浅田次郎のレビュー一覧

  • 中原の虹(4)

    Posted by ブクログ

    西太后から皇統を委ねられた宣統帝を廃し、勢いを増してきた革命派の孫文からも実験を奪い取り、中華帝国の皇帝と成り上がった袁世凱もこの国を征することはできなかった。

    それに対し東三省(満州)を完全に支配し北京政府からも一目置かれている張作霖は遂に山海関を越えて中原を目指す。

    結局、「蒼穹の昴」から続くこの壮大な物語は、中国大陸を支配した女真族(満州族)の太祖ヌルハチとダイシャンの悲願を乾隆帝、西太后を経由し張作霖まで受け継ぐ民族の魂を龍玉という形で追い求める冒険ストーリーなのかなと思う。
    教科書に出てくる人物や事件などをぼんやり思い出しながら、中国という国の歴史を改めて知る長編小説で非常に興味

    0
    2021年06月29日
  • 中原の虹(3)

    Posted by ブクログ

    西太后、光緒帝亡き後、一度は失脚した袁世凱が返り咲き、宣統帝よりの勅諚を受けて清国総理大臣につく。孫文を中心とする革命勢力と東三省を支配する張作霖の三つ巴のなかで愛新覚羅の末裔と大清帝国の行く末はどうなるのか。
    宗・元・金・明から続く中華大陸の異民族による支配の歴史は高校の世界史の授業を思い出させる内容で懐かしいが、時折り混ざる浅田次郎特有の幻想シーンなどはエンタメ要素が強すぎてややげんなり。

    0
    2021年06月25日
  • 中原の虹(2)

    Posted by ブクログ

    李鴻章亡き後、皇帝も西太后の力も衰えたこの国の支配を目論む袁世凱の前に立ちはだかり存在感を増してゆく張作霖将軍。
    一方、清国の命運を握る西太后と光緒帝は列強からの侵攻を食い止め国と民を守るため密かに心を通じ合い驚くべき決断をする。そして遂にラストエンペラー溥儀が時期皇帝として指名される!
    広大な国土の中で繰り広げられる異民族の支配が続く中国大陸の長い歴史のなかで、植民地支配の波に翻弄される清国(中国)とその為政者の深く重い歴史。
    高校で習った歴史の内容はすっかり忘れてしまったがこのシリーズであらためて勉強させてもらった。この先も楽しみ。

    0
    2021年06月21日
  • 一路 (下)

    Posted by ブクログ

    なぜだろ?緊迫感が無いまま、終わってた。最初から、どう考えても敵が勝つイメージが沸かず、帯にあるような一気読みとは、なりませぬ。

    0
    2021年06月16日
  • 中原の虹(1)

    Posted by ブクログ

    「蒼穹の昴」「珍妃の井戸」と並行して物語は進む。舞台は満州に移り、匪賊張作霖が登場。日中戦争への足がかりが始まる。

    0
    2021年06月16日
  • 神坐す山の物語

    Posted by ブクログ

    御嶽山での話でした。
    こういう短編集なら個人的には『あやし うらめし あな かなし』の方が好きかなと思いました。
    狐憑きの話は切ないものばかりだな。


    0
    2021年05月14日
  • マンチュリアン・リポート

    Posted by ブクログ

    いやぁ、昔の日本よ、なんてことをしてくれちゃったんだよ…と改めて思った。
    この当時の情勢や出来事についてはまだまだ無知ではあるけれど、超えてはならなかった一線を越えてしまったんだということはわかった。
    このシリーズを学生の課題図書にしたらいいのに。小説とは言えど、歴史を振り返り、調べ、検証し、今後に活かすきっかけになるのではないかと思う。

    0
    2021年05月09日
  • 神坐す山の物語

    Posted by ブクログ

    母が貸してくれた本。
    ちょうど同じ著者の『終わらざる夏』を読みあぐねていたので(最初数ページでも悲劇の香りしかしない。)、じゃあこっち先読もう!と。
    久し振りに何の前情報もないまま読みました、ら。
    まさかの微ホラー!
    そういえばこの人の本で何冊か読んだ中でいちばん印象に残ってたのもホラーだった!
    狐憑きのお話。
    ぞっとして切なくて綺麗なお話でした。
    …と思って読み進めたらこれもラストは狐憑きのお話でした。 笑
    短編集なのでさくっと読めました。
    面白かった!

