浅田次郎のレビュー一覧

  • 蒼穹の昴(4)
    西太后の苦悩、という視点で考えたことはなかったので、その点新鮮。世紀の悪女にも共感を寄せる浅田さんの人間力を感じる。
    梁文秀が亡命した後どうなったのか、が気になる。
    王逸が流浪先で幼少の毛沢東と会う場面はなかなか感動的だ。そこで唱える毛少年の素朴な理論は力強く、その遥か後の文化大革命が大こけであった...続きを読む
  • つばさよつばさ


    今私が読んでいる本の一節を紹介します。

    「私はフランス語訳の『蒼穹の昴』"LE ROMAN DE LA CITÉ INTERDITE" を彼に手渡した。少し考えてから、筆ペンで「無邪君へ」とサインを入れた。 「漢字、読めません」 「君の名前だよ。ウドン屋の看板にしてもらえると嬉しいんだが」  ...続きを読む
  • アイム・ファイン!
    夢の実現は夢の喪失であることを、忘れてはならないと思う。どのような環境にあっても少年がみな幸福であるのは、自在に夢を見ることができ、なおかつその夢がすべて実現されていないからである。
  • 蒼穹の昴(4)
    改革派の康有為、文秀、譚醋同等は光緒帝の政権の元改革が一時叶いそうになるが、李鴻章の後を継いだ英禄、袁世凱らの保守派が西太后を担ぎ政戦に負け譚は殺された康は早々に亡命、残された文秀は、死を覚悟するも伊東博文と共に縄を逃れ日本に亡命する。王免は袁世凱に追われて逃げた先に子供の毛沢東に出会う。
  • 君は嘘つきだから、小説家にでもなればいい
    浅田次郎さんの江戸っ子の人生が、思わず微笑みなから読めました。浅田次郎さんの祖父母もご両親も江戸っ子で、家庭を省みず(笑)でもその血は浅田次郎さんに受け継がれ生きざまが素敵です。自分のお義母様や奥様、娘さん、暮らしている動物への愛情深さに泣きそうになりました。
  • 帰郷
    帰郷できた兵士もできなかった兵士も、ともに共通するのは、人生の始末に向き合って初めて戦争の残酷さを知るということ。正直どの作品も切ないし、史実であってほしくない。でもきっと実際にあったであろう名もなき兵士たちの物語。反戦という言葉を重く受け止め続けたい。
  • 帰郷
    久し振りの浅田次郎さん、戦争に翻弄される弱者を描いた短篇六編。
    なる様にしかならなかった時代、その中で若者は自我をどう持っていたのか。
    考えさせられます。
  • 蒼穹の昴(2)
    浅田次郎さんの小説は「一路」についで2つ目。
    「一路」の小野寺一路といい春児といい…
    浅田次郎さんの描く小説の主人公はほんっとに
    きらっっきらっっ!!ほんとにまっすぐで
    一所懸命で、実は大好きだあ、こういう人間。
    浅田次郎さん…すごく好きな小説家になった。
  • 霞町物語
    浅田次郎氏の、高校時代の思い出を綴るエッセイ(?)。都内の進学校に通う著者は、クラスメートたちと、車だ酒だ女だたばこだと、派手な遊びを繰り広げる。その主な舞台となるのが、霞町、今でいう西麻布だ。霞町という名前は聞いたことが無かった。都会の谷間にあり、本当に霧が満ちるのだという。
    麻布にある小さな写真...続きを読む
  • 帰郷
    文中の

    あたしら命まで取られないもの
    恭ちゃんや香田さんは、何から何まで取られた上に命まで召し上げられるんだ

    という文が特に身にしみました
    実際出兵した兵隊さんたちがどんな思いで家族と離れたのかと想像すると涙がでました
    戦争のない時代に産まれられたことでも幸運だと思いました
  • 一路 (上)
    「参勤交代之御行列は行軍也」という参勤道中心得という古書を元に昔のスタイルで参勤交代してしまうという話しです。コメディです。馬がしゃべります。次から次へと災難が降ってわいてきて、悪役はいかにもという感じで、物語は進行していきます。浅田さんの作品は人の情に訴えかけてくる形の作品が多く、この作品もそうで...続きを読む
  • 神坐す山の物語
    著者の母方の実家は、代々武蔵御岳神社の神官を務める家系。そこで見聞きした話を元にした不思議な物語。明治・大正・昭和と、著者の曽祖父、祖父、伯父の3世代にかけて、今よりずっと神様が身近だった時代の話。しかも舞台は下界と隔絶された山の上の神社と御師集落。独特の日本的な情緒が感じられて、なんともいえない余...続きを読む
  • 日本の「運命」について語ろう
    「昔の人は個の利益よりも衆の利益を優先し、現在よりも未来を大切に考えていた。時代が下るほどにそうした理念は失われて、人はより刹那主義と個人主義の中に幸福を見出すようになった。」
    たしかに、昔の人の文章を読むと、将来を見据えているなと感じる。ある人から「海外でパスポートを無くしたため、自分が何者である...続きを読む
  • 椿山課長の七日間
    泣けた!
    子供が出てきたら、もう駄目ですよ!
    ベタなストーリ展開で、感涙のファンタジーミステリー!
    コミカルな描かれ方が逆に胸に響きました!

    ストーリとしては、働き盛りの46歳で突然死した椿山課長。
    現世と来世の中間のお役所の裁きに納得がいかず、さらに、家族や会社への想いを果たすため、現世に7日間...続きを読む
  • プリズンホテル 3 冬
    木戸孝之介は、極道小説の売れっ子作家である。山の上ホテルで缶詰めになっている木戸の元に丹青出版の萩原みどりは「仁義の黄昏」の続編の原稿を書いてもらおうと忍んできた。編集者をまくために木戸は清子を呼び出し、奥湯元あじさいホテルに逃げ出した。血まみれのマリアと呼ばれる婦長の阿部まりあは今日も救急救命セン...続きを読む
  • 天切り松 闇がたり 第一巻 闇の花道
    泣いて泣いて泣いた。
    自分が住んでいる場所が舞台になっているので、勝手にワクワクしていた。
    下町生まれの私の教科書である。
  • 椿山課長の七日間
    何気なく見ていたネットに、この作品が紹介されており、評価が高かったことから手に取った。

    浅田次郎作品を読むのは初めてであったが、評判に違わず大変面白かった。赤の他人と思っていた登場人物同士が読み進めると、どんどん複雑に絡み合っていく。読み始めたら、ついついページをめくらざるを得なくなり、止めどきが...続きを読む
  • 天切り松 闇がたり 第一巻 闇の花道
    始まりからワクワクする。
    粋とはなにか分かるし、
    それぞれのキャラクターが最高。
    これがシリーズであと5倍楽しめるなんて。
    俺の浅田次郎好きになったキッカケ本
  • 獅子吼
    いやぁ〜〜、これは良い本。

    獅子吼
    帰り道
    九泉閣へようこそ
    うきよご
    流離人
    ブルー・ブルー・スカイ

    6編の短編集ですが、それぞれに味が異なっていて良い。とても同じシェフが作った料理だとは思えない。
    時空を超えているため、いつ書かれた作品かを思わず確認しちゃいました。
  • 輪違屋糸里(上)
    切ない。この時代の男も女も。女はやっぱり強いなぁと思いました。土方はむごいことをするけれど、嫌いになれなくて、むしろ好きです(笑)一番切なかったのは吉栄と平山でした。本当に読んでいてたまらなかったです。糸里には土方と幸せになってほしかったです。