浅田次郎のレビュー一覧

  • 輪違屋糸里(下)

    Posted by ブクログ

    新撰組土方歳三に愛された島原の大夫、糸里が悲しくて、強く女の道を生きていく物語。途中少し進まない部分があったが、一人称になると勢いがあった。

    0
    2022年06月06日
  • 夕映え天使

    Posted by ブクログ

    一番最後の「樹海の人」を読んだとき、村上春樹さんの、題名は「鏡」だったと思う、短編を思い出した。夜の校舎だったかで、壁の鏡に自分がうつっていたが、その表情がものすごい憎しみの表情で、怖くなって持っていたバットで鏡を割ったが、後でその場所に行ってみたら鏡などなかった。「樹海の人」は未来の自分が世をはかなんで樹海で自殺しようとするのに出くわしたと信じるようになった。自分は何のために生きるのか、自分とは何者なのか、自分自身の存在意義を考えさせられる。

    0
    2022年06月04日
  • 絶対幸福主義

    Posted by ブクログ

    幸せ(あるいは幸福感)とは何かというのは、古今東西いろいろな議論があるところだが、やはり「足るを知る」が真理と言う人が多いようだ。持っていないものを求めてあれがない、これがないと言うのではなく、持っているもの(健康だとか、三度三度の食事だとか、家族の笑顔だとか)に感謝をし、楽しむことが幸せの要諦。とかそんな話から始まって、浅田次郎得意の競馬談義、ラスベガス談義と続いて最後は手遊び風の時事エッセイまで蛇足が続く。第一章だけ抜き出して本にした方がいい気がする。

    0
    2022年05月15日
  • 見知らぬ妻へ

    Posted by ブクログ

    浅田次郎の短編集。
    この小説は過去と現在が逡巡する。自分が意図していないことに直面する、そんな過去を繰り返して現在がある。
    私達がいま目の当たりに幸せ/不幸せも実は凄く脆いもので、しばらくすると全く変わっているかもしれない。
    そんな当たり前のことを今一度認識させてくれる一冊。

    0
    2022年05月01日
  • 中原の虹(3)

    Posted by ブクログ

    20世紀前半の中国を描く蒼穹の昴シリーズ、第三弾の3冊目です。孫文が革命政府である中華民国を建国し、満州に張作霖が軍閥を作る中、清王朝は滅亡へと向かいます。そんな中、袁世凱は予想外の方法で宰相になろうとしていきます。意外と本作では、革命の立役者であった孫文についてはほとんど触れていません。設立したての中華民国がどこに向かうのか?張作霖との衝突が起きるのか?最終巻に期待です。

    0
    2025年12月21日
  • 地下鉄に乗って 新装版

    Posted by ブクログ

    いまや世界的大企業へと発展した会社の創業者・小沼佐吉。家庭でも暴君だった佐吉の次男である小沼真次は幼いころ、兄がくり返した佐吉への反発をよく目にしていた。しかし、その反発がこじれて兄が自殺を遂げてしまったことを機に、真次の父親への反感は決定的なものとなる。大人になっても親の会社を継ぐことはなく、地下通路の一角に事務所を構える小さな会社で働く真次。そんな彼は、ある日、高校時代の書道の先生だった野平と偶然出会うことになる。その出会いのときをきっかけにするように、彼は時間を超える経験を幾度として、本当の父親の人生を知ることになっていく。

    1994年の作品です。崩壊したバブル景気の毒々しさの名残が色

    0
    2022年04月05日
  • 夕映え天使

    Posted by ブクログ

    この作品を批判する気は毛頭ない。
    でも、書店でこの作品を買おうと思ったのは帯に「泣かせの浅田次郎史上最多涙小説!」と派手に書いてあったから。
    それなのに、私は6編のうち1つも泣けなかった。

    0
    2022年03月10日
  • 地下鉄に乗って 新装版

    Posted by ブクログ

    再読。
    のはずなのに、全く覚えておらず、読んでなかったのかもしれない。それはともかく、胸がきゅーんとなった。
    みちこさん、それはあんまりだ…。
    自分が登場人物の一人だったら、どうだったかと考えると、ため息しか出ない。
    生まれ落ちた時代、環境で、とにかく生きるしかなかった人々。生きのびるために、手段を選んでいられないことも。
    重苦しい気持ちになったけれど、読めてよかった。

    0
    2022年02月28日
  • 君は嘘つきだから、小説家にでもなればいい

    Posted by ブクログ

    著者の生い立ちや子供の頃のエピソード、競馬への思いが描かれている。
    物心ついた時からいかに書くこと、読むことが好きだったか。
    けれども日の目を見るまでに時間がかかった事などが書かれていて、浅田次郎のエッセーといえば近年のものしか読んでいなかった私としては若かりし頃のエピソードが新鮮でした。

    0
    2022年02月27日
  • 夕映え天使

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    三十代の女です。
    帯の煽り文句のように泣くことはおろか涙ぐむこともなく、共感することもあまりなかったです。ただ、読み終わってから思い返すことが多い小説でした。

