【感想・ネタバレ】見知らぬ妻へのレビュー

あらすじ

新宿・歌舞伎町で客引きとして生きる花田章は、日本に滞在させるため偽装結婚した中国人女性をふとしたことから愛し始めていた。しかし――(表題作)。才能がありながらもクラシック音楽の世界を捨て、今ではクラブのピアノ弾きとして生きる元チェリストの男の孤独を描いた「スターダスト・レヴュー」など、やさしくもせつない8つの涙の物語。

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Posted by ブクログ

今更ですが
浅田次郎を初めて読んだ
映画やドラマになるので何となく避けてきた
短編の中にある密な表現に驚き感情をヒリヒリと刺激された
作者の見てきた住んできた世界なのか
実体験であってもこのように読者にさらせる力はさすがと
遅ればせながら他の作品をむさぼるように読んでいる

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2023年06月01日

Posted by ブクログ

戦後昭和、高度経済成長を遂げた日本は、人々の希望を叶えたのだろうか……といったことを考えてしまう切ない短編集。

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2018年10月07日

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浅田次郎の、傑作短編集。
著者の短編は常々至宝だと思っているが、人情味を残しつつ、ハードボイルド色の強い話を集めた本作は、登場人物がクールで、結末もドライ。
非常に話に引き込まれ易く、結末までで色んな感情を強く揺さぶられ、興奮させてくれる。
特に好きなのは「スターダスト・レビュー」で、個人的には、過去に読んだ単品の短編作品で最高傑作だと思っている。
何度読んでも、唸ってしまう。
5

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2015年05月24日

Posted by ブクログ

大人の童話という感じだろうか。悲しく、とても美しい物語ばかり。美しいというのは、絶望のなかでも人としての矜持を忘れないということだろうと思う。ベースになっているのは、Oヘンリの短編ではないだろうか。

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2015年02月07日

Posted by ブクログ

8つの物語が入った短編集。浅田次郎の作品は初です。

どれも切ない物語で、しみじみとしました。「うたかた」が一番良かったです。

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2015年01月04日

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短編集。
この中の「うたかた」という作品をラジオで朗読してるのを聞いて興味をもちました。
移り行く時代の寂しさ、自分にとっての幸せとは何か。
作品自体は暗さや深刻さは無く、優しい風を感じるような作品でした。

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2012年07月17日

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短編集。
踊り子、スターダストレビュー、かくれんぼ、、、などの8編から成ります。
数回読んでますが、読むたびに気づきが変わるような気がします。。なんでだろ。。
切ない話が多いです。
小学生3人が、馴染め始めたハーフの子と夏休みにかくれんぼをするのですが、かくれんぼ中にそのハーフの子を虐めて途中で帰ってしまい、その後その子が行方不明になったことをずっと引きずっている話や、下っ端のヤクザがアパートに帰ると死体が置かれててびっくり仰天するのですが、そこへ故郷からお母さんが訪ねてきてしまったり、、など、いろいろな話。
うるっとしてしまった話は、タイトルにもなっている「見知らぬ妻へ」。
中国人の出稼ぎに来ている女性に籍を与えるために結婚させられた花田さん。本の2日間だけの家庭。離婚した妻との間の娘が父親を頼って来ようとするのを拒絶したシーンは涙が出た、、、。

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2025年05月16日

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どの作品も生き様が感じられた。
切ないです。
「見知らぬ妻」で花田が娘に言う一言、「とうさんはおまえの電話がいやなんだ。迷惑なんだ」
つらいです。

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2024年08月18日

Posted by ブクログ

胸を打つ、切ない八つの短編集。
浅田次郎の短編集は、自分の中では、あまり良いイメージが無かったが、この短編集はありだと思った。
どれもが、切なく、自分の好みにあった物語であった。
特に『うたかた』が胸を打った。

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2020年02月01日

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何度か浅田次郎だったよなと思い起こしながら読みました。何となく、重松さんを思い起こさせる作品が多かったので。
どちらかといえば「泣かせ」に組する作品群ですが、その中では淡々と描かれている方でしょう。あまり"これでもか!"という書き込みは有りません。そこらが重松さんに似てると思ったところかもしれません。
前々からタイトルは見ていたものの、何故か手が出なかった作品でしたが、予想以上の出来でした。

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2017年10月30日

Posted by ブクログ

切なく、そして生きていくことの悲哀を感じさせる一冊。
「悲哀」という漢字がピタッとくるのが、この作者の持ち味。
思わずニヤッとさせるのも上手だが、ゆっくりしっとりと人生を考えさせるのもうまい。

