あらすじ
娘を亡くした日も、妻を亡くした日も、男は駅に立ち続けた……。映画化され大ヒットした表題作「鉄道員」はじめ「ラブ・レター」「角筈にて」「うらぼんえ」「オリヲン座からの招待状」など、珠玉の短篇8作品を収録した傑作集。日本中、150万人を感涙の渦に巻き込んだ空前のベストセラーに、あらたな「あとがき」を加えた。第117回直木賞を受賞。
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郷愁という言葉が、ふさわしいだろうか。人は生きている内に過去の重みがましていき、いたるところで終わりを迎えていく。過ぎ行く日々はどうにもならないが、その中で有終の美を、どう迎えるのか。
郷愁を背負って生きていく。この物語らがあることは、救いなんだろう。
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浅田次郎は有名すぎて、いまのいままで手にしてこなかった有名作家さん。
でも、少し大人になったいまだからこそ、この本を手元に置いてまた読もうと思えるほど楽しめました。
不思議な短編がつまったこの本の、どの短編が一番はまったかを話すのはたのしそうです。
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読み返すの何度目だろう。定期的に読み返したくなる本。電車で読んで泣いてしまいました。
『鉄道員(ぽっぽや)』は高倉健さんで脳内再生。
『ラブ・レター』『角筈にて』は20代の頃からのお気に入りで、今回は『伽羅』『うらぼんえ』も心に残りました。妻になり、母になって感じ方も変わったのかな?歳を取れば取るほど、色々な立場から物事を見れるし、知らなかった単語もいきなり実感できたりして楽しい。例えば「肌のくすみ」「ほてり」「物忘れ」とかもね。若い時はピンとこなかったなぁ。ベテランとしてステージがあがっていってます。
浅田次郎さんの本を読むと、頑張ってるおじさん達が愛しく思えてきます。
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家族に愛されていた
愛されていると信じたい
力を貸してほしいと願う気持ちが
父や母、妻や娘になって自分の前に現れる
嘘みたいな話であるのに
嘘でいいのです
と思わずうなずきながら読み終えました
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流石です。心に残る短編集。
不器用に生きる人たちの物語で
人間の優しさが感じられる話が
多いですね。
どれも捨てがたいけれど、私は
「うらぼんえ」が最も心に残りました。
また読み返したい作品です。
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『鉄道員』映画化されてヒットしたのは知っていたけど、原作がこんなに短い話だったとは知らずびっくり。よくこの話を膨らませて脚本を書いたなあと思う。内容はほっこりとするいいお話。なにせ北海道弁が忠実で驚き。親世代の北海道弁そのままでした。乙松が高倉健、仙次が小林稔侍っていうのはドンピシャなキャスティングだね。
私的には『ラブ・レター』が一番心を揺さぶられた。白蘭の誰も恨まない純粋な気持ちが胸に突き刺さる。せつない。
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一晩経っても余韻がすごい…
まさか短編集と思わず
「あの映画化したやつだ」と手に取った作品
まず鉄道員がこんなに短い作品であることに驚き。会話文で進むので、私には少し掴みづらかったけど、読み終わった後にじわじわくる。このあと、もう一度読んでみようと思う。
そのほかの作品も全て印象深く、何度も思い出すことになりそう。あとがきで気になって調べたら、浅田さんの経験がかなり反映されている作品たちなのだなと納得。
私はうらぼんえと悪魔が好き、というかかなり印象に残りました。
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浅田次郎氏の作品を意識して読んだのは初めて。
どの作品にも人情味があり、心が温かくなる心地がした。昭和って良い時代だったんだな、と羨ましくなった。
平成過ぎて令和になり、日本人はこういう優しさをどこかに忘れてきてしまったの?と寂しくなった。
どの短編も面白かったけど、「うらぼんえ」と「オリオン座からの手紙」が好きでした。
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あなたに起こる やさしい奇蹟
有名な小説なのに、いまさら読みました
どの物語もこころが暖まる、そして大切な人に会いたくなるものばかり
「うらぼんえ」が一番好きでした
おじいちゃんに会いたくなった
Posted by ブクログ
ちょうど良い分量で、温かく、久しぶりにゆったりした時間を過ごすことができました。描写が丁寧で美しい。人物の所作や言葉、さらっと書かれる一行にぐっと魅せられるものがあって、本当に贅沢な短編集です。
個人的には、この時期に読む「うらぼんえ」が特に良かったです。
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短編なのに映画 それだけ奥深い 初めて作品に触れた。映画にもなってるし、期待して読み始めたらまさかの短編。えっと思ったけど、じわじわくる切なくも優しい気持ち。時間をおいて他の短編も読んだが、どれも良かった。
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あまりにも悲しいストーリーに、切なすぎました…!
