浅田次郎のレビュー一覧

  • 地下鉄に乗って 新装版

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    父親を憎んでいながらも周りから父親に似ていると言われている主人公が地下鉄というタイムマシンに乗って、今まで知らなかった父親に出会っていくというちょっとしたユニークなファンタジー小説。

    元々有名だし映画化もされてるから知ってる人も多いかな。

    ストーリーも奇抜な設定で興味をそそられたけど、個人的にはこの小説は過去の時代の描写がすごく細かくて上手だなぁって感じました。
    当然戦前や戦後直後の東京なんて知らないんだけど、この本を読むと「あぁ、なるほどこういう時代だったんだなぁ」とちょっとその時代の東京に詳しくなった気にさせられます。

    主人公はタイムスリップして過去のさまざまな時代の父親に出会って本

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    2022年01月06日
  • 終わらざる夏 上

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    ネタバレ

    終戦近くに訳あって召集された人たちが今後どうなっていくのか期待。

    序章は参謀が苦慮しながら動員計画を作るところからはじまり、その計画に応じ召集する人物を決める担当、赤紙を届ける配達人とそれぞれの苦労を描いた後に、赤紙により呼び出された片岡、菊地軍医、鬼熊と共にシュムシュ島へ向かう。

    当事者それぞれを描くとによりこの戦争に対して誰もが疑問を抱きながら生きていたことが伝わる構成。
    さすが浅田次郎!

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    2021年12月26日
  • シェエラザード(下)

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    王妃の館よりは、先を読み進めやすかったけど、日輪の遺産ほどの納得感はない。
    日輪の遺産をよく思いすぎなのかな。自分の感想として、美化して思い込んでる?

    わたしには、浅田次郎作品は向いていないのかも。

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    2021年12月15日
  • プリズンホテル 3 冬

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    命や生きることを考えさせられた。
    父が若い頃に山登りをしていて、当時の話をよく聞かされていた。作品に出てくる山男さんほどの過酷な登山ではなかったが、雪山にも度々行ったようなので、父の姿を少し重ねていたかもしれない。
    ただ、1作目の『夏』からズーッと、偏屈な小説家だけは、その背景にあるものを差し引いたとしても受け入れられず、彼が出てくるシーンは読むのがしんどい。最後の『春』での変化をささやかに期待している。

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    2021年12月13日
  • 長く高い壁 The Great Wall

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    日中戦争のさ中、万里の長城・張飛嶺でみつかった10名の兵士たちの死体。これは戦死ではなく殺人。やがて明らかになる真実に、作者が描いたものはトリックではなく、嘘で塗り固められた戦争の姿だと気づきました。

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    2021年12月11日
  • 獅子吼

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    浅田次郎の本にハズレはないな。
    収められた6編全て良かった。中でも最後の「ブルー・ブルー・スカイ」1編だけは、他の5編と大きく異なる作風・語り口。まるで片岡義男の作品みたいで、面白かった。
    吉川晃司の解説も楽しめた。

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    2021年12月05日
  • 椿山課長の七日間

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    椿山課長をはじめ、ヤクザの武田、少年の雄くんが、大切な人に会うため、死後もう一度現世に戻る。
    このまま極楽に行っていれば、知らずに済んだだろうに、と思うことも沢山あったけど、大切な人に感謝の気持ちを伝えることができてよかった。死後の世界って怖くないよ。生きているうちにありがとうと伝えようとと思った。

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    2021年11月17日
  • 獅子吼

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    いまひとつ
    戦争時代物と思いきや、それを含む短編集でした。
    涙の王道六編とありますが、正直いまいち。

    ■獅子吼
    これは、びっくり。ライオンの物語。獅子としての矜持と誇りを持ちながらも、太平洋戦争での悲哀
    動物の視点から見た人間の愚かさが伝わります。

    ■帰り道
    昭和の時代の日帰りバスでのスキーの帰り道の男女の物語。
    ほんと、昭和の高度成長時代を感じさせます。

    ■九泉閣へようこそ
    九泉閣に遺棄されたままの3つの死体。その理由とは..

