浅田次郎のレビュー一覧

  • 天切り松 闇がたり 第一巻 闇の花道

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    時代背景のある作品を初めて読んだかもしれない。勝手に苦手意識があったが、面白すぎる。言葉遣いも魅力的すぎる。そして何より登場人物達の人情が素敵すぎる。今日日にもあれば良いのに。私の近くにも居てくれればいいのに。

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    2025年05月30日
  • おもかげ

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    主人公・竹脇正一は、65歳で定年を迎え、送別会の帰り道、地下鉄の車内で突然倒れてしまう。集中治療室で昏睡状態にある正一のもとには、旧友や幼なじみ、家族が次々に見舞いに訪れ、語りかける。しかしその間、正一の意識は肉体を離れ、奇妙で不思議な体験をする──。

    主人公の年齢や人生の節目が、自分自身と重なる部分もあり、自然と惹きつけられて手に取った一冊です。

    読み終えたあと、言葉にならない幸福感に包まれて、物語の余韻と著者への感謝で、思わず本を胸にぎゅっと抱きしめてしまいました。

    心に深く残る、大好きな一冊になりました。

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    2025年05月30日
  • 蒼穹の昴(1)

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    宝塚で作品を知って、原作にようやく手を出せた。
    清代の中国の話なので内容はちょっと難しいけれど、ここ最近読んだ本の中で一番面白かった。いろんな人におすすめしたい作品になった。
    自分が生きるのに必死な環境で、それでも他人のために尽くそうとする春児の自己犠牲精神が本当に泣けてくる
    文秀も、宝塚だと聖人君子って感じだったけど、原作では飲んだくれの適当なやつ(でもとんでもない天才)なのもまた人間味があって面白い。
    四巻まで読むのにはまだちょっと時間がかかるけどゆっくり読み進めていきたい。

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    2025年05月21日
  • 君は嘘つきだから、小説家にでもなればいい

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    浅田次郎、抱いていた印象とはまったく違った。まるで勤勉を絵に描いたような人ではないか。周囲の反対を押し切って自衛隊に入ったという経歴から、そして競馬もすることから、破天荒な人だと思っていた。(自衛隊は、規律と規則正しい生活を送るための修練の機会だったのか。)
    執筆に8時間、読書に4時間、平日はこのルーティン。そして週末には競馬。さまざまな条件を入れ込んで、真剣にレースのストーリーを練る。酒類は嗜まず。まじめで勤勉、そして継続。
    最初の単行本は39歳。やんちゃで問題児だった小学時代に恩師の言ってくれたことば、「小説家にでもなればいい」、それが叶うのに30年近く。継続こそ力なり。

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    2025年05月08日
  • おもかげ

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    浅田次郎作品の別作品のセット品で買ったため期待はしていなかったのですが、とても面白かった。危篤の時に周りにこんなに心配されるような人生を送りたいなと思いました。素敵な人生を観させていただきました!

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    2025年05月07日
  • 壬生義士伝(上)

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    ネタバレ

    時代小説を読んでみたいと思い、評判の良さそうなこの本を選択した。時代小説に慣れていないので、前半はなかなか集中できなかった。貫一郎のすっとぼけたところはおかしかった。
    近藤勇が鉄砲で撃たれたところも笑いを誘った。
    妻が自殺しようとするところは涙が出た。
    こんなにも感情を揺さぶる小説に出会えて良かった。

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    2025年04月29日
  • 母の待つ里(新潮文庫)

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    出身地を問われると[横浜]と答える。中華街生まれ中華街育ち。深夜まで人通りが絶えない街が故郷。
    登場人物たち同世代。父母はもういない。母の待つその場が、故郷ならば、今私がいるこの街が子等の故郷。
    この本を過疎化だ少子化だとのこの国の明日を憂う問題作と読むか、[おめはよぐやつた。誰がほめてくれなぐても、母は力いっへえほめてやる。]と今一度母から聞きたいとするか。
    明日は子の好物でも作るうか。

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    2025年04月29日
  • 終わらざる夏 中

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    上巻よりも内容が理解できた
    昭和20年8月、広島と長崎に新型爆弾が投下された
    どうしても原爆の悲惨さに目を向けてしまうけど、そのとき北の前線ではどのような動きがあったか
    しぃちゃん、ジョー、頑張って

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    2025年04月27日
  • 壬生義士伝(下)

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    ネタバレ

    電車の中で涙を堪えながら読み終えた。これ以上読んだら泣いてしまう、そんな瞬間が何度もあった。それほどまでに魂を揺さぶられる物語だった。

    吉村貫一郎は、家族を飢えさせぬために脱藩し、命を削って生きた男だった。
    本来なら生きて家族の元に帰ることが、彼にとっての“誠”だったはず。
    それでも最後は、武士としての“義”に殉じて命を絶つ。
    「武士道って、なんなんだろうね」
    佐助の問いが、今も胸に刺さる。

    嘉一郎、中島三郎助、南部藩の武士たち
    短くも筋を通して生きた彼らの姿に、心の声と真っ直ぐ向き合うことの尊さを教えられた。

    今の時代、自分さえ良ければいいという風潮があるけれど、そんな自分勝手を無理に

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    2025年04月25日
  • 蒼穹の昴(3)

