浅田次郎のレビュー一覧

  • 一路 (下)

    購入済み

    すごいっ

    現代のシェークスピア!

    人間のありとあらゆる感情がそこここに描かれている上に、立場、振る舞い、不自由さの中の自由、またはその逆…

    そして浅次郎まで!

    笑ったししんみりもしたし、でもでも「アッパレー」

    #笑える #ドキドキハラハラ

    0
    2023年05月15日
  • 新装版 お腹召しませ

    Posted by ブクログ

    やっぱり浅田次郎さん、いい。

    封建なのか、能力主義なのか。
    いずれ、遺伝と環境が人を規定するのだから、ちょっとした細目は違えど、個人の運命なんてものは、どちらの状況であろうとも、理不尽は変わらぬ。

    江戸時代の話として、書いているので、なんだかさらっと読めるが、現代でも起こっていることに、そう差はない。

    なんて、書き連ねてみてはみても、

    「祖父は話に詰まると、爪の黝んだ、粗く節くれ立った指に火箸を握って、適当な言葉が見つかるまでいつまでも火鉢の灰をかきまぜていた。
    その誠実さが、私にはない。」

    という幕引きの言葉に、言葉を失った。

    0
    2023年05月14日
  • 珍妃の井戸

    Posted by ブクログ

    蒼穹の昴では、中国名が難しくて誰が誰なのかこんがらがってたけれど、ここまで読んだら分かるようになってきた!

    珍妃を殺したのは誰だというミステリー小説なのかと思いきや、とても素敵なラブストーリーでした。みんなが証言することが全然違かったり、実際に会ってみた人物が噂と違ったりでどういうことだってなってたところでのラスト!全く想像出来なかった。皇帝と珍妃の深く揺るぎない愛に泣けた。歴史上の事実は別として、この物語の珍妃が大好きになりました。

    そして実際に珍妃が殺されたとされる井戸が中国にあるらしい…見てみたくなった!今まで全く興味のなかった中国史が面白いと感じるようになってきたぞ。

    0
    2023年05月03日
  • シェエラザード(下)

    Posted by ブクログ

    じわっと感動が広がる作品でした。本書では犠牲者の方々の無念だけでなく、戦後も生き残った関係者たちの心境についてもなんとか読者に伝えようとしているのかと思いました。弥勒丸に乗船していて助けられた人、またシンガポールで弥勒丸の乗船名簿を作成していた軍人、またシンガポールで弥勒丸から下船するロシア人密航者など、様々な立場で弥勒丸に関わった人たちの心境を描写しようとしていた気がします。弥勒丸関係者の中で生き残った人の多くはその後が描写されていますが、後日談が書かれていない何人かの登場人物について、これらの人々はその後どういう人生を送ったのか、どういう気持ちで送ったんだろうかと想像を巡らせました。あらた

    1
    2023年04月30日
  • シェエラザード(上)

    Posted by ブクログ

    一気に読めました。終戦直前の昭和20年4月、人道支援の目的で運航していたはずの日本の豪華客船、弥勒丸が日本への帰路途上で米国の潜水艦に沈没させられてしまいます。軍艦に間違えられたのか、それとも意図的な沈没だったのか。時代は過ぎこの事件の記憶も薄くなってくるなかで、ある台湾人実業家が弥勒丸引き上げ話を主人公に持ちかけてくる、というようなストーリーです。これは昭和20年4月に実際におこった「阿波丸事件」がベースになっているのですが、本書を読み進めながら犠牲者の方々に対してご冥福を祈りさせてもらいました。

    1
    2023年04月30日
  • 帰郷

    Posted by ブクログ

    戦争小説。短編集。
    どの篇も悲しい。
    「帰郷」については少し未来に希望が持てる。二人の先が幸せであることを祈らずにいられない。

    「不寝番」ではファンタジー色が強い展開であったが、二人の交流が違和感なく汲み取れ、それでも元に戻った後を想像すると苦しくなる。

    他の篇についても救われるものが少なく、諦め感も否めず、あっさり終わりを受け入れている場面がなんとも言えない。
    自分も戦争を知らない世代であるが、人の生き死にについて改めて考えさせられる機会を与えてもらえた

    0
    2023年04月29日
  • 一路 (下)

    Posted by ブクログ

    純真で真っ直ぐな主人公とうつけを装った賢人の殿様、そして御家転覆を画策する殿の叔父・・・と、役者が揃った日本人が大好きないくつもの苦難を乗り越える勧善懲悪の物語。 時代劇の典型的なパターンと思いつつも、浅田さんが面白おかしく時にはズッシリと心に響くように描く物語にどっぷりハマってた。 「一路〜、アッパレ〜!」

    1
    2023年04月29日
  • 赤猫異聞

    Posted by ブクログ

    死罪を含む重い刑を申し渡された罪人3人が、「赤猫」という逃走の絶好の機会を得ながら、紆余曲折ありはするものの逃げずに指定の刻限までに戻るという身を捨てた義侠心や義理人情が心を熱くする。 一方で彼らの罪の源となった恨みを一身に背負い、弱きを助け強きを挫くごとき牢役人に心を強く揺さぶられた。 浅田さんに、また泣かされちゃった。この本も再読本だなぁ〜。(o^^o)v

