浅田次郎のレビュー一覧
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浅田次郎により、張作霖の人柄について再評価させられる作品。
勅命を受けた日本軍人と、張作霖が乗っていた蒸気機関車の独白により進む。
蒸気機関車は、張作霖の態度について、「含羞(シャイニズム)」と評価する。確かに、張作霖の行動は、豪傑だけでは説明できないし、細心だけでも説明できないが、含羞とすれば全て説明できる。
良い塩梅の豪傑と細心をもたらす含羞を身につけることはとても難しい。少しでもバランスを違えば、それは虚無(ニヒリズム)となり、張作霖のような、誰からも愛される人物にはなり得ないからだ。いったいこの世に、質の良い含羞を持ち合わせる人物はいるのだろうか。 -
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儚く、美しく、そしてかっこいい。
義とは何か、家族とは何か、男とは、友とは何か——そのすべてを強く問いかけてくる作品である。
新選組という激動の時代の中で、それぞれが信じる「正しさ」を抱えて生きている。しかし、その正しさは一つではなく、時にぶつかり合い、すれ違う。その姿が非常に人間らしく、胸に迫ってくる。
特に、吉村貫一郎の生き方には強く心を打たれた。周囲からどう見られようとも、家族のために生きるその姿は、不器用でありながらも揺るがず、真っ直ぐである。
また、大野との友情も非常に熱く、立場や価値観の違いを越えて通じ合う関係が印象的だった。さらに、その生き様は息子にも受け継がれており、その姿 -
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ネタバレ巻が進むごとに面白くなる
とうとう捻くれた愛情しか表せなかった木戸孝之介が、お清にプロポーズした!!!
なんと幸せなことか
真っ当な愛情表現を得られず、大人になった孝之介は、殴ったり蹴ったりしても逃げないお清を信頼するしかなかった
それ以外の表現を知らなかった
でも、初めてお清を喪う怖さを知ったのだろう
美加や心臓病もちのお清の母親に対してすら愛情を持っていたことに初めて気づいたのか
そういう人っていっぱいいるのかもしれないね
不器用な人
それと並行して、癌だと思い込んでいる木戸仲蔵親分が面白い
立派で人格者の仲蔵親分も自分の死に真っ向から向かうとこんなもんなのかもしれない
血まみ -
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ネタバレ面白い〜
浅田次郎さんは「蒼穹の昴」しか読んだことがなかったので、この振り幅よ!
ナベ長がうだつの上がらない、定年まで交番勤務のお巡りさんかと思いきや、能ある鷹は爪を隠してただけだったのがかっこいい
確かにちょっと時代錯誤で、今どきの若い子にはわからない世界観かもしれないけど
ただ、苗字のせいで頭のなかでは少し年をとらせた錦鯉の渡辺さんが映像として出てきてしまって困った
でも人のいい感じだし、合ってはいるのか
花沢支配人の息子繁も単細胞だけど、家族が好きで良かった
真野みすず、柏木ナナの人生も過酷
幸せなことは少なかっただろうに、なのにまっすぐ前を向いている
人って、幸せだった記憶 -
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ネタバレ私、任侠とかヤクザとか不良とか、そういうのが好きなんです
自分がそういうのに縁がない、ド真面目な青春そしてこの半生だったので、憧れがあるのか
いや、本当に真面目な人がこれ読んだら「ふざけんな、ヤクザに憧れとか!あの人たちの懐に入るお金は汚いお金ばかりなのに」みたいにブチギレるでしょうから、私はド真面目ではないのか
漫画では「花のあすか組!」「ロンタイベイビー」が大好き
今回特に考えず、この本を手に取りましたが、ハマりました
ヤクザ言葉が滑らかだったり、木戸仲蔵はじめとする子分たちの義理人情が心地よい
まあ本物のヤクザが同じと思ってるわけじゃなくて、物語のなかの人としたらちょっとカッコ