あらすじ
官吏となり政治の中枢へと進んだ文秀。一方の春児は、宦官として後宮へ仕官する機会を待ちながら、鍛錬の日々を過ごしていた。この時、大清国に君臨していた西太后は、観劇と飽食とに明けくれながらも、人知れず国の行く末を憂えていた。権力を巡る人々の思いは、やがて紫禁城内に守旧派と改革派の対立を呼ぶ。
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一巻では書かれなかった、西太后のキャラクター。私けっこうこのおばさん好きかも。
何も持たない春児が努力し、運命を変えていく様、次の巻が楽しみ。
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【あらすじ】
文秀は、同じく進士登第を果たした王逸、順桂とともに、楊喜楨を中心とする改革派の一員となる。また、天涯孤独となった春児の妹玲玲と再会し、彼女を引き取るとともに、預言者から春児に嘘のお告げをしたことを聞かされる。一方春児は、城を追われた宦官らが共に暮らす老公胡同でさまざまな厳しい鍛錬を受ける。なかでも演劇では類い稀なる才能を開花させる。そして城にあがるや西太后の目にとまり、西太后づきの掌案的となる。文秀と春児は、皇帝派と皇后派の権力争いの只中に巻き込まれていく。そして西太后は、強大な権力を維持しながらも人知れず国と光緒帝の行く末を案じていた。
【感想】
1巻に続きとても面白かった。春児の成長、出世は読んでいて気持ちがよかった。西太后と乾隆帝のやりとりは、ファンタジーなのと現代的な話言葉で不思議な雰囲気だった。西太后が実際どんな人物だったのか気になった。
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浅田次郎さんの小説は「一路」についで2つ目。
「一路」の小野寺一路といい春児といい…
浅田次郎さんの描く小説の主人公はほんっとに
きらっっきらっっ!!ほんとにまっすぐで
一所懸命で、実は大好きだあ、こういう人間。
浅田次郎さん…すごく好きな小説家になった。
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春児の運命がいよいよ大きく動き出す二巻。元々頭もいいし、真面目で人のために尽くせる優しい春児だから、色々な人に愛されて出世していく様が、読んでいて爽快というか、自分のことのように嬉しくなる
そしていよいよ西太后も登場。稀代の悪女と謳われている西太后のイメージを覆してくるのがまた面白い。この夏で最後まで読み進めたい。
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2巻も面白かったなー。
ストーリーの全貌がちょっとずつ形になってきました。
西太后のことが気になるので、事実を調べたりしている。西太后は中国の三大悪女と言われており、残虐さエピソードには枚挙に暇がない。そして、この小説でも西太后の横暴な振る舞いは止まらないし、むしろそれが話の軸ではある。けれども、小説では横暴にならざるを得ない理由を示唆するセンテンスがちょろちょろ出てくる。そこについて、史実ではどうなんだろうということが気になってしまうのであった。
ところで、主人公の春児が可愛い。始まりは10歳くらいの男の子だったのに、いつの間にか23歳になってしまった。それでも可愛らしくて、応援せずにはいられない。3巻も楽しむ。
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西太后や李鴻章など歴史的な側面しか知らなかったが、イメージが大きく変わった。それぞれが背負っているものの大きさやその重圧、人間的な部分などが魅力的に描かれている。
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蒼穹の昴の第二巻。
この巻では西太后の姿が印象的だった。前巻でちらっと出た感じでは、権威ある強大な女帝という感じ。さらに歴史上のイメージも相まってとんでもない悪女という印象があったのだけど、蒼穹の昴での人前で見せない彼女の姿はその印象ががらりと変わる。
話し言葉が普通に女の子っぽかったというのもあると思うけど、国を背負う重圧に押しつぶされそうになる弱さや、混沌とした状態のままで国を愛しい甥に任せたくない、という情愛の思いであるとか、そうした部分が等身大に描かれていて、女帝の人間らしさが描かれます。
