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Posted by ブクログ
儚く、美しく、そしてかっこいい。
義とは何か、家族とは何か、男とは、友とは何か——そのすべてを強く問いかけてくる作品である。
新選組という激動の時代の中で、それぞれが信じる「正しさ」を抱えて生きている。しかし、その正しさは一つではなく、時にぶつかり合い、すれ違う。その姿が非常に人間らしく、胸に迫ってくる。
特に、吉村貫一郎の生き方には強く心を打たれた。周囲からどう見られようとも、家族のために生きるその姿は、不器用でありながらも揺るがず、真っ直ぐである。
また、大野との友情も非常に熱く、立場や価値観の違いを越えて通じ合う関係が印象的だった。さらに、その生き様は息子にも受け継がれており、その姿もまたかっこいいと感じた。
そして、読書後に溢れる涙を止めることはできなかった。
それほどまでに、この物語は心に深く残る。
本作は、理屈や歴史として理解するものではなく、登場人物の生き様や想いを通して感じる物語だ。
頭で読むのではなく、心で読む作品である。
Posted by ブクログ
南部藩を脱藩し壬生狼=新選組に入隊した吉村貫一郎を中心に語られる、激動の時代における隊士の非業の生涯を描く時代小説の下巻です。
斎藤一の証言の続きから物語が再開します。
吉村貫一郎は本当に切腹させられたのか、どこかへ落ち延びたのではないか、と読者は様々な想像を巡らせていることでしょう。
しかし元新選組隊士や五稜郭での戦闘参加者などへの聞き込みで、徐々に紐解かれていく彼のその後。
多くの藩士たちから慕われていた吉村ですが、脱藩に加えて朝敵となり戻ってきたことは許されることではありませんでした。
新撰組隊士として戊辰戦争にて討死すべきであり、生きているなら切腹をしなくては南部藩全体が朝敵の嫌疑でお取り潰しになる可能性もあるのです。
吉村貫一郎は御一新の後に生きていてはいけない人間になっていたのでした。
武士としての生き方に縛られる人間、御一新の後に訪れる明治時代の新しい風に乗る人間、その新風に乗れず心が江戸時代に生きている人間、それぞれの潔さと辛さを兼ねる生き様が描かれています。
巻末には吉村の友人である大野次郎右衛門による全漢文の書状があり…感動しました。
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小説・文芸
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