    0
    2023年04月29日
  • 一刀斎夢録 下

    Posted by ブクログ

    今回、初めて斎藤一という人斬りの鬼を知り、斎藤一改め藤田五郎の独り語りに、いつしか一刀斎の横を歩いていた。 互いに信ずるもののためとはいえ、人の命を無情に奪う幕末という時代が想像仕切れないが、そんな時代が眩しくもあり、とてつもなく怖ろしい。 作品は人斬りの一刀斎を主役としつつも、浅田さんは彼を通じて激動の時代を駆け巡った新撰組を描きたかったんだろうな〜。 今回も多くの名言があったが、「苦労は口にするな。苦労は口に出したとたん身につかずに水の泡となってしまう。」という言葉を浅田さんからいただいておく。

    0
    2023年04月29日
  • 輪違屋糸里(上)

    Posted by ブクログ

    島原の女性の惚れた男に対する一途な心がいじらしくてホロリとさせられた。 幸せになって欲しいんだけどな〜という思いで下巻へ・・・。

    0
    2023年04月29日
  • 輪違屋糸里(下)

    Posted by ブクログ

    物語の縦糸に新撰組があり、話はそれに横から幾重にも幾条にも絡まる女性たちと共に流れていく。 女性は心底惚れた男のためなら、あんなにも強くなれるものなのだろうか・・・。 浅田さんは、「女というのは、剣を持たずに斬り合いができるらしい。」と結んだ。 親の愛を知らずに島原で育った女の、剣にも勝る強さを描く浅田さんの筆にまたホロリとさせられた。 これも再読本の棚に入れる。

    0
    2023年04月29日
  • 一路 (下)

    Posted by ブクログ

    5.0
    こんなにも心揺さぶられるとは…!
    本当に面白かった。

    一所懸命。
    なんて重みのある一言だろう。


    正義とは星ぞ。
    いかに夜空の闇が広うても、正義が孤独であろうはずはない。
    義のあるところ、必ず星ぼしは群れ集うて輝く。

    1
    2023年04月27日
  • 天子蒙塵 3

    Posted by ブクログ

    イギリスに留まるかそれとも故郷に帰るか考え続ける張学良。そして生きていた王逸。春雷はいよいよ、その弟子に龍玉を渡そうとする。王逸が家庭教師として育てた弟子の名前は毛沢東。
    ああ……ああそうなるのか……そうなるんだけどいよいよここまで来たんだなという感慨に溢れる第3巻。

    "恐怖心は武士道に悖る。だから誰も本音を口にできない。美辞麗句の建前に糊塗されて、実はその存在理由がよくわからない国家が、満州なのです。"

    その満州でいよいよプロパガンダのための映画制作が始まる。そもそも何のためのプロパガンダなのか、本当はみんなわかっているけれどわからないふりをしているんだな。

    いや〜

    0
    2023年04月26日
  • 一路 (上)

    Posted by ブクログ

    最初は言葉遣いや単語に慣れずに読みづらかったけれど、乗ってくるとあれよあれよと読み進められて、なんと面白い!!!小説を読みながら声に出して笑うなんてそうそうないことだと思う。そして同じように泣ける。
    早く下巻が読みたい。

    1
    2023年04月24日
  • プリズンホテル 4 春

    Posted by ブクログ

    泣いた。
    冒頭から、漂う幸せの予感。
    その通りに物語りは進むのだけれど、先が読めてしまってつまらないとのがっかり感はない。むしろ必然。
    原田のような警官が本当にいて欲しい。

    0
    2023年04月22日
  • 流人道中記(下)

    Posted by ブクログ

    最後の場面で押送人石川乙次郎が流人青山玄蕃の名前を初めて呼ぶところでもう涙が止まらなくなってしまった。

    0
    2023年04月08日
  • 流人道中記(上)

    Posted by ブクログ

    道中で出会ういろいろな事件に流人青山玄蕃と押送人石川乙次郎がどんなふうに向き合って行くのかおもしろくて一気に読み進めてしまった。

    0
    2023年04月08日
  • 蒼穹の昴(4)

    Posted by ブクログ

    読み終えました。
    達成感ありますね。
    特に最後は、ハラハラドキドキ。
    通勤中、電車の中で読んだので危うく乗り過ごすところでした。
    浅田先生の中国シリーズ、全部読みます!

    0
    2023年04月05日
  • 天子蒙塵 2

    Posted by ブクログ

    ぼろぼろに泣きながら読んだ。誰も死なないで、生きてと唱えながら読んでいる。

    本当に孤独な者は、自分が孤独であると理解できない。溥儀のモノローグから始まる第二巻。満洲国がいよいよできてしまった後の話。
    吉永中佐は陸軍大学校の教官として予備役から現役復帰する。

    "軍人が国民から敬せられる悪い時代になったと、吉永はつくづく思った"
    "「いかに有能であれ、一人の人間に権力が集中するのは、国家にとっていいことではありません」"
    "もしやわが国では、国会という機能そのものが、さほど重要視されていないのではあるまいか。「世界の一等国」としての体面を保つた

    0
    2023年04月04日
  • 天子蒙塵 1

    Posted by ブクログ

    一気に読み切ってしまいました。何故あんまり評価が高くないのかわからないくらい、とにかくひたすら面白かったです。

    蒼穹の昴シリーズも11巻目に来ました。この、一人の女性が語る話の運び方が本当にわかりやすくて面白くて、今のところシリーズ内で一番好きです。
    「女性の本性は政治ではなく、真実の愛を求めること。老仏爺が教えてくれました」という台詞があって、それは傷ついた文繍には癒しだったかもしれない。でも、どうしても生きることは政治に繋がってしまう。貧しくとも読み書きができなくともという話なのかもなと思いました。自分の運命は絶対に変えられるのだと。

    "でも、これだけは言える。神と悪魔はけっ

    1
    2023年03月31日