【感想・ネタバレ】蒼穹の昴(4)のレビュー

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Posted by ブクログ 2024年03月02日

中国・清、西太后と皇帝をめぐる戊戌の政変の頃のお話。
科挙とか、宦官とか、政争とか、いろいろと恐ろしい。
時代が近いだけに実感が伴って感じられます。

中国の歴史の小説によく出てくる「天命」というものについても考えさせられました。
一人一人の運命、天命があわさって歴史が作られていくどうしようもない大...続きを読むきさに心動かされるお話でした。

でも、やっぱり
「運命なんて頑張りゃいくらだって変えられるんだ。」
ですよね。

優しい心、自分のことより本当に世の中を良くしたいという心が報われる世界であって欲しいな。

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Posted by ブクログ 2024年01月25日

風前の灯の清王朝クライマックス!
登場人物達の運命に驚いたり怒ったり悲しんだりと感情がジェットコースターだった。
続編の[珍妃の井戸]へ!

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Posted by ブクログ 2023年04月05日

読み終えました。
達成感ありますね。
特に最後は、ハラハラドキドキ。
通勤中、電車の中で読んだので危うく乗り過ごすところでした。
浅田先生の中国シリーズ、全部読みます!

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Posted by ブクログ 2023年03月20日

4冊のうちこのお話が1番面白かった!シリーズ読んでみて、今まで全く知らなかった中国の歴史に興味を持ちました。架空の人物も多いけど、実際にいた人たちもいて調べてみると面白い。

特にタンストンと玲玲のとこは泣けた。でも玲玲って文秀のこと好きなのかと思う描写もあって、タンストンなんだか可哀想だった。だけ...続きを読むどそれでも最後まで愛し抜いたタンストンはかっこよかった。男の中の男だ!

あと文秀達の脱出劇も面白かった。作戦が素晴らしいけど、バレるんじゃないかとどきどきした!

毛沢東が出てきたり、ついに春児が偉くなったり、歴史が大きく動いたりとこれからまた面白くなりそうな予感。義母からシリーズたくさんお借りしてるのでゆっくり読んでいこう。

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Posted by ブクログ 2023年02月24日

それぞれの結末。散った仲間もいれば、未来へ命を繋いだ者たちも…
4巻通して大変面白くわかかりやすかった。政治的な話も、日本の記者を視点に話が展開したため読みやすい。最後の春児、玲玲、文秀の迎えるエンディングは感動的。一見無関係と思われる郎世寧がそう関わるかあ、と素晴らしい構成にうなされっぱなし。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年05月09日

【あらすじ】
変法派順桂による西太后暗殺未遂事件を機に、西太后と光緒帝の間に決定的な断裂が生じる。そして、親政を開始した光緒帝は急激な改革に乗り出したが、一方の西太后は変法に逆行する懿諭を渙発し、情勢は混迷を極めた。追い詰められた変法派は、袁世凱を取り込みクーデターを企てるが失敗に終わり、光緒帝は幽...続きを読む閉される。文秀は同志と共に死を決意していたが、春児が占い師の預言が嘘であると知りながらも自らの運命を切り拓いた事実を知り、己の新たなる使命を見つけるため生きる道を選ぶ。大総管太監となった春児は、西太后から命の輝きに燃えるような首飾りを賜る。それは、かつて乾隆帝の命により、韃靼族の故地へ封じ込めた龍玉の代わりに郎世寧が作製した見事なヴェネツィアングラスであった。人間の可能性に限りがないことを、そのヴェネツィアングラスや郎世寧が蒼穹のなかに描いた昴が物語っている。

【感想】
全巻読むのに時間がかかったが、とても面白かった。史実と小説のバランスがよかった。帝党と后党の権力争い、乾隆帝時代のエピソードとのつながり、そして春児と文秀の行末にハラハラドキドキできた。中国史にとても興味が湧いた。

