浅田次郎のレビュー一覧
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昔だなぁと思った。
暴力描写と女性蔑視。如何に愛が裏にあったとしても、今の時代感覚ではユーモアにもエンタメにもならないなと感じた。
逆に、極道の親分の方が人としてできている。『善悪と権力の大小は別物』という言葉で、本質的な人の特質を見抜くところに痺れる。
混乱やパニック、日常と異なる価値体系に触れることで、普段の常識を離れることができ、本質が見え、絶望を吹き飛ばし、関係を変えられるというメッセージも受け取る。
ドタバタと、色んなものがごった煮になっていた。
こちらも、佐藤優の紹介で、人を侮ること、侮られないとあくせくすることが描かれているとの触れ込みだったが、この巻では、そこまで感じられず -
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続編と言うよりは番外編と言った感じ。
サラッと読める文量だが、珍妃の最期を通じて描写される義和団事件渦中の北京には振り払えない重苦しさあり。
印象に残った台詞
人間は獣の一種だから、元来はみな臆病。(中略)その本能を凌駕する精神(中略)侠気という鎧ですね。そういう人間が現れなければ歴史は作られないから。
隣人を愛し、敵をも愛せよと悟した耶蘇の教えは、貧しい彼らの良心であったに違いありません。人間としてはそうせねばならぬと分かってはいても、日々の暮らしのために裏切り続けねばならない彼らの良心。(中略)孔子様も、改まって愛なとどとは仰せられなかった。なぜなら、当たり前にすぎるから。 -
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普通の人々が気軽に外国へ行けるようになって四半世紀。こんなツアコンのドタバタ劇も当たり前の朝飯前。よーく解ろうものである。
文豪がふらんす物語を大上段に書き読者が雰囲気を味わい浸った時代があったのだよね。いやいや松本清張が「黒の回廊」(ヨーロッパツアーものミステリー)を書いたころ(1970年代)だってこんなに庶民が簡単に外国へ行きはしなかった。高根の花だった。いいなー!とミステリーに浸りつつ、行かれやしない旅行を一緒に楽しんだもの。と時代錯誤、思い出はこの辺でやめて。
浅田さんはこんな風のも書くのかと、王宮(シャトー・ドゥ・ラ・レーヌ)のパロディとパリ観光案内っぽいのが面白かった。なぜかと -
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日中戦争を舞台としたミステリー。従軍作家として北京に滞在していた売れっ子推理作家に下されたのは万里の長城で起きた事件の調査。
関係者への聞き込みを進める際に、それぞれの軍関係者の一人称視点で語られる。事件の解き明かし自体は大したことはなく、事件の真相も安直すぎる。
ただし、大正の軍縮時代と昭和初期に入ってからの大陸での戦争遂行状態で兵役というものが全く異なっていたこと、それに伴って世代によって兵隊の資質が異なっていたことを知れたのは収穫。
また、士官学校出身の将校と、兵卒からのたたき上げの下士官の関係性を描いた作品は数あれど、最初の兵役満了後に一般社会人として生活をしたあと、予備役招集で -
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夢ネタ!イマイチ(笑)
そもそも、夢ネタ系は嫌いなのですが、本作は、夢そのものを語るというもの。
ストーリとしては、
ブラックの枕とホワイトの枕で見る夢が異なる設定。
エリート商社マンがスイス、パラオ、ジャイプール、北京、京都それぞれで見た夢を語ります。
見る夢は美しい夢、悪夢。
また、それぞれの地域で見る夢は、ラブロマンスであったり、インドの言い伝えであったり、戦争だったり..
そして、徐々に夢と現実の境があいまいになっていきます。
最後、京都のエピソードはミステリー感があって深かった..
しかし、やはり、全体的にはふわふわっとした内容で、登場人物たちの関係や事象の結果など、あいまい -
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正直いまいち(笑)
アメリカ人の青年を通しての日本文化論。
日本再発見小説という帯の触れ込みや、日本が好きになるという触れ込み、涙と感動の人間ドラマという帯のメッセージに対して、あまりにステレオタイプ+ユーモア的で、逆に日本をコケおろしているようにも感じられます。
ストーリとしては、
日本びいきの恋人ジェニファーから、結婚するなら、価値観を共有するために、日本へ一人旅をしてくるように言われます。パソコンもスマホも持たず、ラリーは一人、日本を旅することに。
彼の珍道中を通して、語られる日本
成田から、東京、京都、大阪、別府、釧路と3週間の旅です。
旅の所々でジェニファーに手紙を書くラリー
興 -
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エッセイ+時代小説といった形の短編集の6編
司馬遼太郎賞、中央公論文芸賞受賞作品
幕末の武士の悲哀が描かれています
■お腹召しませ
婿養子が公金を持ち出して失踪。
その責任を取って、妻子や周りから切腹を迫られる主人公。
その結末は?
■大手三之御門御与力様失踪事件之顛末
与力の一人が勤番中に姿を消す。
神隠しにあったのか?
その真相は?
■安藝守様御難事
藩主となって謎の稽古。
その稽古の意味も分からず、本番へ
その意味とは?
■女敵討
女房が不貞を働いていると聞いて、国元に戻り女房とその男を成敗することに。
国元に戻って、その二人の前でとった決断とは?
■江戸残念考
鳥羽伏見の戦い