    ■うきよご
    東大闘争時代の物語。入試が延期され、東大浪人となった和夫とその姉の物語

    ■流離人
    さすりびとと読みます。
    学徒将校が満州で出会った奇妙な中佐。そ

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    2021年11月13日
  • プリズンホテル 1 夏

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    昔だなぁと思った。
    暴力描写と女性蔑視。如何に愛が裏にあったとしても、今の時代感覚ではユーモアにもエンタメにもならないなと感じた。

    逆に、極道の親分の方が人としてできている。『善悪と権力の大小は別物』という言葉で、本質的な人の特質を見抜くところに痺れる。
    混乱やパニック、日常と異なる価値体系に触れることで、普段の常識を離れることができ、本質が見え、絶望を吹き飛ばし、関係を変えられるというメッセージも受け取る。

    ドタバタと、色んなものがごった煮になっていた。
    こちらも、佐藤優の紹介で、人を侮ること、侮られないとあくせくすることが描かれているとの触れ込みだったが、この巻では、そこまで感じられず

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    2021年11月07日
  • 珍妃の井戸

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    続編と言うよりは番外編と言った感じ。
    サラッと読める文量だが、珍妃の最期を通じて描写される義和団事件渦中の北京には振り払えない重苦しさあり。

    印象に残った台詞

    人間は獣の一種だから、元来はみな臆病。(中略)その本能を凌駕する精神(中略)侠気という鎧ですね。そういう人間が現れなければ歴史は作られないから。

    隣人を愛し、敵をも愛せよと悟した耶蘇の教えは、貧しい彼らの良心であったに違いありません。人間としてはそうせねばならぬと分かってはいても、日々の暮らしのために裏切り続けねばならない彼らの良心。(中略)孔子様も、改まって愛なとどとは仰せられなかった。なぜなら、当たり前にすぎるから。

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    2021年11月05日
  • わが心のジェニファー

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    この数年不作な気がしている浅田次郎だけど、久しぶりに読みやすい一冊だったと思う。
    ジェニファーもラリーも好きになれないし、サブキャラも魅力的ではないけど、そこはもう考えないようにして、ファンタジー色のある旅の本と思えば楽しく読める部分もあった。

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    2021年11月03日
  • 姫椿

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    短編集です。

    どのお話も登場人物に不器用な男の人が出てくるな〜といった印象。
    割と女性に対する価値観が前時代的な男性も出て来るので、ちょっとモヤっとする人はするかもしれないです。ただあくまでも小説なので、そういう人が何をどう考えどう行動するのか、外から覗いてるような感覚で読み進めることができ面白かったです。

    不器用さのベクトルが人それぞれでそれもまた面白く、他の作品も読んでみたいなと思いました。

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    2021年10月26日
  • 椿山課長の七日間

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    おっさんが女性になる話!浅田次郎だし、きっと面白いに違いない!と思って、プリズンブレイクのようなコメディを期待して読みました。
    プリズンブレイクほどではなかったけど、所々笑える箇所もあり面白かったですが、おじいちゃん!おじいちゃんは極楽浄土じゃなきゃダメでしょ〜!!!

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    2021年10月24日
  • 地下鉄に乗って 新装版

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     1994年刊。第16回吉川英治文学新人賞を受賞し、浅田次郎さんの最初期の「名作」と呼ばれている作品らしい。
     タイムトリップというSF的な装置を使ってストーリーが展開されるが、叙述や感受性は普通小説のものであり、リアルな日常性の感覚が確保されている。
     良い小説だと思って読んだが、最後の結末が自分にとっては今ひとつな気がした。
     この作家の作品をまた読みたいと思う。

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    2021年10月23日
  • 月島慕情

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    浅田次郎の短編集。短編だが、それぞれの話にしっかり物語がある。シューシャインボーイが良かった。作者自身による解説付き。

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    2021年10月21日
  • 新装版 お腹召しませ

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    製作裏話?も含めた短編集になっているが、裏話は、面白いけれど、無い方が物語の世界に浸れたかな、という気もする。

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    2021年10月19日
  • 天子蒙塵 4

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    最終的に満洲国が建国するところで終わる。が、まだまだ登場人物が色々登場してきて蹴りがついていない。これから第二次世界大戦、国共合作、共産党による国民党撃破による中国統一となるはずだけどまだ道のりは長い。きっと次がありますね。

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    2021年10月02日
  • アイム・ファイン!

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    JALで読んでいた。著者がこういうひとなんだ、とやや驚きました。安定して面白い。朝風呂で毎日2-3編読みました。

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    2021年10月02日
  • 珍妃の井戸

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    ずっと以前に「蒼穹の昴」を読んで、だいぶ間が空いてしまったが、続編?外伝?とされる今作をやっと読んだ。相変わらず宮内の人の地位の把握が難しく混乱してた笑 最後の皇帝の妃、珍妃は誰に殺されたのか?清朝末期の混乱の最中、日独英露の高官が真相を究明していく。

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    2021年09月28日
  • 地下鉄に乗って 新装版

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    個人的に東京の地下鉄のあの独特な雰囲気がとても好き。所々に古びた歴史の跡も残り、なんとなく感じるぼんやりした空気感、一期一会に行き交う人々の色合いが哀愁を誘う。
    そんな都会の地下鉄が物語の舞台となり、タイムスリップというファンタジーな設定がとても相性良く自分の心に染みた。結末は悲しく切ないけど。映画版もとても良かった記憶。

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    2021年09月14日