【感想・ネタバレ】母の待つ里(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

40年ぶりに帰るふるさとで待っていたのは、初めて会う〈母〉だった――。大企業の社長として孤独を抱える松永徹。退職と同時に妻から離婚された室田精一。親を看取ったばかりのベテラン女医・古賀夏生。人生に疲れた三人が選んだのは「里帰り」だった。囲炉裏端に並ぶ手料理や不思議な昔話。母と過ごす時間が三人を少しずつ変えていく……すべての人に贈る感涙の物語。ふるさとを、あなたへ。(解説・赤坂憲雄)

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

泣かせの浅田次郎だから、最近 避けていたけど。
やはり、上手。
若い頃は、毎日精一杯忙しくて、それを通り抜けると何をしていいかわからなくなる。
すごく、よくわかる。時間はあっても、前ほど買い物や旅行や飲み会に興味がなくなってきているから。
長いその後に寂しさが忍び寄る感じ。よくわかる。

1
2025年09月07日

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とても素敵な物語でした。
あまり書くとネタバレになるのでかけないのが寂しい。
母が語った最後の物語が悲しすぎて泣けた泣けた。

0
2025年12月03日

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TVドラマになって興味深く読んだが、本はさらにずっしりと重い。そしてキャストもぴったりだったことを感じる。風景描写、食べ物の豊かさ、言葉のニュアンスもさらによく伝ってくる。

0
2025年10月13日

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ネタバレ

浅田次郎さんの心情表現が、とても好きです。
都会の孤独と、過疎地域の孤独が、カード会社による民泊を通して、温かなヒューマンドラマとして描かれていて、とても感動しました。結婚したくないと思う事もあるけど、還暦手前の孤独はつらい...原作を読んで、特に考えさせられたのは、医師の娘が、母の延命治療を止める時、自らが最期を迎える時は、延命治療をするかしないかの、決断をする家族がいないこと...出来れば老後も、温かな愛情に包まれて、生きていきたい。色々と深く考えさせられました。

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2025年10月05日

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昨日からNHKで始まったドラマには間に合わなかったけど、とても楽しめた。先日65歳になった自分には、昨夜夢で見たことだったかなと自問したくなるような、あるいは自分の現実と小説の世界がどっかで交差してるんじゃないかと疑ってしまうような感触を味わった。録画したNHKドラマを観るのがとても楽しみになった。

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2025年08月31日

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現代人の孤独な心のうちを穿つストーリー。短編集のようでいて絡み合う登場人物の心理。古き良き時代への懐古をバブル入社時代の中年世代の現代視点で描く巧みさ。AIの登場もリアル。私にとって大ヒット!

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2025年08月30日

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うさぎ追いしかの山、小鮒釣りしかの川〜
10代、20代にはもう無いのかもしれないが、50代以上には明確な故郷のイメージが存在すると思う。
そんなふるさとを母親を、実生活では持てなかった定年を越えた3人が、あるサービスを使って実現させた話。たった数回の訪問で、こんなにも偽母親を慕うのは、今の都会にでて、がむしゃらに突き進んできた我々が、どれだけイメージのふるさとを心で渇望していたのか。遠野物語をバックグラウンドにした、母親からの語りに、残されたものの悲哀がある。
「戦前は兵隊として戦場に、戦後は労働者として東京というブラックホールに連れ去られた」という一節が、心に刺さる。

0
2025年08月28日

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浅田次郎さんの作品が好きで、この本も読んでみました。
人として大切にすべきことはなんだろうと深く考えさせてくれた作品です。

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2025年07月17日

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出身地を問われると[横浜]と答える。中華街生まれ中華街育ち。深夜まで人通りが絶えない街が故郷。
登場人物たち同世代。父母はもういない。母の待つその場が、故郷ならば、今私がいるこの街が子等の故郷。
この本を過疎化だ少子化だとのこの国の明日を憂う問題作と読むか、[おめはよぐやつた。誰がほめてくれなぐても、母は力いっへえほめてやる。]と今一度母から聞きたいとするか。
明日は子の好物でも作るうか。

0
2025年04月29日

匿名

購入済み

お伽話のような

初めは TVのドラマで知ったお話。
むかしむかし ある所に…
こんな風に 夢の中の物語のようだった。
このお話の過去は
このお話の未来は

私の中で どんどんと膨らんでいってしまう。

#泣ける #切ない #感動する

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2024年12月03日

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ネタバレ

作中のユナイテッド・ホームタウン・サービスの利用者とは似たような年齢で、同じように母を亡くしている身として作品に入り込んで読んだ(利用は考えていない)
テレビドラマで視聴して本書を借りた、上手い観想などいえないがコノ世界に首までつかり堪能したい

