浅田次郎のレビュー一覧

  • 輪違屋糸里(上)


    何を守ろうとしているのか分からない時代があったのだな。

    土方は捉えようもない男。
    非情でもあり、情け深くもあり、鳥瞰的に物事を考えて最善の道をとる者でもあり…。

    土方は「侍」になりきれなかった「百姓」だったのかな。
    いや、「百姓」になりきれなかった「侍」だったのかも。

    一方で
    世の中という...続きを読む
  • 合本 壬生義士伝【文春e-Books】

    普段着の時代劇

    侍物というとどれも紋付き袴を身にまとって整然と美化された格好の物語が多いように感じる。だがこの吉村貫一郎のいでたちは普段着で生と真剣に向き合って生きているように思えその当時に引き込まれてしまいそう。まだ初めの部分しか読んでいないけれど最後まで期待を裏切られずに読めそうでワクワクしながらページを進めて...続きを読む
  • 天切り松 闇がたり 第二巻 残侠

    松っちゃん

    何が幸せか。色々の幸せがあるんだよね。悲しいこと、辛いこと、たくさんの嫌な事があって、だからちょこっとでも思い通りに出来た事がとっても良い事に思える。晴れた日の有り難さは雨・嵐の日を知らないと分からないよね。
    でも本当のところは、波風無く平凡な事が一番幸せかなぁ。
  • 薔薇盗人
    好きな順に、あじさい心中、ひなまつり、死に賃、佳人、薔薇盗人、奈落、です。
    あじさい心中もひなまつりも、登場人物は私とは違う暮らしをされて別の苦労や不幸を味わっている心のきれいな善人たち。どちらも生活を変えようと一歩踏み出すが…。
    話の運びかたは流石、浅田節です。
  • 終わらざる夏 上
    コロナ緊急事態宣言で巣ごもり状態での読書。
    昭和20年6月下旬、既に敗色濃厚の処から話が始まる。
    これから中、下巻に向かって波乱が起こってくるだろうが、上巻では登場人物の紹介に多くが割かれている。
    悲惨を予感させるものは、残される者の姿。
    匂いまでを感じさせる描き方に引き込まれる。
  • プリズンホテル 3 冬
    ドタバタで笑わせ、ホロリと泣かせた呉れる。シリーズ中これが秀作
    愛すべき登場人物達
    体のしぼむほどの悲しい溜息をついたp273
  • 一路 (下)
    上・下巻、とてもストーリーに引き込まれて楽しかった☆彡 続きが読みたくなるような余韻を残して終わらせるのがたまらない!
  • 中原の虹(2)
    ~感想~~~~~~~~~~~~~
    蒼穹の昴の続編の続編の2巻。
    あの時の面々がリアルに蘇り、荒々しい馬賊の物語と交差していく。

    ~登場人物~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    ・吉永ちさ(吉永将の母、梁文秀と玲玲夫婦の友人)
    ・柳川文秀(梁の偽名)
    ・柳川りん(玲玲の偽名)
    ・柳川清一(リァンチ...続きを読む
  • 中原の虹(1)
    ~感想~~~~~~~~~~~~~~~~
    蒼穹の昴の続編の珍妃の井戸の、更に続編。

    珍妃の井戸はともかく、蒼穹の昴を読んでいないと面白さは激減なのでぜひ蒼穹の昴から読んで頂きたいです。

    ~登場人物~~~~~~~~~~~~~~
    ・チャンヅォリン(張、白虎張パイフーチャン、雨亭ユウテイン、30代前半)...続きを読む
  • 蒼穹の昴(4)
    ~感想~~~~~~~~~~~~
    Mrs.チャンの重要度がどんどん上がる最終巻。
    とうとう会っちゃう光緒帝と康有為。
    そして王逸、予想外の着地点。

    ~登場人物~~~~~~~~~~~
    ・伊藤博文(日本初代総理大臣)