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Posted by ブクログ 2021年11月28日

蒼穹の昴

個人的には「赤猫異聞」以来の浅田次郎さんの歴史小説。文庫本4巻の大長編小説ですが、とても面白く読めました。

舞台は清朝末期。貧家の子、糞拾いによって生計を立てていた李春児は宦官となって西太后の下に出仕します。一方、春児の義兄で同郷の梁文秀(史了)は、光緒12年の科挙を首席で合格し九品官...続きを読む人法の官僚となります。本作は、この2人を主人公に、政治の実権を握っている西太后を戴く后党(保守派)と、西太后を引退させて皇帝(光緒帝)の親政を実現しようとする帝党(革新派=変法派)の激しい対立を描きます。
この小説の読みどころは
1)魅力ある登場人物
主人公の2人はもちろん、魅力的な人物が登場します。
筆頭は西太后。悪女というイメージを残しつつ、国を守るという責務に苦しむ女性の姿が描かれています。実在した他の人物では、李鴻章、光緒帝、栄禄、李蓮英、康有為、譚嗣同、柴五郎、郎世寧などが筆者独自の解釈で描かれていますが、それぞれの人物像がストーリー展開にすっぽりとはまり、彼らの歴史の中での役割が生きてきます。
架空の人物では新聞記者の岡とバートン、星占い師の白太太、刀子匠の畢五、春児の妹の玲玲、かっての京劇の名優である黒牡丹などなど。清末の中で生きている人々を代表して描かれ、どういう人物が歴史を動かしてきたのかが俯瞰できたと思いました。
2)清末時の中国の描写
印象的だったのは科挙の過酷さ、宦官という人生の壮絶さ。北京の胡同の様子。保守派と変法派の対立を見守る各国のジャーナリストの奮闘。まさに「見てきたような嘘」が展開され、その場に居合わせた人物によるノンフィクションを読んでいるような気分にもなります。
3)先の読めないストーリー展開
本書は歴史小説であり、結末は事実として、われわれは既に知っています。それでも、実在した人物でさえ、この小説の中では史実のギリギリの中で躍動しています。

小説はクリフハンガー的なところで終わります。これは続編「珍妃の井戸」を読まざるをえません。

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Posted by ブクログ 2021年02月22日

浅田次郎さんの小説はこれが初めて。

文庫本全4巻
清朝末期の混沌とした世の中で、人物の葛藤と醜さを美しく描いているように感じた。

このシリーズの中で印象に残るのは

「難しく考えるな、史了。知恵も力もいらない。やさしさだけがあればいいんだ。大地も空も時間も、すべてを被い尽くすほどのやさしささえあ...続きを読むればー」

という文。この混沌したなかだからこそ出てきた言葉なのか。はたまた…

このシリーズの続刊があるようなので、読み進めたい。
浅田次郎にハマったかもしれない。

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Posted by ブクログ 2021年02月07日

最初は、自分には苦手な分野の話かなと、敬遠してましたが、結局、どハマり。どんな展開になっていくのか、ハラハラしながら、涙しながら読み切りました。
 歴史を背景に、飽きさせない展開、脚色、少しファンタジー、フィクションだろうが、全て事実だったんじゃないだろうかと、そんな感覚でした。
 良い本に出会えま...続きを読むした。ありがとう。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年04月16日

~感想~~~~~~~~~~~~
Mrs.チャンの重要度がどんどん上がる最終巻。
とうとう会っちゃう光緒帝と康有為。
そして王逸、予想外の着地点。

~登場人物~~~~~~~~~~~
・伊藤博文(日本初代総理大臣)


~ネタバレ覚え書きあらすじ~~~~~~~~~~~
とうとう紫禁城を去る事になった西...続きを読む太后。
身の危険を感じ離宮へと向かう行程を変えるも雷雨の中で爆弾を抱えた順桂から襲われるが、春雲の機転により無事。
恐怖で紫禁城に帰ろうとするがこの暗殺劇は光緒帝の企みと栄禄と春雲に諭され、ひとまず離宮へ。

康有為は光緒帝との念願の謁見を果たし熱く清の現状と未来を語り合い、改革の詔を次々と出すがすべて西太后に潰される。

その頃日本の伊藤博文が、李将軍からの密書により初代総理の座を辞して朝鮮に現れる。

身の危険を感じた光緒帝は譚嗣同を袁世凱の元へ。
栄禄を殺し西太后を包囲するよう交渉するが、袁は譚嗣同への嫉妬から栄禄側につく。
Mrs.チャンから愛する光緒帝の叛意を聞いた西太后は苦しむが、結局のちに光緒帝そして寵姫の珍妃を打ち据え、別々に幽閉する。

文秀と譚は日本公使館に逃れるが、光緒帝の結末を聞き死を覚悟し公使館を出るが、春雲が走ってきて泣きながら文秀を留める。譚は文秀を置き、ひとり死地に歩いていく。
のち、死に場所を得、愛する玲玲の前でにっこり笑って斬首される…