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2017年03月13日

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内容(「BOOK」データベースより)
新宿・歌舞伎町で客引きとして生きる花田章は、日本に滞在させるため偽装結婚した中国人女性をふとしたことから愛し始めていた。しかし―。(表題作) 才能がありながらもクラシック音楽の世界を捨て、今ではクラブのピアノ弾きとして生きる元チェリストの男の孤独を描いた「スターダスト・レビュー」など、やさしくもせつない8つの涙の物語。

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2013年04月24日

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5年前に離婚し、新宿・歌舞伎町のボッタクリバーで客引きをしている花田章は、
手配師の土橋に頼まれて、中国人女性と結婚する。しかし中国人女性をふとしたことから愛し始め、ストーリーが展開する。

表題作のほか、浅田次郎らしいやさしくもせつない8つの物語。

絶対に感動します。とにかく読むことをおすすめします。

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2013年04月07日

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師走の風に追いつかれた東京にいる大人も
この物語でなにかを気付かされるとすれば、それは抗うことのできない選択のなかに、自分への厳しさは貫く。甘さは許されない。といった感じに思いました。
物語の結末が非情であるのは、人には、そういった抗う事の出来ない選択があり、じわっとくる熱さを持つ。

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2012年12月31日

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8話からなる短編集

どれもそれぞれに切なかったです。

そしてどれも好きです。

「かくれんぼ」を読んで昔のいじめっ子を思い出しました。

「うたかた」を読んで自分の近い将来を思いました。
高齢化社会まっしぐらの今、こういう終わり方を考えている方って結構多いかも・・と。
自分も時折考えるからです。
でも、自分には迎えに来てくれる人がいないなぁ・・と寂しくなりました。

切ないけれど、セピア色のどこか懐かしい、そして優しい思いの伝わってくる作品でした。

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2012年07月03日

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表題作「見知らぬ妻へ」は、切ない。
体を売って日本で働こうとする中国人の女。
その不法入国を免れるため、形式的な結婚を請け負った男。
男は、それで報酬を得た。それだけの関係であったはず。
でも男は、女を愛しく感じ始める。
「なぜ?」
体を売りながらも、その男の前では”妻”であろうとする女の純情さに、家族との幸福を失った男の虚しさが引き寄せられたせいだろう。

女は、体を売って帰ってきたアパートで、形式的夫婦生活を繕うためだけでなく、”妻”として振る舞おうとする。

お互いの事情を詳しく知らないが、自らの力では、どうしようもない流れの中に生かされている者同士であると感じ合ったせいだろう。

やがて中国人の”妻”は、深い闇の世界へ、身を沈めざるえなくなってしまう。互いの感情は、抗う事の出来ない非情な運命に押し流されてしまう。

その流れは、男と離れて暮らしながらも唯一心の繋がりを留めていた娘との関係さえも、断ってしまう。

この短編は、相当に切ない。
他の浅田作品のように、僅かなりとも希望や安らぎといったものがありません。物語の結末が非情であるのは、人には、抗う事の出来ない人生が存在することを気付かさせているのでしょう。

■「うたかた」
夫に先立たれ一人暮らしの老婆が、子供たちが巣立ったあとの団地の中で、一人静かに亡くなっていく様を描いた話。
一人暮らしの侘しさを感じさせない。
逝ってしまった夫との慎ましくも幸せだった
記憶の日々に包まれている。
この老婆がこんな心境になれたのは、なぜだろうか?
ただ慎ましやかに暮らしたのではなく、
その日々の暮らしに感謝の気持ちを持っていたせいだと思う。
なんでもないような日々の積み重ねが人生を紬だし、彩どることを知らねばならないと思った。

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2012年06月05日

Posted by ブクログ

韓国でも知られているのか、韓国人の友達に勧められて。寂しいと言えばいいのか、切ないと言えばいいのか。表題作はラブレターに似てますね。

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2023年03月11日

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少し悲しい短編集。どの作品も心の何処かをキュッと締め付ける。一冊の中に自分自身を垣間見る事ができるかも。
「うたかた」の夫婦の様に、共に歳を重ねたかったな…。

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2012年01月10日

Posted by ブクログ

姫椿と前後して読んだけど、こっちのほうが、私の中の浅田次郎さんのイメージかな。おばあちゃんの団地の話が好き。そろそろ霞町物語みたいの読みたいな~

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2011年09月08日

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浅田次郎の見知らぬ妻へを読みました。過去を引きずりながら、それをうまく消化できずに孤独になっていく、それを静かに受け入れるという物語の収録された短編集でした。一番気に入った物語は「うたかた」でした。透明な孤独さと諦念が綺麗に描かれています。