    特に印象的だったのは、地球最後の日を描いた『特別な一日』でした。たった一日にフォーカスを当てることによって、彗星の衝突が避けられないと知ったときのことやこの三年をどう生きようかと苦悩したであろう人々の思いを想像する余白があり、たくさんの登場人物に思いを馳せることができました。
    ひとりぼっちで世界の終わりを受け入れる方もいるようで切なく思いつつも、この一日こそがその人の生き方の集約のように思えたりもしました。でも、人生をそんな一日ごとき

    0
    2022年02月21日
  • 地下鉄に乗って 新装版

    Posted by ブクログ

    兄が死んだあの日へ…地下鉄の駅の階段を上がったら、そこへいた。
    兄を助けられるかもしれないと…
    あの日から家族には亀裂が入り、やがて傲慢な父に耐えかねて家を飛び出した真次は、地下鉄で過去に戻ることを愛人のみち子と共に辿る不思議な体験をする。
    過去を遡るうちに出会う人たちの強さ。
    そして若かりし父に何度も出会う。
    ずっと憎んできた父。そして母との人生を知る。
    そして…最後に知る残酷な運命が…

    2022.2.19

    0
    2022年02月20日
  • プリズンホテル 2 秋

    Posted by ブクログ

    季節は秋となり、警官が慰安旅行としてプリズンホテルにやってくるところから物語が始まる。

    仲蔵の親分を中心に、大スター真野みすず、うだつが上がらないまま定年を迎える警官ナベ長の絡み合った過去が明らかになる。主人公はしばし蚊帳の外に。

    他の登場人物の過去と現在の二軸で深堀がなされた一冊。

    0
    2022年02月19日
  • 月のしずく

    Posted by ブクログ

     有名な「ラブレター」でも涙を搾った浅田次郎。女性の心情すらおてのもの、なはずが、微妙にズレているように思う。特に表題作『月のしずく』はどうなの?ファンタジーと言われればそれまでなんだけれど。

    0
    2022年02月09日
  • 夕映え天使

    Posted by ブクログ

    いくつかの短編で構成された小説

    時代背景の匂いがしてきて、没頭するとこが出来た。

    あとがきにもあったように浅田次郎が三島由紀夫の自死を経て自衛隊に入隊したのは知らなかった。

    0
    2022年01月31日
  • 夕映え天使

    Posted by ブクログ

    「最多涙小説!」

    うーむ。
    泣けない。。。

    時代背景の古さや、
    登場人物の年齢などから、
    感情移入できない。

    この本だけでなく、
    浅田次郎が合わないのかも。

    0
    2022年01月30日
  • 月下の恋人

    Posted by ブクログ

    不思議な話が詰まった短話集

    個人的に気に入ったのは、少年2人が遊園地のお化け屋敷でバイトする話でした。

    作中に出てくるヒロインポジションの女性全員が、かなりの美人という設定でした。美人じゃないと何か問題があるのか…?つまらないのか…?と考えました笑

    0
    2022年01月18日
  • 君は嘘つきだから、小説家にでもなればいい

    Posted by ブクログ

    題名から小説家指南書かと思い読んでなかった
    エッセイ集だった
    自著関連、競馬関連、歴史物関連と多岐
    久しぶりに浅田次郎読んだけど、やっぱり面白い
    頭に馴染みがいい文章
    読んでいて心地よい
    天子蒙塵にも早いとこ取り掛かりたい

    0
    2022年01月17日
  • 中原の虹(2)

    Posted by ブクログ

    西太后の人生が終わるとともに、清王朝も終わりを迎えようとしている。

    それぞれの天命の下、時代も動く。

    文秀が登場するだけでホッとする。

    0
    2022年01月13日
  • プリズンホテル 1 夏

    Posted by ブクログ

    最初のホテルの注意書からやられたなこれ(笑)
    しかし、やはり初期作品だけあって、後期の作品の方が圧倒的やな。ただ、浅田さんぽさもあって、なかなかくすぐられる!

    0
    2022年01月11日
  • プリズンホテル 3 冬

    Posted by ブクログ

    止まらないプリズンホテル月間。

    早くも3作目。
    今回もまぁ濃いキャラクターオンパレードです。
    有名な登山家、救急医療に疲れた百戦錬磨の看護婦、安楽死治療をした医師、自殺志願のいじめられっ子。
    様々なストーリーが交差しながらも、プリズンホテルの不思議な力によってみんながそれぞれの形で癒されていく。

    ただ、3作目にして少し思ったのは、特に本作はプリズンホテルの醍醐味であるやくざサイドのドタバタが少し影を潜めていいること。
    個人的には一般人とやくざとの巧妙なやり取りが好きなので、少しだけ残念でした。もちろん楽しめましたが。

    次はラストです。今から読むのが楽しみです。

    きっと皆さん楽しめると思

    0
    2022年01月06日