浅田次郎のレビュー一覧
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何を守ろうとしているのか分からない時代があったのだな。
土方は捉えようもない男。
非情でもあり、情け深くもあり、鳥瞰的に物事を考えて最善の道をとる者でもあり…。
土方は「侍」になりきれなかった「百姓」だったのかな。
いや、「百姓」になりきれなかった「侍」だったのかも。
一方で
世の中という化け物に向かっていく男を、戒め慰め包む女たちが仏のよう。
糸里天神が小浜という海の町から買われた芸妓であることが象徴的。
海は母性そして波は運命に流される当時の女性の象徴。
京都弁のしとやかできっぱりした口調を楽しめた。
文字が芸妓の奏でる琵琶や三味線に成り代わり響く。 -
購入済み
普段着の時代劇
侍物というとどれも紋付き袴を身にまとって整然と美化された格好の物語が多いように感じる。だがこの吉村貫一郎のいでたちは普段着で生と真剣に向き合って生きているように思えその当時に引き込まれてしまいそう。まだ初めの部分しか読んでいないけれど最後まで期待を裏切られずに読めそうでワクワクしながらページを進めています。
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購入済み
松っちゃん
何が幸せか。色々の幸せがあるんだよね。悲しいこと、辛いこと、たくさんの嫌な事があって、だからちょこっとでも思い通りに出来た事がとっても良い事に思える。晴れた日の有り難さは雨・嵐の日を知らないと分からないよね。
でも本当のところは、波風無く平凡な事が一番幸せかなぁ。 -
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ネタバレ~感想~~~~~~~~~~~~~
蒼穹の昴の続編の続編の2巻。
あの時の面々がリアルに蘇り、荒々しい馬賊の物語と交差していく。
~登場人物~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
・吉永ちさ(吉永将の母、梁文秀と玲玲夫婦の友人)
・柳川文秀(梁の偽名)
・柳川りん(玲玲の偽名)
・柳川清一(リァンチンイー↑梁夫婦の息子、字はフーション)
・孫逸仙(スンイーシュン、改革派、中国同盟会の指導者)
・平仲清(ピンチョンチン、テレグラムを5日間で習得した若い宦官、13歳)
・エドモンドバックハウス(英国人の客員教授、嘘つきの天才)
・陳一豆(チェンイードゥ)
・プーイー(醇親王の子、3歳、次期皇帝 -
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ネタバレ~感想~~~~~~~~~~~~~~~~
蒼穹の昴の続編の珍妃の井戸の、更に続編。
珍妃の井戸はともかく、蒼穹の昴を読んでいないと面白さは激減なのでぜひ蒼穹の昴から読んで頂きたいです。
~登場人物~~~~~~~~~~~~~~
・チャンヅォリン(張、白虎張パイフーチャン、雨亭ユウテイン、30代前半)
・漢卿(張学良チャンユエリャン、字はハンチン、↑の息子)
・李春雷(リィチュンレイ、春雲の兄)
・張景恵(二当家、チャンチンホイ、豆腐屋、好大人ハオダアレン、若いころ白太太に光緒帝の甥の世に宰相になると予言されている)
・張作相(三当家、チャンヅォシャン、ヅォリンの親戚、白猫パイマオ)
・湯玉麟 -
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ネタバレ~感想~~~~~~~~~~~~~~~
康有為にやきもきする第三巻。
~登場人物~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
・トーマスバートン(NYタイムズの記者)
・Mrs.チャン(↑トムの秘書兼スパイ、西太后の唯一の孫、寿安公主ショウアンコンス)
・岡圭之介(ケイ、万朝報の記者)
~ネタバレ覚え書きあらすじ~~~~~~~~~~~
文秀が楊の娘と結婚し、玲玲と譚嗣同(タンストン、復生フーション)の婚約。
白太太の予言を受けた李ホンチャン将軍からの指示で王逸が袁世凱を暗殺するも不可思議な不発により失敗し捉えられるが食事出し農民の娘小梅(シャオメイ)に読み書きを教えた縁で逃がして貰う。
楊 -
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ジャンルレスな8作品が入っている短編集。少しだけ切り取られたそれぞれの日常が特別なものになっている気がした。フィルター次第で日常は面白くなっていくのかもしれない。情景を思い浮かべることができる浅田さんの文章の作り方が好きです。
山岸聖太さんあたりに映像化してもらいたいけど、こういう作品は小説として完成しすぎていて逆に映像化が難しいらしい。(解説より)
浅田さんが描く男性は不器用でスマートなかっこよさとは離れているんだけど、優しさと温かみがあって憧れる人物像。年をとっていくのも悪くないな~と思わせてくれる。この本を読んでいるとゆったりとした時間を過ごせます。大切にしたい1冊になりました。
「不 -
購入済み
浅田次郎の作品は楽しい
浅田次郎氏の作品は、どの作品も読むに連れてぐいぐいと引き込まれる。
さすがは「ストーリーメーカー」と言われるだけあり、魅力いっぱいである。
この作品も、単なる一人(天切り松)の身の上話の様ではあるが、
本人と本人を取り巻くスペシャルな人々の生き様を鮮明に表現した一級作品である。
必ずや第2巻以降も読みたくなる事間違いなし。 -
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「ならぬ徒花ましろに見えて、憂き中垣の夕顔やーー」
貧乏御家人の別所彦四郎。ある夜、酔いにまかせて小さな祠に神頼みをしてみると、霊験あらたかにも神様があらわれた。だが、この神様は、神は神でも、なんと貧乏神だった!ーーーーー
映画は見ていないけど、テンポよければ面白そうだなあ。冒頭の彦四郎は、現状を打開したくても立場やら身分やらが邪魔してどうにもできない袋小路にいたのでもだもだした。貧乏神も彦四郎の境遇に同情している風だったので、後半の彦四郎の凛々しさが強調されて良いなと思った。他人に対して積極的に酷い人間じゃないところが彦四郎の良さだったな。己が己がと言うのでなく、大義大局に自分がなにが