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2011年07月18日

Posted by ブクログ

この短編集は全話主人公が孤独であった。孤独となってしまったのか孤独を選んだのか。どうであれ人は結局孤独であるのだと痛感した。
自分のため、他者のため、理由はどうであれ人は孤独であるのだろうと感じてしまう。
さらにこの短編集に出てくる人物はみな自分で望んで孤独になっている。なんとも切ない感情が湧いてくるが生きている中で誰しもが同じような経験をするのではないかと思っている。


「踊り子」
相手の全てを知らずとも愛は存在するのだと感じさせられた
「スターダストレヴュー」
私の読解力がないのだろうが、最後主人公は自分の手を切り落とそうとしたのだろうか?才能のある自分の手を切り落としてもいいと思ってしまったのだろうかと疑問が残った
「うたかた」
おばあさんは自身納得のいく死であったのだろう。ただ第三者から見たらとても切なさが残る
「金の鎖」
強い女なのか強く見せるのが上手い女なのか。本人がどう思っていようが他者から見たら彼女は強い女だった。私もそうなりたいと思った。
「見知らぬ妻へ」
この短編集の中で1番心が動かされた。鉄道屋の中のラブ•レターににたような感覚になった。

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2024年02月21日

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浅田次郎さんの短編集。

躓いたさきに何とか生きている。周りの助けもあるがそれを拒み、他人のため孤独を選ぶ。そんな人物ばかり。

その意地に何の意味もないのかもしれないが、それでも想いを自分の内に抱えてしまう。
破滅的に不器用な選択をする大人たちの生き様が胸に染みて、後を引いてしまいます。

「うたかた」
頼子は人生を完遂できたのだろう。こんな最期も潔く感じてしまう。

「スターダストレビュー」
圭二もやり直すチャンスはあったのに、、、節子とやり直して欲しかったと悔しくなってしまう。

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2023年05月19日

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浅田次郎の短編集。
この小説は過去と現在が逡巡する。自分が意図していないことに直面する、そんな過去を繰り返して現在がある。
私達がいま目の当たりに幸せ/不幸せも実は凄く脆いもので、しばらくすると全く変わっているかもしれない。
そんな当たり前のことを今一度認識させてくれる一冊。

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2022年05月01日

Posted by ブクログ

短編集。全編、昭和の香りが漂う切ない人間達のドラマが描かれている。
中でも、落ちぶれた元チェリストの男の話しはいい。肚をくくって、人生の指揮台に上り、タクトを振り、自分の人生の音楽を前向きに作り上げるなんて、洒落た生き方だ。

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2021年03月04日

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8つの短編集。
ありきたりの夫婦の話だと思ったら、あまり身近でない夜の盛場が舞台だったりちょっと特殊な関係の人間模様だった。共感する話ではないけれど知らない世界が垣間見れた。

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2020年04月02日

Posted by ブクログ

そういえば浅田次郎さんてこういうやさしいテイストもあったなと思い出させられる
さみしさと幸福はいつも紙一重

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2015年02月18日

Posted by ブクログ

初めての浅田次郎著。せつない短編小説の数々に心打たれる。非現実的な世界観の中で、人としての現実的な日々の苦悩や悲しみ、純粋な人間愛などが描かれている。個人的には、スターダスト・レビューと金の鎖が良かったかな。

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2015年01月25日

Posted by ブクログ

素直になりなよ~!ってツッコミを入れたくなる。
ノスタルジーだかロマンだか、なんだか知らないけどこんな風に綺麗にまとめちゃっていいのかな…

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2012年06月27日

Posted by ブクログ

8つの短篇はどれも悲哀や孤独、人生を考える上での虚しさを感じてしまう。とりわけ子供の頃のイジメた記憶から45歳になっても逃れる事が出来ない「かくれんぼ」は切ない。いつの間にか自分自身も過去の記憶へ誘われ、同じような事がなかったかと考えてしまい、なかなか寝付かれなくなった。

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2012年10月24日

Posted by ブクログ

知人から薦められて読んだ本です。8つの短編で、ほとんどがハッピーエンドではない終わり方なので、読んだあと落ち込む…。でも後に行間に込められた思いがじわじわくる。いい本ってこういうのなのかな。個人的には星の数通り。

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2011年08月25日

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