感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2023年04月30日
一気に読めました。終戦直前の昭和20年4月、人道支援の目的で運航していたはずの日本の豪華客船、弥勒丸が日本への帰路途上で米国の潜水艦に沈没させられてしまいます。軍艦に間違えられたのか、それとも意図的な沈没だったのか。時代は過ぎこの事件の記憶も薄くなってくるなかで、ある台湾人実業家が弥勒丸引き上げ話を...続きを読む主人公に持ちかけてくる、というようなストーリーです。これは昭和20年4月に実際におこった「阿波丸事件」がベースになっているのですが、本書を読み進めながら犠牲者の方々に対してご冥福を祈りさせてもらいました。
Posted by ブクログ 2023年09月19日
いつもながら浅田次郎さんの本は時代考証がしっかりしていて、骨太で読み応えがあります。楽しいけど忘れてしまう小説でなく、少し重さと暗さはあるけど、心に強い印象を残す作品。戦時中の個々人の苦悩と懸命に正義を求める生き方、豪華客船にプライドを掛けた生き方。学びがあり、思考が深まる作品です。
Posted by ブクログ 2022年09月16日
戦時中に人道支援で運行していた船がアメリカの攻撃によって沈んでしまったことがありました。だんだん記憶が薄れていくほど時間がたったころ、台湾の実業家がこの船を引き上げる話を主人公に持ってきます。
一気に読めるくらいなかなか面白い作品です。戦争のこともありますが、金塊というお宝のこともあるの、エンター...続きを読むテイメント性もありどんどん引き込まれていく幹事でした。
Posted by ブクログ 2020年08月11日
終戦間近に客船の弥勒丸に白羽の矢が立った。その命令は緑十字を旗印として捕虜に救援物資を運ぶこと。日米間の協定で安全航行を保障されているが、米軍から4発の魚雷により2000人以上の乗船者の殆どが死亡し、救助されたのはたった1名だった。物資運搬以外にも金塊の運搬をするという第二の命令を受けていた可能性が...続きを読むある弥勒丸。現代に弥勒丸の引き揚げに、国、ヤクザ、元軍人の思惑が交差する超大作。魅力的な登場人物の久光律子。その美しい外観を呈する弥勒丸と雰囲気が重なる。彼女達の運命と戦時中の悲哀を大いに堪能しよう。
Posted by ブクログ 2017年09月27日
終戦間際、軍の徴用船として捕虜の食糧を運んでいた弥勒丸が、台湾海峡で誤爆により沈められた。
弥勒丸のサルベージを巡り、3人の男女が、謎の中国人に難題を投げかけられる。
感想は下巻で。
Posted by ブクログ 2015年08月17日
浅田次郎さんの作品の中で、とても好きな作品
終戦記念日の土曜日に
久米宏 ラジオなんですけどを聞いたら
外国で終戦記念日を迎えた方と久米さんの対談を聞いた
(Podcastで、3人の方とのお話聞けます)
シェエラザードを読まなくちゃっと思い立ち
集中して、もう何度目かの再読
旨い旨い旨い
いま上巻を読み終えたところだが、
美味しい酒や美味しい料理をいだだいた気分だ。
とても本のレビューとは思えないコメントだが、本当にそんな気分だ。
Posted by ブクログ 2013年10月05日
のっけから面白かった。
弥勒丸を愛した男たち。
ひとりひとりの生きざまがかっこ良かった。
現在と過去。
明かされていく謎。
引き込まれて読んだ。
楽しい時間だった。
ひとこと言うなら、軽部と律子の再燃に、
もうちょっと盛り上がりが欲しかったかなってとこ。
それぞれの未来(過去だけど)を想像...続きを読むするのも、少しわくわくする。
Posted by ブクログ 2013年09月06日
再読です。昭和二十年、台湾沖に沈んだ弥勒丸。その弥勒丸の引き揚げ話を持ち込まれた男たちと、元恋人のエリート新聞記者。物語は過去と現代を行き来しながら、弥勒丸をめぐる謎が明かされて行くという、浅田さんお得意の構成。たくさんの登場人物のそれぞれの抱えた心情や、苦悩も丁寧に描かれているので、本当に読み応え...続きを読むのあるいい本だと思います。私はこの本がものすごく好きだから、まだ読んでいなくて、戦争の事に興味がある大人の方には強くオススメしたいと思います。凛と生きた人たちが、かっこいいですよ。