    ~ネタバレ覚え書きあらすじ~~~~~~~~~~~
    とうとう紫禁城を去る事になった西...続きを読む
  • 蒼穹の昴(3)
    ~感想~~~~~~~~~~~~~~~
    康有為にやきもきする第三巻。

    ~登場人物~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    ・トーマスバートン(NYタイムズの記者)
    ・Mrs.チャン(↑トムの秘書兼スパイ、西太后の唯一の孫、寿安公主ショウアンコンス)
    ・岡圭之介(ケイ、万朝報の記者)


    ~ネタバレ覚...続きを読む
  • わが心のジェニファー
    日本はこんなに美しかったのか…に気づくことの出来た1冊。主人公ラリーのものの見方、感じ方を通じて、日本とは何か、日本人とは何か、当たり前に見えて言語化出来ていない部分に気付いた。
    ストーリーよりも日本描写の美しさに惹かれた。
  • 姫椿
    ジャンルレスな8作品が入っている短編集。少しだけ切り取られたそれぞれの日常が特別なものになっている気がした。フィルター次第で日常は面白くなっていくのかもしれない。情景を思い浮かべることができる浅田さんの文章の作り方が好きです。
    山岸聖太さんあたりに映像化してもらいたいけど、こういう作品は小説として完...続きを読む
  • 一路 (下)
    爆裂参勤交代
    クライマックスの危機一髪、個性的な登場人物
    中山道の宿場の描写。下巻は怒濤の行進と一緒に一気読みだった
  • 天切り松 闇がたり 第一巻 闇の花道

    浅田次郎の作品は楽しい

     浅田次郎氏の作品は、どの作品も読むに連れてぐいぐいと引き込まれる。
    さすがは「ストーリーメーカー」と言われるだけあり、魅力いっぱいである。
     この作品も、単なる一人(天切り松)の身の上話の様ではあるが、
    本人と本人を取り巻くスペシャルな人々の生き様を鮮明に表現した一級作品である。
     必ずや...続きを読む
  • 憑神
    「ならぬ徒花ましろに見えて、憂き中垣の夕顔やーー」
    貧乏御家人の別所彦四郎。ある夜、酔いにまかせて小さな祠に神頼みをしてみると、霊験あらたかにも神様があらわれた。だが、この神様は、神は神でも、なんと貧乏神だった!ーーーーー

     
    映画は見ていないけど、テンポよければ面白そうだなあ。冒頭の彦四郎は、現...続きを読む
  • 蒼穹の昴(4)
    西太后の苦悩、という視点で考えたことはなかったので、その点新鮮。世紀の悪女にも共感を寄せる浅田さんの人間力を感じる。
    梁文秀が亡命した後どうなったのか、が気になる。
    王逸が流浪先で幼少の毛沢東と会う場面はなかなか感動的だ。そこで唱える毛少年の素朴な理論は力強く、その遥か後の文化大革命が大こけであった...続きを読む
  • つばさよつばさ


    今私が読んでいる本の一節を紹介します。

    「私はフランス語訳の『蒼穹の昴』"LE ROMAN DE LA CITÉ INTERDITE" を彼に手渡した。少し考えてから、筆ペンで「無邪君へ」とサインを入れた。 「漢字、読めません」 「君の名前だよ。ウドン屋の看板にしてもらえると嬉しいんだが」  ...続きを読む
  • アイム・ファイン!
    夢の実現は夢の喪失であることを、忘れてはならないと思う。どのような環境にあっても少年がみな幸福であるのは、自在に夢を見ることができ、なおかつその夢がすべて実現されていないからである。
  • 蒼穹の昴(4)
    改革派の康有為、文秀、譚醋同等は光緒帝の政権の元改革が一時叶いそうになるが、李鴻章の後を継いだ英禄、袁世凱らの保守派が西太后を担ぎ政戦に負け譚は殺された康は早々に亡命、残された文秀は、死を覚悟するも伊東博文と共に縄を逃れ日本に亡命する。王免は袁世凱に追われて逃げた先に子供の毛沢東に出会う。