夢枕獏のレビュー一覧
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唐の時代。
楊貴妃の死の秘密にまつわる怪異について空海が切り込むお話だけど、本当に『陰陽師』そっくりなムード&登場人物設定です。
話の内容は面白いし、文章は味があるし、『陰陽師』で「呪」について晴明が話すように言葉の大切さとそれに振り回される人間の弱さなども描いていてリズムも良いのだけど、なんで全く『陰陽師』と同じようなことをやっているんだろう…という違和感がぬぐえない。
角川の完全総指揮で『陰陽師』みたいな映画が作りたいとか大人の事情でもあったのかな?
どうせ同じなら『陰陽師』でこれくらい規模が大きい日本での話を読みたいと思ってしまって、どうにも入り込めません。
先に映画を観ちゃったから -
Posted by ブクログ
後半は
カメラマン深町は登山家羽生を追い、とうとうエベレスト南西壁冬期無酸素単独登頂を目指す
深町はどこまでついていけるのか…
それなりにトレーニングを積んだが、もちろん天才クライマー羽生とは比較にならない
羽生は8年間もかけて入念に準備をしてきたのだ
尋常ではない緊迫感がひたすら続く
氷塊、クレバス、雪崩、落石、垂直の岩壁…、凍傷、強風による低体温症、どんどん酸素は薄くなり、高度障害が出始める
読んでいるだけで苦しくて辛い
(軽い高山病の記憶がよみがえる そんな時でさえも、食事は喉を通らず、頭痛と吐き気がし、筋肉が鉛のように動かなくなる
次の一歩を出すのに使うエネルギーが足りず辛い この -
Posted by ブクログ
田部井淳子さんをモデルにした小説「淳子のてっぺん」からエベレストづいた流れで読むことに
アクの強すぎる伝説の男が、登山家としては既に峠を越した年齢でありながら、前人未到の「エベレスト南西壁冬期無酸素単独登頂」に挑む(わかりやすく言うと、南西壁はエベレストの超難関登山ルート、かつ冬に酸素ボンベを持たず、さらにはシェルパなしの単独での登頂…あり得ない…)
ひとことで言うとこんなストーリだ
主人公のカメラマン
40歳、独身、カメラで食っていけるのか…という生活
恋人との不幸な別れをし、エベレストへカメラマンとして挑戦するも、仲間の死という不運に見舞われる
何もかも捨ててしまいたいほどの脱力状態 -
Posted by ブクログ
『安倍晴明 天の球を得ること』で晴明に子供が誕生。子守り歌のように陰陽道のことなのか、天地の理とか数字の話を乳飲み子に話しかける姿が微笑ましい。真葛のお腹の中にいる時から胎教してた模様。この子の将来が楽しみ。しかし、新造内裏で射覆をする晴明の身に何か大きな試練が待ち受けているようで、緊張感がみなぎってくる。晴明が無事でありますように。
エジプトの挿話が頻繁に出てくるけど、どういう意味があるのか分からない。時空を超えてリンクしている内容があると言いたいのだろう。
頭で理解しようとしても出来そうもないので雰囲気で把握することにします。次の巻最後まで読めるか心配。 -
Posted by ブクログ
『安倍晴明 竜宮の宝玉を得ること』『キョーフの真葛サマ絵巻』『安倍晴明 温明殿の霊剣を修理すること』『安倍晴明 闇に懐胎すること』『安倍晴明 闇を解くこと』『賀茂保憲 高雄山にて霊剣を修理すること』盛りだくさんで、分厚くて本を持つ手が痛くなりました。内容は人の世界のことではなく神や魔物の領域のことであるせいか頭で理解しようとしても意味不明で困りました。だんだん難しくなりますね。真葛の懐妊おめでとうございます。そして博雅は晴明のことを…そうだったのか!いや知ってたけど。でもはっきり言語化されるとビックリする。
ここでひとつの時代が終わる。次巻から新しい時代に進んでいくのだろう。