浅田次郎のレビュー一覧

  • 姫椿

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    浅田次郎の短編集も読んでみたいなあと思って読んでみた。


    時代物長編を呼んだあとだと、同じ人が書いたのかな?と思うくらいなんか違う。
    違うんだけれど、こういうのが描きたかったかな、と感じた。泣けるもの、ではなくって全く別のタイプの小説、つまりこちらがわが本来の浅田次郎そのものなのではないかと。

    正直主人公たちの感性が古くて、現代じゃないなあ感プンプンで首をひねることもおおい作品群でしたが、高度成長期からバブル期を過ごしてきた年代にはドンピシャかと思う。
    その分、おそらくそれ以後の人にはわかりづらい部分が多いんじゃないかな。

    これは読む年代層を選ぶ短編小説集かもしれない。

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    2018年02月22日
  • 中原の虹(1)

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    身よりなく、馬賊として頭角を現す張作霖。その張作霖に見いだされて仲間に加わった李春雷。春雷は、貧しい親、幼い兄弟を捨てた過去をもつ。その幼き弟が、春児。清朝が落日を迎える間近。2巻以降、物語がいよいよ動き始める。

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    2018年02月21日
  • 神坐す山の物語

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    奥多摩の御嶽山にまつわるちょっとした怪異譚。代々神官を務める家で起きた不思議なこと。良いということはわかっていても眠気を誘われてしまう本があります。敬愛する浅田さんの作品にもいくつかそういう作品があり、これも私にとってはそう。子どもたちを寝かしつけるために語られる話などは、眠くなったら寝たらええという伯母さんの言葉に、私が寝てしまいそうに。特にお酒を飲みながら読むと、心地良すぎる話に睡魔が。飲んだら読むな、読むなら飲むな(笑)。とはいうものの、この一行にやられて目が覚めるというところがあるんですよねぇ、浅田さん。

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    2018年02月16日
  • 神坐す山の物語

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    ネタバレ

    なかなか興味深い内容だった。と思ったら浅田さんの体験談とは。神さんとか不思議体験とか好きだから、読んで良かった一冊でした。神秘的な、日本的な話は良い。

    子供の頃、隣の学校に狐に憑かれたという子がいたけど、あの子は元気かなー?

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    2018年02月13日
  • 輪違屋糸里(下)

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    関西弁が全編に出てくるのでちょっと感情移入はしずらいかも。
    だが、女の立場からみた新選組ということで、壬生義士伝とセットというのはそうであろう。
    百姓と武士というテーマも深い。
    「京都花街の経営学」という本を同時期に読んでいたのが、運命的に感じた。
    一度京都にいってみたいものです。

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    2018年02月10日
  • 神坐す山の物語

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    奥多摩・御嶽山の神官屋敷で語られる夜話。
    浅田次郎さんがお母様のご実家で体験したことに、部分的脚色を加え、この作品を作られたらしい。
    書店の平置きで目にとまり、予備知識もないままに買ってしまった本だった。

    神が起こした奇蹟を、おとぎ話風に語るとか、
    オドロオドロしい恐怖の怪談話とかが書いてあるのかと思っていたので、想像していた感じとは違っていて、ちょっと戸惑った。

    そう。この本は脚色された所が分からないのである。
    ただ、淡々と語られる昔語り。
    神は神としての威光を押し出さず、ただ存在する。
    過度な脚色がなされていないためか、作中の出来事を自然と受け止められる。


    作品に派手さは無い。

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    2018年02月08日
  • 霧笛荘夜話 新装版

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    1回読んでたわー。
    やーらーれーたー。

    「新装版」て見たときにムム・・・って思ったんだよな。
    でも、まさか、と。
    おそるべし「新装版」マジック。

    しかも、半分ぐらい読んで気づくという。

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    2017年12月25日
  • 中原の虹(1)

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    浅田先生は天才だ。見てきたかのようなリアルさ。まだまだ続きがあると思うとわくわくする。
    ただ、毎ページごとにある中国読みのフリガナが煩わしく感じる。内容も濃いので2巻は軽めの本を読んでからにしようと思う。

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    2017年12月06日
  • ブラック オア ホワイト(新潮文庫)

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    読み始めは多少古い感じの印象があったが、読み進めるうちにしっかりとした文章と言葉の表現、漢字の表現の深さに感心した。
    ストーリー展開も巧みではあったが、最期の締め括りがどうもすっきりしない。何かしらの結末を作らなければならないとは思うが、これでは無かった感じがする。

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    2017年12月05日
  • 輪違屋糸里(上)

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    芹沢や近藤をはじめとする、後に新選組となる壬生浪士組の男性たちと、彼らに関わる女性たちの物語です。

    壬生浪士組は、押し借りや刃傷沙汰、焼打ちなどの悪行をしますが、ひとりひとりが如才ない若者で、憎むことができません。彼らはそれぞれ努力精進やら向上心やらがあり、“なまじ剣の腕が立ち学問もあるからこそ、生まれ故郷に身の置き場をなくしたのであろう。(p168)”とありますが、それが本当ならば、悲しいことだと思いました。

    しかし、土方が糸里の、片恋の娘心を逆手に取るのはまさしく鬼の仕業でした。“おなごにとって一番大切なものは、好いたこの人にもろうてほしいと、糸里は切実に希った。(p189)”と言って

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    2017年11月27日
  • 日輪の遺産

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    う〜〜〜ん、物語としては面白いのだが。。。
    宝捜しの丹羽・海老沢、財宝隠匿にかかわった真壁・小泉・曹長、女学生達と先生・野口、そして謎の金原老人、そのあたりの人間像はよく出来てます。その一方でマッカーサーやその副官は取って付けたみたいで変です。そして最大の主題とも思える女学生の集団自殺は、いまいちその必然性の書き込みが不足です。
    解説を読むと、この作品は浅田次郎氏のスプリングボードなった作品との事。逆にいえば飛び上がる直前の、まだ低い場所の作品に位置付けられるのでしょうか?