表の強い女帝の姿と、裏の普通の女性っぽさ。その相反する二面性が、彼女を魅力的に描きます。
熱くなるシーンでいうと宦官を志す春児が、鍛錬の日々の中で師匠から教えを受け継ぎ舞台にあがるシーンが格好よかった! この作品は宝塚で舞台化されているそうだけど、舞台で見たらめちゃくちゃ映えるだろうな、とつい想像してしまう。
あとは春児の運命を変えるお告げをした白太太が、お告げに関してのある真実を述べる場面も捨てがたい。人間の可能性や強さを感じさせ、感慨深くなるいい場面でした。
ストーリー的にはこの巻から宮中や国際政治が絡んできて、シリアスさが増してくるのだけど、春児の運命が語られる場面はどことなく王道の少年マンガの雰囲気を思い出させ、どこか懐かしい気持ちにもなりました。
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浅田さんの小説には、基本的に本当の悪人がいない。
誰もが何かしらの理由を持って生き、何かしらの想いを持って行動している。
実直で己の信念を持って生きる人たちは報われて欲しい。
せめて小説のなかだけでも…と思ってしまいます。
世紀の悪女と呼ばれる「西太后」さんの思いと行動のアンバランスさは置くとして、悪役としての自分や周囲の悪意を受け止める根性は自分の血に誇りを持っているからなのか。
いずれにしても春児は報われて欲しいなぁ…。
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順桂の葉赫那拉の呪いから話が始まる。
王逸と李鴻章との出会い、文秀と玲玲との再開、春児が黒牡丹から教えてもらった技を身につけて入廷してお気に入りになるまで。
西太后の表での印象と実際の考えていることの差が狂っていると感じるぐらい離れていて魅力的。
春児の何事にも一生懸命で根が優しいところがとても応援したくなる。文秀も頭が良いだけでなく、科挙試験から描かれてる困っている人がいれば助けられるところが2人が似ている。
冬の牡丹江は本当に寒くて、知ってる土地が出てきて想像できるのがおもしろい!
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2巻。退役宦官の村「老公胡同」で宦官修行の春児。厳しい修行に耐え、西太后の側近へ成り上がって行く様が痛快。黒牡丹の最期には泣いた…。
西太后は、ヒステリーはすぎるが繊細なところもある女性で、滅びゆく清国の行方を憂いて、甥っ子である光緒帝にはこの重荷を背負わせることはできないと自らが政権を握る。西太后が仕事できすぎるのがいけなかったのか、それが清王朝を牛耳る稀代の悪女と後の世に伝わってしまった、という解釈は面白い。
また、光緒帝もそんな西太后を母(父)と慕っている。そんな2人の思いとはうらはらに、取り巻く側近たちの陰謀と暗躍で、物語は皇帝擁する改革派と西太后擁する守旧派の派閥争いへ。皇帝派についた文秀と、西太后派についた春児。2人は袂を別ち、時代は進んでいく。3巻へ続く。
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科挙の最終試験に見事合格し、中央官吏として頭角を現す文秀。一方、宦官の道を選び場末の胡同で修行を積んだ春児は黒牡丹から受け継いだ演技を老仏爺(西太后)に認められ御前太監として側仕えする身分にまで出世した。
別の世界に別れた二人は紫禁城内に渦巻く后派と帝党との勢力争いに巻き込まれてゆく。
大清帝国の滅亡に向けて宿命を背負った二人の若者の運命が大きく動き始める。→第3巻に
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全四巻としてのレビュー。
長かった。歴史小説なので、サクサクと読めず、途中で中だるみしてしまった。
西太后は、歴史上の「清を滅ぼした悪女」というイメージが、自分の中であまりにも強すぎて固定観念として、この小説の中での人物像がどうしてもしっくりいかなかった。
春雲は自身の力で運命をも変え、ついにはお宝を手にするが、家族や友人や大事な物など、失ったものも多く、願いが叶っても悲しい人生だと思う。
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春児が非の打ち所が無く活躍する様を読むと、そうでしょう!うちの春児は凄いんですよ!!と身内目線でこちらまで嬉しくなってしまう笑
でもパイタイタイのお告げはウソかーい!