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2025年12月05日

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NHKドラマをきっかけに原作を手に取りました。実際には起こりえなさそうなフィクションでありながら、不思議と心に響く物語です。
主に3人の内面に焦点が当てられていますが、その揺れや迷いに思わず共感してしまう場面が多かったです。風景描写も印象的で、静かに物語へ引き込まれていきました。

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2025年11月29日

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NHKのドラマで,放送され、最終第4話を見ることができた。中井貴一、佐々木蔵之介、松嶋菜々子、宮本信子がキャストとして出ていた。

その後,原作を読んだ。よかった。

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2025年11月05日

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ネタバレ

ドラマをちょっと見て気になったから読んでみた。最後の終わり方、母の人生についてはドラマの方がわかりやすかった。私にはふるさとはあるのだろうか、と考えさせられる1冊だった。

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2025年10月30日

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非現実的と言えばそういう設定ではあるけれど
それだけでは割り切れない現代人の刹那を描いた作品?
故郷や帰る所がある人には分からない事かも
最後に母の真実が分かるくだりが何とも…

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2025年10月23日

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NHKのドラマを見たのがきっかけで
本を読みたくなりました。
ドラマに出てくる俳優さんのセリフがそのまま出て来て、ドラマをまた見ているような気持ちになりました。
お母さんが語る昔話も味があり、記憶に残りました。

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2025年09月30日

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2025.9.19
平和な時代が続いたゆえに消滅してしまう

親と縁のない子供は、さっさと結婚せな居場所がないさけ

繁栄すなわち幸福と規定した原理的な過誤によって、多くの人が自然を失い、不自然な生活をしなければならなくなった

幸福の基準はけっして「便利」と「不便」ではない

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2025年09月20日

Posted by ブクログ

NHKのドラマを見ていたら原作を読んでみたくなりました。

最初はクレジットカード会社のあまりに突飛なサービスに、金額的にも過疎の村を利用している所にも胡散臭さを感じてしまいました。

しかし、故郷を欲している還暦前後男女3人の姿とその思いに応えるちよさんの姿を見ていると、こういう物があっても良いのでは?と思えてきました。でもいつか終わりが来るんですよね。

ちよさんの事情と恐れていた結末に最後は泣けました。ドラマの最終回もきっと泣いてしまうでしょう。浅田次郎さん初めて読みましたが他の作品も読んでみたくなりました。

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2025年09月14日

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大企業の社長
定年と同時に妻に離婚されたサラリーマン
親を看取ったばかりのベテラン女医
人生に疲れた3人の里帰り…
囲炉裏端に並ぶ素朴な手料理、不思議な昔話
母と過ごす時間が3人を変えていく…

NHKでドラマ放送中なので、簡単な感想を…
いい意味で思っていた内容とは違っていた!
ちょっと不思議な世界観
そして浅田次郎さんの文章はとても美しい
恥ずかしながら知らない言葉もあって、調べてノートに書き写す…(笑)
体力が衰え、孤独を感じ、自分の限界を感じた時にこの作品を読めば、また感じるものが違うんだろうな…

「ふるさとを、あなたへ」

これから、少しずつ浅田次郎さんの作品を読もうかな…
これから先、いや、もうちょっと先かな?
自分の読書時間が楽しくなりそう…
素敵な作品に出会えました!

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2025年09月09日

Posted by ブクログ

ふるさとの母から日本の故郷の美しさを享受する。

そう単に美徳や桃源郷の様を受け取れれば良いが、背景には日本の変わりつつある様や深く抉られた傷跡が残る。

室田精一よろしく、私も田舎への移住を絶賛検討している。

が、儚く終わりゆくふるさとに身を委ねることができるだろうか。
室田の場合は、その悲劇に自らを重ねているようにも感じ取れる。

人がいなくなれば、インフラは手を引く。生活、生命を維持することも簡単なことではない。

一方、都市部はどうだろうか。摩耗するように生命を、精神を削り生きる。

そんな揺らぎを、与えられる一冊だった。

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2025年08月18日

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お金はあるけど東京で孤独を抱えるアラ還の男女3名が、1泊2日50万円で里帰りをする
需要と供給に基づいたビジネスと言ってしまえばそれまでだけど、社会情勢や幸福への考察も含まれ、心に響いた
日本人の遺伝子レベルに組み込まれた望郷の想いに切々と訴えかけてくる物語でした

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2025年08月10日

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人が心のバランスを取りながら生きていくことの難しさを考えさせられる。突き詰めると、金や名誉でバランスは保てず、誰かに尽くすことで安寧が得られるように思える。

