浅田次郎のレビュー一覧
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侍物というとどれも紋付き袴を身にまとって整然と美化された格好の物語が多いように感じる。だがこの吉村貫一郎のいでたちは普段着で生と真剣に向き合って生きているように思えその当時に引き込まれてしまいそう。まだ初めの部分しか読んでいないけれど最後まで期待を裏切られずに読めそうでワクワクしながらページを進めて...続きを読む
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何が幸せか。色々の幸せがあるんだよね。悲しいこと、辛いこと、たくさんの嫌な事があって、だからちょこっとでも思い通りに出来た事がとっても良い事に思える。晴れた日の有り難さは雨・嵐の日を知らないと分からないよね。
でも本当のところは、波風無く平凡な事が一番幸せかなぁ。 -
好きな順に、あじさい心中、ひなまつり、死に賃、佳人、薔薇盗人、奈落、です。
あじさい心中もひなまつりも、登場人物は私とは違う暮らしをされて別の苦労や不幸を味わっている心のきれいな善人たち。どちらも生活を変えようと一歩踏み出すが…。
話の運びかたは流石、浅田節です。Posted by ブクログ -
コロナ緊急事態宣言で巣ごもり状態での読書。
昭和20年6月下旬、既に敗色濃厚の処から話が始まる。
これから中、下巻に向かって波乱が起こってくるだろうが、上巻では登場人物の紹介に多くが割かれている。
悲惨を予感させるものは、残される者の姿。
匂いまでを感じさせる描き方に引き込まれる。Posted by ブクログ -
日本はこんなに美しかったのか…に気づくことの出来た1冊。主人公ラリーのものの見方、感じ方を通じて、日本とは何か、日本人とは何か、当たり前に見えて言語化出来ていない部分に気付いた。
ストーリーよりも日本描写の美しさに惹かれた。Posted by ブクログ -
浅田次郎氏の作品は、どの作品も読むに連れてぐいぐいと引き込まれる。
さすがは「ストーリーメーカー」と言われるだけあり、魅力いっぱいである。
この作品も、単なる一人(天切り松)の身の上話の様ではあるが、
本人と本人を取り巻くスペシャルな人々の生き様を鮮明に表現した一級作品である。
必ずや...続きを読む -
夢の実現は夢の喪失であることを、忘れてはならないと思う。どのような環境にあっても少年がみな幸福であるのは、自在に夢を見ることができ、なおかつその夢がすべて実現されていないからである。Posted by ブクログ
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改革派の康有為、文秀、譚醋同等は光緒帝の政権の元改革が一時叶いそうになるが、李鴻章の後を継いだ英禄、袁世凱らの保守派が西太后を担ぎ政戦に負け譚は殺された康は早々に亡命、残された文秀は、死を覚悟するも伊東博文と共に縄を逃れ日本に亡命する。王免は袁世凱に追われて逃げた先に子供の毛沢東に出会う。Posted by ブクログ