浅田次郎のレビュー一覧

  • あやし うらめし あな かなし
    浅田次郎の小説はコミカルなものしか読んだことがないので、これは驚いた。

    けっこうコワい。
    「赤い絆」
    人間の情念みたいなものを書いた短編で、男女の心中事件を、昔語りに子どもに話してきかせる老婆の話がある。

    勉学一筋、親の期待を一身に受けたおぼっちゃん大学生の恋愛事件(お相手は遊女)を扱って、大時...続きを読む
  • マンチュリアン・リポート
    いよいよ刊行開始になったシリーズ最新作「天子蒙塵」。その前の本作は、さていつ頃読んだのだったかな、と思って本棚を検索してみてビックリ。なんと登録してませんでした。ちょっと細かい内容までは忘れてしまったのですが、満鉄を擬人化しつつ、張作霖爆破事件に至る各人の動向を、それぞれの視点から描ききった力作だっ...続きを読む
  • 【合本版】終わらざる夏 全3巻

    北方領土について

    この長編を読み始めた時は、少々面白味に欠けるなと後悔しましたが、中盤からは早く先を読まないとおれない気分で続けて読んでしまい目が疲れました。子供達の親として、男として、日本人として、今家族と離れて海外にいる自分が何が出来るか少し考えてみようと思います。
  • 黒書院の六兵衛 (上)
    謎が多すぎる故に評価は難しいが、下巻を読みたい、真相を知りたいと思った時点で十分だろう。さてどうなることやら…。
  • 輪違屋糸里(下)
    面白かった!!新撰組が好きな人、そう思わない人も私はオススメ!
    燃えよ剣で土方が好きです。がこの本で鬼の副長に出会えます!
    複雑な思いもありますが…
    新選組に翻弄されながらも悲しくも、強く生きた女たちの物語。
    最後の方の女たちの思いは泣けてきます。
    剣を持たない、女性の戦に感動しました。
    また、芹沢...続きを読む
  • 王妃の館 下
    はあ、なんか思いがけずよかった…
    どたばた群像劇なんだけど皆がほんのり前を向ける話。


    宙組さんたのしみ!



    世の中ってね、幸せのかたちはみな似たりよったりだけれど、不幸のかたちはどれも別々なの。

    もしあなたが特別の苦労をしているとしたらそれは、そう思いこんでいるあなた自身の姿が、不幸なのよ
  • 終わらざる夏 下
    戦争に巻き込まれた人たちの哀しい物語。
    たくさんの登場人物の視点から、戦争の悲惨さ、理不尽さをあらわした物語です。

    いよいよ最終巻です。
    下巻では、いよいよ終戦に向けての話になりますが、今度はソ連側軍人の話も入り始めます。
    また、ファンタジックな話も含まれます。(浅田さんらしい)

    そして、いよい...続きを読む
  • 終わらざる夏 中
    戦争に巻き込まれた人たちの哀しい物語。
    たくさんの登場人物の視点から、戦争の悲惨さ、理不尽さをあらわした物語です。

    中巻では、集団疎開していた片岡の息子が同じく疎開していた年上の女の子と二人で、疎開先から脱走し、東京目指して歩いていくところが語られています。
    その旅でのいくつかの出会いが語られてい...続きを読む
  • 終わらざる夏 上
    戦争に巻き込まれた人たちの哀しい物語。
    たくさんの登場人物の視点から、戦争の悲惨さ、理不尽さをあらわした物語です。

    千島列島の最北端の占守島の戦い舞台に、さまざまな視点から話が語られることでて、戦争の悲惨さを浮き彫りにする展開となっています。
    沖縄戦の悲惨さをよく耳にしますが、このような最北端のそ...続きを読む
  • 天切り松 闇がたり 第五巻 ライムライト
    待ってました~の5。本はほぼ文庫でしか買わないので、5が出たことを忘れており、新聞広告見てテンション上がる。4までの全部も文庫発売と同時に読んでいたので何年ぶりになるんだろう。人物像とか背景をもう一度復習して、細かい部分までも自分の中に甦らせてから5を読みたい。本棚から1~4と読本まで引っ張り出して...続きを読む
  • 天切り松 闇がたり 第五巻 ライムライト
    もう終わったシリーズだと思っていたので、ここへきて新刊が出て、何ともうれしや。