もう少し、何か救いは、無かったのでしょうか…?
名作だと思いますが、読後感が、とても寂しい気持ちになってしまいました…。
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娘を亡くした日も、妻を亡くした日も、男は駅に立ち続けた―。心を揺さぶる“やさしい奇蹟”の物語…表題作はじめ、「ラブ・レター」「角筈にて」など8編収録。第117回直木賞受賞作。
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「ラブ•レター」で涙が出た。
どれも心揺さぶる小説だった。
心から愛しています世界中の誰よりも。
吾郎さん吾郎さん吾郎さん吾郎さん吾郎さん吾郎さん吾郎さん吾郎さん吾郎さん。
この9回の「吾郎さん」にはどれだけの愛が込められているのだろうか。そしてその手紙を読んで吾郎さんが涙を流したが手紙の差出人はもうこの世にはいない。なんて切ないのだろう。
「うらぼんえ」
うちの男衆の前に這いつくばってね、ちえ子に至らんところがあったらちゃんと言って聞かすで、なんとか離縁はせんでくれろ、邦ちゃんに一生添わせてやってくれろ
幽霊として出てきたおじいさんの愛が心に沁みた。
幽霊としてでも出てきて自分が置いて行ってしまった1人の孫のために男衆の前で這いつくばり涙を流すおじいさんの絶対的な愛。愛の大きさに涙が出た。
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このところ読書することなく浅田次郎氏の作品は読んだことありませんでした。浅田次郎氏作品で長編小説の「横山課長の七日間」が読んでみたかったんですが、まずは手始めに短編小説の「鉄道員」から挑戦してみました。私にしては2日程度で読破出来て上出来。浅田次郎氏の小説は風景描写が上手いですね。人間性溢れる切ないストーリーで素敵でした。今年は浅田次郎氏小説に特化して読んでみたいと思います。
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なんだか読んでホッとするような良い作品ばかりでした。
「ぽっぽや」は言わずもがなでしたが、私の心に残ったのは「ラブレター」です。
贈り主の真っ直ぐなラブレターが冷めてしまった受取人の心を温めるというか…本当に悔やまれるというか…上手く表現できませんが、非常に良い作品ですよ!
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万感胸に迫る良作短編集。浅田次郎の旬は1990年代なのかも。
「鉄道員」★★★★
「ラブ・レター」★★★★
「悪魔」★★
「角筈にて」★★★★
「伽羅」★★★★
「うらぼんえ」★★★★
「ろくでなしのサンタ」★★★★
「「オリヲン座」からの招待状」★★★★
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思えばはじめて読んだかもしれない、浅田次郎。
もちろん「鉄道員」もいいのだけど、「うらぼんえ」と「ラブ・レター」が良かった。
あとひと月でお盆が来る。時期ものだから皆読むといい。いい話だから。
なんというか、むせ返るほどの直木賞作家。
愛、死、仕事、親、そして恋。考えうる全ての武器を総動員して読み手を泣かせに来る姿勢は清々しさを感じる。変なひねくれが顔を出して「この程度で泣いてやるか」と思うけれども、いい話なんだよなぁ。
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映画で話題になっていたから名前は聞いたことあったけど、短編とは思わなかった。
昭和の気配を色濃く残す平成前期のお話。
結論からいうと、「鉄道員」以外は全部良かった。
「角筈にて」が特によくて、最後の主人公と父親が会話するところとか涙なしでは読めなかった。
「魔王」「うらぼんえ」とタイトル出てこないけど、映画館の最後のお話も良かった。
「鉄道員」も、その当時に読めば面白く感じたのかもしれないけど、2023年の令和の時代に読んでしまうとワンオペの悲劇って感じしかなくて、美談にすな、と少し腹が立つ感じすらした。
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あの鉄道員がまさか短編とは、、、!