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    2017年11月16日
  • ブラック オア ホワイト(新潮文庫)

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    真面目な浅田さん。ちょっと難しくて入り込めなかった。ここ10年近く現実が悪夢ばかりなので、白い枕をもらってせめて夢の中だけでも幸せになりたい。

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    2017年11月12日
  • 薔薇盗人

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    浅田次郎=エモーショナルという公式が頭に有るのですが、この6編の中では「あじさい心中」と「ひなまつり」が私の公式に当てはまるような作品です。
    悪く言えば”泣かせ狙い”の作品なのですが、その姿勢がかなり露骨でも嫌味を感じさせないのがこの人の持ち味でしょう。ただ、思わずウルウルさせられそうになるので、通勤電車での読書には向かないかも。
    あとの作品はどう位置付ければいいのでしょう。無理やりカテゴライズする必要も無いのですが、ミステリーっぽい感じもしますし、純文学的な感じもします。悪く言えば中途半端です。

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    2017年11月10日
  • 赤猫異聞

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    年を取ったら、涙もろくなった。
    この本も、「正義」とは、、
    本当の武士の姿を悲しくもあり、このような立場に立たされた者だけの潔さが、垣間見たような気がした。

    母方の親戚に、宇垣纏中将が居て、母親はとても可愛がられたそうであるが、やはり、戦いの末、海軍で命を落とした若い兵士を看取るために、空へ旅立ち、海の藻屑になってしまったと聞く。

    この本は、200年もの続く江戸幕府から明治へとの変わる混沌とした時代が、背景になっている。
    武士が、どのように変わらないといけなかったのか?
    又、訳アリの重罪人も、どうして罪を犯したわけでもないのに、そのような咎を受けないといけなかったのか?

    赤猫、、、それは

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    2017年11月09日
  • オー・マイ・ガアッ!

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    何となく冴えがありません。
    あいも変わらず強烈な主人公の設定なんですけどね。なんだか今一つ「はじけ」切れてない感じです。
    それでもアラブの大富豪やアルツハイマーの老殺し屋が登場する後半はなかなか読ませてくれます。
    乗り切れないのは、ひょっとしたら賭博を背景にしてるせいで、私がついて行けないだけかも知れません。
    ラスベガスの生い立ちや現状が良くわかって、そんなことに興味を持つ方にはお勧めかも知れません。

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    2017年11月08日
  • シェエラザード(上)

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    浅田次郎の代表作に推す人も多いのですが、私には少し。。。
    一つには読んだ条件が悪かったこともあります。なにせ米国出張先で、時差ぼけに悩まされながらでしたから。何となく目が上滑りすると言うか、読み返したら記憶に無い部分が所々にあります。しかし、それにしてもやや冗長な感じは否めません。
    そういえば、私が最初に読んだ浅田作品は「日輪の遺産」で、これも第2次大戦ものでした。しかも感想は良く似たような感じです。どうも浅田さんのこの領域とは相性が悪いみたいですね。むしろ帚木さんが書いたら、かなり受けるのでしょうけど。
    とは言え、悪い作品とは言いません。それなりに面白い内容だと思います。ただ、私との相

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    2017年10月30日
  • 天切り松 闇がたり 第三巻 初湯千両

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    シリーズ第3段。

    安心して読める面白さ。いつもの面々、いつもの舞台。大正時代の華やかさ、オツだね。

    恋に頬を染めるおこん姉さんが、可愛かった。竹久夢二にはっぱをかける男気(?)、恰好良し。

    一番好きなのは、最終編「銀次陰盃」。

    ★3つ、7ポイント。
    2017.10.20.古。

    ※好きになった小説作品について、もし映像化するなら・・とキャストを創造するのが好きなのだけれど・・

    天切り松は、永六輔さん、、、、かな。

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    2017年10月23日
  • 日本の「運命」について語ろう

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    内容も平易でわかりやすいのだが、読んでいるうちに言っていることに根本的な変化がないので飽きてしまった。近現代、特に明治時代にフォーカスされているが、その内容は歴史に興味がある人が読めばほとんど知っているようなことばかりであまり面白みはない。改めて、明治維新が現代にまで与えている影響、その重要性を確認するといったところである。
    同じことについて章をまたいで何度も言及されていることが多々あり何なのだろうと思ったら、本著は講演録なのだそうだ。題名に入れなかったのは著者の思いがあるから良いにせよ、裏表紙のあらすじ部分に説明があっても良かったのではないかと思う。

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    2017年10月09日
  • 勇気凛凛ルリの色

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    好きな作家の作品としてはガッカリ。エッセイとなると作家の人となりが表れてこれまでの堅物なイメージが一気に崩れた…。

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    2017年09月24日
  • 地下鉄(メトロ)に乗って(特別版)

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    中盤までどうも情景を想像出来ず、時代の言葉も難しい…、読むのを諦めようかと思ったけど、段々世界観が分かってきて謎も明らかになっていって、読み続けて良かったなと\(^^)/
    真次の性格はあまり好きになれず、節子が真次に進言した時は激しく同意した(^^)笑
    映画化もされてるならそっちの方が見やすいのかな。

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    2017年08月28日