浅田次郎のレビュー一覧

  • 姫椿

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    浅田次郎の短編集。個人的感想だがこの人の作品は時間のプレイバックが印象的。過去と現在で自分の置かれている状況が変わっても、人はどこかで過去を忘れられない。例えば昔の友人や恋人の話など。ふとしたことで自分の昔がよみがえる。
    肯定的にいえば、過去は否定されるものではなく現在につながる時間の連続。「色々あるけれど、まぁ今を頑張りましょうよ」そんなことを伝える小説(のような気がする)。

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    2017年01月09日
  • 憑神

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     幕末時代小説、嫁ぎ先の策力で出戻った貧乏御家人別所四郎がひゅんなことから貧乏神、厄病神、死神の3人に憑りつかれるというお話し。

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    2016年10月26日
  • 一刀斎夢録 下

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    好みが分かれそうな物語。

    とにかく終盤が何ともいえない……

    他の作品を見て、新撰組が好き、斎藤一が好きだという視点で観ると、苦みのある展開かもしれません。

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    2016年10月24日
  • 王妃の館 上

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    浅田次郎のドタバタ・コメディ。最初は設定が荒唐無稽過ぎて入り込めなかったが、コンシェルジェがルイ14世の物語を紡ぎはじめた辺りから面白さ増大。語り手はいつの間にか登場人物の小説家にバトンタッチして、最後は予定調和の大団円…ではあるのだが、ちょっとラストは安易に流れ過ぎていて今一。今一〜面白い〜今一という流れの一冊であった。まあ、暇潰し以上のものを期待してはいなかったけど。

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    2016年10月23日
  • 天切り松 闇がたり 第五巻 ライムライト

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    時代が進んで安吉一家も衰えたかと思いきや、さらに凄みを増している活躍をする。表題作も面白いけど、やっぱり安吉親分のスゴ技が堪能できる1話目が面白いな。

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    2016年10月15日
  • 終わらざる夏 下

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    戦争については知らない事ばかり。
    でも戦争を知ると益々戦争と言うものが分からなくなる。

    「シベリア送り」と言う言葉は知っていたものの、その経緯までは知らず本当に初めてその事実を知りました。

    本当に戦争とは何なのだろう。

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    2016年09月23日
  • マンチュリアン・リポート

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    「蒼穹の昴」から連綿と続く中国シリーズの、目下最終巻。張作霖爆殺事件の真相を探る歴史ミステリーの体裁をとってます。

    昭和史の闇に対する浅田氏の見解、という視点で読めばなかなかに面白いのですが、清朝末期のありのままを壮大かつ意外な切り口で世に出した本シリーズのラストがこれか、と思うと正直…。きかんしゃトーマスとトップハム・ハット卿の漫才が始まった時には本当にどうしようかと思いました。

    西太后、光緒帝、李鴻章、袁世凱にトーマス・バートン…魅力的なキャラクターが軒並み退場してしまうと、こんなものなのでしょうか。そして史了どこ行った?ずっと読み続けてきてこの結末は、寂しさを禁じえません。

    「蒼穹

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    2016年09月18日
  • 姫椿

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    幻想的だったり、ブラックだったり、ひんやりしたり、胸にじんわりきたり・・・テイストの違う短編が8つ。
    中でも、「ーーマダムは完璧な女だった。」で始まる「マダムの喉仏」は秀逸。

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    2016年09月18日
  • 天切り松 闇がたり 第四巻 昭和侠盗伝

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    シリーズ第5巻の「ライムライト」を本屋で手に取り、あれ、これも読んでないはずと買ったのだが。

    主人公の天切り。前にも偉い軍人の家の天切りは読んだな。語り口は面白いけど、少々マンネリかななどと思ってたら。
    「日輪の刺客」「惜別の譜」。ダメじゃん。読んでるよ、コレ。
    その後も、読んでるんだけどなあ~。でも、この後の展開が全然思い出せない、という情けない読書になった。

    金モール下げた参謀達が陸大で軍事しか習っていない、新聞も雑誌も読まないとか、2.26事件の当時、世間はアメリカかぶれが流行だったとか、へ~と思う処があった。著者の「メトロに乗って」とか小林信彦さんの本にもあったけど、本書の立て板に

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    2016年09月05日
  • 終わらざる夏 中

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    終戦間近、不気味に物語は続いています。
    兵隊として戦うのも勿論凄まじいものがあるけれと、終わりへと運ばなければいけない人たちもまた大変そうだ。
    兵隊と一括りにして言ってしまったけれど、
    その一人一人は親であり、子であり、夫であり、兄であり弟であるのだなと改めて実感。

    戦争は知れば知るほどわからなくなる。

    下巻へ続きます。

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    2016年08月31日
  • ハッピー・リタイアメント