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2025年06月29日

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東北の交通も不便な過疎の村。そこを舞台に'ふるさと'をテーマにした人間模様が繰り広げられる。
大手会社で勤めあげ社長まで上り詰めた松永。若くしてふるさとを後に上京、独身で過ごし、生活に不自由はないが、心に空虚さが忍び込む。次に純朴なサラリーマンを全うし、定年を迎え、これからの余生を前に、突然妻から離婚を宣言された室田。理由もわからず、復縁を夢見るが叶わず、先行きの人生に虚しさを感じる。最後に女医として数々の他人の死に直面するが、実母の死を契機として来し方人生を振り返る古賀。この三人それぞれのドラマが、ふるさとへの帰郷という共通項で収斂していく。読み進むうちに、物語の全容がわかるが、それでも、なぜ?と思いながら引き込まれていく。本書の裏表紙には、「感涙の物語」というキーワードがあり、その瞬間を待ち望みながら、答えを探して辿り着く結末。失われてきた生き方について、再考を促される、現代への警鐘。

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2025年06月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

良い。
ドラマはよく出来てたと思う。キャストが素晴らしかった。読んでると思い浮かぶ。
作者は、独特の哀愁の様な人間描写が素晴らしい。

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2025年12月06日

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文章力がやはり半端じゃなくて、言葉の文字で田舎感が急に出るのは凄い。ストーリーは淡々と進む感じだが、ふるさとの需要や過疎化については、深刻な問題である。

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2025年11月22日

Posted by ブクログ

自分が東京生まれ東京育ちでいわゆる「故郷」と呼べるような地がどんなところであるかがあまり想像できないからか、はたまたまだまだ若いからかなかなか共感がしにくかった。
実家は出ていても、同じ東京都内だからか、故郷を憂うこともあまりない。

でも、「故郷がない」ことが寂しいことだというのはなんとなくわかる
自分も同じ年頃で親をなくすと、想う郷里がないことに寂寥感を感じるのだろう。
田舎の故郷はなくとも、親が健在で帰るところがあるうちは当たり前だと思わずに大切にしたいとと思った。

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2025年11月06日

Posted by ブクログ

母の待つ里という作品名からてっきり時代物か戦争時の話かと思ってましたけど、まさかのサービスびっくりです。現代社会に少し逆行した感じの故郷という話と進化を遂げようとしているAI、そこに微妙な人間心理も加わって面白かったです。

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2025年10月22日

Posted by ブクログ

NHKのドラマをみて、手に取った作品。ドラマの方はだいぶはしおってた気がする。

大手食品会社の社長として孤独を抱える松永徹。定年と同時に妻から離婚された室田精一。母を看取ったばかりのベテラン女医の古賀夏生。

『ふるさとを、あなたへ』を謳い文句に帰郷するサービス。あくまで疑似体験なのだが、母と過ごす時間が三人を少しずつ変えていく…。

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2025年09月27日

Posted by ブクログ

中井貴一が主演を務める全4話のテレビドラマ

40年ぶりにふるさとに帰ると――。感動の傑作長編!
「きたが、きたが、けえってきたが」

40年ぶりに帰ってきたふるさとには、年老いた母が待っていた――。
大手食品会社社長として孤独を感じている松永徹。退職と同時に妻から離婚された室田精一。親を看取ったばかりのベテラン女医・古賀夏生。還暦前後の悩みを抱えた3人が、懐かしい山里の家で不思議な一夜を過ごすと……。
家族とは、そしてふるさととは? 
すべての人に贈る、感涙必至の傑作長編。(解説・赤坂憲雄)

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2025年08月30日

Posted by ブクログ

NHKでドラマ化され8月から地上波放送決定
「母の待つ里」

私はどこかで勘違いしていて
久しぶりに故郷に帰省したら
母親が別人らしいというミステリーだと思い込んでいました。思い込みって怖い。

中高年以降あたりの日本人が想像する一般的な
“ふるさと”を具現化してビジネス化する試行サービス「母の待つ里」
この小説に共感される方が多いのは
貧しさや寂しさも優しさで包み家を守る母親像を理想としている事、そして、そうさせてしまった自分の過去の行動への後悔を感じるからかなと思いました

このサービスを受ける方々は
きっとほどほど幸せな人生を送ってきているんでしょう。親に苦労していないんでしょう。





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2025年07月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

東京から3時間、東北の寒村・相川村にある「故郷」。毎年35万円の会費を払うクレジットカードの特典で、1泊50万円で田舎に住む年老いた「母親」との時間を体験できる。「懐旧すらも許さぬ喪失の連続が都会生活の正体にちがいない」という生活に疲れた男女3人は相川村での時間で、今後の人生を再び見直そうとしている
2020年3月から2021年2月にかけて小説新潮に掲載。ちょうどコロナで外出が制限された時期で、遠く会えない肉親を想って読み終えた人たちも多かったことだろう。

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2025年05月01日

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