浅田次郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
『一刀斎夢録』浅田次郎
一刀斎。
新撰組最強の剣客と呼ばれ、恐れられた、鬼の3番隊隊長、斎藤一。
幕末を生き延び、明治を経て大正を迎えた「一刀斎」は、近衛師団の中尉に向かって夜毎語る。
新撰組とは何だったのか。
斎藤一が生きた、その理由とは。
*
浅田次郎の新撰組三部作、最後の一作品。
こちらも期待を裏切らない、超大作でした。
ついに舞台は幕末の動乱期に。
今回は複数人視点の語りではなく、ひたすら斎藤一本人がその口で過去を語る。
年老いた斎藤一が毎夜訪れる若い中尉を相手に昔語りをしている姿を想像するだけでなぜだか泣けてくる。
吉村貫一郎先生や、芹沢鴨暗殺事件あたりの話も沢山出てき -
Posted by ブクログ
上下とも読破。理不尽に大役を任されながらも、一所懸命に任務を遂行していく。木曽路に連なる峰々のごとく難題が押し寄せるが、道中を歩進めるように一つ一つ乗り越えてゆく。その姿に、何か忘れかけていた大事なことに気付かされる。
ストーリーが素晴らしいこともさることながら、著者が古文書好きということもあり、普段なかなか見ることのできない表現を発見することができる。今まで見たこともない漢字・言い回しなのに、なぜか懐かしく、すっと腑に落ちるような表現。今でこそ「古い」とされる表現も、江戸時代が200年以上続いたことを考えると、日本語の歴史を俯瞰した時に、今の表現技法はごくごく最近になってからのものであろう -
購入済み
浅田文学を堪能して
東京育ちの自分は時折googlemapを見ながら読んだ。
昭和時代の昔話だけではない。
仕事にかまけて読む本がつい実用書ばかりになっている自分には、精神の本物の栄養となる浅田文学が必要なのだ。
海外在住中でまさかのコロナ禍にあって、まるで遣唐使気分の今ながら、日本に一時帰国できたときは行ってみたい。
海外で無念のうちにコロナで斃れた邦人の慰霊もあり。
いつもいつも、浅田次郎さんには、そうやって正してもらっている。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ終戦時の他者、そして国を想う軍人と少女たちの話。
現代と交互に物語が展開していく。そこでよくありがちなのが、頭が混乱してついて行けなくなること。しかし本書は交互だからこそ理解が深まるように丁寧に書かれている。
もっとも印象的だったのは、登場人物の苦悩が自分の感覚のように伝わってきたこと。戦争を知らないのに身につまされた。
特に衝撃を受けたのはマッカーサーの驚愕とその後の行動。でも結果的にそれで良かったと思う。
また、最後まで引っかかっていた少女たちの自害の理由は、エンディングに一人の少女のセリフによって明かされる。悲しい。でも分かる気がする。そしてこの構成は上手い。
戦中戦後の日本人は、正解か