白太太とMrs.チャン春雲など多くの人から命を守られ、行程を助けられて文秀は玲玲と共に日本へ亡命する。

一方、死に損ねた王逸は「毛沢東」と名乗る少年に命を助けられ勉強を教える約束をする

西太后はまた、混乱した国をまとめる為そして近い将来に自らの手で滅ぼす為、紫禁城へと出御する。

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Posted by ブクログ 2020年02月22日

西太后の苦悩、という視点で考えたことはなかったので、その点新鮮。世紀の悪女にも共感を寄せる浅田さんの人間力を感じる。
梁文秀が亡命した後どうなったのか、が気になる。
王逸が流浪先で幼少の毛沢東と会う場面はなかなか感動的だ。そこで唱える毛少年の素朴な理論は力強く、その遥か後の文化大革命が大こけであった...続きを読むとしても、全ての悪事は善意に基づいているんだなあ、とカエサルの格言を思い出したりした。

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Posted by ブクログ 2019年12月01日

改革派の康有為、文秀、譚醋同等は光緒帝の政権の元改革が一時叶いそうになるが、李鴻章の後を継いだ英禄、袁世凱らの保守派が西太后を担ぎ政戦に負け譚は殺された康は早々に亡命、残された文秀は、死を覚悟するも伊東博文と共に縄を逃れ日本に亡命する。王免は袁世凱に追われて逃げた先に子供の毛沢東に出会う。

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Posted by ブクログ 2023年07月15日

蒼穹の昴①~④を読んで

 時代は他国から侵略され続け、過酷な状況を抱えた清国。西太后が実質の政権を握っていた。

「春児、汝は必ずや、あまねく天下の財宝を手中に収むるであろう。」
「文秀、汝は学問をみがき知をひろめ、もって天下の政を司ることになろう。」

 占い師(白太太)のお告げを信じ、その道へ...続きを読む向かってひた走る文秀と春児。その真っすぐな気持ちと勇敢な姿に応援したくなる気持ちがこみ上げてきた。 

 春児は健気で愛くるしく、様々な人々から愛され、ついには西太后の目に留まる。
しかし、そのお告げは真実ではなく、夢であると本人は分かっていた。

 文秀は、試験に合格し皇上にお仕えする立場まで上り詰めたが、自分の過ちに死をもって償おうと心に決めた。彼を思いとどませたのは、他でもない春児の存在であった。「お告げは嘘だって分かってた。運命は頑張ればいくらだって変えられるんだ。だから生きてくれよ。」と説得した。
この場面が一番心に響いた。自らの手で去勢し、夢を現実に変えた勇気と数々の努力。彼を尊敬せずにはいられない。

 浅田次郎はエッセイの中で、国家の実情、歴史、思想、習慣、詩歌、特異な文化を有する中国を宇宙だと表現している。本書を読んで、中国は学びの泉であると痛感させられた。
 約千三百年も続いた科挙制度(省、中央の試験を突破し進士となることができる仕組み)の存在を詳しく知ることができた。学校ではなく、家庭教師をつけて学ばせる時代がこんなに長期に及んだとは。信じがたい事実であった。食べること、学ぶ機会に恵まれない子供の方が多かったことが悲しくてたまらない。
 宦官の制度(王朝の宮廷で皇帝や後宮に仕える去勢された男性)についても、深く学べた。背筋が凍る思いで読み進めた。どれだけの覚悟と苦しみを背負って人々は生きていったのだろう。胸が詰まる思いだった。

 この国をもっと学びたいと思わせてくれた著書に感謝。

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Posted by ブクログ 2023年02月23日

年末から読み始めて漸く今日読み終わった。
最後もっとチョンルに激変があると思っていたが、不発だった。
清末期の激動の歴史がありありと描写され、中国史に興味が湧いた1冊だった。

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Posted by ブクログ 2023年01月04日

中国清朝末期を描いた歴史小説の最終巻。貧しい少年と、誰からも期待されていなかった名家の青年。それぞれの個人の成り上がりの物語から始まり、そこから少しずつ世界を揺るがす歴史のうねりの物語へと変わっていく。

スケールの大きさにも引き込まれたし、国内外の様々な思惑が入り乱れる政治ドラマ、権力闘争の模様に...続きを読むも引き込まれました。当時の歴史的背景についての予備知識はまったくなかったけど、それでもどんどん読み進めていけたのは、歴史の流れだけでなく登場人物の行動や言動、思惑でストーリーを引っ張っていく語り口のうまさがあったように思います。