Posted by ブクログ 2013年08月08日
戦時中に沈んだ弥勒丸を五十年立って引き上げる。実際のモデルがあるという話をミステリアスにドラマチックに綴って行く。当時の船に関わる人物と今の時代につなげて行くストーリーが巧みだ。
Posted by ブクログ 2017年08月15日
沈没船引き上げにからんだ国際的な謀略小説にでもなるのかと思って読んでいましたが、太平洋戦争中に豪華客船が負った密命と戦争悲話になっていきました。考えも及ばない意外な真相で、上質な歴史ミステリーでした。
横浜元町の描写や当時の歴史背景など、いろいろ興味深く読めました。
本文中に比較対象として...続きを読む登場している元町公園の氷川丸の往時の姿を想像したり、当時の人々が思い描いていた南洋航路の夢などに想いを馳せながら読むと、さらに味わい深くなると思います。
Posted by ブクログ 2023年07月05日
面白い。
現代と敗戦が色濃くなって来た第二次世界大戦末期とを巧みに交差させ登場人物の苦悩と背景を描いて物語りを紡ぐ。
戦時の描写は内容的にも表現にしても読み辛いのだが、それを踏まえてのストーリーであることを理解して、ここはひとつ修行として読んだ。この上巻では、まだやっと登場人物が出揃って謎が謎を呼ん...続きを読むでいる段階ではあるのだが、下巻への期待は、空気をパンパンに吹き込んだ風船のごとく膨らんでいる。
エンターテイメント作品としては十二分なスケールを持ち備えているように思うのだが映画化されてないの?
Posted by ブクログ 2022年05月03日
久しぶりに浅田次郎を読む。阿波丸事件に取材した「弥勒丸」の引き揚げを巡り、数々の運命、過去と現在、男と女が絡みあう物語。浅田次郎にしてみれば、お手の物のプロットに、男女のロマンスをちょちょっと振り掛けて、謎解きのカタルシスを最後に付ければ一丁上がりといった感じの小説で、まあエンターテイメントとしては...続きを読む良い。
Posted by ブクログ 2019年11月05日
あらすじ
昭和二十年、嵐の台湾沖で、二千三百人の命と膨大な量の金塊を積んだまま沈んだ弥勒丸。その引き揚げ話を持ち込まれた者たちが、次々と不審な死を遂げていく-。いったいこの船の本当の正体は何なのか。それを追求するために喪われた恋人たちの、過去を辿る冒険が始まった。日本人の尊厳を問う感動巨編。
Posted by ブクログ 2014年06月22日
面白かった。あっという間に上下巻を読みきってしまいました。
日輪の遺産や壬生義士伝と同様に、現在と過去の物語をリンクさせ、登場人物の独白という形で事実を浮かび上がらせていくスタイルです。かなり都合よくストーリが展開していきますが、それを上回る構成でした。
ストーリとしては、昭和20年に民間人200...続きを読む0人あまりと金塊を積んだ弥勒丸がアメリカの潜水艦によって沈められます。その引き上げをめぐってのストーリ展開となっています。
弥勒丸とはなんだったのか?なぜ民間船なのに沈められたのか?その悲劇の真相は?そして、なぜ、それを引き上げようとするのか?
時間軸が交差する中、語り手が変わりつつ、それらのなぞを解き明かしていきます。
弥勒丸に隠されていたストーリとはとても悲しい物語でした。さらに、下巻の終盤、弥勒丸が潜水艦に囲まれるシーン。海の男たちの誇りと覚悟。とても胸が熱くなるシーンでした。ここで終わってくれてもよかったんだけどな..
本作には実在の事件を題材にしているそうです。
「阿波丸事件」はタイタニックを上回る2000人以上の方がアメリカの潜水艦に撃沈され命を落としています。
本作を通して、その事件を知ることになったこともとても貴重かと思います。
海の男たちの、いや、日本人の矜持と誇りを感じる物語!