短くても時代背景とか人物描写とか丁寧に表現されてて、あの名作映画ができたんだなぁと思うと感慨深い。読んでよかった
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家族が一貫したテーマとも取れる短編集。
娘が生まれたところの自分にとって、鉄道員はかなりグッときた。味わいのあるくたびれ感が最高。
平成生まれの自分ではあるが、昭和の時代背景が小気味良く、NETFLIXの「全裸監督」や「浅草キッド」を見ているような情景が頭に広がった。
映画より好きです
鉄道員に関しての感想ですが、映画は間延びした展開にこんなもんかと思いましたが、小説のほうが簡潔にまとまっていて私は好きです。
映画のほうが好きと言う方もいられるでしょうけど、話を長くするために入れたエピソードが蛇足にも感じます。
映像化すればいいってものじゃないですね。
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直木賞受賞作。表題作の「鉄道員」を含めた8つの短編集。特に「ラブ・レター」「角筈にて」が好みでした。どの作品も、どこか感慨深いような気持ちにさせてくれました。長嶋茂雄やJR北海道に使われる鉄道の文字が縁起を担いで「鉃道」と表記されるなど、当時の時代を感じることができた。
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8つの「奇蹟」の物語。
それぞれの物語は全く異なる視点で描かれ、独特な世界観があった。
心温まる話から摩訶不思議な話まで。
年齢や性別、立場の違う人が読むことで心に響く場面が全く異なるような作品だと思う。
これらの物語は作者の原体験を元に描かれているらしい。あとがきを読んだ上で、もう一度読み返すと、見え方が変わってくるのかもしれない。
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鉄道員
杉浦仙次
美寄中央駅の駅長。
佐藤乙松
幌舞駅の駅長。ホームの先端で亡くなった。
杉浦秀男
仙次の息子。札幌本社の課長。
佐藤静枝
乙松の妻。二年前に亡くなる。
佐藤雪子
乙松と静枝の一人娘。生後わずか2ヶ月で病死。乙松は仕事から離れられず、最期を看取れなかった。駅舎にセルロイドのキユーピー人形を忘れ、小学生、高校生の姿で現れる。
ラブ・レター
高野吾郎
裏ビデオ屋の雇われ店長。
高野白蘭
親しいヤクザ者から頼まれて偽装結婚のため戸籍を貸した。病死。
佐竹
佐竹興業の社長。
サトシ
佐竹興業の若い者。
悪魔
僕
学級委員。
蔭山
東大の学生課からの紹介で来た家庭教師。
橋口
公家の子。
角筈にて
貫井恭一
本社営業部長からリオデジャネイロ支店長へ異動。
小田
貫井の三年後輩。
貫井一郎
恭一の父。
久美子
恭一の妻。
保夫
久美子の兄。
伽羅
南青山のファッション・メーカー、サン・ドミニコの営業部員。
小谷
ファッション・メーカー、ブローニュの営業。
立花静
ブティック伽羅の経営者。
うらぼんえ
ちえ子
帰る家がない。物心つかぬころ父母が離婚した。
邦男
ちえ子の夫。
小野香織
ちえ子の夫の女。夫が勤務する大学病院の看護婦だった。
ろくでなしのサンタ
柏木三太
クリスマス・イブに起訴猶予で釈放。
北川
四十がらみのまったく風采の上がらぬメッキ職人。
オリオン座からの招待
三好祐次
良枝
三好の別居中の妻。
仙波留吉
オリオン座の館主。
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この作品は、20年以上前に読んだもので、久しぶりの再読。すごく感動した記憶があり、無性に読みたくなり手に取ったが、思ったほど心に沁みる作品には思わなかった。
小説というのは、その時の自分の置かれた状況や心境によって、感動の仕方が変わるのだろうか。色々な作品を読み漁った結果、自分のストライクゾーンが変わったのだろうか。
いずれにせよ、浅田次郎さんが好きになって読むきっかけとなったのは、この作品である事は間違いない。
Posted by ブクログ
短編集で読みやすかった。
家族関係が良くない物語が多く、良くないながらにも何とか引き繋いで辛抱している微妙な心中が感じ取られた。
感動するような作品は多くないが、何かが心に滲み入るような後味が残る短編集であった。