分かるよ、春児はかわゆいよね…自分の力でなんとかしそうだし、見守ろう。
文秀と春児は敵同士みたいになってしまったけど、この先どういう結末に向かっていくのだろう…
西太后の本当の思いが文秀達にも伝わればいいのに…だから西太后に付いてる2人は早く死ねよ。
Posted by ブクログ
ほぼ科挙試験の趨勢に紙面の大半を費やした1巻とは打って代わり、随分と物語が動いたものだなぁ。。。
西太后の苦悩と乙女心と親心と国を憂える心と、それらに相反する専横に複雑な気分を味わい、
光緒帝の人柄に心温められ、
春児のスピード出世と寺の仲間の遺したモノに胸がすく思いを味わい、
権勢争いに明け暮れる完了たちの暗愚に心塞がれ、
時の流れの残酷さと歴史が示す暗い未来に想いを馳せる・・・
そんな読書時間を過ごした一冊。
「蒼穹の昴」、面白し♪
★4つ、9ポイント半。
2020.02.04.新。
※作品世界ではとっくのとうに亡くなっているはずのヴェネチア人画家が、この先の物語にどう絡んでくるのか…?
Posted by ブクログ
二巻目。
読み進めるうちにだんだんとはまってきた。
李文秀、王逸、順桂、そして春児それぞれが出世して、別々の道を歩き出した。
これからの展開が楽しみである。
【積読】2020.04.05
西太后の内情がわかって、ちょっと同情(史実と同じかは別として)。
光緒帝があっさり政治を取って代わると思ったのに、そうはうまくいかない。
母子のそれぞれの愛が故なのか。
わからないものだな。
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次巻もはまって読みました。
<本の紹介>
官吏となり政治の中枢へと進んだ文秀。一方の春児は、宦官として後宮へ仕官する機会を待ちながら、鍛錬の日々を過ごしていた。この時、大清国に君臨していた西太后は、観劇と飽食とに明けくれながらも、人知れず国の行く末を憂えていた。権力を巡る人々の思いは、やがて紫禁城内に守旧派と改革派の対立を呼ぶ。
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よくある話といえばそれまでなんですが、旧体制を牛耳る奴らが出てきて、その体制の中で"使える"人たちが活きなくなってくると体制の維持ができなくなる。「良禽は木を選ぶ」。頭のいい人達ほど、組織に本当に必要になる人達ほどその組織が腐る前にどこかに飛んでってしまうもんだ。そして、一番初めにそんなしわ寄せの被害を受けるのは、いつだって一番弱い立場にいる最下層に位置づけられる人たち。そんな人たちをなんとかするために、そんな体制をなんとかしようと新体制擁立派が出てくる。
でも、志はあるものの、実際百戦錬磨の旧体制から権力を奪うのは"徐々に"じゃなかなか難しい部分もある。草の根活動は地道に続けるけど、それだけじゃダメだ。ただ仲間を増やしていく際にそのたくらみがバレても元も子もない。そうなると、どこでどうつながってるかわからない昔から組織にいる人達に改革を手伝ってもらうことは難しい。だからこそ、そんなつながりのない新しくその組織に入ってくる人たちをどれだけ自分たちの体制に組み入れられるかがそういった新しいことを始める人達にはキーになる。逆に言えば、そこさえ押さえておけば改革派ってのはなかなか力を持つことはない。
ん?なんかどこかのエアラインの話みたいになってきた。
でも、歴史は繰り返すというか、いつも同じ構図があるものなんだろなと思います。
そして、同じミスが繰り返されるってことは根本原因に手が打たれていないってことと同義。今までに原因と考えられて、その原因の対策として打ってきた手よりも深いとこに原因があったら、そこに手を打たない限りはその事象が終わることはない。風邪薬を飲んでも風邪を引かなくなるわけじゃないってのと同じだ。
それぞれの立場で守るものがあるのはわかるけど、頑張れば頑張るほど、評価されればされるほど、それが大きくなっていくのもわかるけど、弱い立場にいる人たちのことを見なくなった時点でその人の魅力ってのはあんまりなくなっちゃう気もします。
