浅田次郎のレビュー一覧
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JALの機内誌「SKYWARD」に掲載されているエッセイ。すっかり飛行機に乗らなくなってしまって、こうした本になるまで我慢しなければならない。
歴史作家、人情派作家との世間の認識とは裏腹に相変わらずのお茶目な浅田先生。以前のような灼熱のピラミッド登りとかカジノでの豪遊というネタはないが、渡米して肉をひたすら食べ続けたなど健啖家らしく食事の話が多い。
トルーマン・カポーティに触れた一文。三島由紀夫との相似。早熟で実際の事件や自分の生い立ちからしか物語が紡げなかったとある。
最後の「四日目の奇跡」はカバーの絵の意味が判る内容。
もっとSKYWARDに載っている川上和生さんのイラスト見たいなあ -
Posted by ブクログ
ファーマータナカの本棚「ま、いいか。(浅田次郎)」。
花の笑みに鉄の心「花笑鉄心」が浅田二郎の座右の銘というが、何かカッコいいと思ったらどうも彼のオリジナルらしい、ま、いいか。
エッセイは同じオヤジの臭いがしながらも含蓄があり軽妙洒脱。
その中の「黄昏の恋」と題する文章に「三婚説」と言う面白い話が出ていたので紹介する。
「近ごろ、たいそう面白い説を耳にした。
詳しい出典は知らない。ただの笑い話かもしれないが、あんまり面白いので紹介しておく。仮称「人生三回結婚説」とする。略して「三婚説」とでもしておこう。
まず、二十歳になったら全員二十歳齢上の異性と結婚する。はたちの娘と四十のオヤジ、はた -
Posted by ブクログ
この短編集は全話主人公が孤独であった。孤独となってしまったのか孤独を選んだのか。どうであれ人は結局孤独であるのだと痛感した。
自分のため、他者のため、理由はどうであれ人は孤独であるのだろうと感じてしまう。
さらにこの短編集に出てくる人物はみな自分で望んで孤独になっている。なんとも切ない感情が湧いてくるが生きている中で誰しもが同じような経験をするのではないかと思っている。
「踊り子」
相手の全てを知らずとも愛は存在するのだと感じさせられた
「スターダストレヴュー」
私の読解力がないのだろうが、最後主人公は自分の手を切り落とそうとしたのだろうか?才能のある自分の手を切り落としてもいいと思ってし -
Posted by ブクログ
約1か月半かけて4巻読破。
3巻以降、蒼穹に出てきたメインキャラクターが表舞台から消え、北京の袁世凱、南京の孫文、東三省の張作霖、と権力者が台頭し、それぞれの視点で物語が展開していく。途中歴史の教科書を読まされているようでやや苦痛だったけど、中盤~終盤にかけては蒼穹に出てきたキャラクターが再び登場してくる。トムが銃弾に倒れるシーンと、春雷と春児、春雷と玲玲の再会には泣いた。史実よりも創作の部分が面白くて好きだな。王逸は出てこなかったけど、後の続編では出てくるようだ。
読み終わってみれば、西太后、光緒帝、袁世凱、張作霖、やり方は違えど皆根底にあるものは「わが勲は民の平安」だったんじゃないかなと思