浅田次郎のレビュー一覧

  • 中原の虹(4)

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    思い立って「蒼穹の昴」から読みだして9冊をこなすのに、3週間かかった。しかし、この3週間で今までほとんど知らなかった日清日露戦争頃の中国のイメージが、頭に浮かぶようになった。
    そもそも学校教育では、このあたりは授業ではほとんどやらない(やる時間がない)ので、張作霖はその名前しか知らなかった。その実像と小説上の造形が真実としてはかけ離れたものであったとしても、史実として、何を為した人なのかについて、こういった小説によって興味をいだき、自分の眼でもう一度見直しておこうという人を増やす効果は大きい。

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    2018年10月14日
  • 天切り松 闇がたり 第三巻 初湯千両

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    シベリア出兵で戦死した兵士の遺族を助ける説教寅の男気を描く表題作「初湯千両」など、華やかな大正ロマンの陰で、時代の大きなうねりに翻弄される庶民に味方する、粋でいなせな怪盗たちの物語。誇りと信義に命を賭けた目細の安吉一家の大活躍を描く。

    このシリーズを通して読んで思ったのは、彼らは常に「弱き者のため」に動き、生きているということである。
    彼らのように、誇りと信義に命を賭けて生きているような人の姿は、近年見かけることが本当に少なくなったように思う。
    世のため人のために生きること、己の信義を貫くことの大切さ、素晴らしさを、このシリーズから教えてもらった。

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    2011年03月09日
  • 地下鉄(メトロ)に乗って(特別版)

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    ネタバレ

     正直主人公にとってはバッドエンドだったかもしれない。決してハッピーエンドではなかったと思う。正直これからの行動にかかっている時に終わってしまって残念。
    今までのことがただ経験した事というだけだったので、経験した事を生かせてない主人公、もしくはそこまで書かなかった作者に失望した。過去は変えられなくても未来は変えられるのに、そうしなかった。みんなが不幸のままの気がする。
    でも他の登場人物から見るとまた違った結果で面白いと思うので、何度も読みたいと思う。
    あと、個人的にハチ公がどうなったのかがとても気になる

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    2011年01月30日
  • つばさよつばさ

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    一時、よくJALの飛行機を利用していた。
    国内線での楽しみはかなり限られる。
    特に古い飛行機となるとなおさらだ
    さらに、持ち込める手荷物も限られる。
    そうなるとどうしても機内誌を熟読することになる。

    そんなJALの機内誌に連載されているエッセイを
    まとめたのがこの1冊。
    現代を代表する大衆小説家である浅田の筆ということで
    筆致は軽妙、楽しく読める1冊となっている。

    とにかく、読み終わるとアメリカのステーキと
    本場北京での北京ダックが食べたくなってしまうのと
    博打を打ちたくなるのがこの本の困った効能だろうか。

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    2011年01月04日
  • 椿山課長の七日間

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    死なんていつもそこにあって、本当に突然やってくるのだ。
    知らなくていいことを知ろうとして、それでも傷ついてしまう人間てやつは
    愚かで哀しくやっぱり愛おしい。

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    2019年01月16日
  • 中原の虹(3)

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    時代が変わっていきます。思い入れがある人たちがどんどんいなくなっていって寂しいです。春児と春雷の再会がすごく気になる!

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    2019年01月16日
  • 中原の虹(3)

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    清帝国は終焉を迎え、袁世凱が姑息にも、中華民国の初代大統領にならんとする。張作霖は東北に独立国を立ち上げようとする。まさに歴史の転換点である。

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    2019年01月16日
  • 地下鉄(メトロ)に乗って(特別版)

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    不思議で悲しい物語。 映画化されているみたいで、登場人物、立ち上がっていく日本がどのように描かれているのか、映画が見たくなりました。

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    2010年11月23日
  • 地下鉄(メトロ)に乗って(特別版)

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    確執のある父と息子が、息子が父の若かったころにタイムスリップして、父の半生を垣間見ることで、理解を深めていくという内容です。賞をとっている作品ということだけあって、面白かったです。

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    2010年11月06日
  • 月のしずく

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    映画とかになった長編のイメージから、あんまり僕にはわへんのとちゃうかとおもってたけど
    ひょうんなことから、映画にもなった「鉄道員」を含む短篇集を読み、気にっても一個読んでみた。

    すばらしい。
    うまくは表現できないけど、なんとも、心にひっかるものがあり
    なんとも言えない余韻が読後に残る。

    これが、6つも7つもあるんだからたまりまへんな。

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    2021年02月20日
  • つばさよつばさ

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    JALに乗ったときの機内の一番の楽しみがこのエッセイを読むことかも。今月はどんな内容かな~と期待しています。くだけた文章で結構一人笑いしています。小説とエッセイと書き分けているんだろうな。