「よォそろォー」
泣ける。
お勧めです。
Posted by ブクログ 2014年01月04日
職場の人からおすすめされた一冊でした。
浅田次郎は初めて読みましたが、なかなか読みごたえがあり、最初はペースもゆっくりだったのですが。後半からはいっきに読めました。
Posted by ブクログ 2013年12月31日
終戦間近、国際赤十字の任務で捕虜への物資を運搬していた弥勒丸が、敵国の攻撃を受け沈没した。
一方、現代では、街金の社長である軽部たちが台湾政府の要人から弥勒丸の引き上げ依頼を受ける。
過去、現在が少しずつ描かれていく、「日輪の遺産」のようなスタイルの小説。
日本が侵略したアジアでかき集めた金塊...続きを読むを積んだ弥勒丸の沈没した理由とは。どんな物語が待っているのか。
果たして、弥勒丸を引き上げることはできるのか。
とても引き込まれる話で面白い。ひとつ残念なのは、律子の軽部への気持ちがうっとうしくて余計なこと。
後半の加速が楽しみ。
Posted by ブクログ 2013年12月26日
史実をもとにした小説はドラマティックにして楽しめる作品じゃなければいけないというような旨のことを何かで述べていた。なるほど展開が早く、過去と現在を行ったり来たりの二層構造の物語で一気に世界に引き込まれた。
サンフランシスコ航路の客船になるはずだった弥勒丸。太平洋戦争で軍に徴収され中国大陸沖で撃沈...続きを読むされたその船の引き上げ事業を巡るミステリー。
ドキドキしながら一気読み。
良い意味でも悪い意味でも浅田次郎らしい作品。
どの作品にも言える語り口のうまさ いわゆる浅田節 はこの作品でもあちこちらでうたわれていて それはそれでよい。
しかし 登場人物の性格の書き込みがやや類型的であったり、ストーリ構成が冗長であるように感じられたのが 残念。
Posted by ブクログ 2018年06月12日
昭和二十年、嵐の台湾沖で、二千三百人の命と膨大な量の金塊を積んだまま沈んだ弥勒丸。その引き揚げ話を持ち込まれた者たちが、次々と不審な死を遂げていくー。いったいこの船の本当の正体は何なのか。それを追求するために喪われた恋人たちの、過去を辿る冒険が始まった。日本人の尊厳を問う感動巨編。
Posted by ブクログ 2017年10月30日
浅田次郎の代表作に推す人も多いのですが、私には少し。。。
一つには読んだ条件が悪かったこともあります。なにせ米国出張先で、時差ぼけに悩まされながらでしたから。何となく目が上滑りすると言うか、読み返したら記憶に無い部分が所々にあります。しかし、それにしてもやや冗長な感じは否めません。
そういえば、...続きを読む私が最初に読んだ浅田作品は「日輪の遺産」で、これも第2次大戦ものでした。しかも感想は良く似たような感じです。どうも浅田さんのこの領域とは相性が悪いみたいですね。むしろ帚木さんが書いたら、かなり受けるのでしょうけど。
とは言え、悪い作品とは言いません。それなりに面白い内容だと思います。ただ、私との相性が悪いのだと思います。
Posted by ブクログ 2015年11月25日
第二次世界大戦中に撃沈された弥勒丸を引き上げようとする現代と、当時の弥勒丸の視点を同時並行で進む話。
現代では、弥勒丸の引き上げを依頼されたヤクザと元新聞記者が当時の情報を集めて、関係者が集まり始めるところまで。過去では弥勒丸が東南アジアに向かい、金塊を上海に輸送しようとするところまで、下巻へ。
Posted by ブクログ 2014年10月27日
単行本で読みました。面白かったです。筆力を感じました。ただ、女性の書き方がちょっと苦手です。大げさで芝居がかった男の考えた女って感じで読んでいてムズムズしました。女性作家の書いた男を男の人が読むと同じように感じるのでしょうか?「こんな男いねーよ」とかね。
Posted by ブクログ 2014年04月06日
現代と過去をいききしながらという展開と話しの内容から作者の日輪の遺産を思い出した。
全体像としてまだなんとも言えないが続きは気になる。
下巻へ
Posted by ブクログ 2014年01月30日
浅田次郎さんの作品は何冊か読んで気に入っていたが、浅田さん独特のストーリーの描き方が、この作品にも出ていて良かった。上巻だけでは展開が読めない。