あらすじ
「武勇伝なんぞするやつァ、戦をしたうちにへえるものか」二百三高地の激戦を生きのびた男はそうつぶやいた……。シベリア出兵で戦死した兵士の遺族を助ける説教寅の男気を描く表題作「初湯千両」など、華やかな大正ロマンの陰で、時代の大きなうねりに翻弄される庶民に対する、粋でいなせな怪盗たちの物語六編。誇りと信義に命を賭けた目細の安吉一家の大活躍。堂々の傑作シリーズ第三弾。
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何とも切ない大正時代の風景が
浮かんできます。
松蔵をはじめ登場人物がみんな個性的で
カッコいいのがいい~⤴️
浅田次郎ワールドを堪能できました❗
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全シリーズ無我夢中で読み終えて
涙あり笑いあり
こころの中に
新たなヒーローとヒロイン
が刻み込まれた感じです
40代、50代、60代
70代と読み返して
歳を重ねた自分が込み上げる感情に
出会ってみようと思います
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粋でいなせ。男という商売、職人としての意地という言葉。そして、道化の恋文に涙咽ぶ。
心意気というものをふんだんに感じるダンディズムの宝庫。されどそれは、生物学上の男性にあるものでは無く、おこん姐さんも体現している。それを考えると、任侠も簡単なジェンダーでは無く、ここでいうダンディズムも、ジェンダーに阻まれるものでもないのかと思う。
多様性時代だからこそ、逆にこうした男気という価値観もあって良いのではないか。そしてそれを残していくことも大事ではないか。
本当の男気は、ジェンダー差別を作るものでも何でもないのかも知れない。
ただ、その流儀を押し付けてしまったら、単純なパワハラになるのだろう。本当の仁義に生きる者は、安っぽい破天荒とかパワハラ、セクハラはせずに、道を生きることにつながるのだと思う。
どんな流儀で、ルールで動くのか。主義主張を知りつつ、どう折り合いをつけるのか。集まる人たちの共通の価値観、優先すべきルールをどこに置くのか、それが大事な気がする。
私の好きな主義は、まさにこの仁義の世界だが。。、
最近のドラマの、不適切にもほどがある!
を観てみたいと改めて思う。
そして、アウトローに惹かれるのは、体制側の偏った正義から自由になって、生きる人達を描くからなのかと思う。
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解説中村勘三郎氏!!ドラマもう一度見たい。。
6章からなる今作
常兄の存在が只々恐ろしい。。
化け物と呼ばれるにふさわしいエピソード。
人の死についての物語が多かったが
生き方、人生について考えさせられる。。。
寅兄の過去、セリフが染みる。。。
4夜、5夜、格好良い死に際だと思った。
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いやいや、こんかいも素晴らしかったす。物語としては、百面相の面目躍如たる共犯者とかもよかったけど、やっぱり好きなのは、心がほっこりする系。今回は後半3編ってことになる。目細の安が、トップの割に存在感がちょっと薄いかも、って思ってたところに、今回を締めくくる銀次との絆話。ぐっときました。
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シリーズも3巻目になるとだれるかと思いきや、とんでもなかった!道化の恋文もよかったけど、大泣きしたのは「銀次蔭盃」でした。天切り松も目細の安も、男の中の男!地獄より恐れられたかつての網走牢獄の描写も素晴らしかったです。忘れられない話がまたひとつ。読書って素晴らしい^^
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このシリーズは本当に、読めば読むほど面白くなっていく。
特に、1巻からずっと通して読んできた身としては、最後の「第六夜 銀次蔭盃」は否応なく引き込まれる名編で、このシリーズの最初で舞台から去っていってしまった仕立屋銀次が再登場する。そして改めて読者の前から去っていくことになるのだが、極寒の網走監獄を舞台に銀次、目細の安、そして松蔵へと盃が受け継がれつながっていく流れに、思わず胸が熱くなった。見事な幕引き。
ただあまりに見事すぎて、このシリーズを全部読んでから改めて眺め直してみると、この次の4巻が「おまけ」のような印象になってしまうのは否めない。
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いつしか大事なモノを無くしてしまった人々に語りかける話は誇りと信義と命を賭けて生き抜いた目細の安吉一家の物語。
粋で人情溢れる彼らの話は心に直接語りかける。
早いものでシリーズ三作目を読み終えました。後一作だったかな?寂しいものです。
今回も文句無く面白かった。目細の安吉一家が生き抜いた時代を間近で感じる事が出来ました。
特に最後の銀次蔭盃(ぎんじかげさかずき)が泣けました。気が付いたら涙が出てて、人前だったので涙を抑えるのに苦労しましたよ。。
親と子。そこに血の繋がりがなくとも心の繋がりは血よりも濃く、そして固い。
人と人をこうも結びつけるものだろうかと胸が締め付けられる思いでした。
銀次と安吉。
そして安吉と松蔵。
出世するより、金を稼ぐより、大事な物を改めて教えて貰いました。
親が子に思う事。そして子が親に思う事。
そこには決して変わる事の無い思いが流れているのでしょう。
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全部よかったけど特に第三夜の宵待草がよかった。
おこん姐さんは竹久夢二に出会う。彼女はこの画家に憧れていた。すると絵のモデルになって欲しいと頼まれる。おこんは喜んで引き受ける。すると、つぎにクリスマス・イヴの予定をきかれてデートに誘われる。その誘われ方がすごく気障!
