浅田次郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
浅田次郎により、張作霖の人柄について再評価させられる作品。
勅命を受けた日本軍人と、張作霖が乗っていた蒸気機関車の独白により進む。
蒸気機関車は、張作霖の態度について、「含羞(シャイニズム)」と評価する。確かに、張作霖の行動は、豪傑だけでは説明できないし、細心だけでも説明できないが、含羞とすれば全て説明できる。
良い塩梅の豪傑と細心をもたらす含羞を身につけることはとても難しい。少しでもバランスを違えば、それは虚無(ニヒリズム)となり、張作霖のような、誰からも愛される人物にはなり得ないからだ。いったいこの世に、質の良い含羞を持ち合わせる人物はいるのだろうか。 -
Posted by ブクログ
儚く、美しく、そしてかっこいい。
義とは何か、家族とは何か、男とは、友とは何か——そのすべてを強く問いかけてくる作品である。
新選組という激動の時代の中で、それぞれが信じる「正しさ」を抱えて生きている。しかし、その正しさは一つではなく、時にぶつかり合い、すれ違う。その姿が非常に人間らしく、胸に迫ってくる。
特に、吉村貫一郎の生き方には強く心を打たれた。周囲からどう見られようとも、家族のために生きるその姿は、不器用でありながらも揺るがず、真っ直ぐである。
また、大野との友情も非常に熱く、立場や価値観の違いを越えて通じ合う関係が印象的だった。さらに、その生き様は息子にも受け継がれており、その姿