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    2010年09月23日
  • 薔薇盗人

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    浅田次郎って「畜生、泣かせよう泣かせようとしやがってくそがあああ」とか思いながらまんまと泣いてしまうんですが、「あじさい心中」みたいなあんまり救いがない話が、なんかとてもよかったです。

    表題作も嫌いじゃないけど他のが面白かったかな。
    「ひなまつり」は泣きましたよ。はいはい。卑怯だろ、子供は。

    しかしなんとかならんのかこの表紙。解説のひとが浅田と三島の由来を語ってたがこれじゃまんま三島の本みたいだ。内容にあってないだろう…。

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    2010年09月14日
  • 活動寫眞の女

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    美しすぎて女優になれず未練を残した女。
    全体的にセピアなんだけど所々鮮やかな赤が入るイメージ。
    京都弁が美しい。
    ひっそりと余韻を残していく雰囲気が好き。

    昔の日本映画が好きな人は細部の説明も楽しめそう。

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    2010年08月26日
  • つばさよつばさ

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    機内誌で連載されていた「旅」をテーマにしたエッセイ集。4~5ページで終わるものばかりで気軽に読めます。でもそのページ数に反して、内容はぎゅっと詰まっているので読み応えあり。どれもすてきなエッセイでしたが、特に、「他人の空似」で言葉について考えさせられ、「星を狩る少年」で胸があったかくなりました。

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    2012年08月26日
  • 蒼穹の昴(2)

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    次巻もはまって読みました。

    <本の紹介>
    官吏となり政治の中枢へと進んだ文秀。一方の春児は、宦官として後宮へ仕官する機会を待ちながら、鍛錬の日々を過ごしていた。この時、大清国に君臨していた西太后は、観劇と飽食とに明けくれながらも、人知れず国の行く末を憂えていた。権力を巡る人々の思いは、やがて紫禁城内に守旧派と改革派の対立を呼ぶ。
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    よくある話といえばそれまでなんですが、旧体制を牛耳る奴らが出てきて、その体制の中で"使える"人たちが活きなくなってくると体制の維持ができなくなる。「良禽は木を選ぶ」。頭のいい人達ほど、組織に本当に必要になる人達ほどその組織が腐る前に

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    2020年01月13日
  • 勇気凛凛ルリの色 満天の星

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    「…個人的な苦悩ばかりを訴えていた。
    おのれの会社がいったい世間様にどれだけの迷惑をかけたのか分かっていれば、自分の悩みなど口が裂けても言えぬはずである。
    はっきり申し上げれば、彼らはそれぞれに山一証券という企業で飯を食っていたのである。自分たちの会社が何をしたか、すなわち自分たちが会社に対して何をしたかということが、まるで頭にない。
    年齢通りの大人であるのなら、まず自分の痛みより先に顧客の痛みを、会社の痛みを斟酌すべきである。」
    (「大人について」より)

    「アメリカは正義を信奉する国であるが、アメリカ人の正義が人類の正義ではない。むしろ正義というモラルは、個々の民族の文化の上に成立している

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    2010年04月19日
  • 勇気凛凛ルリの色 四十肩と恋愛

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    このシリーズ、だいぶ好き。
    どっちかっていうと、前の『勇気凛凛ルリの色』の方が印象深いけど、
    『メトロに乗って』も『蒼穹の昴』も読んだことないけど、
    これ読むと、「人間が書いてる!!!!」て思う。
    すーごくおもしろいし、考えさせられるし、ウルっとくるし、唇を噛みしめて憤るし。
    この人の頭の中が、感性が、だいぶ好き。
    山川君、貸してくれてありがとう!
    危うく私物化しそうな勢いだったけど、必ず返します。。。

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    2010年01月20日
  • つばさよつばさ

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    40編すべてなかなか良い話であるが、中でも印象に残ったのは「ありがとう」に出てくる日本の青年である。ロサンジェルス空港で欠航便が出た時に、日本の青年が何もせず、ただ、廻りが(あるいは航空会社が)なんとかしてくれるのを待っている。日本ならこんな時、航空会社が親切に対応してくれるのかも知れない。しかし、ここはアメリカ、「自己責任」の国である。自分で次善の策を考え、チケットを取り変える方法を考えなければならない。結局、浅田氏の同行者が八方手を尽くしてチケットをとってやるのだが、そのあいだもその若者は人ごとのようにボーっとしている。極端な例ではあるが、これが甘ったれた現代日本人の姿だ。最近の日本の姿は

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    2010年01月18日
  • 勇気凛凛ルリの色 福音について

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    浅田次郎3作目エッセイ。笑いあり、感動あり。エッセイに一つの物語のような起承転結があり面白かった。ただの日記に成り下がらず、一つ一つの物語を楽しめるエッセイは初めて。

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    2009年12月12日
  • 薔薇盗人

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    相も変わらずいい話を書きますわ・・・・浅田次郎。
    短編集ですが、登場人物が素敵な人ばっかです。
    グっと伝わってくる物があります。

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    2009年12月05日