隈での著名人・新人引っくるめてのアンソロジー集です。SFにはあまり馴染みがなく、フィリップ・K・ディックは好きですがそれもアニメ『PSYCHO-PASS』の影響で最初からというわけではなかったので、慣れる、と言うか、映画は好きなんですが小説はなかなか食指が伸びず、アンソロジーならまだ読めるかな?と言う気持ちで購入しました。
冲方丁さんは、『マルドゥック・スクランブル』を読んでいましたし、新井素子さんは名前くらいは聞いたことがあるなあ、『グリーン・レクイエム』は読んだっけな、夢枕獏さんは『陰陽師』だなあ、とか。
個人的に好きなのは宮部みゆきさんの作品。ロボットとの哀愁漂う感じが好き。 -
Posted by ブクログ
深町がカトマンドゥで見つけた古いカメラ。
フィルムが見つかれば山岳史上大変な発見となるかもしれず、それを追う深町と、行方知れずの日本人クライマー羽生の実人生が重なるまでが上巻。
ちょっと長い…。
エンタメ小説だし高峰登山の描写や羽生の半生は少し削っても良かったように思います。
実在の、しかも突出した才能をモデルにする加減の難しさは痛く感じました。
羽生がK2を下山したエピソードや羽生についてクライマー達が寄せた(どこかで読んだ)コメントの部分もちょっとやりすぎな印象でした。
実在の登山家をモデルにするのはそこそこにして、思い切りエンタメ方向に舵を切れば良かったのじゃないかな。