時の大帝、西太后に仕え女王個人の立場や王宮内部の人々をおもんばかりながら、事態を見守る春児。役人となり国や将来への憂いから行動を起こす文秀。
そういった個人の視点だけでなく、西太后や光緒帝といった権力者側の視点や、日本の新聞記者をはじめとした各国のジャーナリストたちに伊藤博文も登場するなど、国内外問わず、身分や立場も問わず多くの登場人物が登場します。しかしそれに負けない物語の吸引力がありました。
時代背景に詳しければ、史実通り登場する人物たちの書きっぷりをより楽しめたのかな、と思いますが、分からなくても十二分にストーリーに引き込まれました。

最終巻は特に歴史の大きなうねりが、物語を読んでいる自分の体中に響いているように思いました。西太后の襲撃事件から始まり、改革派によるクーデター。そこから一気に結末まで話は突き進む。

様々な登場人物たちの思いを飲み込むおおいなるうねりに、歴史の残酷さや無情さを感じつつも、一方で個人の思いにも寄り添う語りや、視点の切り替えが本当に巧みでした。全4巻を読んでいると言葉にできない様々な思いが去来してきます。
1巻の感想でも書いたけど、少年マンガのような展開やキャラの魅力がありつつも、一方で国内外の権力闘争を色濃く描き、そして歴史のうねりも描ききる。本当に濃密な読書体験ができたと思います!

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年12月22日

列強諸国に蹂躙される間際の斜陽の清朝時代の中国で、抗いがたい大きな時代の流れになすがままにはされるまいと踏ん張った人々の物語。糞拾いの春児は万に一つも裕福になる可能性のない運命を自らの手で掴みとった。文秀は皇帝を、ひいては中国という国全体を正しい道に導くために全力で奔走した。結果として2人が迎えた結...続きを読む末は、2人が目指した白太太のお告げのそのままとはいかなかったかもしれない。しかしそこには天命なんてものを凌駕する人間の力というものが働いていたと思う。また、個人的にもう一人の主人公だと思っていたジュゼッペ・カスティリオーネが偉大なるヴェネチアンという身分を捨て、郎世寧として西洋のバロックの芸術家も到達し得なかった「青」に到達したことが、誇らしかった。貧しい人々や苦しい人々の心を救う絵を描きたいと言って中国へと渡ったカスティリオーネの描いた絵画や、生み出したガラス工芸が何百年の時を経て、蒼穹の昴として春児や西太后をはじめとした中国の人々の心を救ったとき、人間の力は天の力をも超えるのだと思えた。岡やトムをはじめとする諸外国の記者団や、変法のために自らの命を捨てた順桂なども、その一人一人の働きは微々たるものかもしれない。しかし、作中で岡が演説したように、彼ら一人一人の行為は何ひとつ歴史を変えることが出来ないかもしれないが、彼らは確実に、あの時あの瞬間に歴史に「参加」していた。ただ時代の激流に流され、清朝が倒れていく様を傍観しているのではなく、自らの頭で考え、自らの足で行動を起こした。そうした積み重ねが未来を変えるのだと、今の私たちにとっても、身につまされるようなメッセージを受け取った。

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Posted by ブクログ 2022年12月14日

宝塚観る前に予習しとこうと思ってまとめて一気読み!めちゃくちゃおもしろくて世界観にどっぷり。
これはベストセラーなのも頷ける…

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Posted by ブクログ 2022年10月29日

清国が終わる直前(光緒帝)の時代。清代を題材にした中国ドラマを見ていたので用語はわかりましたが、見てなかったら結構難しかったかもしれない。。
登場人物は歴史上の有名な人なので、調べてしまえばどういう経過を辿るかは分かってしまいます。でも一人春児は創作。なので春児に関してはどうなっていくのか気になりつ...続きを読むつ読みました(宦官のトップになるとは示唆されていたけど)

シリーズ物ということで、歴史上ではやや中途半端なところ(改革派が亡命するところ)で終わってしまいます。春児がトップに上り詰めるという話であればここで完結でしょうかね。時代の変わり目を題材にする小説はやはり面白いです。

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Posted by ブクログ 2022年10月29日

大作だった。
面白かった。

清朝末期の物語。
貧しい少年から、西太后の側近最高位まで上り詰めた春児の物語。
一旦の完結。

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Posted by ブクログ 2022年10月08日

清朝末期、完全崩壊の直前を描く歴史小説の完結巻。
群像劇なので、ちょっとベタ過ぎて視点が定まりにくい難はあるけれど、ベタに青い初期の浅田次郎を満喫できるお話。

生まれた時代や環境、それぞれの「運命」はあるのかもしれないけれど、具体的な自分の人生は「今」の自分の努力と行動で築かれていく。
自分の人生...続きを読むを築くのは、自分自身だということ。

