浅田次郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
いまひとつ
戦争時代物と思いきや、それを含む短編集でした。
涙の王道六編とありますが、正直いまいち。
■獅子吼
これは、びっくり。ライオンの物語。獅子としての矜持と誇りを持ちながらも、太平洋戦争での悲哀
動物の視点から見た人間の愚かさが伝わります。
■帰り道
昭和の時代の日帰りバスでのスキーの帰り道の男女の物語。
ほんと、昭和の高度成長時代を感じさせます。
■九泉閣へようこそ
九泉閣に遺棄されたままの3つの死体。その理由とは..
■うきよご
東大闘争時代の物語。入試が延期され、東大浪人となった和夫とその姉の物語
■流離人
さすりびとと読みます。
学徒将校が満州で出会った奇妙な中佐。そ -
Posted by ブクログ
昔だなぁと思った。
暴力描写と女性蔑視。如何に愛が裏にあったとしても、今の時代感覚ではユーモアにもエンタメにもならないなと感じた。
逆に、極道の親分の方が人としてできている。『善悪と権力の大小は別物』という言葉で、本質的な人の特質を見抜くところに痺れる。
混乱やパニック、日常と異なる価値体系に触れることで、普段の常識を離れることができ、本質が見え、絶望を吹き飛ばし、関係を変えられるというメッセージも受け取る。
ドタバタと、色んなものがごった煮になっていた。
こちらも、佐藤優の紹介で、人を侮ること、侮られないとあくせくすることが描かれているとの触れ込みだったが、この巻では、そこまで感じられず -
Posted by ブクログ
続編と言うよりは番外編と言った感じ。
サラッと読める文量だが、珍妃の最期を通じて描写される義和団事件渦中の北京には振り払えない重苦しさあり。
印象に残った台詞
人間は獣の一種だから、元来はみな臆病。(中略)その本能を凌駕する精神(中略)侠気という鎧ですね。そういう人間が現れなければ歴史は作られないから。
隣人を愛し、敵をも愛せよと悟した耶蘇の教えは、貧しい彼らの良心であったに違いありません。人間としてはそうせねばならぬと分かってはいても、日々の暮らしのために裏切り続けねばならない彼らの良心。(中略)孔子様も、改まって愛なとどとは仰せられなかった。なぜなら、当たり前にすぎるから。 -
Posted by ブクログ
普通の人々が気軽に外国へ行けるようになって四半世紀。こんなツアコンのドタバタ劇も当たり前の朝飯前。よーく解ろうものである。
文豪がふらんす物語を大上段に書き読者が雰囲気を味わい浸った時代があったのだよね。いやいや松本清張が「黒の回廊」(ヨーロッパツアーものミステリー)を書いたころ(1970年代)だってこんなに庶民が簡単に外国へ行きはしなかった。高根の花だった。いいなー!とミステリーに浸りつつ、行かれやしない旅行を一緒に楽しんだもの。と時代錯誤、思い出はこの辺でやめて。
浅田さんはこんな風のも書くのかと、王宮(シャトー・ドゥ・ラ・レーヌ)のパロディとパリ観光案内っぽいのが面白かった。なぜかと -
Posted by ブクログ
日中戦争を舞台としたミステリー。従軍作家として北京に滞在していた売れっ子推理作家に下されたのは万里の長城で起きた事件の調査。
関係者への聞き込みを進める際に、それぞれの軍関係者の一人称視点で語られる。事件の解き明かし自体は大したことはなく、事件の真相も安直すぎる。
ただし、大正の軍縮時代と昭和初期に入ってからの大陸での戦争遂行状態で兵役というものが全く異なっていたこと、それに伴って世代によって兵隊の資質が異なっていたことを知れたのは収穫。
また、士官学校出身の将校と、兵卒からのたたき上げの下士官の関係性を描いた作品は数あれど、最初の兵役満了後に一般社会人として生活をしたあと、予備役招集で