浅田次郎のレビュー一覧
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「蒼穹の昴」から連綿と続く中国シリーズの、目下最終巻。張作霖爆殺事件の真相を探る歴史ミステリーの体裁をとってます。
昭和史の闇に対する浅田氏の見解、という視点で読めばなかなかに面白いのですが、清朝末期のありのままを壮大かつ意外な切り口で世に出した本シリーズのラストがこれか、と思うと正直…。きかんしゃトーマスとトップハム・ハット卿の漫才が始まった時には本当にどうしようかと思いました。
西太后、光緒帝、李鴻章、袁世凱にトーマス・バートン…魅力的なキャラクターが軒並み退場してしまうと、こんなものなのでしょうか。そして史了どこ行った?ずっと読み続けてきてこの結末は、寂しさを禁じえません。
「蒼穹 -
Posted by ブクログ
シリーズ第5巻の「ライムライト」を本屋で手に取り、あれ、これも読んでないはずと買ったのだが。
主人公の天切り。前にも偉い軍人の家の天切りは読んだな。語り口は面白いけど、少々マンネリかななどと思ってたら。
「日輪の刺客」「惜別の譜」。ダメじゃん。読んでるよ、コレ。
その後も、読んでるんだけどなあ~。でも、この後の展開が全然思い出せない、という情けない読書になった。
金モール下げた参謀達が陸大で軍事しか習っていない、新聞も雑誌も読まないとか、2.26事件の当時、世間はアメリカかぶれが流行だったとか、へ~と思う処があった。著者の「メトロに乗って」とか小林信彦さんの本にもあったけど、本書の立て板に -
Posted by ブクログ
ネタバレ借金を返さない人間に銀行は容赦しない。
かつては上場企業の社長であった高木は現在では自己破産を待つだけの日本のお荷物へと成り下がっていた。銀行は彼に莫大な金を貸しており、それを返済するよう正当な権利の主張を行ったが、立場もわからぬ愚か者はあろうことにもさらなる融資の提供を命じてきた。
馬鹿野郎が、お前のような屑は腐るほど見てきた。甘い見通しで借金をして自らの首を絞める無能に、会社という大きな『村』を率いる資格はない! さっさと首をくくって生命保険を充てにしろ! お前にできる唯一の手段は腹を切って金を生み出すことだけだ!
次回『生きねば』――本当にかわいそうなのは切られた社員です