浅田次郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
JALの機内誌「SKYWARD」連載されていたエッセイをシリーズとしてまとめたもの。コロナ禍のさなか、食や旅についてのエピソードがユーモラスに語られている。
自らの私生活や生い立ち、病気、旅先での失敗談などをネタに、旅行中の読者の笑いを誘い、リラックスさせるサービス精神旺盛な内容になっているが、中国歴史通の著者ならではの故事来歴も披露され、知性や気品が感じられる。
昔のことばかりしゃべる爺さんを若者たちが「ノスタルジジイ」とネーミングしたという話はまことに言い得て妙であり、自戒の言葉としたいと思った。
少年時代からマスクをかけていたことで、マスクに親和性があったこと、ステロイドが肺の炎症に劇的に効いたが、血栓が生じやすいという恐ろしい副作用があること、中国は老人を敬い、親に尽くし、「老」という言葉そのものが敬語を意味するなど、興味深いうんちくも多かった。
-
Posted by ブクログ
競馬場で偶然知り合いになった老人から託された手帳には、戦時中に旧日本軍が隠したマッカーサーの財宝の行方が。というようなあらすじを本の帯で読んだのでそのつもりで買ったのですが、いやはやとてもそんな一筋縄ではいかないですぞ。ストーリーは二転三転、いったいどのように決着させるつもりなのかとドキドキしてしまう。手帳が残されている現在という視点と、過去に財宝を隠そうとしている人々の視点がかわるがわる出てくるわけだけど、その何というか落差のよなものの処理の仕方がよい。終戦間際の日本という現在から見るとまるで異空間のような世界が眼前にすっと広がっていくのですね。
序章に出てくる少女たちの運命はかなり早い時点で暗示されているのだけれど、読みすすめば読みすすむほどどうしてそんなことになってしまうんだろうという疑問にとらわれてしまう。どう考えたってそんなことになるわけないじゃないかと。戦争というものの持っている狂気について考え込んでしまうあまりにも過酷で美しいラストシーンまで気をゆるめることなくひたすらに読むべし -
Posted by ブクログ
感想
色々な他人から話を聞く方が客観性が増すし、様々な視点から人物を見れるから評価された作品なのかな。
どれにも共通するのは貫一郎は、真面目で筋が通った優しい男であったということか。
あらすじ
斎藤一によって吉村貫一郎の相当な腕前と谷三十郎を屠ったことが語られる。その後、会津の戦で自身が落ち延びるまで。
その後、吉村の主筋の大野次郎右衛門の千秋が、貫一郎およびその息子の嘉一郎について語る。
大野の中間だった佐助が、貫一郎が東京で食い詰めている時に会い、新撰組入りを進めたことを明かす。その後、貫一郎が伏見の戦いから命からガラ南部藩の屋敷に戻り、次郎右衛門に命乞いしたことが語られる。
次郎右衛門が切腹を言い渡し、次の日に貫一郎は南部藩屋敷で切腹して果てる。その後、次郎右衛門が官軍に立ち向かった罪で打ち首になる。
居酒屋の主人が語る新撰組最後の戦いである五稜郭の戦い。そこに南部訛りの若者が参戦したいと駆けつける。嘉一郎だった。嘉一郎は五稜郭の戦いで果てる。
その後、貫一郎の末息子の同じ名前の貫一郎が帝大を退職して、盛岡農学校に赴任する際に自分が父や兄について覚えていることについて語る。 -
Posted by ブクログ
感想
吉村貫一郎と南部藩の話の調査?などはよくできているが、読んでいっても吉村には特別感情移入ができないので、ふーんという感じになってしまった。
斎藤一の語りの段は面白かった。ほぼ最後だけど。
あらすじ
鳥羽伏見の戦いで敗れ落ち、脱藩した南部屋敷に吉村貫一郎が命乞いするところから始まる。
吉村は新撰組に加わった頃から腕は立ち、学もあったことから役付きとなる。しかし、隊内でも金にうるさく、それを全て妻に仕送りしていたことが明かされる。
吉村が南部藩にいた頃は藩校の指南役を務めていたが、階級社会であり、役料はもらえない苦しい境遇の上、脱藩したことが明かされる。
新撰組については、伊東粛清から二条城、鳥羽伏見の戦いまで。
斎藤の語りは試衛館の入門から壬生まで。