諦めたらそこで終わり。
「悪いヤツ」も悪役なりに考えて行動して、栄華をつかもうとしてつかんでいる。
自分も「今」「行動」しよう。

蒼穹に昴は見えないけれど、それを見たいのならば実際の青空よりも蒼い「蒼穹」を自分で描くスキルを努力して身につけて、そこに昴を自身で描くくらいの気概が必要なのだな。
そして、それは不可能ではないんだ。

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Posted by ブクログ 2022年08月21日

ようやく毛沢東がでてきた!
壮大なお話でした。あの時代の見方が変わりました。西太后や伊藤博文、あまり知らなかった李鴻章が格好良かった。
科挙と宦官を日本は取り入れなかった、なるほど。科挙が行われてたら歴史はどう変わっていたのだろうか。ボチボチとシリーズを読みたいと思います。

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Posted by ブクログ 2021年12月31日

決行分量あるし、この後もシリーズは続くが、それでも一気に読めてしまった。
考えてもたら、中国の19世紀末からの百年って、すごく激動の時代なんですよね。
映画「ラストエンペラー」と時代はほぼ重なるが、皇帝の側から見る(この後出てくるであろう義和団や辛亥革命、満州事変、新中国成立)と、庶民から見るのを比...続きを読むべると面白いかもしれない。
最後に少し子供時代の毛沢東が出てくるのが象徴的かも。

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Posted by ブクログ 2021年07月06日

浅田次郎さんの作品は本当に面白い。

歴史の大きな流れの中にも、いろいろな人々のやりとりが描かれていて、悲しい出来事もあるけど、すごく惹きつけられる作品だった。

中国の歴史ももっと知りたいと思った。

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Posted by ブクログ 2021年07月04日

光緒帝は近代化のための改革「戊戌の変法」を進めようとする。世界史知識では戊戌の変法は保守派に潰された。これは正しいが、戊戌の変法を進める側にも無理があり、潰れるべくして潰れた感がある。改革は難しいと感じた。
保守派のクーデターにより、譚嗣同は処刑された。これは史実であるが、物語の中では死ぬ必要があっ...続きを読むたのかという感がある。主要登場人物達が結ばれるために必要な出来事となるか。
最後に毛沢東が出てくることに驚かされた。そこにつながるのかという感じである。毛沢東は清朝の時代に生まれ育った。毛沢東の問題意識としては資本主義よりも前近代の封建社会・権威主義の弊害の方が大きいだろう。それ故に、ここで毛沢東につなげることは上手い。

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Posted by ブクログ 2021年06月11日

貧しき糞拾いの子供と農村の庶子から科挙に挑んだ若者がそれぞれ宦官の道と官吏の道に進み昴の星を目指すというサクセスストーリーのような単純な物語ではなかった。

アヘン戦争など列強からの侵食に圧され徐々に力を失う清朝末期において、旧態依然とした皇宮内の守旧派(西太后)と改革派(光緒帝)による覇権争いを軸...続きを読むにした中国の歴史を興味深く知ることのできる時代小説。

とりわけ科挙と宦官という二つの独自の制度。その厳しさ厳格さ、出世のステップと、勝ち上がった先につかむことのできる権力の大きさ。また、明から清へと続く満人と漢人との関係をはじめ、満州人の中での愛新覚氏と葉赫那拉氏との対立など、名前は知っていてもその奥深さについては想像もつかない世界である。

アヘン戦争や日清戦争、義和団の乱や香港租借など歴史で習った単語や、李鴻章、袁世凱など歴史上の人物も重要な役割で登場。最後に毛沢東まで出てきたのには笑ってしまった。
どうやらこのシリーズはラストエンペラー溥儀の時代まで続くらしい。楽しみにゆっくり続読しましょう。

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Posted by ブクログ 2021年02月19日

全四巻としてのレビュー。
長かった。歴史小説なので、サクサクと読めず、途中で中だるみしてしまった。
西太后は、歴史上の「清を滅ぼした悪女」というイメージが、自分の中であまりにも強すぎて固定観念として、この小説の中での人物像がどうしてもしっくりいかなかった。
春雲は自身の力で運命をも変え、ついにはお宝...続きを読むを手にするが、家族や友人や大事な物など、失ったものも多く、願いが叶っても悲しい人生だと思う。

