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〈家臣も商人も(神様も?)必死の金策。奇跡の大逆転、なるか!?〉
美しい故郷とお家を守りたい――。
天下一の塩引鮭が名産の御領国・越後丹生山へ初入りした
若殿・小四郎。そのなりふり構わぬ姿に、
国家老が、商人と民が、そして金が動き始める。
人の世を眺めている七福神まで巻き込んで、
奇跡の「経営再建」は成るか?
笑いと涙がてんこ盛りの超豪華エンターテインメント。
巻末対談 浅田次郎×磯田道史「改革をなし得る人とは」
2023年、映画化決定!
※この電子書籍は2019年12月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
浅田次郎の長編時代小説の、下巻です。
多額の借金を抱え、その返済利子だけで歳入を超えてしまっている、丹生山松平家。
立ち行かなくなった藩を“倒産”させて、苦行から解放されようと企む、前藩主。
その前藩主が、藩の倒産に至る責任を背負わせるために、藩主に仕立て上げた、庶子で四男の小四郎。
上巻では、新藩主となった小四郎が、藩の財政事情を知り、なんとか立て直そうと努力する姿が、コミカルに描かれていました。
四十両というわずかな資金で、江戸から越後への参勤交代の旅を終えた小四郎。
初めて国入りした、越後での場面から、下巻は始まります。
米どころで、鮭などの産物にも恵まれている、越後の領地。
しかし小四郎は、藩の財政が苦しいこと、その立て直しをすることを、家臣たちに申し渡します。
言い渡すだけでなく、幼少期に学んだ算盤を活かし、財政再建に向けた施策を検討、実行していきます。
下巻の序盤は、そんな藩の窮状を知った家臣たちの、それぞれの思惑、動きが、描写されていきます。
真剣に取り組む藩主の姿が伝わり、徐々に増えていく、「協力しよう」という人々。
いっぽうで、藩を“倒産”させようと、自らの豊かな才能と経験を活かして暗躍する、前藩主とその家臣たち。
そこに、松平家や関係者にとりついた“神様”たちの動きと思惑も絡み合うという、ファンタジー的な要素もある内容でした。
複数のエピソードがからみあい、話のテンポも上がっていくので、ついていけるように耳をそばだてて聴きました。
物語の展開と、コミカルな表現を味わうのが、この作品の楽しみ方だと思います。
それとあわせて、以下のようなことも、考えさせてもらいました。
・どんなに優れた人でも、一人でできることは限られる。多くの人が力を合わせれば、大きなことができる。
・多くの人の協力を得るには、率先して、真剣に取り組んでいる姿を見せる必要がある。
・ものごとの成り行き、結果については、関係者がやったこと、努力したことが大きく影響する。しかし、それ以外の力が働くことも、あるのかもしれない。
一見、荒唐無稽の話のように思えますが、大名の財政事情から城内での作法に至るまでがリアルに書かれているので、「このような藩も、あったのではないか」と想像してしまいました。
軽く読めて、奥行きがある。
さすが、熟練の作家さんですね。
他にも、Audible化された作品があるようなので、探して聴いていきたいと思います。
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