    古き良き江戸→東京の矜持を持った人々。
  • つばさよつばさ
    流行作家、浅田次郎がJAL機内誌に連載したエッセイの単行本。
    旅行の折に読んだ記憶もあるのですが、心当たりのある文章にはめぐり合えませんでした。次巻収録かもしれません。

    いやあ、面白い作家さんは何書いても面白いですね。旅先でのエピソードを中心に、それぞれの挿話が短いなりに起承転結しっかりとまとめら...続きを読む
  • 天切り松 闇がたり 第五巻 ライムライト
    待ってましたの文庫化。いつも通りの粋な作品集で、安心して楽しませて頂きました。今回は、どちらかというと各人の”弱さ”的部分がクローズアップされてる感があって、圧倒的存在感でひたすらカッコいい一味、っていうイメージからは、少し距離を置いた印象が残りました。主人公の松もだんだん歳を取ってる設定だから、相...続きを読む
  • あやし うらめし あな かなし
    初浅田次郎。美しい文章であり読みやすい。
    こういうゾクッとするような本は今の季節にぴったりじゃないかな。お盆の時期でも良かったかな。

    お気に入りは「赤い絆」と「昔の男」。
    添い遂げられなかった男女の悲恋というものがとても好きなので出だしから最高だった。心中ってこういう可能性があるから怖い。布団に入...続きを読む
  • ま、いっか。
    女性誌に連載されていた浅田次郎さんのとてもためになるエッセイ。

    親しみやすい文章と人生を経て得た浅田さんの面白い視点が、とってもためになりました。

    定期的に再読したい本の1つ。
    やはり「読書をしない人には面白みがなく、長く友情が続かない。」って視点が共通しているからかな(笑)
  • 黒書院の六兵衛 (下)
    わかったようでわからない。分かる必要のない社会の激変。まさに今を語る小説だ。過去にけじめをつける自分自身を見つけないと前に進めない。
  • 蒼穹の昴(2)
    相変わらずおもしろい。いよいよ物語が動き出すといった感触。

    いい人間がどんどん退場して浅ましい人間ばかりが生き長らえる展開なので、続々ヘイトが貯まる。
    しかし、以前読んだ時は腹が立つキャラばっかりだったが、自分が成長したためかそこまでの憤りは覚えなくなった。

    以前のように「西太后はやっぱりすげー...続きを読む
  • 天切り松 闇がたり 第三巻 初湯千両
    解説中村勘三郎氏!!ドラマもう一度見たい。。
    6章からなる今作

    常兄の存在が只々恐ろしい。。
    化け物と呼ばれるにふさわしいエピソード。

    人の死についての物語が多かったが
    生き方、人生について考えさせられる。。。
    寅兄の過去、セリフが染みる。。。

    4夜、5夜、格好良い死に際だと思った。
  • 天切り松 闇がたり 第一巻 闇の花道
    解説降旗康男氏。

    昔中村勘三郎さんの演じるドラマを観たことがあるのだが。

    年をとったせいか
    5つの短編のうち、前述の『白縫華魁』『衣紋坂から』も勿論惹きこまれるが
    『百万石の甍』が妙に心に残った。

    子が親を選べないって、、、と悲しくなるが
    シリーズ化しているようなので松の今後を楽しみたい。
  • 中原の虹(4)
    いよいよ最終巻。春雲と春雷の再会、梁文秀の帰国など、まってましたの展開もあったが、なんだかあっさり。でもそれがいいのかもしれない。『蒼穹の昴』から読んでいれば、このシーンにこめられた深い想いにジーンとくる。
    そしていよいよ袁世凱の帝政宣言と死。器に合わないことを、自らの使命とおもい必死に行う袁世凱。...続きを読む