あらすじ
「武勇伝なんぞするやつァ、戦をしたうちにへえるものか」二百三高地の激戦を生きのびた男はそうつぶやいた……。シベリア出兵で戦死した兵士の遺族を助ける説教寅の男気を描く表題作「初湯千両」など、華やかな大正ロマンの陰で、時代の大きなうねりに翻弄される庶民に対する、粋でいなせな怪盗たちの物語六編。誇りと信義に命を賭けた目細の安吉一家の大活躍。堂々の傑作シリーズ第三弾。
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Posted by ブクログ
解説中村勘三郎氏!!ドラマもう一度見たい。。
6章からなる今作
常兄の存在が只々恐ろしい。。
化け物と呼ばれるにふさわしいエピソード。
人の死についての物語が多かったが
生き方、人生について考えさせられる。。。
寅兄の過去、セリフが染みる。。。
4夜、5夜、格好良い死に際だと思った。
Posted by ブクログ
このシリーズは本当に、読めば読むほど面白くなっていく。
特に、1巻からずっと通して読んできた身としては、最後の「第六夜 銀次蔭盃」は否応なく引き込まれる名編で、このシリーズの最初で舞台から去っていってしまった仕立屋銀次が再登場する。そして改めて読者の前から去っていくことになるのだが、極寒の網走監獄を舞台に銀次、目細の安、そして松蔵へと盃が受け継がれつながっていく流れに、思わず胸が熱くなった。見事な幕引き。
ただあまりに見事すぎて、このシリーズを全部読んでから改めて眺め直してみると、この次の4巻が「おまけ」のような印象になってしまうのは否めない。
Posted by ブクログ
全部よかったけど特に第三夜の宵待草がよかった。
おこん姐さんは竹久夢二に出会う。彼女はこの画家に憧れていた。すると絵のモデルになって欲しいと頼まれる。おこんは喜んで引き受ける。すると、つぎにクリスマス・イヴの予定をきかれてデートに誘われる。その誘われ方がすごく気障!
「だったら僕とランデブーをしていただけませんか。駿河台のニコライ堂が、とても美しいんです」
この一文を読むと、もう谷原章介しか思い浮かばなくて夢二さんは谷原章介で読んだ。おこん姐さんもメロメロになるな、と納得した。
夢二さんが過去を告白し昔の恋人の指輪をもらってくれという。すると、おこん姐さんは喝をいれて江戸弁丸出しになる。
その出来事が、おこん姐さんの魅力を描きたいと夢二さんの芸術魂に火をつけた。