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    財務省出身慎ちゃんと自衛隊出身ベンさんがとある先でとある女に出会い、とある仕事をやるお話。

    内容そのものは痛快だったり「そんな都合よくいくかい!」と呆れたり、まぁあまり不愉快にはならなくて済むお話ですが、後書きが勝間和代さんで、いわく「天下りの構造についてなかなかどうして正確に描いている」と。
    なるほどそう思うと世の中の構造ってけっこうアホなつくりなのだなぁなんて思えたりして、おもしろい。
    ただし小説としては一体何を追ったお話なのかつかめなかった。読みやすさはピカイチ。

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    2016年08月30日
  • 勇気凛凛ルリの色 ひとは情熱がなければ生きていけない

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    情熱を持つことの大切さを、著者のウィットな言い回しで伝えてくれます。
    「訓練は誰にも等しく厳しいものであるが、苦痛を苦痛とのみ感ずる人間と、苦痛の中に歓喜や矜持を見出す人間とが明らかにいる」(P26)、「軍隊は、死なない、落ちこぼれない、脱落しないことが重視される底上げの教育。一方、一般社会の教育というのは、突出して優秀な人物をつくろうとする、引っ張り上げる教育」(P179)、印象に残る一節でした。

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    2016年08月03日
  • 中原の虹(4)

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    長編小説の最終章。
    チャンズオリンが実質的に東北の王となり、中国は辛亥革命が成功し、新しい時代を迎えるも、国を導くリーダーが暗殺され、混乱の極致を迎える。
    そんななか、遂にチャンズオリンは万里の長城を越える。
    そこでおしまい。

    最後に詰め込んだ感がありましたが、総合的にさすが浅田先生だなと。

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    2016年07月31日
  • 憑神

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    ネタバレ

    期待していたほどにはのめり込めなかった。主人公が最初から最後まで立派なままだからかなあ。
    でも浅田さんだし、やっぱり終盤にはちょっと胸が熱くなりました。言葉遊びもおもしろいし。
    表紙の3人の神様の姿にほっこり。

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    2016年07月31日
  • シェエラザード(下)

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    戦争で失うものの大きさを痛感できる一冊です。現代に生きる若者と戦時中に生きる若者、状況は異なりますが、日本人の心根の描写が秀逸です。

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    2016年08月03日
  • 姫椿

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    ネタバレ

     借金を返さない人間に銀行は容赦しない。
     かつては上場企業の社長であった高木は現在では自己破産を待つだけの日本のお荷物へと成り下がっていた。銀行は彼に莫大な金を貸しており、それを返済するよう正当な権利の主張を行ったが、立場もわからぬ愚か者はあろうことにもさらなる融資の提供を命じてきた。
     馬鹿野郎が、お前のような屑は腐るほど見てきた。甘い見通しで借金をして自らの首を絞める無能に、会社という大きな『村』を率いる資格はない! さっさと首をくくって生命保険を充てにしろ! お前にできる唯一の手段は腹を切って金を生み出すことだけだ!
     次回『生きねば』――本当にかわいそうなのは切られた社員です

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    2016年07月12日
  • シェエラザード(上)

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    昭和20年に発生した「阿波丸事件」をモチーフにした小説。生存者や関係者からの話しで、徐々に事件の様相が明らかになりつつある(後篇へ続く)。

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    2016年08月03日
  • 一刀斎夢録 下

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    百人余りを切ったという元新選組斎藤一の語りは、幕末から明治へと進むにつれ、だんだんと凄みを増してきた。
    作中、西南の役は西郷と大久保とが結託した、あらかじめ台本のある大演習だったのでは、という説。
    敵が行動を起こす前の動員命令とか、国賊ともいうべきはずが役後たちまち英雄扱いされた西郷に対する待遇とか、等々をみるとあるいは・・・。
    著者の巧みな術中にはまってしまったか。

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    2016年07月01日
  • 一刀斎夢録 上

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    一刀斎とは、新選組斎藤一の逆読みだったとは。
    近衛師団の梶原中尉を相手の、元新選組の斎藤一による夜話。
    新選組のたどった運命はどこまでが史実で、どこからがフィクションか。「君は嘘つきだから、小説家にでもなればいい」と、小学生時代に言われた著者の本領発揮ともいうべき作品。
    話中語られる「どうも今の若者たちは、国家の行く末をわが命の行く末とは思うていないようじゃの。国と民との命運が一蓮托生であるという、当たり前のことを忘れておる」は、そのまま現代の若者に対する、著者の思いだろう。

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    2016年07月01日
  • 憑神

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    6月-12。3.0点。
    貧乏侍が、あるきっかけで貧乏神に取り憑かれることに。
    貧乏神だけでは無く、他の神にも取り憑かれ。
    まあまあ面白いが、紹介にあったように感涙とまでは
    行かなかった。

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    2016年06月30日