浅田次郎のレビュー一覧
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蒼穹の昴では、中国名が難しくて誰が誰なのかこんがらがってたけれど、ここまで読んだら分かるようになってきた!
珍妃を殺したのは誰だというミステリー小説なのかと思いきや、とても素敵なラブストーリーでした。みんなが証言することが全然違かったり、実際に会ってみた人物が噂と違ったりでどういうことだってなってたところでのラスト!全く想像出来なかった。皇帝と珍妃の深く揺るぎない愛に泣けた。歴史上の事実は別として、この物語の珍妃が大好きになりました。
そして実際に珍妃が殺されたとされる井戸が中国にあるらしい…見てみたくなった!今まで全く興味のなかった中国史が面白いと感じるようになってきたぞ。 -
Posted by ブクログ
じわっと感動が広がる作品でした。本書では犠牲者の方々の無念だけでなく、戦後も生き残った関係者たちの心境についてもなんとか読者に伝えようとしているのかと思いました。弥勒丸に乗船していて助けられた人、またシンガポールで弥勒丸の乗船名簿を作成していた軍人、またシンガポールで弥勒丸から下船するロシア人密航者など、様々な立場で弥勒丸に関わった人たちの心境を描写しようとしていた気がします。弥勒丸関係者の中で生き残った人の多くはその後が描写されていますが、後日談が書かれていない何人かの登場人物について、これらの人々はその後どういう人生を送ったのか、どういう気持ちで送ったんだろうかと想像を巡らせました。あらた
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Posted by ブクログ
イギリスに留まるかそれとも故郷に帰るか考え続ける張学良。そして生きていた王逸。春雷はいよいよ、その弟子に龍玉を渡そうとする。王逸が家庭教師として育てた弟子の名前は毛沢東。
ああ……ああそうなるのか……そうなるんだけどいよいよここまで来たんだなという感慨に溢れる第3巻。
"恐怖心は武士道に悖る。だから誰も本音を口にできない。美辞麗句の建前に糊塗されて、実はその存在理由がよくわからない国家が、満州なのです。"
その満州でいよいよプロパガンダのための映画制作が始まる。そもそも何のためのプロパガンダなのか、本当はみんなわかっているけれどわからないふりをしているんだな。
いや〜 -
Posted by ブクログ
ぼろぼろに泣きながら読んだ。誰も死なないで、生きてと唱えながら読んでいる。
本当に孤独な者は、自分が孤独であると理解できない。溥儀のモノローグから始まる第二巻。満洲国がいよいよできてしまった後の話。
吉永中佐は陸軍大学校の教官として予備役から現役復帰する。
"軍人が国民から敬せられる悪い時代になったと、吉永はつくづく思った"
"「いかに有能であれ、一人の人間に権力が集中するのは、国家にとっていいことではありません」"
"もしやわが国では、国会という機能そのものが、さほど重要視されていないのではあるまいか。「世界の一等国」としての体面を保つた -
Posted by ブクログ
一気に読み切ってしまいました。何故あんまり評価が高くないのかわからないくらい、とにかくひたすら面白かったです。
蒼穹の昴シリーズも11巻目に来ました。この、一人の女性が語る話の運び方が本当にわかりやすくて面白くて、今のところシリーズ内で一番好きです。
「女性の本性は政治ではなく、真実の愛を求めること。老仏爺が教えてくれました」という台詞があって、それは傷ついた文繍には癒しだったかもしれない。でも、どうしても生きることは政治に繋がってしまう。貧しくとも読み書きができなくともという話なのかもなと思いました。自分の運命は絶対に変えられるのだと。
"でも、これだけは言える。神と悪魔はけっ