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    3巻もおもしろかったなー。
    引き込まれすぎて止まらなくなってしまうから、
    夜中まで読み続けてしまう。読み終わるまで寝不足が辛かった。
    李鴻章って本当にすごい人物だったのですね、小説の中でもめちゃくちゃかっこよかった。
    そして、私はこういう歴史小説はどこまでが史実なのか調べなきゃ気が済まないので、読んだ後もしばらくこの世界観に浸っている。
    次が最終巻。終わってしまうのが悲しいですが、楽しみたいと思います。

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    2025年04月24日
  • 壬生義士伝(下)

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    (備忘)個人的に初めての時代小説だったはず。主人公の吉村貫一郎は名前すら聞いたことなかったし、上巻の読み始めは読みにくくて、中々ページが進まなかったんだけど、どんどん世界に入り込んで、いつのまにか下巻で号泣しまくって読んでました。思い出深い一作です。

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    2025年04月19日
  • 月島慕情

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    初 浅田次郎 作品

    人には人生がある、それが気持ち、思い、生、過去と情に満ちた作品で、人の尊さ、人生の疎ましさがとても心に沁みた

    なんて素晴らしい作品なんだろうと

    我が弟から頂いた本、ありがとう!

    ありがとう、浅田次郎さん!

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    2025年04月10日
  • 天切り松 闇がたり 第一巻 闇の花道

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    松蔵の語りは絶妙で、どんどん引き込まれます。なんて悲しい話なのかと思います。
    また、仕立て屋一家の心意気にとても惹かれます。

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    2025年04月09日
  • 壬生義士伝(下)

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    ネタバレ

    森岡藩士、新選組隊士吉村寛一郎を題材にした小説の下巻。
    壬生義士「伝」というタイトルからわかる通り、かつての仲間が吉村寛一郎について語ることで物語は進む。

    身分の差を超えた友情、友の死を止めることができない立場・くやしさ、それでもできるだけ苦しみを減らしてあげたいと想う心。
    現代では考えられない当時の常識・社会概念で人が死んでいた事実は考えさせられる。
    現代も性差別や格差社会が人に不幸をもたらすことはあるにせよ、けじめで死ぬことを強要される世界ではなくなった時点で、世の中は少しは良い方向に進んではいるのではないだろうか。。

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    2025年04月02日
  • 壬生義士伝(上)

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    新選組、吉村貫一郎を題材にした時代小説。
    浅田次郎の昭和~現代のノスタルジックな雰囲気が好きで、時代小説は読みにくい印象があり避けていたのだが、もっと早く読んでいればよかったと思わせるほど、胸を打たれる小説。

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    2025年04月02日
  • 天子蒙塵 4

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    「没法子」
    このシリーズ通じてのテーマ
    それは時代の大きなうねりに対する人の小ささ、
    それでも抗う人々の物語

    登場人物による“語り”が、ドキュメント映画のよう。
    この物語の主な登場人物は歴史上に実在したため、その趨勢は定められている。
    そこに語りで色付けすることで、作家の意図する物語へと変わって行く。

    「事実は小説より奇なり」というが、小説は歴史書より真実を考えさせてくれる。

    しかし、この物語を思いっきり楽しむためには、「蒼穹の昴」から始まる全シリーズを読破しておくことにこしたことはない。

    シリーズ終章だと思っていたが、まだ続きそう。
    ここから先は描くのにいろいろと難しい時代だと思うけ

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    2025年03月25日
  • 蒼穹の昴(1)

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    ずーっと読みたいと思っていた本。まずは一巻読み終わりました。結果、非常に面白い!一気読み。
    最後の王朝である清の栄華と衰退、科挙、宦官などなど内容は盛りだくさん。
    巨大な清帝国で、貧民の子が天子の側近に成り上がっていく(と思われる)壮大なストーリー。こういう国の運命を左右していくようなスケールの大きな小説大好きです。久々の興奮。早く続きが読みたい。

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    2025年03月23日
  • 天子蒙塵 3

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    感想は最終巻で書く

    ここまでシリーズを振り返るように進んできたが、一転して新たな登場人物が歴史上の人物に絡みながらやってきた。

    二人の少年の冒険が、新しい風を呼び込む。

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    2025年03月17日
  • 天子蒙塵 2

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    感想は最終巻で書く

    この巻はこれまでの登場人物が次々と再登場する。
    「中原の虹」の馬占山ら馬賊の雄
     日本陸軍 吉永将
    「マンチュリアン・リポート」の志津邦陽

    特に巻の終わり、梁文秀と玲玲の里帰りは「蒼穹の昴」からの長い物語が蘇り、読むにつれ鳥肌が立つほどとなった。

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    2025年03月15日
  • 天子蒙塵 1

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    感想は最終巻で書く

    さすがです。
    登場人物の“語り”という浅田次郎節で、手に取るようにして眼の前を物語が進む。

    この巻はドキュメント“元淑妃 文繡”編

    ラストエンペラー物語となるとどうしても宣統帝溥儀中心であるところ、中国四千年で唯一皇帝相手に離婚訴訟をした女性の口から語られる“お話し”は、まさに“豊情”のドキュメンタリー。

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    2025年03月11日