    0
    2021年04月12日
  • 中原の虹(4)

    Posted by ブクログ

    こういう小説は、もうある世代以下の作家には書けないだろうな。
    ファンタジーの要素を入れてエンタメとして読みやすくしながらも、近代の中国でキーとなった人物達の動きや、歴史的な事柄の背景がたいへんよくわかる。
    昔、歴史の授業で袁世凱や孫文、張作霖については習った気がするけれど、日本で教えられる歴史はやはり日本に都合の良いように調整がされていたように思う。例えば教科書では孫文はもっと「偉人」扱いされていて、張作霖は「徒花」扱いされていたような記憶があるのだが…もちろんこの小説はあくまで小説なのだけれど、私たちが知らされていることが全て正しいわけではないかもしれないと、やんわり諭されているような気持ち

    0
    2021年04月05日
  • 天切り松 闇がたり 第一巻 闇の花道

    Posted by ブクログ

    面白かった
    一話完結型の短編連作
    天切り松が語る盗賊の一家の物語

    ■闇の花道
    ■槍の小輔
    ■百万石の甍
    ■白縫花魁
    ■衣紋坂から

    の5作。
    盗賊一家のそれぞれのキャラを中心に義理・人情のエピソードが語られていきます。

    この中で、一番印象に残った話は、「白縫花魁」と「衣紋坂から」
    これは、二つで一つの物語。
    花魁の身請け、姉弟の物語
    とても哀しい結末でした。

    シリーズ物で続きがあるようです。
    ちょっと楽しみ

    お勧め

    0
    2021年04月04日
  • 月下の恋人

    Posted by ブクログ

    結末について考えてしまう作品集。
    自分の親かそれ以上の時代背景で、当時はそれが当たり前だったのだろうと思いつつ理解出来ない情景も多い。
    季節や風景の描写は美しく、日本語も美しい。
    表題作は『月下の恋人』だが、私は『回転扉』が好きだった。

    0
    2021年04月02日
  • 一刀斎夢録 上

    Posted by ブクログ

    斎藤一のお話。
    新撰組として活躍していた頃を振り返る。
    まさに昔の男という感じで、荒ぶれもののイメージそのまま。
    壬生義士伝読んだ後だったので、繋がり含めて面白かった。

    0
    2021年03月28日
  • 長く高い壁 The Great Wall

    Posted by ブクログ

    満州時代の万里の長城を舞台に起きた殺人事件のお話。
    軍人と従軍作家の立場から、必ずしも本音が言えないという時代背景と、真実を解き明かさなければいけない正義感の狭間にいる主人公達。
    浅田先生の小説は非常に面白いのですが、設定の深いところをもっと知りたくなってしまう。
    蒼穹の昴や中原の虹あたりの話も見え隠れして、繋がりがあるのが面白い。

    0
    2021年03月28日
  • あやし うらめし あな かなし

    Posted by ブクログ

    3.5浅田次郎の少し怖い話。ただの幽霊ものではなく、戦争や子どもの死にまつわるやるせなさが背景にある。テレビの変な幽霊話は見習うべし。

    0
    2021年03月25日
  • 姫椿

    Posted by ブクログ

    短編集。
    浅田作品はどれも好きです。
    朝の通勤電車で心があったまりました。
    ノスタルジーや自然体の晩年の送り方は自分の老後の参考になります。

    0
    2021年03月25日
  • 中原の虹(3)

    Posted by ブクログ

    清王朝滅亡、そして中華民国が樹立する迄の闇鍋のような混迷を極めた時期が描かれていた。視点が変わる度に物語もぐるりと変わってしまう位、立つ位置によって物事の見え方がガラリと変わったように思う。次で最終巻。どんな幕引きをするか気になる。

    0
    2021年03月21日
  • 霧笛荘夜話 新装版

    Posted by ブクログ

    最後の話がとても良い。
    地上げ屋にも動かされないちょっと変わった人の住む霧笛荘の住人の話。
    どれもありそうで、人生どこでどうなるか分からないと思わせる。
    多分、人から500万で簡単に動くと思われていたのに、みんな誰一人として首を振らなかった。
    そんな住まい、今もあったらステキだろうな。

    0
    2021年03月14日
  • 中原の虹(2)

    Posted by ブクログ

     視点が清が興る前の女真族のダイシャンや物語の舞台清の終わり間際の奉天や北京に飛ぶけれど、本巻は外国に蹂躙される前に清を滅ぼそうと覚悟した西太后と光緒帝ら清側の描写が細やかだった。国と民の誇りを守るためとはいえ悲しすぎる覚悟だと思った。

    0
    2021年03月10日
  • 見知らぬ妻へ

    Posted by ブクログ

    短編集。全編、昭和の香りが漂う切ない人間達のドラマが描かれている。
    中でも、落ちぶれた元チェリストの男の話しはいい。肚をくくって、人生の指揮台に上り、タクトを振り、自分の人生の音楽を前向きに作り上げるなんて、洒落た生き方だ。

    0
    2021年03月04日
  • 中原の虹(2)

    Posted by ブクログ

    もちろんこれは小説なのだけれど、西太后の印象を操作して貶めて自分達に有利になるようにする、というイメージ戦略は、いかにも植民地として中国を狙っていた欧米諸国(日本も同じ穴の狢だけど)がやりそうなことだと納得してしまう。もしかしたら西太后の実像はこちらにより近かったのかも?と思ってしまうと、彼女の最期の描写は胸に迫るものがある。西太后も光緒帝も気の毒すぎて…
    更に、日本がしたことを考えると、いたたまれなくなる。中国が列強の植民地になった場合の日本の立場を考えると切羽詰まるのも理解はできるが…うーん…
    近代史もちゃんと子供に教えた方がいいと思う。起きたことを受け止め、検証し、同じことを繰り返さない

    0
    2021年02月23日