自分のことだけじゃなく、相手を見よう。世界を見よう。どこの会社でもいいし、どんな職責でもいいけど、今自分が埋めているポストは自分がついているために他の人がつけなくなっている。そのポストに求められている価値を自分は出せているのか。出せていないと感じるなら、もっと頑張る必要がある。頑張るつもりがないなら、降りた方がいい。その判断すらできないようなら、その人はきっとそこにいない方がいい。
今していることに意義を感じて、魂込めて取り組めているかどうか。
なんとなく、そういうことを考えるべきなんじゃないかって感じました。
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春児や文秀くらいサクサクと出世したい
西太后とか李鴻章とか袁世凱とか、なんとなく分かるくらいの大物も出てきて歴史感増してきた。
宮内が帝党と后党とに分かれ、イデオロギー対立と欲望によって大きな渦になり、いつしか誰の手にも負えず渦中の人の意思にも逆らってしまう感じ。
歴史って感じで切ない。
いったん明以降の歴史くらいは軽くさらってから後半に進むか迷い中。
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文秀と春児が宮中で出世する。
光緒帝を担ぐ一派と西太后を担ぐ一派に分かれて戦いが繰り広げられる。
西太后も隠居を決めてから10年も隠居せずに政治をし続けていた。
春児が23になった頃、李鴻章が日清戦争に敗れて落ちる。
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やっぱ名前難しい!!登場人物多すぎて、えっとこの人誰でしたっけって何回もなった。一気に読まないと内容忘れちゃうと思うので、次も読んでみます。
春児が成長して最強の人になってるのわくわくする。素晴らしい師匠達に鍛えられて、なんでも出来る様になってるの楽しい!これからがさらに楽しみだ。
でも春児と文秀の絡みがあんまり出てこなくなって寂しい。あの二人の会話が好きだったのに…
Posted by ブクログ
文秀は官吏として、春児は役者として、各々の道を歩み始めていく様子が描かれる。ほかの登場人物にもスポットが当たるので、飽きずに読めた。
西太后は意外と人間くさいことがわかった。可愛らしい面も見えたりして。理解できない部分もありつつ、憎めない気持ちになってきた。
白太太の新しいお告げや龍玉の話、玲玲のエピソードなど、どれも気になる展開。これらがどう絡まって話が展開していくんだろうと思うと、ワクワクしてくる。
ただ、昔から薄々勘づいてはいたことだけど、やっぱり歴史物はあまり得意ではないみたい。読めばストーリーに惹かれてそれなりに楽しくは読めるものの、どっぷりのめり込めないんだなー。しかも今回は舞台が中国で、登場人物の名前が覚えづらいから余計に。
Posted by ブクログ
清朝末期を描いた歴史物。
宦官となった春児、官吏となり政権の中央に進む文秀。
春児の妹は、文秀の庇護のもと育てられる。
西太后の譲位。巨大な官僚利権組織の中の権謀術数渦巻くスリリングな展開は、ややこしいが面白い。
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文秀は選ばれし者として官史となり、一方春児は占いを信じて向上心から色々な人達との出会い家族、男根を絶ち演劇の道で腕を上げる。政治は西太后が観劇と飽食に明け暮れながら自分の世界の中で国の行く末を嘆いている状況で周りは守旧派と改革派の対立が進んでいる。春事は西太后の前で難しい演劇を演じる機会を得て評価をされ、文秀は守旧派と改革派の狭間で生きる。この2人の行く末は??
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第2巻では西太后が主人公の一角となり、その存在感をあらわにした。
本巻とウィキペディアを読んで西太后が悪女かどうかについて考えてみた。
・浪費家の類ではある
・東太后や同治帝が西太后による暗殺とあるが断定する材料は少ない
・西太后の没後に辛亥革命が起こり清国滅亡となる
・清末期の清軍は決して強いとは言えない
・西太后より取り巻きが悪い
西太后への見方が少し変わりました。しかしあの癇癪は良くないと思う・・・
第3巻が楽しみです。