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Posted by ブクログ 2021年01月06日

近代史は学生時代の歴史の授業では「時間切れ」になってしまってきちんと勉強をしなかったので、正直、知らないことも多い。けれど個人的に、世界がどのようにして二度の世界大戦に突入していったのか、そして、あの時代に人々は何を考えどう生きたのかに興味があり、Nスぺや映画、あの時代を舞台にした小説などを見たり読...続きを読むんだりしてしまう。リアルな戦闘シーンや残虐なシーン等は怖すぎて無理なのだけれど、ああいう時代を生きた人たちがいて私たちのこの今があるのだということを知り、平和の有難みを感じることは、現代を生きていく上でとても意味のあることだと思う。
この小説はもちろんフィクションで、ファンタジーめいたところもあるけれど、改めて歴史的事実とそこに至るまでの経緯(何が行われていたのか、どういう人たちが何をしていたのか等)を知ることができるという点においても、とても面白かった。実際はこの小説に描かれている通りでは無かったかもしれないけれど…それでも、歴史的事実として、守旧(西太后)派が改革(光緒帝)派を一掃し、皇帝を捕らえて追放するようなことが現実に起こったのかと思うと、不思議な気さえする。全て、派手でドラマチックな映画か小説のストーリーのよう。この後の展開もとっても気になる。

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Posted by ブクログ 2019年10月12日

清朝末期を舞台とする物語の最終巻!(続編は別にある)

西太后の人物像の真実

思想家と官僚の欲に見える群像劇

辛亥革命と中華民国への布石


本書を読んだ感想
三国時代やキングダムの戦国の七雄、水滸伝な項羽と劉邦も面白いけれど他の時代も歴史も楽しめるのではと思った。それと悪女と思っていた西太后が...続きを読む必ずしも悪ではないかと考えられるようになった!
中国三大悪女の呂后、武則天、西太后は女性でありながら政治に介入し過ぎた事で悪女に数えられたのでは?つまるところの歴史的な男尊女卑の最たる犠牲者であったのではと考えられる。

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Posted by ブクログ 2020年01月13日

よっしゃここまで来たらラストまで一気に書きます!

<本の紹介>
人間の力をもってしても変えられぬ宿命など、あってたまるものか―紫禁城に渦巻く権力への野望、憂国の熱き想いはついに臨界点を超えた。天下を覆さんとする策謀が、春児を、文秀を、そして中華四億の命すべてを翻弄する。この道の行方を知るものは、天...続きを読む命のみしるし“龍玉”のみ。感動巨編ここに完結。
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なかなか興味深い内容でした。

光があれば、闇がある。
思惑通りに行った人もいるし、行かなかった人もいる。
でも、うまくできなくても、諦めないならまたチャンスもあるかもしれない。
遠回りしたからこそ見えてくるものもあるかもしれない。

個人的には、主人公の一人が最後に「施すのではなく、尽くすのだ」と言っていた言葉が印象的でした。400ページ近くある本のなかで、1行にも満たないたった13文字。でも、これってすごく深い、大事な姿勢な気がしました。
えらくなれば、人から見られる立場が変わることで自分の振る舞いも変わる人もいる。もちろん、出世したりして権限が強くなればできることも増えるし変わらなきゃおかしい部分もあるんだけど、えらいえらくないは人間としての上下とは関係ない。職務としての上下だけだ。そして、権限も強くなれば、給料も増えるかもしれないけどその分責任も重くなる。それは、背負っている人たちの数であり、その手に握っている人生の数とも言えるのかな。
そういう人たちに対しての意識が「相手に施す」じゃいかにも上からって感じで、そういう人たちは下の人たちが見えてないのよりは全然マシだけど、相応しくはないと思いました。「相手に尽くす」っていう表現に、優しさやいたわりを感じた。この違いは人の姿勢として大きく変わってくる部分なんじゃないかなと思いました。

自分の大事にしたい人に尽くすこと。それが一人であれ、複数人であれ、上であれ下であれ、国全体であれ、その部分はきっと変えちゃいけない。そう、思いました。

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Posted by ブクログ 2021年03月03日

2021.2.25
偉い人の中で国民の事を考える人が少な過ぎ。
身内とか上司とかばっか。
登場人物全員に小野不由美先生の12国記を読んでほしい笑

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