「だったら僕とランデブーをしていただけませんか。駿河台のニコライ堂が、とても美しいんです」
この一文を読むと、もう谷原章介しか思い浮かばなくて夢二さんは谷原章介で読んだ。おこん姐さんもメロメロになるな、と納得した。
夢二さんが過去を告白し昔の恋人の指輪をもらってくれという。すると、おこん姐さんは喝をいれて江戸弁丸出しになる。
その出来事が、おこん姐さんの魅力を描きたいと夢二さんの芸術魂に火をつけた。
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江戸弁で語られる痛快な話!
かっこいい大人たちがいい!
分かっていても泣いてしまう、人情話!
天切り松シリーズの大ファンです!
全巻一気に読めます。最高!
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また泣かされちゃうんだろうなあ、と期待にも似た諦めを持って読み始めた3巻目。
寅兄ぃみたいなのを、格好良いって言うんでしょうね。銭湯に行く兄ぃの背中が、リアルに見えるようでした。
人間って、捨てたもんじゃない。自分も、なんとかなるかもしれない。もっと、ちゃんとしよう。ひとに恥じないで、生きていられるように。どこかで、目細の安吉一家が、自分のことを見ているかもしれないから。
そんな気持ちにさせてくれる本。定期的に思い出す本です。
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とらにぃがかっこいい。あとつねにぃのあざやかさに惚れる。そして、栄治にぃの一本気な男っぷりに。おこんねぇの啖呵に。松と康太郎とか仁太とか。よすぎ。なにより最後の話の目細の安と仕立て屋銀治と松蔵の杯に惚れた。このはなしは、最後まで語らず悟らせるという部分があるのが素敵だなぁ。
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このシリーズは2000年前後に書かれ、バブル崩壊の殺伐とした現代と同じ不況ながら大正時代の比較という面を持ちますが、現在の格差社会という部分も既にテーマとして入ってるようですね〜
「初湯千両」「共犯者」「宵待草」「大楠公の太刀」「道化の恋文」「銀次蔭盃」の6夜。一家のメンバーのエピソードも2、3回目となるとインパクトが弱くなる。この中で一番好きだったのは「共犯者」。見事に落とされました(笑)・・書くとネタバレになるしな〜(^_^;)
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今回も面白かった。このシリーズで1番好きな話が多かった気がする。
「道化の恋文」の親子関係が良かった。仁太いいやつだ。幸せになってほしい。淡い恋の話も良かったけど、何よりもサーカスでのお父さんの演技は泣ける。
そして「銀次蔭盃」は涙無しでは読めない。今までは百面相の常兄が1番かっこいいと思ってたけど、目細の安吉親分が断トツだった!かっこよすぎるでしょ。周りで何と言われようとお金とか出世ではなく、親分のことを1番に思える安吉親分はかっこよすぎました。
そして大事な盃が嫌な奴に渡らなくて本当に良かった!
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シリーズ3巻目ですね。ひょっとしたら一番の出来かな。
もはや語ることが無いですね。
大正ロマン、ピカレスクロマン、男伊達、気風、義理人情、そんな言葉に惹かれる人は是非どうぞ。
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時系列が段々わけわからなくなってきた。
「初湯千両」
寅弥の魅力が余すところなく書かれてる。
彼の過去も明らかになった。
「やっぱり寅兄ィが一番格好いいや……」
「説教寅か……好きだな、俺。何だかファンになちまった」
「共犯者」
あの人もこの人も、全員そうだったのか……!?
信じがたいし、底の知れない恐ろしさを一家も感じているだろう。
ラストの松蔵と安吉のやりとりがほほえましくて好き。
「宵待ち草」
男にペースを崩されるおこん姐さんといいうのが面白い。
山形有朋との関係とはまた違った魅力がある。
「大楠公の太刀」
格好いいひとしかでてこない。
なんとも甘酸っぱくて切ないお話。
「道化の恋文」
「銀次蔭盃」
周りが何と言おうと、親子の愛情は当人たち同士にしかわからない。
Posted by ブクログ
江戸末期~昭和の近世を舞台にした小説は、本当に浅田次郎の真骨頂ですね。
らしさが出ています。天切り松 闇がたりシリーズの第3巻です。
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―――「武勇伝なんぞするやつァ、戦をしたうちにへえるものか」二百三高地の激戦を生きのびた男はそうつぶやいた…。
シベリア出兵で戦死した兵士の遺族を助ける説教寅の男気を描く表題作「初湯千両」など、華やかな大正ロマンの陰で、時代の大きなうねりに翻弄される庶民に味方する、粋でいなせな怪盗たちの物語六編。
誇りと信義に命を賭けた目細の安吉一家の大活躍。堂々の傑作シリーズ第三弾。
威勢のいい江戸弁で天切り松に叱られると
不思議と背筋がのびる
今回は松蔵たちの話の中に森鴎外、永井荷風など
よく知る人物が出てきてテンション上がりますね
そして何度でも俺は言う。"黄不動"の栄治兄貴カッコよすぎ
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今回もリズムの良いべらんめえ口調にやられてしまいました。
何故か読み終わった後は優しい気持ちになる。
スカッと爽快感がある。
人情が溢れた毎日が、物語の中だけで起こる事だけにはしたくないですね。
所で、松蔵はいつお仕事デビューするのでしょうか!
