浅田次郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ終戦時の他者、そして国を想う軍人と少女たちの話。
現代と交互に物語が展開していく。そこでよくありがちなのが、頭が混乱してついて行けなくなること。しかし本書は交互だからこそ理解が深まるように丁寧に書かれている。
もっとも印象的だったのは、登場人物の苦悩が自分の感覚のように伝わってきたこと。戦争を知らないのに身につまされた。
特に衝撃を受けたのはマッカーサーの驚愕とその後の行動。でも結果的にそれで良かったと思う。
また、最後まで引っかかっていた少女たちの自害の理由は、エンディングに一人の少女のセリフによって明かされる。悲しい。でも分かる気がする。そしてこの構成は上手い。
戦中戦後の日本人は、正解か否かは別として「自分でも日本の役に立てる・立ちたい」と本気で信じて行動していた。美しい。平和ボケの我が身が恥ずかしくなったと同時に背筋が伸びた。
作者は、あとがきで「4年後に読むと曖昧で稚拙な部分もある」と書いている。確かに金原が前半、真柴老人を馬鹿にしていたのに、最後に「尊敬していた」とシリアスな場面で口にした部分などは若干違和感を抱いた。
でも、テーマ、構成、文章力、どれも一級品。
やはり『永遠の0』同様、実力ある作家が体験者をじっくり取材した戦争小説の価値は高い。
※『永遠の0』はゼロ戦パイロットに会わずに書いたらしいけど……。 -
購入済み
名作中の名作となる事でしょう
小説を号泣しながら読み進めた者です。
ながやす先生の絵の素晴らしさが、物語を一層際立たせ、毎巻涙無しには読み終われません。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ一番良かったのは、元市役所職員の祖父があの世の役人たちに説教しているところ。役所の仕事は人々を管理することではないんだ。そんなものだけならコンピュータがすれば良い。大切なのはよりよい生活ができる手伝いをすることなんだ、と。
その次はバーゲンセールの結果を聞くところかな。女の姿で嶋田係長を問い詰め、やったと喜ぶ。そんなこと、もう気にしなくて良いのに。嶋田の勘違いぶりと部下のみんなの頑張りがわかり楽しく嬉しい。
すごく心の清い人、平凡な人、平凡な人を愛する人、浮気をする母親に日米安保を持ち出して反論する賢い子供、自分の子ではなかったとわかっても愛する父親、、、面白いだけに見えた人物像の中に深みがあって笑いながら読んだ文章を読み返すと今度は涙が出てくる。浅田次郎お得意の哲学的スピリチュアルは控えめ。