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面白い!
江戸っ子かっこいい!!!
俺も東京生まれだったらなぁ。無理か。
「蒼穹の昴」とは違うジャンルだけど、
浅田次郎の代表作シリーズだと思う。
何度読み返しても感動できる傑作シリーズです。
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シベリア出兵で戦死した兵士の遺族を助ける説教寅の男気を描く表題作「初湯千両」など、華やかな大正ロマンの陰で、時代の大きなうねりに翻弄される庶民に味方する、粋でいなせな怪盗たちの物語。誇りと信義に命を賭けた目細の安吉一家の大活躍を描く。
このシリーズを通して読んで思ったのは、彼らは常に「弱き者のため」に動き、生きているということである。
彼らのように、誇りと信義に命を賭けて生きているような人の姿は、近年見かけることが本当に少なくなったように思う。
世のため人のために生きること、己の信義を貫くことの大切さ、素晴らしさを、このシリーズから教えてもらった。
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第3弾もいいですねぇ。ところどころ仁義を切るシーンがビビっとしびれます。じ〜んとくる感動度合いは前作より少なくなってますが安吉一家の面々のカッコよさが増してます。
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シリーズ3作目。今作でも、歴史上の有名人がわんさか出てきます。なんぼなんでもそれはちょっと・・・、という感も否めませんが、まぁアリなんじゃないでしょうか。んで、松蔵が語り始める場所の設定が、回を重ねるごとに凝りすぎになっていく気が・・・。そこがちょっと・・・。語る内容は、毎度すこぶる良いのですが。面白い作品だけに、細かいトコロが気になってしまうのです。気がつけば、松蔵はまだ「天切り」デビューしてないし。いつ仕事はじめるんだ?
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天切り松シリーズ3巻目。今回はホロリというよりは…「流石」と唸らされる話が多かった。安吉親分を始め、本当に…弱きを助け、強きをくじく心意気には感服だ。一本筋が通っている生き様には惚れ惚れする。華族のお姫様やらお大臣やら…上流階級の方々がチラチラ出てくるのも庶民の憧れをくすぐってくれた(笑)
Posted by ブクログ
天切り松シリーズ3巻目。前作「残侠」は少なからずマンネリ化していたが、第3巻はバラエティーに富んだ秀作揃いで、何を書かせてもソツなくこなす浅田次郎の実力が遺憾なく発揮されている。竹久夢二、森鴎外、永井荷風など明治大正を飾った文化人の稗史も楽しいが、一番のお気に入りはあっと驚くミステリー仕立ての「共犯者」。巻四「昭和侠盗伝」も読む。
Posted by ブクログ
シリーズ第3段。
安心して読める面白さ。いつもの面々、いつもの舞台。大正時代の華やかさ、オツだね。
恋に頬を染めるおこん姉さんが、可愛かった。竹久夢二にはっぱをかける男気(?)、恰好良し。
一番好きなのは、最終編「銀次陰盃」。
★3つ、7ポイント。
2017.10.20.古。
※好きになった小説作品について、もし映像化するなら・・とキャストを創造するのが好きなのだけれど・・
天切り松は、永六輔さん、、、、かな。
Posted by ブクログ
天切り松 闇がたりシリーズ第三弾。
初湯千両、共犯者、宵待草、大楠公の太刀、道化の恋文、銀次蔭盃の6編からなる。
1、2、3と続けて読んだせいで正直中だるみをしてしまったが、最後の銀次蔭盃にて、以前から気になっていた銀次親分との後日談が描かれシリーズを読む者を感動させて〆るあたりはさすが浅田さんである。
この後、第四弾で話は大正から昭和へ。
Posted by ブクログ
これぞ、ダンディ。
これぞ、ダンディズム!!
男子、必読の一冊ですね。
一番のお気に入りはタイトルにもなっている「初湯千両」
寅兄ィ、最高に格好いいです。
格好いいって言うのはこういうことなんだと改めて実感です。
寅兄ィの格好よさといい、目細の親分のやさしさといい、男のバイブルであると。
そして女性の皆さんにもぜひ読んでもらいたい。
男ってこういうところで格好よくありたいんだと知ってもらえれば嬉しいですね。